肺や心臓などの慢性疾患を抱えると息苦しさや体力の低下を引き起こしやすくなります。血液中の酸素が不足する状態を放置すると、日常生活に大きな支障が生じる可能性があります。

そこで、自宅で酸素を補う在宅酸素療法(HOT)が注目されています。

本記事では低酸素血症の概要やHOTの導入メリット、治療効果を高める方法などをわかりやすく解説します。

ご自身やご家族の健康を守る一助となる情報を丁寧にまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。


低酸素血症とは

呼吸機能が低下すると血液中の酸素が不足しやすくなります。

ここでは低酸素血症の意味やその特徴に触れてみましょう。

定義と概要

低酸素血症は動脈血中に含まれる酸素量が減少している状態を指します。

健康な人は動脈血中の酸素分圧が正常範囲に保たれますが、呼吸器疾患や心臓疾患などがあると酸素の取り込みが不十分になります。

動脈血中の酸素分圧が一定以下に下がると細胞に必要な酸素が行き届かなくなり、様々な臓器機能の低下を招きやすくなります。

呼吸困難や疲労感などが生じるだけでなく、長期的には生活の質も落ちる可能性があります。

呼吸機能は身体の状態や年齢、肺の健康度に左右されるため、健康診断や受診時の検査で早期に異常を発見することが重要です。

日常的に息苦しさを感じたり、階段を上るとすぐに疲れるといった症状があれば早めに医療機関でチェックすると安心です。

低酸素血症の症状と原因

低酸素血症の症状は多岐にわたります。呼吸が浅くなる、動悸が強まる、集中力が落ちるなど個人差はあるものの、身体の酸素不足からくる様々な不調が起こりやすくなります。

原因として多いのは慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性心不全、重度の肺炎による酸素飽和度の低下などです。

表:低酸素血症の主な症状と原因例

症状主な原因
息切れ、呼吸困難COPD、喘息、肺炎など
動悸心不全、心筋の機能低下
めまい、頭痛脳への酸素供給不足
集中力の低下、倦怠感慢性疾患全般、貧血など
不眠や睡眠の質の低下寝ている時の呼吸障害

呼吸器や循環器を中心とした疾患に起因するケースがほとんどですが、重度の貧血がある場合も低酸素状態が生じることがあります。

複合的な要因が絡むことがあるため医療機関で正確な検査と診断を行う必要があります。

低酸素状態が及ぼすリスク

酸素が不足すると細胞レベルで栄養やエネルギー生成に支障が出ます。その結果、以下のようなリスクが高まる可能性があります。

  • 免疫力の低下
  • 心臓への負担増加
  • 睡眠障害による日中の活動力低下
  • 認知機能の衰え

身体の各臓器は酸素を必要とします。低酸素状態を放置すると慢性的な疲労状態や心血管系の合併症が現れることも考えられます。

生活習慣を見直し、医療機関で早期に相談することが必要です。


在宅酸素療法(HOT)の基礎知識

自宅で酸素を補うことで生活の質を向上させる方法として注目される在宅酸素療法(HOT)。

ここではその概要や導入の背景を見ていきましょう。

HOTの概要と導入の背景

在宅酸素療法は慢性的に酸素不足が生じやすい疾患を抱える人が自宅や外出先などで常に酸素を吸入できるようにする治療法です。

高圧酸素ボンベや酸素濃縮器などを活用し、患者自身が酸素吸入チューブを通して呼吸します。

医療機関での診察と適応判断を経て導入するケースが多く、治療の一部として医療保険の適用も可能です。

在宅酸素療法の導入背景

背景内容
高齢化の進行慢性呼吸器疾患や心疾患の患者が増加
医療技術の発達持ち運び可能な酸素供給機器の登場
QOL向上の需要入院を避け、在宅での生活を継続したいという要望の増加
生活習慣病の増加肥満・喫煙習慣による肺機能低下が問題視される

長期的な管理が必要な疾患において在宅酸素療法は通院の負担や入院期間の短縮につながると考えられます。

酸素不足を解消することで身体機能の低下を防ぎ、余暇や仕事の継続につなげることを目指します。

動脈血中の酸素分圧とHOT適応の関係

在宅酸素療法を導入するかどうかを判断するうえで動脈血中の酸素分圧は重要な指標です。

医師は血液ガス分析で得られる動脈血中の酸素分圧が一定の基準を下回っているかを確認しながら、HOTの適応を検討します。

慢性的に呼吸機能が低下すると酸素分圧が安定せず、体の器官が常に酸素不足にさらされる状況になる可能性があります。

このような状態で日常生活を送ると心臓への負担が増大し、肺炎などの感染症を併発しやすくなります。

動脈血中の酸素分圧の低下が顕著な場合、HOTによる酸素補給が身体機能維持に役立つでしょう。

HOTに期待できる効果

在宅酸素療法を導入することで身体のパフォーマンスが向上し、息切れや疲労感が軽減することが期待されます。

患者のメリットとしては以下のような点が挙げられます。

  • 歩行や家事などの日常活動がしやすくなる
  • 睡眠の質が改善し、日中の集中力が上がりやすくなる
  • 外出先でも酸素を供給できる機器を利用することで社会参加の幅が広がる

在宅で継続して酸素を吸入できるため、入院に頼らない自立した生活の実現に近づきます。

しかし、導入に伴う費用負担や機器の保守管理などの課題もあるため、主治医や専門スタッフと相談しながら導入することが重要です。


呼吸状態の評価方法

低酸素血症や在宅酸素療法を検討する段階で呼吸状態を把握するための評価が欠かせません。

ここではよく用いられる検査方法を見ていきます。

パルスオキシメーターと酸素飽和度について

自宅や医療現場で頻繁に使用されるパルスオキシメーターは指先などに装着するだけで酸素飽和度(SpO2)を推定できる便利な機器です。

特に肺炎などで呼吸状態が悪化する場合には酸素飽和度が一気に低下することがあります。

パルスオキシメーターを定期的に使用すると、変化を早期にとらえることが可能です。

パルスオキシメーターのチェックポイント

チェックポイント内容
正しい装着部位指先以外に耳たぶなどで計測するタイプもある
手指の状態ネイルや湿度による測定誤差に注意
エラー時の対処体温や姿勢による値の変動を考慮する
日常計測の頻度朝起床時、活動後、就寝前などに定期計測

酸素飽和度が著しく低下すると自覚症状が出やすいため、その数値の変動を継続的に把握することは重要です。

測定値が急激に下がる場合は医療機関への連絡を検討したほうが良いでしょう。

血液ガス分析でわかること

動脈血ガス分析は血液中の酸素分圧や二酸化炭素分圧、pH、重炭酸イオン濃度などを詳細に把握できる検査です。

採血が必要ですが、呼吸や代謝の状態を精密に評価できるため、在宅酸素療法を導入するかどうかの判断にも用いられます。

特に動脈血中の酸素分圧が一定基準以下に落ち込むケースでは医師がHOTの導入を強く推奨することがあります。

箇条書きで血液ガス分析の利点

  • 呼吸不全の度合いを客観的に評価できる
  • 酸素療法の効果判定に活用しやすい
  • 隠れた代謝異常を見つける手がかりになる

血液ガス分析は専門の機器と知識が必要であるため、通常は病院やクリニックで実施します。

導入後も定期的な血液ガス分析で療法の効果を確認することが大切です。

肺炎などの感染症との関連性

肺炎などの呼吸器感染症は、もともと呼吸機能が低下している人に大きな影響を及ぼします。

酸素飽和度が低い状態が続くと体力や免疫力が低下しやすくなり、肺炎の悪化に拍車をかける可能性があります。

自宅での酸素吸入が行える体制を整えておくと肺炎の治療や回復の効率が上がる場合があります。

感染症の予防としてはこまめな手洗いやうがい、定期的なワクチン接種などが挙げられます。特に慢性疾患を抱える人は肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンの接種を検討することが望ましいでしょう。


在宅酸素療法で用いる機器

在宅酸素療法ではさまざまな装置を使います。

ここでは代表的な機器の特徴や使い方をまとめます。

酸素濃縮器の仕組み

酸素濃縮器は室内の空気から窒素を除去し、酸素濃度を高めた空気を患者に供給する装置です。

電源が必要ですが、長時間の連続運転が可能であるため日常生活を通じて酸素を吸入できます。

装置内には分子篩と呼ばれる物質があり、窒素を吸着する働きがあります。これにより高濃度の酸素を作り出す仕組みになっています。

酸素濃縮器のメリットとデメリット

項目メリットデメリット
酸素供給連続使用が可能電源が必要
メンテナンス一定期間ごとのフィルター交換重量があり、機器の移動が大変
ランニングコスト酸素ボンベよりランニングコストが比較的低い電気代がかかる
外出時の使用据え置き型は室内向き携帯型は流量に制限がある場合が多い

このように酸素濃縮器は在宅酸素療法の中心的な機器であり、電力の確保や周辺環境の整備が必要ですが、安定した酸素供給を得やすい点が特徴です。

酸素ボンベの特徴と使用時の注意点

携帯用の酸素ボンベは外出時などに使用しやすい反面、ボンベの残量管理や交換が必要となります。

酸素ボンベの大きさや重量によっては持ち運びが負担になることもあるため、利用者の体力や生活パターンに応じて適切なサイズを選びます。

ボンベ内の圧力が減少したり、流量の調整に不具合が生じると十分な酸素供給を得られない場合があるため、こまめにゲージを確認しながら使用することが重要です。

また、酸素は高濃度になると可燃物への引火リスクが高まります。火気の近くでの使用は避けることを徹底し、吸入器や配管に損傷がないか定期的に点検すると安全です。

利用時の費用や保険適用について

在宅酸素療法は医師が必要と判断した場合、医療保険の適用対象になります。ただし、保険適用の有無や自己負担額は個人の加入している保険制度や導入する機器の種類によって異なります。

医療機関や福祉用具業者と相談し、導入コストや継続的なランニングコストを把握すると安心です。

箇条書きで費用を抑えるポイント

  • 主治医やソーシャルワーカーに相談して保険制度を有効活用する
  • 機器の選定で無理のないランニングコストを重視する
  • ボンベやチューブの消耗品交換スケジュールを把握して予算計画に組み込む

在宅酸素療法は長期にわたるケアになるため費用面だけでなくメンテナンスや自宅環境の整備も踏まえたうえで計画する必要があります。


治療効果を高める日常ケア

在宅酸素療法そのものの効果を十分に発揮するには日常生活の見直しや併用療法を組み合わせることが大切です。

ここでは具体的なケア方法を紹介します。

生活習慣の見直しが与える影響

低酸素状態が続くと身体活動が制限されやすくなり、体力の低下を招く傾向があります。

治療効果を高めるためには以下のような生活習慣の見直しが有効です。

  • 禁煙や受動喫煙の回避
  • バランスの良い食事で栄養をしっかりとる
  • 規則正しい睡眠リズムを意識する

喫煙は肺の機能を大きく損ない、酸素吸入療法の効果を下げる可能性があるため、禁煙指導を受けて取り組む人も多いです。

食事面ではたんぱく質やビタミン、ミネラルを十分に摂取し、免疫力をサポートすることが重要です。

運動療法とリハビリテーションの重要性

在宅酸素療法を行いつつ、医師や理学療法士などが提案する運動プログラムに取り組むと、肺や心臓の機能を維持しやすくなります。酸素を吸入しながら安全な範囲で運動することで、運動耐容能(どのくらい運動に耐えられるか)が向上するケースが少なくありません。

在宅酸素療法と運動療法のメリット

メリット具体例
筋力・持久力の維持・向上ゆっくりとしたウォーキングや軽いストレッチが中心
呼吸筋の強化呼吸法を意識した運動で呼吸筋に刺激を与える
精神的ストレスの軽減適度な運動で気分転換や睡眠の質向上を期待できる

リハビリ専門の施設や訪問リハビリを活用し、無理のない範囲で継続することが大切です。

運動強度の設定や負荷量の調整を専門家と話し合いながら進めると安心です。

薬物療法との併用で期待できる相乗効果

慢性呼吸不全や心不全などの基礎疾患を抱えている場合、医師の判断で薬物療法が並行して行われることがあります。利尿剤や気管支拡張薬、ステロイド薬などを活用するケースが多いです。

酸素療法と薬物療法を併用すると、より効率的に症状改善を狙える場合があります。

薬物療法と併用する目的

  • 血液中の余分な水分を排出して心肺機能を保つ
  • 気管支を拡張して呼吸しやすくする
  • 炎症を抑えて呼吸器へのダメージを軽減する

医薬品には副作用のリスクもあるため、定期的な受診で薬の効果と副作用をチェックしながら治療を続ける必要があります。


モニタリングの方法とタイミング

在宅酸素療法では患者さん本人や家族がモニタリングを行う機会が多くなります。

適切な時期と方法を知ることで異常の早期発見や治療効果の最大化が期待できるでしょう。

動脈血中の酸素分圧測定の役割

医療機関で定期的に実施する血液ガス分析はHOT導入後の治療効果を客観的に評価するうえで大事な指標です。

動脈血中の酸素分圧が適正範囲内にあるかどうかを定期チェックし、不足が見られれば酸素流量を再調整します。

呼吸機能が変化しやすい疾患を抱えている人ほど受診時に血液ガス分析を行う頻度が高くなる傾向があります。

自宅での酸素飽和度チェックのコツ

パルスオキシメーターを活用した自宅チェックは呼吸状態の安定度を知る簡便な方法です。

しかし、正しく計測しなければ誤差が生じやすいことに注意してください。爪のネイルや冷えなどで数値が低く出る場合もあります。

さらに測定値だけに頼らず、呼吸数や息苦しさの自覚症状も総合的に判断するとより正確です。

測定を行うタイミングとしては、朝起きた直後、日中の活動後、就寝前など複数のパターンを把握するのが望ましいでしょう。

記録を付けて医師に相談すると、より適切な治療計画を立てやすくなります。

自宅での酸素飽和度チェック時に注意するポイント

ポイント注意点
計測姿勢できるだけ安静にし、深呼吸を落ち着いて行う
環境要因寒い場所や暗い場所だと機器の感度が影響を受けやすい
機器の清潔さ汗や汚れがセンサー部に付着すると精度が下がる
計測時間10秒程度の安定した値を目安にする

症状の変化と受診のタイミング

急な呼吸困難や血中酸素飽和度の大幅な低下が見られた場合は、すぐに医療機関へ連絡して相談する必要があります。

特に肺炎の症状が疑われる場合や、意識レベルに変化があるときは早急な対応が求められます。

定期受診の間隔も状態の安定度によって変わるので主治医と相談しながら決めましょう。


在宅酸素療法と安全管理

酸素は生活にとって大切な物質ですが、取り扱いに注意が必要です。

ここでは在宅酸素療法で注意すべき安全管理について解説します。

火気や事故防止のポイント

高濃度の酸素は引火しやすい特性があります。

料理の際にガスコンロの近くで酸素吸入チューブを扱うと、火や熱源に触れて思わぬ事故につながる可能性があります。ストーブやタバコの火も同様に危険です。

安全のためには火元から一定の距離を保ち、吸入時は周囲に燃えやすいものがないか確認する習慣を身につけましょう。

火気や事故防止の要点

  • 酸素吸入中はガスコンロやストーブから離れる
  • タバコの煙はもちろん、火災リスクが高いので禁煙を徹底する
  • チューブや配管に損傷がないか定期的に確認する

これらの点に注意することで在宅酸素療法の安全性が格段に高まります。

酸素中毒やトラブルを防ぐための工夫

酸素流量を過度に上げすぎると酸素中毒という状態に陥る可能性があります。これは体内の酸素濃度が過度に上がることで肺や中枢神経系に悪影響を及ぼす症状です。

処方されている流量を守り、自己判断で酸素濃度を大きく変更しないことが大切です。

酸素中毒の主な症状例

症状原因
胸の痛みや不快感肺胞が高濃度酸素で刺激を受けて炎症を起こす
頭痛中枢神経系が酸素過剰状態で異常興奮を引き起こす
めまいや吐き気自律神経の乱れや血流異常
極度の疲労感細胞レベルでの酸素バランスが崩れる

万一、酸素中毒が疑われる症状が出た場合はすぐに主治医と相談しましょう。

また、機器が故障したり停電が起きたときのバックアップ体制も考えておくと安心です。携帯用の酸素ボンベを常備しておくなどの対策が挙げられます。

緊急時の対応策

在宅酸素療法中に急性の呼吸困難や胸痛、意識変化が起こった場合、まずは落ち着いて救急連絡を行い、かかりつけ医に連絡を取りましょう。

医療スタッフに連絡するときは在宅酸素療法を受けていること、普段の酸素流量と現在の状態を明確に伝えるとスムーズな対応につながります。


在宅酸素療法を成功に導くために

在宅酸素療法を長く続けるには適切なサポートと理解が不可欠です。

ここでは治療を継続し、生活の質を上げるためのポイントをまとめます。

医療チームとの連携とサポート体制

主治医や看護師、呼吸療法士などの医療チームとの連携が在宅酸素療法を円滑に進めるカギになります。

定期的な受診や電話相談などを通じて酸素療法の効果や機器の調子を共有し、必要に応じた調整を行うとトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。

医療チームに相談しやすくなる工夫

  • 質問事項をメモしておき、受診時にまとめて確認する
  • 自宅での酸素飽和度や症状変化を日誌に書き留める
  • 電話連絡先や緊急連絡先をわかりやすい場所に保管する

医療スタッフへ遠慮なく相談する姿勢を持ち、的確なアドバイスを受け取ることが治療の継続と安定につながります。

家族や周囲の理解を深めるために

在宅酸素療法は本人だけの努力では難しいケースも多いです。家族や周囲の協力があると酸素機器の取り扱いから緊急時の対応まで円滑に行いやすくなります。

外出を伴う場合は携帯用酸素ボンベの運搬やスケジュール調整などに家族のサポートが有効です。

とはいえ、周囲の人が酸素療法について理解していないと火気の扱いや機器の設置に無頓着になってしまうことも考えられます。

説明書や医療機関からの資料を家族と共有し、日常の安全対策を共通認識にしておくことが重要です。

治療を継続するメリットと今後の展望

低酸素血症を改善しながら日常生活を送るためには在宅酸素療法を根気強く続けることが大切です。

メリットとしては呼吸機能の維持、身体活動量の向上、精神的安定などが挙げられます。

導入時には負担に感じる部分があっても適切な管理とサポート体制が整えば、自宅での安心感を得ながら病状を安定させる可能性が高いです。

呼吸機能や体力が向上すると社会参加の意欲が戻り、生きがいを感じる場面も増えるでしょう。外出や趣味活動に再び挑戦できるだけでなく、家族や友人との交流も円滑になりやすくなります。

これから先も多様な機器の登場や医療技術の進歩が期待されています。自分の健康状態に合った方法を模索しながら、在宅酸素療法の恩恵を最大限に生かしていきましょう。

以上


参考にした論文

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