健康診断の結果で「血糖値が高め」「糖尿病の疑いあり」などと言われると、急に不安を感じる方は多いようです。
実は、糖尿病と診断されていないものの血糖値が高めの状態を「糖尿病予備軍」と呼ぶことがあります。この段階でも生活習慣を見直すだけで血糖値が安定し、将来の糖尿病発症を防ぐ可能性があります。
この記事では、糖尿病予備軍と呼ばれる状態の基礎知識や、日常生活の改善ポイント、クリニックの受診タイミングなどをわかりやすく紹介します。
不安を抱いたまま放置せず、早い段階で対策を考えてみませんか。
健康診断で糖尿病予備軍、境界型糖尿病と指摘されるなど、糖尿病検査で追加検査・精密検査をご希望の方は、神戸きしだクリニックの糖尿病内科で対応させていただきます。詳しくはこちら
この記事を書いた人
神戸きしだクリニック院長
医学博士
日本医学放射線学会認定 放射線診断専門医
日本核医学会認定 核医学専門医
【略歴】
神戸大学医学部卒。神戸大学大学院医学研究科医科学専攻博士課程修了。神戸大学附属病院 放射線科 助教。甲南医療センター放射線科医長を経て神戸きしだクリニックを開業（2020年6月1日）
糖尿病予備軍とは何か
糖尿病予備軍とは、血糖値が正常な範囲をわずかに超えているものの、まだ糖尿病とは診断されない状態を指すことがあります。
この状態を甘く見て放置すると、徐々に血糖コントロールが悪化し、本格的に糖尿病を発症するリスクが高くなるので注意が必要です。
いわゆる境界型とは？
健診などで「境界型」と言われることがあります。これは、空腹時血糖値や糖負荷試験などの結果が正常と糖尿病の中間を示す状態です。
具体的には、空腹時血糖値が126mg/dL未満ながら100mg/dL以上だったり、HbA1cが6.5％未満ながら6.0％前後で推移していたりすると「境界型」と判断されることがあります。
境界型のまま一定期間過ごすと、下記のような理由で糖尿病に進行するケースがあります。
- 食事の過剰摂取や高糖質の食生活
- 運動不足によるエネルギー消費量の減少
- ストレス過多や睡眠不足によるホルモンバランスの乱れ
- 家族歴や体質的にインスリン分泌が弱い
糖尿病と境界型の主な血糖値目安
| 状態 | 空腹時血糖値 (mg/dL) | HbA1c(%)の目安 |
|---|---|---|
| 正常型 | ～99 | ～5.9 |
| 境界型 | 100～125 | 6.0～6.4 |
| 糖尿病型 | 126以上 | 6.5以上 |
このように、「境界型」とは糖尿病の一歩手前の段階を表すことが多いです。境界型と診断されたときは、生活習慣を積極的に見直す必要があります。
血糖値の基準から見る糖尿病予備軍
空腹時血糖値やHbA1cなどの指標で境界型や糖尿病予備軍の疑いがあると判断された場合、すぐに糖尿病と診断されるわけではありません。
ただし、血糖値の状態によっては以下のようなリスク要因と結びつきやすくなります。
- 動脈硬化の進行
- 高血圧や脂質異常症との併発
- 肥満度増加によるインスリン抵抗性の悪化
それぞれが重なり合うと、時間をかけて血管や神経に大きな負担がかかり、合併症のリスクが上昇しやすくなります。
糖尿病予備軍を疑う目安
- 空腹時血糖値が100mg/dL以上
- HbA1cが6.0％以上
- 食後血糖値が140～199mg/dL程度
- 過去に妊娠糖尿病などの診断歴がある
あくまでも目安であり、これらの条件をすべて満たすわけではなくても、医師から注意を受けることがあります。
特に食後血糖値の上昇が著しい場合にも見落としがちなので、追加検査などでより正確に確認しておくと安心です。
糖尿病との違い
糖尿病予備軍の段階では、インスリンの分泌はある程度機能していると考えられます。
糖尿病になると、インスリン分泌が著しく低下するか、もしくはインスリンの働きが十分でなくなり、血糖値が慢性的に高い状態になります。糖尿病予備軍では、以下の特徴がみられやすいです。
- 自覚症状がほとんどない
- 血糖値の変動幅が日によって異なる
- 生活習慣の改善で正常範囲に戻る可能性がある
とはいえ、日常の油断や食生活の乱れが続くと、徐々に糖尿病に移行する危険性が高まります。気づいたときに早めに対策しておくことが重要です。
健康診断で指摘される数値の見方
健康診断では、血糖値（空腹時）やHbA1c、尿糖の有無などが注目されます。
それらの数値が基準値を超えた場合、担当医や保健指導のスタッフから生活習慣の改善を促されることが多いです。ここでは、よく指摘される数値やその意味を解説します。
空腹時血糖値とHbA1cの意味
空腹時血糖値は、一般的に8時間程度の絶食後に測定した血糖値を指します。健康診断では以下のような基準を参考にすることが多いです。
- 正常：～99mg/dL
- 境界高値：100～125mg/dL
- 糖尿病型：126mg/dL以上
HbA1cは過去1～2カ月の平均的な血糖値の状態を反映し、糖尿病の疑いがあるかどうかの判断に用いられます。空腹時血糖値が正常でも、HbA1cが高めになるケースもあり得ます。
空腹時血糖値とHbA1cの主な特徴
| 指標 | 特徴 | 参考数値 |
|---|---|---|
| 空腹時血糖値 | 短時間（直近）の血糖状態を確認できる | ～99mg/dL |
| HbA1c | 長期（1～2カ月）の血糖コントロール状態を反映 | ～5.9% |
空腹時血糖値だけで判断できない場合は、HbA1cや食後血糖値の測定など、追加の検査で総合的に評価することが求められます。
血糖値と生活習慣の関係
血糖値は日頃の生活習慣と密接に結びつきます。特に以下の行動習慣が血糖値に影響を与えやすいです。
- 高カロリー・高脂質の食事や夜食
- 運動不足や長時間座ったままの生活
- 睡眠不足やストレス過多
- 飲酒や喫煙の習慣がある
血糖値は食後に大きく上昇し、インスリンによってコントロールされています。
しかし、インスリンの分泌量が不足したり、その働きが鈍ったりすると、血液中のブドウ糖がうまく細胞内に取り込まれずに血糖値が高くなります。
受診後のチェックポイント
健診で血糖値やHbA1cが高めと言われた場合、そのまま放置せずに以下のチェックを行うとよいでしょう。
- 普段の食事内容や間食の回数・時間帯
- 1日あたりの歩数、運動習慣の有無
- 週あたりのアルコール摂取量
- 生活リズム（就寝・起床時間）の乱れ
受診後に見直すべき習慣
- 朝食を抜いていないか
- スナック菓子や清涼飲料水の頻度
- 1回の食事量が過剰になっていないか
- 就寝直前に大量に食べていないか
これらを意識するだけでも、血糖値の変動に気づきやすくなります。
放置すると何が起こる？
糖尿病予備軍の状態を軽視して生活習慣を変えずにいると、時間をかけて糖尿病に発展する可能性が高まります。糖尿病が進行すると、高血糖が慢性化して体にさまざまな悪影響を及ぼします。
糖尿病リスクの上昇
糖尿病予備軍である期間が長いと、インスリン分泌能力が限界を迎えやすくなり、血糖値を正常に保つことが難しくなります。
特に2型糖尿病は生活習慣との関連が強いとされ、以下のような環境要因が重なると急速に進行する恐れがあります。
- 肥満の進行
- 運動不足による筋肉量の低下
- 不規則な食事リズム
- 自律神経の乱れによる代謝低下
糖尿病進行リスクに影響を与える主な因子
| 因子 | 具体例 |
|---|---|
| 食事習慣 | 過食、高糖質食、間食の多用 |
| 運動不足 | 歩行時間の不足、筋力低下 |
| ストレス | 過剰な仕事量、人間関係の問題 |
| 睡眠不足 | 就寝時間の遅延、慢性的な短時間睡眠 |
| タバコ・酒 | 喫煙本数の増加、飲酒量の増加 |
これらの要因が重なれば重なるほど、インスリン分泌やインスリンの効き目が低下し、血糖値が高止まりするリスクが高くなります。
合併症への影響
糖尿病の怖さは、高血糖状態が長引くことによって引き起こされる合併症にあります。予備軍の段階では症状はほとんど見られなくても、放置すると以下の合併症が起こる可能性があります。
- 網膜症（視力低下、最悪の場合失明）
- 腎症（腎臓の機能低下、透析のリスク上昇）
- 神経障害（しびれや痛み、知覚鈍麻）
特に網膜症や腎症は進行するまで気づきにくく、症状が表れたときにはかなり進んでいるケースもあります。
合併症予防のために意識したい数値管理
- 血糖値（空腹時・食後）の測定やモニタリング
- 血圧測定（高血圧は腎障害に拍車をかける）
- コレステロール値（脂質異常症との併発を防ぐ）
- 体重とBMI（肥満対策の一環）
糖尿病予備軍の段階から、上記の数値を把握し、必要に応じて調整することが望まれます。
早期治療のメリット
早期に糖尿病予備軍であることを自覚し、生活習慣を改善するメリットは大きいです。具体的には以下のような利点があります。
- 血糖コントロールが良好になり、合併症リスクが下がる
- 運動や食事療法で体重が適正範囲に近づきやすい
- 高血圧や脂質異常症も同時に改善する可能性がある
糖尿病予備軍と診断されたら、治療というよりは「予防的な対策を始める」段階と考える方が前向きになりやすいです。
糖尿病予備軍が意識したい生活習慣
糖尿病予備軍と判明したら、まずは日常生活で改善できるポイントを見直してみましょう。小さな変化の積み重ねが血糖コントロールの安定につながります。
食事のバランスと工夫
過度に糖質を制限したり、厳格なカロリー制限を一気に行ったりすると、ストレスや栄養バランスの乱れにつながり逆効果になることもあります。
バランスの良い食事とは、主食・主菜・副菜・汁物などを適度に組み合わせ、エネルギーや栄養素を過不足なく摂取することを指します。
- 野菜を意識して先に食べ、血糖値の急上昇を緩和する
- 揚げ物などを控え、加熱方法を工夫して脂質を抑える
- ゆっくりとよく噛んで食べ、満腹感を得やすくする
- 清涼飲料水の代わりにお茶や水を選ぶ
1食あたりの栄養バランスの目安
| 食品群 | 例 | 取り入れ方のポイント |
|---|---|---|
| 炭水化物 | ごはん、パン、麺など | 過度な大盛りは控え、適量を守る |
| タンパク質 | 魚、肉、大豆製品、卵など | 脂身の多い部位や加工品は頻度を抑える |
| ビタミン・ミネラル | 野菜、果物、海藻、きのこなど | カロリー過多になりにくく、食物繊維を補いやすい |
| 脂質 | 調理油、ナッツ、乳製品など | 過剰摂取にならないように調理法を工夫する |
バランスを考えて食べることが大切ですが、食事の全体量が多すぎると血糖値が高くなりやすいです。1食の分量や食べる時間帯にも注意を払うと良いでしょう。
運動の取り入れ方
運動は筋肉の糖取り込みを助け、血糖値を下げる大切な要素です。糖尿病予備軍の場合は、激しいトレーニングよりも、日常生活に適度な運動を組み込むことがポイントになります。
- こまめに歩く距離を増やす（エスカレーターより階段、車移動より自転車など）
- ストレッチや軽い筋力トレーニングを毎日行う
- 歩数計やスマートウォッチで日々の運動量を可視化する
リスト：日常生活に取り入れやすい運動例
- 朝や夕方のウォーキング
- 通勤時の一駅分の徒歩
- 家事や掃除中のスクワットやつま先立ち
- テレビを見ながらのストレッチや軽い筋トレ
継続的に行うことが大切です。短期間に激しい運動をするよりも、長期的な取り組みの方が血糖コントロールには効果的です。
ストレスと睡眠
ストレスや睡眠不足は、ホルモンバランスを乱し、血糖値を上昇させる要因になることがあります。糖尿病予備軍の場合も、これらを軽視せずに整えることが重要です。
- 就寝前はスマホやタブレットの使用を控え、脳を休ませる
- 1日7時間程度の睡眠を目安にする
- 疲労が蓄積しないように休息をしっかりとる
- 趣味やリラクゼーション法を見つけてストレスを緩和する
精神的に安定していると、過食や不規則な生活を防ぎやすくなります。血糖値管理には、心と体の両面からのアプローチが必要です。
食事改善の具体例
糖尿病予備軍と診断されたら、最も取り組みやすいのが食事の見直しです。自宅での食事だけでなく、外食やコンビニの利用時にも注意するとより効果的です。
エネルギー量と栄養素のバランス
1日のエネルギー摂取量の目安は、年齢、性別、活動量などによって異なります。
ただし、糖尿病予備軍の場合は、過剰摂取に気をつけながら、主食・主菜・副菜・果物などをまんべんなく摂ることが大切です。
極端な制限食は長続きしにくく、リバウンドを引き起こす可能性もあります。
活動量別の1日あたりのエネルギー摂取目安（成人男性の場合）
| 活動量 | 目安となる1日の歩数 | 1日のエネルギー摂取目安(kcal) |
|---|---|---|
| 低い | 5,000歩程度 | 2,000～2,200 |
| 普通 | 7,000～8,000歩 | 2,300～2,500 |
| 高い | 10,000歩以上 | 2,600～2,800 |
上記はあくまで目安なので、実際には管理栄養士や医師と相談しながら調整することが望ましいです。
外食・コンビニでの選び方
外食やコンビニでの食事はカロリーや塩分、糖質が高いメニューが多い傾向にあります。糖尿病予備軍の方が利用する際には、以下の点を意識すると血糖値の急上昇を抑えやすいです。
- 定食や弁当なら野菜系のおかずを追加して、主食を少なめにする
- うどんやパスタなど単品で炭水化物のみにならないよう、副菜を一緒に取る
- サラダにはドレッシングをかけすぎない
- 唐揚げや揚げ物メインのメニューは頻度を控える
外食・コンビニで気をつけたいポイント
- メインは焼き魚や茹で野菜など脂質が抑えられたもの
- ポテトフライやスナック菓子は控える
- デザートは小サイズにするか、できるだけ避ける
- 調味料の追加（マヨネーズ、砂糖入りソースなど）はほどほどに
無理に禁止するとストレスが増すので、「少し減らす」「回数を抑える」といった調整で続けやすくしましょう。
間食と甘いものとの付き合い
糖尿病予備軍の場合、甘いものを完全に断つ必要はありません。ただし、頻度と量の調整が大切になります。
甘い菓子やスイーツは血糖値を急激に上昇させやすいため、以下のような工夫をおすすめします。
- 小分けタイプのスイーツを選ぶ
- 食後に少量だけ楽しむ（空腹時に食べると血糖値が上がりやすい）
- フルーツやヨーグルトなどの低カロリーなものに置き換える
- 飲み物は砂糖を入れない、または人工甘味料を活用する
間食時に選びやすい低カロリーアイテム
| 食品・飲料 | カロリー(目安) | 特徴 |
|---|---|---|
| プレーンヨーグルト | 約60kcal/100g | たんぱく質を補給しやすく、腹持ちも良い |
| ゼロカロリー飲料 | 0kcal | 甘味があっても血糖値が上がりにくい |
| フルーツ（小サイズ） | ～50kcal/100g | ビタミン・ミネラルを同時に補給できる |
| ナッツ（無塩） | 約30kcal/5粒 | 適度な脂質とタンパク質を含む |
一度に大量の間食をするのではなく、計画的に楽しむことで血糖値の急激な変動を抑制できます。
検査や通院のタイミング
糖尿病予備軍といっても、何か特別な症状がすぐ出るわけではありません。ただし、定期的な検査で血糖値や関連指標を確認しながら、必要に応じて医療機関に相談することは重要です。
定期検査のすすめ
血糖値は変動しやすいので、年に1回の健康診断だけでは状態を把握しきれないケースもあります。
医師から指示があった場合は、年に2～3回程度の頻度で血液検査を受け、以下の項目をチェックすることをおすすめします。
- 空腹時血糖値
- HbA1c
- 血圧やコレステロール値
- 腎機能（クレアチニン、尿たんぱくなど）
検査前に意識したいこと
- 前日から過度な飲酒や暴飲暴食を避ける
- 十分な睡眠を確保して検査に臨む
- 指示がある場合は服薬状況をメモして医師に伝える
これらを守ると検査結果の精度が高まり、正確な判断につながります。
精密検査とその意義
「糖尿病予備軍かもしれない」と診断されても、本当に糖尿病に近い状態なのかは追加の検査が必要になることがあります。
特に、75g経口ブドウ糖負荷試験（OGTT）は、ブドウ糖負荷前後で血糖値がどのように変化するかを観察し、インスリン分泌の状態を詳しく把握する目的があります。
75g経口ブドウ糖負荷試験の主な内容
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 負荷前血糖値 | 空腹時の血糖値を測定 |
| 30分後、60分後、120分後 | ブドウ糖飲用後の血糖値を段階的に測定 |
| インスリン値 | 血糖値と同時にインスリン量を計測し、分泌状態を確認 |
この検査で血糖値の上昇が激しく、インスリン分泌が追いついていないと確認された場合は、より厳密な生活習慣の改善や薬物療法の検討に進むこともあります。
通院の継続の重要性
一度指導を受けたらそれで終わりではなく、長期的な観察が必要になります。糖尿病予備軍の段階で定期通院をしておくと、以下のメリットがあります。
- 生活習慣の改善状況を医師やスタッフと共有できる
- 小さな変化も早期に察知して対策を取れる
- 合併症のリスクを先取りして評価できる
糖尿病は慢性的な病気であり、少しずつ進行することも多いです。早めの段階で医療機関と二人三脚の体制を作ることが、将来のリスク低減につながります。
糖尿病内科クリニックでできること
糖尿病予備軍の段階でも、専門のクリニックを受診すると多角的なサポートを得られます。疑問点や不安がある方は、遠慮せずに医師やスタッフに相談してみてはいかがでしょうか。
受診のメリット
糖尿病内科では、糖尿病予備軍の方にも適切な検査やアドバイスを行っています。特に以下のような面でメリットを感じる方が多いです。
- 専門医による血糖値管理や合併症の早期発見
- 個々の生活習慣や食事パターンに沿った具体的な指導
- 定期的に経過観察を行い、改善効果を確認できる
受診前に準備しておくと便利な情報
- 健康診断の結果や過去の検査データ
- 日常の食事内容や運動頻度
- 家族歴（糖尿病やその他の生活習慣病）
- 服用中の薬やサプリメントの有無
生活習慣を変えるためのステップ
糖尿病予備軍と診断されたときこそ、自分の生活習慣を見直す良い機会です。ただし、いきなり大きな変化を目指しても継続が難しく、挫折しやすいのも事実です。小さなステップから始める方法を紹介します。
目標設定とモチベーション維持
何よりもまずは、なぜ生活習慣を変えたいのかという目的をはっきりさせることが大切です。「数値を改善する」「将来の合併症を防ぎたい」「家族に心配をかけたくない」など、人によって動機は様々です。
- 具体的な数値目標（体重やHbA1c）を設定する
- 目標期間を決めて進捗を確認する
- 成果を感じやすいよう、定期的に記録をつける
生活習慣改善の目標例
| 目標 | 期間 | 手段 |
|---|---|---|
| 体重を3kg落とす | 3カ月以内 | 夕食の主食を少なめにし、週3回ウォーキング |
| HbA1cを0.3％下げる | 6カ月以内 | 食事内容と間食を管理、週2回の筋トレ |
| 1日あたり1,000歩増やす | 1カ月 | 通勤時に1駅分歩く、休日に30分散歩 |
こうした小さな目標を積み上げながら成果を実感すると、長続きしやすくなります。
小さな習慣から始めるコツ
生活習慣の改善と聞くと、大掛かりなイメージがありますが、最初は小さな行動変容からで構いません。
例えば、「夜9時以降に炭水化物を食べない」「階段を使う」「朝食はできる限りとる」など、1つずつ習慣化していくと自然に定着しやすいです。
- 目標を細分化して1週間単位で管理する
- 短いスパンでの達成感を味わえるようにする
- 達成したら自分を少しだけ褒める、報酬を設定する
気づいたら大きく変わっていた、という流れが理想的です。挫折しにくく、自分らしいペースで続けることが血糖値を安定させる鍵になります。
糖尿病を知ろう
当院（神戸きしだクリニック）への受診について
血糖値異常や尿糖陽性を指摘されるなど、糖尿病検査で要再検査や精密検査をご希望の方は、当院の糖尿病内科で対応させていただきます。経験豊富な専門医による丁寧な診察と、充実した検査機器による精密検査を提供しています。
糖尿病内科
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日祝 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 9:00 – 12:00 | – | ○ | – | ○ | – | ○ 隔週 | 休 |
| 13:30 – 16:30 | ○ | ○ | ○ | – | ○ | 休 | 休 |
| 09:00～12:00 | 13:30～16:30 | |
| 月 | – | 〇 |
| 火 | 〇 | 〇 |
| 水 | – | 〇 |
| 木 | 〇 | – |
| 金 | – | 〇 |
| 土 | 〇 隔週 | － |
| 日 | － | － |
| 祝 | － | － |
検査体制
- 血糖値検査（随時血糖・空腹時血糖）
- HbA1c検査
- 経口ブドウ糖負荷試験（75gOGTT）
- 尿検査（尿糖・尿蛋白）
- 血液検査（脂質・肝機能・腎機能など）
など、必要に応じた検査を実施いたします。網膜症の精査や詳細な合併症検査が必要な場合は、神戸大学医学部附属病院など専門医療機関と連携して対応いたします。
受診時の持ち物
- 健康診断の結果
- 健康保険証
- お薬手帳（服用中のお薬がある方）
予約・受診方法
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