日中に眠気が強まったり、朝すっきり起きられなかったりすると、「疲れやすい」「睡眠時間が足りない」と感じてしまう方が多いかもしれません。

しかしその原因の背景には睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性があります。

自分の状態を見極めるためには自宅で行うセルフチェックが大切です。

この記事では睡眠時無呼吸症候群に関する概要から専門医受診の目安まで、詳しく紹介します。

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群とは眠っている間に呼吸が何度も止まる、または浅くなる状態を指します。

本人は気づきにくく、周囲から「いびきが大きい」「呼吸が止まっている」と指摘されて初めて知るケースも多いです。

まずはどのような仕組みで発生し、どのような症状が生じるのかを理解することが重要です。

睡眠時無呼吸症候群の特徴的な症状

首まわりの筋肉や喉の奥の空気の通り道が狭くなると呼吸停止を引き起こしやすくなります。

特徴的な症状として睡眠中のいびきや呼吸停止だけでなく、以下のような点が挙げられます。

  • 夜間の頻繁な覚醒
  • 起床時の強い倦怠感
  • 日中の強い眠気
  • 集中力の低下や頭痛

体に十分な酸素が行き渡らない時間帯が繰り返されるため心臓や脳への負担が増すことも知られています。

睡眠時無呼吸症候群の主な症状

症状具体例
睡眠中の呼吸停止いびきが大きい、呼吸が途切れる
夜間の断続的覚醒何度も目が覚める、トイレに起きる回数が増える
朝の倦怠感起きても疲れが取れていない、熟睡感がない
日中の眠気・集中低下会議中や運転中に強烈な眠気、仕事のミス増加
頭痛後頭部や頭全体に重さや痛みを感じる

夜間にこれらの症状が重なると睡眠の質が低下します。

自分では「しっかり寝た」と思っていても実は短時間の呼吸停止を繰り返し、熟睡できていない可能性があります。

原因の種類と影響

原因としては肥満や首まわりに脂肪がつきやすい体型、鼻詰まり、顎が小さい骨格などが代表的です。

飲酒や喫煙、加齢なども気道の弾力性を低下させて症状を悪化させる要因になりやすいです。

また、睡眠時無呼吸症候群は身体的だけでなく精神的な不調を引き起こすこともあります。

日中に強い眠気が続くと仕事や学業のパフォーマンス低下だけでなく、イライラや気分の落ち込みを招きやすいです。

さらに放置すると血圧が上昇しやすくなるため高血圧や心筋梗塞、脳卒中などのリスクが高まります。

睡眠時無呼吸症候群の原因に多い要素

  • 首まわりの肥満や脂肪蓄積
  • 顎の骨格の問題(下顎が後退しているなど)
  • 鼻詰まりやアレルギー性鼻炎
  • 飲酒や喫煙などの生活習慣
  • 加齢による筋力低下

原因が複合的に重なっている場合は症状が強く現れやすいです。

1つだけでなく複数の原因がある可能性を考慮しながら自分に当てはまる要素を見直しましょう。

重症度による分類

睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に無呼吸や低呼吸がどのくらいの頻度で起こるかによって重症度を分類できます。

無呼吸が多いほど心臓や血管、脳への影響が大きくなる傾向があります。

医療機関では「無呼吸低呼吸指数(AHI)」と呼ばれる数値で重症度を把握します。

これは睡眠1時間あたりに無呼吸や低呼吸が何回起こるかを示した値です。AHIが高いほど健康リスクが高まります。

放置するとどんなリスクがあるのか

睡眠時無呼吸症候群を放置すると、さまざまな疾患やトラブルが起こる可能性があります。

単なる睡眠不足では片付けられない、深刻な影響も考えられます。

ここでは具体的なリスクやその背景を詳しく解説します。

心血管系への影響

睡眠時無呼吸症候群により断続的に酸素が不足すると血圧が上がりやすい状態に陥ります。高血圧は心筋梗塞や脳卒中などの重大な疾患のリスク因子です。

さらに、夜間に心臓へ負担がかかり続けるため、心不全などのリスクも高くなる可能性があります。

心血管系と睡眠時無呼吸症候群の関連

心血管系疾患睡眠時無呼吸症候群による影響
高血圧夜間の酸素不足や交感神経の緊張が持続
心筋梗塞酸素不足と血管の収縮ストレス
脳卒中血圧上昇と血管のダメージ蓄積
心不全心臓への負荷増大によるポンプ機能の低下
不整脈酸素不足と自律神経の乱れによる拍動異常

このように全身の循環に関わる重大な問題を引き起こす要因になり得ます。特に高血圧のある方は注意が必要です。

日常生活への悪影響

寝不足に近い状態が続くため仕事や学業において集中力が低下しやすくなります。

運転中の居眠りや判断力の低下が発生すると交通事故の危険性が高まります。

また、記憶力や学習意欲の低下により、生活の質(QOL)も大きく損なわれる可能性があります。

日常生活で起こりやすいトラブル

  • 仕事中の居眠りやミスの増加
  • 車の運転中の居眠り運転リスク
  • 子どもの場合、学習能力や集中力の低下
  • 朝方の頭痛が原因で遅刻や欠勤が増える
  • 家族や周囲との対人関係が不安定になりがち

これらは本人だけでなく周囲の人にも影響を及ぼします。

安易に「疲れているだけ」と考えてしまうと、重要なサインを見逃しかねません。

その他の合併症リスク

血中酸素濃度の低下と断続的な覚醒が続くと糖代謝の乱れやホルモンバランスの崩れも起こりやすいです。

その結果、糖尿病やメタボリックシンドロームとの関連も指摘されています。

体重増加や内臓脂肪の蓄積が無呼吸症候群を悪化させ、さらに睡眠が妨げられるという悪循環が生じることもあり、早めの対策が必要です。

睡眠時無呼吸症候群をセルフでチェックする項目

睡眠時無呼吸症候群かどうかを判断するには専門医の検査が確実ですが、その前に自宅でできるセルフチェックが役に立ちます。

症状の有無や生活習慣を振り返り、該当する項目が多い場合は専門医の受診を検討しましょう。

自宅での観察ポイント

自宅で無呼吸症候群のチェックを行う際、家族やパートナーの協力も大切です。

自分ではわからないいびきの状態や呼吸の止まり方を確認することで受診の必要性をより具体的に把握できます。

自宅で確認しておきたいポイント

  • 就寝時にいびきが大きくないか、途切れるような呼吸があるか
  • 朝起きたときに口の渇きやのどの痛みがないか
  • 日中の眠気や集中力低下がどの程度続くか
  • 夜間に何度も目が覚める、トイレに行く回数が多いか
  • 家族やパートナーから「呼吸が止まっている」と指摘されたか

これらの項目を数日間にわたりチェックすると、ある程度の傾向を掴めます。

多くの項目が当てはまるほど睡眠時無呼吸症候群である可能性が高まります。

代表的なセルフチェック質問例

専門医が行う問診に近い形式で自分の状態を数値化すると判断がしやすくなります。

下表はエプワース眠気尺度(ESS)などを参考にした質問例です。

各質問に対して眠りに落ちそうな度合いを0~3で評価して合計点を求めます。

眠気に関する簡易セルフチェック例

質問項目0点:ほとんどない1点:時々ある2点:しばしばある3点:ほとんどいつも
静かに座って読書をしているときに眠くなる
テレビを見ているときにうたた寝しそうになる
会議や映画館など、公共の場で座っているときに
昼食後、横にならずに静かに休んでいるときに
車に同乗しているときにウトウトしそうになる
午後に座ったまま作業しているときに眠くなる
誰かと会話中に眠気を感じることがある
信号待ちや渋滞時、車を運転しているときにうとうと

合計点が高いほど日中の眠気の強さが示されます。

点数が高い人は睡眠時無呼吸症候群の可能性があるため、専門医への相談を検討するとよいでしょう。

チェック結果を客観的に把握するための工夫

スマートフォンのアプリやスマートウォッチなどの端末を活用すると夜間のいびきの録音や眠りの深さを大まかに測定できます。

ただしこれらはあくまで目安です。最終的な診断は医療機関で行う必要がありますが、自己判断する際の参考には役立ちます。

自宅で活用可能なツール例

ツール名特徴
いびき録音アプリ夜間のいびきを録音・分析。呼吸停止の有無が推測可
睡眠トラッカーベッドに置いて動きや呼吸音を簡易計測
スマートウォッチ心拍数やSpO2を計測し、酸素不足の可能性を推測
体組成計体重・体脂肪率の変化を追跡し、肥満のリスクを管理

これらを活用すると自分がどの程度睡眠時無呼吸症候群のリスクを抱えているかを把握しやすくなります。

チェック結果から考える専門医受診の目安

自宅でのセルフチェックによって「もしかしたら睡眠時無呼吸症候群かもしれない」と疑いを持った場合、どのタイミングで医療機関を受診すべきかが問題になります。

受診を後回しにすると重大な合併症のリスクが高まるかもしれません。

受診を検討すべき症状のレベル

日中の眠気が生活に支障を来すほど強い場合やチェック項目に多く該当する場合は早めに呼吸器内科または耳鼻咽喉科などを受診すると安心です。

特に夜間の呼吸停止を家族から頻繁に指摘されている場合や既に高血圧や心疾患を抱えている方は注意が必要です。

受診を考えたほうがよい具体的なサイン

  • 家族やパートナーから毎晩のように「呼吸が止まっている」と言われる
  • AHI(無呼吸低呼吸指数)の自己測定で数値が高めに出る
  • 日中の居眠りで仕事や家事に大きな支障が出ている
  • 既に高血圧・心臓病・糖尿病などを持っている
  • 休日に長時間寝ても疲れが取れず、疲労感が続く

こうしたサインがある特はセルフで様子を見続けるよりも専門医に相談したほうが安心です。

相談する診療科の選択

睡眠時無呼吸症候群を専門とする診療科は複数あります。呼吸器内科、睡眠外来、耳鼻咽喉科などが一般的です。

どこを受診するか迷った場合は、まずは内科やかかりつけ医に相談するとよいでしょう。

症状の度合いによって適切な専門科へ紹介されることが多いです。

主な診療科と対応内容

診療科対応できる内容
呼吸器内科呼吸障害全般を診断・治療。簡易検査機器の貸出
睡眠外来睡眠障害全般を専門的に評価・治療
耳鼻咽喉科鼻・喉の構造的問題が原因の場合の治療
内科・かかりつけ医総合的な相談が可能で専門科への紹介も行う

自身がどの診療科に行けばいいか迷う場合は、一度内科を受診して相談してみるとスムーズです。

早期受診のメリット

病院へ行く手間や費用が気になって後回しにしてしまう人もいますが、早期に受診したほうが治療期間が短く済む場合があります。

重度の睡眠時無呼吸症候群になると心血管系に大きな負担がかかり、複数の合併症が一気に進行することも考えられます。

状況を放置せずに早めに検査や治療を始めることで日常生活の質を高めるだけでなく、大きな病気を予防できる利点があります。

専門医が行う主な検査と診断の流れ

睡眠時無呼吸症候群の疑いがあるときは医療機関での検査と診断が必要です。

どのような検査を受けてどのように診断が行われるのかを知っておくと不安を軽減できます。

問診と簡易検査

初診時には生活習慣や症状について詳しく質問されることが多いです。

いびきの状況や日中の眠気の程度、既往症などを正確に伝えることで適切な検査内容が選ばれます。

簡易検査としては「自宅での睡眠検査機器の装着」が導入されるケースが一般的です。

問診でよく聞かれる事項

質問項目
いびきの状態大きさ、頻度、家族の指摘の有無
日中の眠気や疲労感どのタイミングで強い眠気を感じるか
既往症や生活習慣病の有無高血圧、糖尿病、心臓疾患など
体重や体型の変化過去数年での体重増加など
生活習慣飲酒、喫煙、就寝時間、起床時間

簡易検査では小型のモニターを装着して睡眠中の呼吸の回数や酸素飽和度などを計測します。

これにより無呼吸や低呼吸がどの程度の頻度で起きているかがわかります。

終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)

簡易検査で異常値が確認された場合、精密検査として終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)が行われる場合があります。

病院や専用施設で一晩かけて脳波や筋電図、心電図、呼吸の状態を詳細に記録します。これにより、無呼吸が発生する原因やタイミングが明確になります。

PSGで測定する主な生体情報

  • 脳波(睡眠段階の把握)
  • 呼吸の気流と胸腹部の動き
  • 心電図(不整脈の有無)
  • 酸素飽和度
  • 下顎や脚の筋電図

これらの測定結果を総合的に判断して睡眠時無呼吸症候群の重症度を分類します。

診断結果のフィードバック

検査のデータをもとに医師から診断結果と治療方針について説明があります。

重症度に応じて治療内容が変わり、生活習慣の見直しから人工呼吸器(CPAP)の使用まで幅広い選択肢があります。

検査結果を受け止める際には自分の体調や生活習慣と照らし合わせながら医師と十分に話し合うことが重要です。

治療法の選択肢

睡眠時無呼吸症候群の治療法は症状の重症度や原因に応じて多岐にわたります。

ここでは代表的な治療法とその特徴を紹介します。

CPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)

無呼吸症候群の治療で広く用いられる方法です。マスクから一定の圧力で空気を送り込み、気道が閉塞しないように保ちます。

重症度が高い場合は特に効果が期待でき、夜間の無呼吸状態を大幅に減らせます。

CPAP療法のメリットと留意点

ポイント内容
メリット無呼吸の発生を抑制し、睡眠の質を向上させる
副作用や留意点マスク装着時の圧迫感、口や鼻の乾燥感など
定期的な受診圧力設定の調整やマスクのフィッティングの確認
保険適用の有無条件を満たせば医療保険の対象になる

初めはマスク装着に慣れず睡眠に違和感があるかもしれませんが、多くの患者さんは数日~数週間で慣れてくるようです。

マウスピース療法

軽度から中等度の患者さんには歯科で作成するマウスピースを装着し、下顎を前方に固定する方法もあります。これにより気道が広がり、いびきや無呼吸が軽減されやすくなります。

CPAPに比べ、装置がコンパクトなので扱いやすいですが、顎関節への負担や個々の歯並びなどを考慮しながら調整が必要です。

マウスピース療法の特徴

  • コンパクトで持ち運びやすい
  • 下顎を固定して気道を確保する
  • 軽度・中等度向きで、重度には効果が不十分な場合がある
  • 個々の口腔内形状に合わせて歯科で作成する必要がある

寝返りが多い方や顎関節にトラブルがある方は他の方法と組み合わせる場合もあります。

外科手術

顎の骨格や鼻腔・咽頭の構造的な異常が主な原因になっている場合は外科的手術で気道を広げる選択肢もあります。

ただし、手術は体への負担が大きいため、その他の治療法では効果が見込めないケースなどに行われることが多いです。

外科手術には鼻腔を広げる手術や顎の骨を再構成する手術などがあります。

症状の根本原因を取り除く利点がありますが、術後の経過観察やリハビリテーションに時間を要する場合があります。

日常生活でできる予防と対策

睡眠時無呼吸症候群の治療では医療機関での専門的なアプローチだけでなく、日常生活の改善も大切です。

生活習慣を見直すことで症状を軽減し、再発リスクを下げられます。

体重管理と運動の習慣化

肥満は無呼吸症候群の大きな原因の1つです。体脂肪が首まわりにつくと気道が狭くなりやすいため、体重管理は重要な対策です。

有酸素運動や筋力トレーニングを継続して筋肉量を保つと呼吸筋の機能維持にもつながります。

体重管理に取り組む際のポイント

項目内容
運動の種類ウォーキング、軽いジョギング、スイミングなど
運動頻度週3~5回を目標に継続
食事バランス高タンパク・低脂肪を意識し、野菜を多めに
飲酒・喫煙の制限アルコールやタバコは気道を刺激し、悪化要因
睡眠時間の確保規則正しい就寝・起床時間を保つ

無理なダイエットではなく、長期的な視点で生活習慣をコントロールする姿勢が求められます。

就寝環境の整備

枕の高さや寝具の硬さ、部屋の温度や湿度など睡眠の質を左右する要素は多くあります。

気道を圧迫しない姿勢で眠れるように横向き寝を意識するのも1つの方法です。

また、空調管理を適切に行い、喉の乾燥を防ぐことも大切です。

就寝環境を整えるための工夫

  • 枕の高さを首が圧迫されない程度に調整
  • 横向き寝や抱き枕の利用で気道を確保しやすくする
  • 部屋の湿度を50%前後に保つ
  • 寝具は通気性の良い素材を選ぶ
  • 寝る直前の飲酒や大量の水分摂取は避ける

ほんの少しの工夫でも、いびきや無呼吸の頻度を減らして睡眠の質を高められます。

ストレスのコントロール

強いストレスを抱えると睡眠リズムが乱れ、無呼吸症候群を悪化させることがあります。

適度な運動やリラックスできる趣味を持ち、ストレスをうまく発散すると睡眠を深めやすくなります。

精神的な不調が続く場合は心療内科やカウンセリングに相談することも考えてください。

ストレスを避けることは難しいですが、うまく対処しながら睡眠の質を向上させることで症状の改善に近づきます。

専門医の受診を検討するタイミングとまとめ

睡眠時無呼吸症候群は軽度の段階ならば生活習慣の改善である程度コントロール可能ですが、症状が重度化すると命に関わる合併症のリスクが一気に増大します。

自宅でのセルフチェックや対策を実践した上で少しでも不安を感じるなら専門医の受診を検討したほうがよいでしょう。

放置しないことの大切さ

無呼吸症候群をそのままにしてしまうと高血圧や心疾患、脳血管障害などの重大な病気につながる可能性があります。

特に運転中の居眠りなどは一瞬の判断ミスが重大事故に直結するため、自分だけでなく他者に対してもリスクが及ぶ点を忘れないことが大切です。

受診が遅れた場合に起こりうるリスク例

リスク例具体的な影響
交通事故日中の眠気・集中力低下による運転ミス
重大な心血管疾患の発症心筋梗塞や不整脈など
日常生活の質の大幅な低下仕事・学業パフォーマンスの低下
対人関係の悪化いびきや疲れによる家族・周囲とのトラブル

こうしたリスクを回避するには早めの検査と治療が重要になります。

受診から始まる改善

専門医に相談すると無呼吸症候群のチェックを正確に行い、適切な治療法を選択できます。

CPAPやマウスピースなどを導入することで夜間睡眠時の呼吸障害を改善し、目覚めの爽快感を取り戻す人が多いです。

生活習慣の見直しや医療機器の使用は面倒に感じるかもしれませんが、改善した先に得られる健康状態や生活の快適さは想像以上に大きいものです。

専門医受診後に期待できる変化

  • 日中の眠気や疲労感の軽減
  • 血圧や血糖値などの健康指標の安定
  • 家族や職場での理解や協力体制が得やすくなる
  • 夜間のいびきが減り、周囲への迷惑が軽減
  • 自己管理能力の向上による自信回復

これらの変化を得るためにも睡眠時無呼吸症候群を軽視せず、適切なタイミングで医療機関を受診することが大切です。

まとめ

睡眠時無呼吸症候群のセルフチェックはあくまで「予備判断」としての役割を果たします。

疑わしい症状がある場合は呼吸器内科や耳鼻咽喉科など専門医の診断を受けましょう。CPAP療法やマウスピース療法、生活習慣の改善など多彩な治療・対策が存在します。

将来の健康リスクを考慮し、自分や家族のためにも早めに行動を起こすことが重要です。

以上

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