日々の食事や生活習慣の見直しだけでは血糖値が十分に下がらず、医師からインスリン注射を提案される方もいらっしゃるかと思います。

糖尿病は放置すると全身に影響を及ぼし、合併症のリスクが高まる可能性がありますが、適切な治療と生活管理を組み合わせれば、健康的な日常を送ることも夢ではありません。

この記事では、インスリン注射の基本や種類、具体的な打ち方に加え、生活習慣との関連性や副作用についても幅広く解説します。

糖尿病の治療法について検討している方が、より理解を深められるような情報を提供できれば幸いです。

この記事を書いた人

神戸きしだクリニック院長 岸田雄治
岸田 雄治
神戸きしだクリニック院長

医学博士
日本医学放射線学会認定 放射線診断専門医
日本核医学会認定 核医学専門医
【略歴】
神戸大学医学部卒。神戸大学大学院医学研究科医科学専攻博士課程修了。神戸大学附属病院 放射線科 助教。甲南医療センター放射線科医長を経て神戸きしだクリニックを開業(2020年6月1日)


インスリン注射の基本を知る

糖尿病治療で用いられるインスリン注射について、まずは大まかな全体像を把握してみましょう。

血糖値が高い状態を放置すると合併症のリスクが高まりますが、インスリンを補うことで血糖コントロールを安定させることができます。ここではインスリン注射の概要や歴史、よくある誤解などをお伝えします。

なぜインスリン注射が必要になるのか

インスリンはすい臓から分泌されるホルモンで、体内のブドウ糖を細胞に取り込み、エネルギーに変えるうえで重要な役割を持っています。

糖尿病を患うとインスリン分泌が不足したり、インスリンに対する感受性が低下したりするため、血糖値が高止まりします。

食事療法や経口薬で血糖値をコントロールできる方もいますが、以下のようなケースでは医師がインスリン注射を提案する可能性があります。

  • 空腹時血糖値や食後血糖値が高い状態が続いている
  • 経口薬で十分な効果が得られない
  • 糖尿病の合併症によって腎機能や肝機能が低下している
  • 妊娠糖尿病など、一時的に血糖コントロールを厳格に行う必要がある

血糖を適切な範囲に維持するには、体内で不足しているインスリンを注射で補うことが一つの手段となります。

インスリン注射導入でよくある相談

  • 「注射を一生続ける必要はあるのか」
  • 「痛みは強いのか」
  • 「生活スタイルを大きく変えなくてはならないのか」
  • 「誰にも知られないように続けられるか」

こうした不安を持つ方は多いですが、医療者と相談しながら正しく知識を身につければ、日常を維持しながら血糖コントロールを行うことができます。

インスリン注射のメカニズムと役割

インスリンは血液中のブドウ糖を細胞へ取り込み、血糖値を一定範囲に保つホルモンです。健康な人の場合、食事をすると血糖値が上昇し、それを感知したすい臓のβ細胞がインスリンを分泌して血糖値を調整します。

しかし糖尿病では、この仕組みが部分的あるいは完全に機能しなくなる場合があります。インスリン注射で必要量を補うことにより、糖分をエネルギーとして利用できるようにするわけです。

血糖値が安定すると、疲労感の軽減や合併症のリスク低下も期待できます。

インスリン注射に関する基礎

項目内容
分泌する臓器すい臓(β細胞)
主な役割血液中のブドウ糖を細胞に取り込む
糖尿病時の問題点インスリン分泌の不足・抵抗性
注射による補充目的血糖値を適切な範囲に保つ

インスリン治療の歴史

インスリンが発見される以前の糖尿病治療は、厳しい食事制限が中心で、血糖コントロールが難しいという課題がありました。

1920年代にインスリンが初めて抽出され、患者への注射が可能になったことで、血糖管理に大きな進歩がありました。

当初は牛や豚のすい臓から抽出したものを使用していましたが、技術の進歩でヒト型インスリンが開発され、副作用のリスクやアレルギー反応なども減少しています。

現在は遺伝子組み換え技術などによるヒト型インスリン製剤が主流です。

インスリン注射にまつわる誤解

「一度インスリン注射を始めるとやめられない」「インスリンを打つと重症の証拠」といった誤解が生じることがあります。

実際には、糖尿病のタイプや重症度、生活習慣などによってインスリン治療の選択が異なります。

人によっては一時的にインスリン注射を導入し、その後の血糖管理が改善すれば経口薬へ移行するケースも存在します。

大切なのは、自身の状態や治療方針を医師としっかり話し合い、自分に合った治療を続けることです。


インスリンの種類と特徴

インスリン注射にはさまざまな種類が存在し、作用の速さや持続時間によって分類されます。治療の目標や生活パターンに合わせて適切な種類を選ぶことで、血糖管理がスムーズになります。

ここでは主なインスリンの種類と特徴を紹介します。

速効型インスリン

食事をした直後の急激な血糖値上昇を抑えたいときに用いられるのが、速効型インスリンです。注射後およそ15分から30分ほどで効果が現れ、2~4時間ほど作用が持続します。

食事開始と同時に打つことで、食事由来のブドウ糖を効率よく細胞へ取り込み、食後血糖値の急激な上昇を防ぎます。外食や仕事の都合などで食事時間が不規則になりがちな方にも選択されることがあります。

インスリン選択時に意識したいポイント

  • 生活リズム(食事時間、就寝時間)
  • 現在の血糖パターン(朝、昼、夕の血糖値推移)
  • 合併症の有無
  • 注射回数の希望や負担

中間型インスリン

中間型インスリンは注射後2~4時間程度で効果が現れ、約10~16時間の持続時間があります。食前ではなく、1日に1回または2回の注射でベースラインを整えたいときに使われることが多いです。

食後のピークを抑える目的で速効型や超速効型と併用し、組み合わせ治療を行うケースもあります。

混合型インスリン

速効型あるいは超速効型と中間型があらかじめ配合されているインスリンを混合型と呼びます。

1回の注射で食事のタイミングに合わせたピーク作用と、長めのベース作用を同時に得られることが特徴です。

1日に複数回の注射が必要になる場合でも、混合型を使うと注射回数をある程度抑えることができる場合があります。忙しい日常の中で注射スケジュールをシンプルにしたい方に向いています。

持効型インスリン

持効型インスリンは注射後1~2時間程度で効果が始まり、24時間近く緩やかに作用します。

血糖値を安定させる「基礎インスリン」として使われ、食後の血糖上昇を抑える速効型と組み合わせることが一般的です。

特に食事パターンが一定している方や、1日を通じて基礎的に血糖をコントロールしたい方に向いています。

インスリン製剤の主な特徴まとめ

種類発現までの時間最大作用時間持続時間用途
速効型約15~30分1~2時間2~4時間食後血糖値コントロール
中間型約2~4時間6~8時間10~16時間1日1~2回のベース調整
混合型速効型+中間型組成による組成による注射回数の軽減や利便性向上
持効型約1~2時間安定的24時間前後基礎インスリンの補充

インスリン注射を続けやすくするための工夫

  • 自分に合った注射時間を医師と相談して決める
  • 日常生活を記録する(食事量や運動内容)
  • インスリンの特性を理解し、必要なタイミングに打つ
  • 急な外出や予定変更に対応できるよう、携帯用のセットを常備しておく

注射を始めるタイミング

インスリン注射を導入するべきかどうかは、一人ひとりの血糖値の推移や合併症の有無、既存の治療の効果によって変わります。

早期のインスリン治療によって合併症リスクを下げられる場合もあるため、主治医と相談してベストなタイミングを見極めることが大切です。

日常生活での血糖コントロール

糖尿病と診断されると、まず多くの方が食事療法や運動療法を始めます。これらの取り組みによって、一定の血糖コントロールを得られる方もいます。

しかし、十分な効果が得られない場合や、生活習慣だけでは対応しきれない場合があります。

そのときの血糖値やHbA1cの数値が目標を大きく上回っているならば、インスリン注射の導入を検討する段階といえます。

食事療法と経口薬の限界

血糖値を下げる経口薬は種類が豊富で、インスリンの分泌を促進するものや血糖上昇を抑えるものなど、作用機序もさまざまです。

しかし、長年の糖尿病や重い肥満を伴う場合、あるいは妊娠中の血糖管理など、経口薬では十分な効果を得にくいケースも存在します。

こうした状況では、インスリン注射が血糖コントロールを安定させるための選択肢になります。

インスリン注射導入を検討する指標

状況
血糖コントロール不良HbA1cが8%以上、空腹時血糖値が180mg/dL超など
長期間の経口薬服用複数の経口薬を使用しても血糖が高い
合併症リスクが高い腎機能や心血管系にダメージが進んでいる
妊娠糖尿病や劇症型糖尿病の疑い短期間で厳格な管理が必要なケース

合併症リスクと早期治療

糖尿病は無症状のまま進行することが多く、気づいたときにはすでに合併症が進んでいることも珍しくありません。網膜症、腎症、神経障害などは、血糖値が高い状態が続くほど進行速度が速まりやすいです。

インスリン注射を早めに導入することで、血糖を安定させて合併症のリスクを低減できる可能性があります。

特にHbA1cの数値が急激に上がっている場合は、主治医と導入のタイミングをよく話し合うことが重要です。

早期導入のメリットと注意点

インスリン注射を早期に導入すると、血糖値のコントロールが改善しやすく、疲れやすさや口渇、多尿などの症状が軽減されることがあります。

一方で、インスリン注射の導入にあたっては、低血糖のリスクを把握し、適切な食事と運動量のバランスに留意する必要があります。

主治医や看護師から注射方法や血糖自己測定のポイントを学び、生活に取り入れる準備をしっかり行うとスムーズに治療を始められます。


インスリン注射の打ち方と注意点

インスリン注射を正しく打つことは、血糖コントロールのためだけでなく、痛みや副作用を最小限にするためにも大切です。

打ち方に慣れるまでは不安を感じる方もいますが、コツをつかめば日々のルーチンとして定着していきます。ここでは注射の手順や注意点を整理してみましょう。

注射の具体的なステップ

インスリン注射は基本的に以下のステップで行います。初めは医療スタッフの指導を受けながら練習すると安心です。

  1. 手洗いと注射器の準備
  2. インスリンの種類や使用量の確認
  3. 空打ち(ペン型注射器の場合、針に空気がたまっていないか確認する)
  4. 皮膚をつまみ、垂直に針を刺す
  5. 所定の秒数をかけて注入
  6. 針を抜いたあと、出血や液漏れがないか確認

注射手順で困りがちなポイント

  • 針を刺す際の恐怖感
  • 適切な深さや角度の見極め
  • 注入速度が速すぎるまたは遅すぎる

医療スタッフに実際に見てもらいながら練習を重ねると打ちやすくなります。

注射部位のローテーション

同じ場所に繰り返し注射すると、皮下組織が硬くなったり、しこりができたりするリスクがあります。これを防ぐために、注射部位をローテーションさせることが大切です。

主な注射部位は、腹部、大腿部、上腕部などですが、それぞれ吸収速度がわずかに異なる場合があります。腹部は吸収が早い傾向にあり、大腿部や上腕部はやや遅めです。

部位ごとの吸収速度を理解して、なるべく一定のリズムで打つことが安定した血糖コントロールにつながります。

注射部位の特徴

部位吸収速度注射のしやすさ注意点
腹部早い比較的打ちやすい血管の走行に注意し、へそ周りを避ける
大腿部中程度服をめくる必要がある運動量によって吸収速度が変化しやすい
上腕部やや遅め打ちにくい二の腕の外側を選ぶと安定して打ちやすい

保管方法と使用期限

インスリン製剤は温度管理が重要です。未開封のものは冷蔵庫(2~8℃)で保管し、使用中のペン型インスリンは室温(25℃前後)でも一定期間は品質が保たれます。

極端に高温や低温にさらすと効果が変化するリスクがあり、使用期限を過ぎたインスリンは血糖値コントロールに影響を与える可能性があります。

トラブルへの対策

インスリン注射を続ける中で、以下のようなトラブルが起こることがあります。

  • 注射後に赤みや痛みが強い
  • 血糖値が思ったように下がらない
  • 低血糖症状(冷や汗や手の震え、動悸など)が頻繁に起こる

これらの症状が続く場合は、自己判断でインスリン量を調整せず、すぐに主治医や医療スタッフに相談してください。原因を確認し、注射方法や量の見直しを行うことで改善が期待できます。

インスリン注射で困ったときにチェックしたい項目

  • 針の交換時期や使い回しの有無
  • 注射部位のローテーション状況
  • インスリンの保管状態・使用期限
  • 食事内容やタイミングに変化はなかったか

生活習慣との関係

インスリン注射は血糖コントロールをサポートする強力な手段ですが、それだけに頼っていては十分な効果を得られないことがあります。

食事や運動、ストレス管理など、総合的な生活習慣の改善と組み合わせることで、より健康的な生活を目指せます。

食事管理のポイント

糖尿病において、食事管理は非常に重要です。インスリン注射を打っている方でも、カロリーのバランスや栄養素のバランスを意識する必要があります。

例えば、炭水化物の摂りすぎは血糖値の急上昇につながりやすく、タンパク質や野菜の摂取量が不足すると体力の低下を招くこともあります。

主食・主菜・副菜のバランスを整えながら、塩分や脂質を控えめにする工夫が大切です。

食事を見直すときに役立つリスト

  • 主食の種類と量(白米、玄米、パン、麺類など)
  • 野菜を十分に摂取できているか
  • タンパク質は肉だけでなく魚や大豆製品からも摂っているか
  • 調味料やソースの糖質と塩分量

運動習慣とのつきあい方

インスリン注射を導入している方にとっても、適度な運動は血糖値の安定につながります。

有酸素運動(ウォーキングや軽いジョギングなど)は血液循環を改善し、インスリンの働きをサポートすると考えられています。

また、筋力トレーニングによって筋肉量が増えると、ブドウ糖を消費しやすい体質を目指せます。ただし、無理な運動で低血糖を起こさないよう、運動前後の血糖測定を行うことが大切です。

ストレスとの向き合い

ストレスが高まると、血糖値が乱れやすくなることがあります。ホルモンバランスの変化が原因の一つと考えられ、過度な緊張や不安が持続するとインスリンの働きにも影響が出る可能性があります。

リラックスできる趣味を見つけたり、十分な睡眠を確保したりすることで、精神的な安定を図ることが血糖コントロールに良い影響を与えることがあります。

生活習慣チェック表

項目見直すポイント
食事栄養バランス、食べるスピード、間食の頻度など
運動運動時間、運動強度、運動頻度
ストレス睡眠時間、リラックス方法、人間関係のプレッシャー
生活リズム就寝・起床時間の安定度、仕事や家事のスケジュール

日常で気をつけたいこと

インスリン注射を打っている方は、注射時間や食事時間のズレが大きいと血糖のコントロールが乱れやすくなる傾向があります。

緊急時や出先でもインスリン注射を行いやすいよう、必要な道具(インスリンペンや血糖測定器など)を持ち歩くと安心です。

また、低血糖予防のためにブドウ糖タブレットや飴を携帯しておくのも一案です。

生活リズムを整えるために

  • 朝食は必ず摂り、1日のエネルギーリズムを整える
  • 夜更かしを避け、規則正しい睡眠を意識する
  • スマートフォンやパソコンの使用時間を適度に制限する

インスリン注射の副作用やリスク

インスリン注射は血糖管理の強い味方ですが、リスクや副作用がまったくないわけではありません。

代表的なものとしては低血糖や皮膚トラブルなどが挙げられます。

低血糖の症状と対処

インスリン注射をしていると、血糖値が基準よりも低くなる「低血糖」が起こることがあります。主な症状には、手の震え、冷や汗、動悸、脱力感、強い空腹感などがあります。

意識がはっきりしているうちにブドウ糖を含む食品(砂糖やブドウ糖タブレット、ジュースなど)を摂取して、血糖値を速やかに上げる必要があります。

低血糖を放置すると意識障害や転倒などのリスクがあるため、少しでも異変を感じたらすぐに対処しましょう。

低血糖になりやすいタイミング

  • インスリン注射後に食事が十分にとれなかった場合
  • 運動量が普段より多く、ブドウ糖消費量が増えた場合
  • アルコール摂取で肝臓がグルコース放出を抑えた場合

インスリン抵抗性と血糖コントロール

長期間インスリン注射を続けていると、中には体がインスリンに対して抵抗性を持ち、注射量を増やしても血糖がなかなか下がりにくくなるケースがあります。

過度な肥満や生活習慣の乱れがインスリン抵抗性を高める要因と考えられています。主治医と相談しながら生活習慣の改善や注射方法の見直しを行い、血糖値を安定させる必要があります。

インスリン自己注射時の皮膚トラブル

繰り返し注射する部位にしこりや硬結ができるケースがあります。これを避けるために注射部位をローテーションし、皮膚の状態を定期的にチェックすることが重要です。

しこりが大きくなると、インスリンの吸収が不均一になり血糖管理に影響が出る場合があります。

皮膚トラブル対策のリスト

  • 毎回針を新しいものに交換する
  • 注射部位を指で軽く触れて硬くなっていないか確かめる
  • 傷口を清潔に保ち、赤みが出たら早めに医療スタッフに相談

合併症への理解

糖尿病は放っておくと慢性的な高血糖状態から合併症が進行します。網膜症や腎症、神経障害だけでなく、動脈硬化による心血管障害も起こりやすくなります。

インスリン注射を導入したとしても、血糖値の目標設定や他の生活習慣改善と組み合わせなければ、合併症のリスクを完全には回避できません。

逆に言えば、インスリン注射を正しく行い、血糖値を安定させることで合併症リスクを下げることが期待できます。

合併症の主な種類と注意点

合併症症状・影響
網膜症視力の低下、最悪の場合失明に至ることがある
腎症尿蛋白、浮腫、腎不全などに進行する可能性がある
神経障害しびれや痛み、感覚の鈍化などの日常生活に支障が出る
動脈硬化・心血管障害心筋梗塞、脳梗塞のリスク増加

当クリニックでの診療の流れ

当クリニックでは、糖尿病の方や血糖値が気になる方が安心して受診し、適切な治療を受けられるよう総合的なサポート体制を整えています。

インスリン注射の導入を検討している方にも、十分なカウンセリングとフォローアップを行います。ここでは、当クリニックでの具体的な診療の流れを紹介します。

受診から診断まで

まずは受付を済ませたあと、問診と血糖値やHbA1cなどの検査を実施し、糖尿病であるかどうかを総合的に判断します。

既に糖尿病と診断されている方でも、改めて最新の検査結果をもとに今の状態を把握し、治療方針を考えます。

検査結果をただ見るだけでなく、生活習慣のヒアリングを行い、個人差の大きい糖尿病の特徴を把握していきます。

治療方針の決定

血糖値の状態や合併症の有無、生活環境などを踏まえて、当院の医師が治療方針を提案します。

経口薬やGLP-1受容体作動薬、そしてインスリン注射など、選択肢はいくつか考えられますが、患者さんのライフスタイルや希望を尊重しながら治療法を検討します。

インスリン注射を導入する場合には、使用する製剤や注射頻度、開始時の投与量などを具体的に説明します。

インスリン導入時に医師と相談しておきたい内容

  • 注射の回数や時間帯
  • 仕事や家庭の事情(夜勤の有無、食事スケジュールなど)
  • 低血糖時の対処法や自己測定の方法
  • 運動や食事療法との組み合わせ

アフターケアと継続フォロー

インスリン注射を始めたら、一定期間ごとに通院し、血糖値や体調の変化をチェックしていきます。注射量の調整や注射部位に関する相談など、継続的に医療スタッフのサポートを受けることができます。

また、栄養指導を通じて食事内容を見直したり、場合によっては専門の運動指導を受けたりと、総合的なフォローを提供します。

通院時に確認する主なチェック項目

チェック項目内容
血糖値・HbA1c治療が適切に進んでいるか確認
体重・体脂肪率体重増減の状況、肥満傾向の有無
血圧・心拍数合併症のリスクや運動強度の目安に
注射部位の状態しこりや硬結の有無をチェック
日々の生活習慣食事・運動・睡眠などのトータルバランス

生活全体を支援する取り組み

糖尿病は長い時間をかけて向き合う病気なので、生活全般をサポートする取り組みを当クリニックでは重視し、患者さま一人ひとりの生活環境や目標に合わせたアドバイスを行います。

定期的な勉強会や栄養指導のほか、糖尿病患者さん同士が情報交換できる場を設けるなど、安心して治療を継続できる環境を整えています。

インスリン注射が生活の負担にならないよう、医療スタッフと共に知識を身につけ、前向きに治療を続けていきましょう。


当院(神戸きしだクリニック)への受診について

糖尿病内科

診療時間日祝
9:00 – 12:00
隔週
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09:00~12:0013:30~16:30

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参考文献