糖尿病と診断されて治療を続けているのに、血糖値がなかなか安定しない。仕事にも支障が出て、経済的な不安を抱えている方は少なくありません。
実は、糖尿病でも一定の条件を満たせば障害年金を受給できます。1型糖尿病の場合は血糖コントロール困難による3級認定、2型糖尿病の場合は合併症を通じた上位等級の認定など、申請の方法はタイプによって異なります。
この記事では、糖尿病で障害年金を受給するための認定基準や1型・2型それぞれの申請のコツ、受給額の目安、必要書類まで幅広く解説します。ご自身やご家族が該当するかどうか、まずは確認してみてください。
糖尿病でも障害年金を受給できる|申請前に押さえたい基本条件
糖尿病は代謝疾患に分類され、障害年金の支給対象に含まれています。インスリン治療を行っても血糖コントロールが困難な方は、要件を満たすことで障害年金を受け取れる可能性があります。
障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類がある
障害年金は大きく「障害基礎年金」と「障害厚生年金」に分かれます。どちらを受給できるかは、初診日に加入していた年金制度で決まります。
国民年金に加入していた方(自営業者、学生、専業主婦など)は障害基礎年金の対象です。一方、会社員や公務員として厚生年金に加入していた方は障害厚生年金を受給でき、障害基礎年金も併せて支給されるケースがあります。
障害基礎年金は1級と2級のみですが、障害厚生年金には3級と障害手当金も設けられています。糖尿病単体での認定は多くの場合3級となるため、厚生年金加入者のほうが受給に至りやすい傾向にあるでしょう。
糖尿病で障害年金を受給するための3つの要件
障害年金の受給には、病気の種類を問わず3つの要件を満たす必要があります。1つ目は「初診日要件」で、初診日に公的年金に加入していること。2つ目は「保険料納付要件」で、初診日の前日までに一定期間の保険料を納付または免除されていることです。
3つ目は「障害状態該当要件」で、障害認定日に障害等級に該当する状態であることが求められます。
保険料納付要件には特例があり、初診日が令和8年4月1日より前にある場合、初診日の前々月までの1年間に未納がなければ要件を満たします。年金保険料を滞納していた方でも、この特例に該当すれば申請が可能です。
障害年金の受給要件一覧
| 要件 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 初診日要件 | 初診日に公的年金に加入している | 20歳前や60〜65歳未満は例外あり |
| 保険料納付要件 | 加入期間の3分の2以上を納付・免除 | 直近1年間未納なしの特例あり |
| 障害状態該当要件 | 障害認定日に等級に該当する | 事後重症請求も可能 |
初診日の特定が糖尿病の障害年金申請で最大の壁になる
糖尿病は発症からゆっくり進行し、障害年金の基準に該当するまで10年〜20年かかることも珍しくありません。そのため、いざ申請しようとしたときに初診の医療機関がカルテを廃棄していたり、廃業していたりする事態が起こり得ます。
カルテが残っていない場合でも、受診状況等証明書を取得できないときは「受診状況等証明書が添付できない申立書」を作成する方法があります。当時の診察券やお薬手帳などの参考資料を添えて提出してください。
初診日の証明は諦めずに、手元にある記録を丁寧に集めることが大切です。
糖尿病の障害年金における等級認定基準を詳しく解説
糖尿病の障害等級は「代謝疾患による障害」の認定要領に基づいて判断されます。インスリン治療を継続しても血糖コントロールが困難な場合に、原則として3級に認定されます。
血糖コントロールが困難な場合に3級と認定される
糖尿病の障害認定基準では、90日以上継続して必要なインスリン治療を行っていることが前提条件です。そのうえで、血清Cペプチド値や重症低血糖の頻度、入院歴などの具体的な基準に照らして判定が行われます。
1型・2型を問わず、インスリン治療を受けていても血糖値が安定しない方が認定の対象となります。治療によって血糖値がコントロールできている場合は、残念ながら障害年金の認定には至りません。
Cペプチド値・重症低血糖・ケトアシドーシスが判断材料になる
3級の認定を受けるには、以下の3つの基準のいずれか1つに該当し、かつ一般状態区分表のイまたはウに該当する必要があります。
1つ目は、内因性のインスリン分泌が枯渇しており、空腹時または随時の血清Cペプチド値が0.3ng/mL未満であること。2つ目は、意識障害により自己回復できない重症低血糖が月1回以上発生していることです。
3つ目は、糖尿病ケトアシドーシスまたは高血糖高浸透圧症候群による入院が年1回以上あることです。
Cペプチド値は体内でどれだけインスリンが分泌されているかを示す検査値です。この数値が低いほど、体のインスリン分泌能力が衰えていることを意味します。
一般状態区分表が等級判定で重視される
一般状態区分表は、日常生活や就労にどの程度の支障があるかを5段階(ア〜オ)で評価するものです。糖尿病の3級認定にはイまたはウの該当が求められます。
区分イは「肉体労働は制限されるが、歩行や軽作業、座って行う仕事はできる状態」を指します。区分ウは「軽作業もできないが、日中の50%以上は起きて過ごせる状態」です。
区分アは「ほぼ通常の生活ができる状態」にあたり、アに該当する場合は3級の認定が難しくなります。
なお、区分エやオに該当し、検査数値や日常生活の実態がそれを裏付ける場合には、3級ではなく上位等級(2級や1級)に認定される可能性もあります。
一般状態区分表と障害等級の関係
| 区分 | 状態の目安 | 等級との関係 |
|---|---|---|
| ア | ほぼ通常の社会生活ができる | 認定は困難 |
| イ | 軽作業や座業は可能 | 3級の認定対象 |
| ウ | 軽作業も困難だが日中50%以上は起居 | 3級の認定対象 |
| エ | 日中の50%以上は就床 | 2級以上の可能性 |
| オ | 1日のほとんど就床 | 1級の可能性 |
1型糖尿病で障害年金を申請するときに押さえるべきポイント
1型糖尿病の方はインスリン分泌が枯渇しているため、障害年金の認定基準に該当しやすい傾向があります。ただし、申請に際してはいくつかの注意点を把握しておかないと、受給に至らないケースも出てきます。
1型糖尿病は血糖コントロール困難で3級認定を得やすい
1型糖尿病は自己免疫反応によって膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンをほとんど分泌できなくなる疾患です。生涯にわたるインスリン治療が必要であり、血清Cペプチド値が0.3ng/mL未満を示す方が多いため、認定基準に合致しやすいといえます。
とはいえ、Cペプチド値を測定していない場合でも諦める必要はありません。重症低血糖の発作が月1回以上ある場合や、糖尿病ケトアシドーシスによる入院が年1回以上ある場合にも3級認定の対象となります。
若年発症の1型糖尿病で初診日が証明できないケースへの対処法
1型糖尿病は小児期や10代で発症する方が多く、20歳を迎えて障害年金を申請しようとした時点で、すでにカルテが廃棄されていることがあります。
医療機関のカルテ保存義務は5年間であるため、10年以上前の初診記録が残っていない可能性は十分にあるでしょう。
1型糖尿病の申請でよくある問題と対応策
| よくある問題 | 具体的な対応策 |
|---|---|
| 初診の病院が廃業 | 後続の医療機関での記録や紹介状の控えを探す |
| カルテが廃棄済み | 診察券・お薬手帳・母子手帳などの参考資料を提出 |
| 20歳前の初診日を証明できない | 第三者証明(家族や知人の申立書)を活用 |
| Cペプチド値を測定していない | 重症低血糖やケトアシドーシス入院歴で申請 |
障害基礎年金には3級がないため厚生年金加入がカギになる
障害基礎年金の等級は1級と2級のみで、3級は設けられていません。糖尿病単体での認定は原則3級であるため、初診日に国民年金のみに加入していた方は、糖尿病だけでは障害年金を受給できない可能性が高くなります。
初診日に厚生年金に加入していた方であれば、障害厚生年金3級の対象となるため、糖尿病単体でも受給の道が開けます。就職して厚生年金に加入した後に糖尿病の初診がある方は、その点を確認してみてください。
また、20歳前に初診日がある1型糖尿病の方は「20歳前傷病による障害基礎年金」の対象になり得ますが、この場合は2級以上の障害状態が求められます。合併症による上位等級の認定を含め、慎重に検討することが大切です。
2型糖尿病で障害年金を請求するなら合併症からの申請が有利
2型糖尿病は生活習慣や遺伝的要因で発症し、インスリン分泌がゼロにはならないケースが多いため、糖尿病単体での障害年金認定はハードルが高めです。合併症を通じた申請が受給への近道になります。
2型糖尿病単体での障害年金受給はハードルが高い
2型糖尿病の場合、インスリン治療を行っていてもCペプチド値が0.3ng/mL未満まで低下する方は限られます。内服薬でコントロールできている段階では認定基準を満たすことが難しいでしょう。
「治療しても血糖コントロールが困難」という条件のクリアが壁となります。
ただし、2型糖尿病でも病状が進行してインスリン分泌能が著しく低下した場合や、重症低血糖を繰り返す場合には、3級認定を受けられるケースもあります。あきらめる前に、主治医に認定基準に関わる検査値について相談してみましょう。
糖尿病性腎症・網膜症・神経障害は別の認定基準で申請できる
長年の血糖コントロール不良により合併症が進行した場合、それぞれの合併症に応じた認定基準で障害年金を申請できます。糖尿病性腎症は「腎疾患による障害」、糖尿病性網膜症は「眼の障害」として判定されます。
糖尿病性神経障害は「神経系統の障害」として、各分野の基準に照らして等級が判定されます。
特に糖尿病性腎症が進行して人工透析を受けている方は、原則2級に認定されます。透析導入に至った場合の初診日は、糖尿病で初めて医療機関を受診した日が該当する点には注意が必要です。
合併症を併合して上位等級を目指す方法
1つの糖尿病から複数の合併症が生じている場合、それぞれの障害の程度を評価したうえで、「併合」という仕組みによって上位等級に認定されることがあります。
たとえば、糖尿病性網膜症による視力障害と糖尿病性神経障害による手足のしびれを合わせて評価するケースがこれにあたります。
一方、糖尿病と糖尿病性腎症のように内科疾患が併存している場合は、併合ではなく「総合認定」により等級が判断されます。
複数の合併症がある方は、どの診断書をどのように組み合わせて提出するかが受給の成否を左右するため、専門家への相談を検討してみてください。
糖尿病の主な合併症と障害年金の認定区分
| 合併症 | 認定区分 | 等級の目安 |
|---|---|---|
| 糖尿病性腎症(人工透析) | 腎疾患による障害 | 原則2級 |
| 糖尿病性網膜症 | 眼の障害 | 視力・視野により1〜3級 |
| 糖尿病性神経障害 | 神経系統の障害 | 症状の程度により判定 |
| 糖尿病性壊疽 | 肢体の障害 | 運動障害の程度により判定 |
糖尿病の障害年金で受給できる金額はいくらか
障害年金の受給額は等級や加入していた年金制度によって異なります。2025年度(令和7年度)は前年度比で1.9%引き上げられ、受給額は3年連続で増額となりました。
障害基礎年金の受給額(2025年度)
障害基礎年金は定額で支給されます。2025年度の年額は、1級が1,039,625円(月額約86,635円)、2級が831,700円(月額約69,308円)です。
2級の金額は老齢基礎年金の満額と同じ水準にあたり、1級は2級の1.25倍となっています。
なお、18歳到達年度末までの子ども(または20歳未満で障害等級1級・2級の子ども)がいる場合は、子の加算が上乗せされます。2025年度の加算額は、1人目・2人目が各234,800円、3人目以降が各78,300円です。
障害厚生年金の受給額と報酬比例部分
障害厚生年金の金額は、加入期間中の平均報酬額や加入月数をもとに計算される「報酬比例部分」がベースになります。1級は報酬比例部分の1.25倍、2級は報酬比例部分そのままの金額です。1級・2級の場合は障害基礎年金も併せて受給できます。
糖尿病の障害年金で想定される受給額の目安
| 等級 | 年金の種類 | 年額の目安 |
|---|---|---|
| 1級 | 障害基礎年金+障害厚生年金 | 約200〜280万円 |
| 2級 | 障害基礎年金+障害厚生年金 | 約150〜220万円 |
| 3級 | 障害厚生年金のみ | 約60〜100万円 |
子や配偶者の加算で受給額が増える
障害基礎年金の受給者に子どもがいる場合は「子の加算」が支給されます。障害厚生年金1級または2級の受給者で、生計を維持している65歳未満の配偶者がいる場合は「配偶者加給年金」も加算されます。
2025年度の配偶者加給年金額は234,800円です。
3級の障害厚生年金には子の加算や配偶者加給年金は付きません。糖尿病単体で3級認定を受けた方の受給額は報酬比例部分のみとなりますが、最低保障額として623,800円が設定されています。
糖尿病で障害年金を申請するときに必要な書類と手続きの流れ
障害年金の申請には複数の書類を揃える必要があり、特に診断書と病歴・就労状況等申立書の内容が審査結果を大きく左右します。書類の準備は時間に余裕を持って進めましょう。
診断書は「腎疾患・肝疾患・糖尿病の障害用」を使う
糖尿病で障害年金を申請する場合、使用する診断書の様式は「腎疾患・肝疾患・糖尿病の障害用」です。この診断書の裏面にある「糖尿病」の欄に、Cペプチド値や重症低血糖の回数、一般状態区分表の該当区分などを主治医に記入してもらいます。
合併症がある場合は、合併症の種類に応じた診断書も追加で必要になることがあります。たとえば糖尿病性網膜症であれば「眼の障害用」、糖尿病性神経障害による手足の障害であれば「肢体の障害用」の診断書を併せて提出します。
病歴・就労状況等申立書の書き方で結果が変わる
病歴・就労状況等申立書は、発症から現在までの経過や日常生活の困難さを本人が記載する書類です。医師の診断書だけでは伝わりにくい「日々の生活でどれほど支障があるか」を審査側に届ける役割を担っています。
記載のポイントは、具体的なエピソードを時系列で整理することです。「低血糖発作で意識を失い救急搬送された」「インスリン注射の回数が増えても血糖値が安定しない」といった事実が効果的です。
「重い倦怠感で家事や仕事ができない日がある」など、日常生活や就労への支障を具体的に書きましょう。
抽象的な表現よりも、日付や回数を入れた具体的な記述のほうが説得力を持ちます。通院頻度や入院歴、処方薬の変遷なども漏れなく記載してください。
申請から受給開始までのスケジュール
障害年金の請求書を年金事務所に提出してから結果が届くまで、通常3〜4か月程度かかります。審査の混雑状況によってはさらに時間がかかるケースもあるため、早めの準備が大切です。
認定されると、請求月の翌月分から年金が支給されます。支給日は偶数月の15日で、2か月分がまとめて振り込まれる仕組みです。初回の振込は決定からさらに1〜2か月後になることが多いでしょう。
障害年金申請の主な流れ
- 初診日の確認と受診状況等証明書の取得
- 主治医への診断書作成依頼(障害認定日用と現在用の2通が必要な場合あり)
- 病歴・就労状況等申立書の作成
- 年金事務所へ請求書類一式を提出
- 審査(約3〜4か月)を経て結果通知を受領
糖尿病の障害年金が不支給になったときの対処法
審査の結果、不支給となるケースは決して珍しくありません。しかし、不支給通知を受け取った後でも、審査請求や再申請によって受給が認められる可能性は十分にあります。
不支給の通知が届いても審査請求で逆転できる
不支給決定に不服がある場合は、決定を知った日の翌日から3か月以内に「審査請求」を行えます。審査請求は、地方厚生局に設置されている社会保険審査官に対して行うものです。
審査請求でも認められなかった場合は、さらに「再審査請求」を社会保険審査会に申し立てることができます。
不支給時に検討すべき選択肢
- 審査請求(不服申し立て):決定通知から3か月以内に地方厚生局へ
- 再審査請求:審査請求の決定から2か月以内に社会保険審査会へ
- 額改定請求:症状が悪化した場合に等級変更を求める
- 再申請(事後重症請求):Cペプチド値や症状が基準に達した時点で再度申請
社労士に依頼するメリットと費用の目安
障害年金の申請は書類の準備や認定基準の理解に専門的な知識が必要です。社会保険労務士(社労士)に依頼すれば、初診日の特定から診断書の記載内容の確認、病歴・就労状況等申立書の作成まで、一連の手続きをサポートしてもらえます。
費用の相場は、着手金が1〜2万円程度、成功報酬が年金額の2〜3か月分というケースが一般的です。成功報酬型であれば、受給が決まらなかった場合の経済的な負担を抑えられます。
初回相談を無料で受け付けている事務所も多いため、まずは相談してみるとよいでしょう。
Cペプチド値が基準を超えていても再申請で認められた事例がある
過去にCペプチド値が0.3ng/mLを超えていたために不支給となった方でも、その後の検査で数値が0.3ng/mL未満に下がったことを証明し、再度申請して障害厚生年金3級が認められた事例が報告されています。
糖尿病は時間の経過とともに病状が変化する疾患です。一度不支給となっても、定期的にCペプチド値などの検査を受け、基準に該当する数値が出た時点で改めて申請を検討してください。病状の変化を記録し続けることが、将来の受給につながります。
よくある質問
- Q糖尿病の障害年金は働きながらでも受給できるのか?
- A
糖尿病で障害年金を受給する場合、就労していることだけを理由に不支給となることはありません。フルタイムで働いている方であっても、インスリン治療を行っているのに血糖コントロールが困難な状態にある方は対象となります。
Cペプチド値が0.3ng/mL未満であり、一般状態区分表のイまたはウに該当すれば3級に認定される可能性があります。
ただし、診断書の一般状態区分表で「ほぼ通常の社会生活ができる(ア)」と記載された場合は、認定が難しくなります。主治医に日常生活や就労での困難さを正確に伝え、実態に即した記載をしてもらうことが大切です。
- Q糖尿病の障害年金で2級以上に認定されることはあるのか?
- A
糖尿病単体での2級以上の認定はかなり限られますが、可能性がゼロではありません。認定基準には「症状、検査成績及び具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定する」という記載があり、実際に訴訟を経て2級が認められたケースも存在します。
より現実的な方法としては、糖尿病の合併症を通じて上位等級を目指す申請が挙げられます。腎症による人工透析、網膜症による視力低下、神経障害による手足の機能障害などが該当します。
合併症がある場合は、それぞれの障害に対応した診断書を提出し、併合認定や総合認定によって2級以上の判定を受ける可能性を探りましょう。
- Q糖尿病の障害年金を遡及請求することはできるのか?
- A
障害認定日(初診日から1年6か月後)の時点ですでに認定基準に該当していた場合、遡及請求(さかのぼりの請求)が認められます。遡及できるのは請求日から最大5年分で、5年分の年金をまとめて受け取れる可能性があります。
遡及請求を行うには、障害認定日頃の診断書と現在の診断書の2通を提出する必要があります。
障害認定日時点でCペプチド値を測定していなかった場合でも、当時の血糖コントロール状況や低血糖発作の記録があれば遡及が認められた事例があるため、過去のカルテや検査記録を確認してみてください。
- Q糖尿病の障害年金と老齢年金は両方もらえるのか?
- A
65歳以降は、障害年金と老齢年金を組み合わせて受給できる場合があります。具体的には「障害基礎年金+老齢厚生年金」の組み合わせが認められており、それぞれの金額を比較して有利なほうを選ぶことが可能です。
一方、65歳未満の方は原則として障害年金と老齢年金のどちらか一方を選択する必要があります。どの組み合わせが有利かは個人の年金加入歴や家族構成によって異なるため、65歳が近づいたら年金事務所で試算してもらうことをおすすめします。
- Q糖尿病の障害年金は一度認定されたら永久に受給し続けられるのか?
- A
障害年金には「永久認定」と「有期認定」があります。糖尿病の場合は有期認定となるケースが一般的で、1〜5年ごとに「障害状態確認届」(更新用の診断書)を提出し、引き続き障害等級に該当するかどうかの審査を受けます。
更新時の審査で障害の状態が軽減したと判断された場合は、等級の変更や支給停止となる可能性もあります。更新の際は、日常生活や就労で困っていることを主治医にしっかり伝え、実態に合った診断書を作成してもらうことが大切です。


