ゼップバウンドには承認された効能が2つあり、肥満症と、中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群が並んでいます。適応の条件は効能ごとに別々に定められており、同じ薬でも入り口が1本ではありません。

どちらの効能でもBMI27kg/m2以上という数値が共通して置かれる一方、そこに重ねられる条件は大きく違います。肥満症では健康障害の個数が、睡眠時無呼吸では検査の数値が問われます。

電子添文と、厚生労働省が示した公的な使用の指針をたどると、この薬がどこへ向けて置かれた治療なのかが浮かび上がります。条件の中身を効能ごとに分けて追っていきます。

目次

ゼップバウンドの適応は2つの効能に分かれている

1つの薬に2つの効能が並ぶ場合、条件も2組あります。ゼップバウンドはまず肥満症の治療薬として承認され、そのあとに中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群が加わりました。

肥満症と睡眠時無呼吸の2つが効能に並ぶ

電子添文の効能又は効果の欄には肥満症と中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群が並記され、それぞれに長いただし書きが付いています。この但し書きこそが適応の中身であって、病名だけでは対象かどうかは決まりません。

肥満症のほうは、併せ持つ病気とBMI、そして肥満に関連する健康障害の個数という3つの要素が組み合わさる構えです。いっぽう睡眠時無呼吸では、BMIが27kg/m2以上に該当する場合に限る、という一行だけが効能の欄に置かれています。

短く見える睡眠時無呼吸の条件も、効能又は効果に関連する注意と公的な指針まで読み進めると、検査の数値や事前の減量の取り組みが幾重にも重なってきます。

どちらの効能でもBMI27が入り口に置かれる

2つの効能に共通するのはBMI27kg/m2以上という数値で、これを下回る人はどちらの入り口も通りません。体重を身長の2乗で割った値が、最初の分かれ目に据えられています。

ただし共通するのはこの一点だけで、27を超えたあとに問われる内容は効能ごとに枝分かれします。肥満症では健康障害を数え、睡眠時無呼吸では睡眠中の呼吸そのものを測るからです。

有効成分チルゼパチドはマンジャロと共通する

ゼップバウンドの有効成分はチルゼパチドで、2型糖尿病の治療薬であるマンジャロと同じ成分です。販売名と効能が違っても、体の中で働く物質そのものは変わりません。

そのため公的な指針は、マンジャロなど他のチルゼパチド含有製剤や、ほかのGLP-1受容体作動薬と併用しないよう求めており、処方にあたってそれらが出ていないかを確かめる手順まで示しています。

用量も効能によって違います。肥満症では週1回2.5mgから始めて4週間の間隔で2.5mgずつ増やし週1回10mgへ、睡眠時無呼吸では同じ増やし方をたどって週1回15mgへ進む用法が定められました。

効能BMIの条件あわせて問われる主な条件
肥満症27kg/m2以上(健康障害2つ以上)または35kg/m2以上高血圧・脂質異常症・耐糖能障害のいずれか、6ヵ月以上の食事療法・運動療法
中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群27kg/m2以上(原則30kg/m2以上)検査で無呼吸低呼吸指数が15イベント/時間以上、3ヵ月以上の食事療法・運動療法

同じ薬について話していても、どちらの効能で使うかによって確かめる項目が入れ替わります。以降は効能ごとに条件を分けて追っていきます。

肥満症でゼップバウンドの適応になるBMIと健康障害

肥満症は見た目の問題ではなく、健康障害を伴う病気として扱われます。BMIが高いという体型の判定と、治療を要する疾患としての肥満症は、日本肥満学会の診療ガイドラインではっきり分けられています。

BMI27以上なら健康障害が2つ以上必要になる

効能又は効果の欄は、BMIが27kg/m2以上であり2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する場合と、BMIが35kg/m2以上の場合という2本の道筋を示しています。どちらか一方を満たせば、数値の要件は足ります。

27の側を通るときは健康障害の個数が問われ、1つだけでは要件に届きません。35以上であれば個数の条件は外れますが、併せ持つ病気についての条件は残ったままです。

身長170cmなら体重78kg前後、身長160cmなら69kg前後がBMI27のあたりに来ます。境目に近い人ほど朝夕の体重差で判定が動きうるため、自分で結論を出さず診察で測ってもらうほうが確実でしょう。

併せ持つ病気は高血圧・脂質異常症・耐糖能障害

BMIの条件の手前には、高血圧、脂質異常症又は耐糖能障害のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られない場合に限る、という前提が置かれています。耐糖能障害には2型糖尿病と耐糖能異常などが含まれると効能の欄に明記されました。

つまり体重が多いだけでは対象になりません。血圧・脂質・血糖のいずれかに医学的な問題を抱えている人が、薬物治療の対象として適切と判断された場合に限られます。

公的な指針は、この判断を診療ガイドラインの診断基準に基づいて行うよう求めています。健診で数値を指摘されただけの段階と、診断がついた状態は、はっきり区別される仕組みです。

耐糖能異常だけの場合に確かめられる検査値

耐糖能異常などはあるものの高血圧と脂質異常症のいずれも持たない人については、電子添文が特別な注意を置いています。臨床試験で対象となった患者背景を熟知した医師のもとで使うよう求めたうえで、確かめるべき検査値まで具体的に示しました。

挙げられているのは、空腹時血糖値が100〜125mg/dL、75g経口ブドウ糖負荷試験の2時間値が140〜199mg/dL、HbA1cが5.7〜6.4%という3つで、このうち2つ以上に該当するか、あるいは糖尿病型に該当するかを確認する運びになります。

そのうえで糖代謝に関わる検査から2型糖尿病の発症の危険が高いと考えられる人に限って適用する、という書きぶりです。数値そのものは診察で測ったものを使うため、手元の健診結果だけで当てはまるかを判断するのは難しいといえます。

肥満に関連する健康障害として挙げられた11項目

公的な指針は、個数を数える対象となる健康障害を11項目として列挙しています。代謝の乱れから血管、呼吸、関節、腎臓まで、体の広い範囲にまたがる並びです。

  • 耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)
  • 脂質異常症
  • 高血圧
  • 高尿酸血症・痛風
  • 冠動脈疾患
  • 脳梗塞
  • 非アルコール性脂肪性肝疾患
  • 月経異常・不妊
  • 閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群
  • 運動器疾患
  • 肥満関連腎臓病

並べてみると、自覚症状の乏しいまま進むものが目立ちます。血液検査や画像検査を受けてはじめて見つかる項目も含まれており、勤務先の健診では調べていない場合すらあるでしょう。

この一覧に閉塞性睡眠時無呼吸症候群が含まれている点も見逃せません。肥満症の側から数えるときの健康障害の1つでありながら、ゼップバウンドではそれ自体が別の効能として立っているためです。

ゼップバウンドの適応はウゴービとどこが重なる?

肥満症の治療薬として先に承認されたウゴービと比べると、条件の骨組みはよく似ています。数値が動いている箇所と、そろっている箇所を分けて見ると輪郭がつかみやすくなります。

BMIの数値と健康障害の個数はそろっている

ウゴービの効能又は効果も、BMIが27kg/m2以上で2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する場合、またはBMIが35kg/m2以上の場合と定めており、数値も個数もゼップバウンドと同じです。ここに違いを探しても見つかりません。

食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られない場合に限るという前置きも共通しており、公的な指針が求める6ヵ月以上の取り組みと2ヵ月に1回以上の栄養指導も、両者でそろえられています。

併せ持つ病気の書きぶりは少し違う

ウゴービの効能の欄は高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病のいずれかとしているのに対し、ゼップバウンドは耐糖能障害という語を使い、2型糖尿病と耐糖能異常などをそこに含めています。同じ位置に置かれた条件でありながら、指し示す範囲がわずかに広がった形です。

もっとも、耐糖能異常だけを持つ人には前述の検査値の確認が重ねられており、単純に間口が広いとは言い切れません。承認された効能の条件と、公的医療保険で給付される条件が別に定められている点も関わってきます。

電子添文の保険給付上の注意は、この部分について高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病の場合に限り給付の対象になると定めています。効能の条件に当てはまっても給付の対象になるとは限らない、という二段構えです。

制度の条文は改訂を重ねるので、実際の可否は受診した時点の記載に沿って判断されます。効能と給付のどちらの線引きに当たるのかも含めて、診察の場で確かめるのが確実でしょう。

睡眠時無呼吸に使えるのはゼップバウンドのほう

いちばん大きな違いは、中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群という効能を持つのがゼップバウンドだけである点です。いびきや日中の強い眠気が続いている人にとって、この差は選択肢そのものの違いになります。

投与期間の上限も一致しません。ウゴービは日本人を対象とした試験の使用経験から最大68週間とされる一方、ゼップバウンドの肥満症では主要な有効性の評価期間が72週間であったことを踏まえ、最大72週間と定められました。

項目ウゴービゼップバウンド
有効成分セマグルチドチルゼパチド
肥満症のBMIと健康障害27以上で2つ以上、または35以上同じ
併せ持つ病気(効能の条件)高血圧・脂質異常症・2型糖尿病高血圧・脂質異常症・耐糖能障害
睡眠時無呼吸への効能持たない中等症以上を対象に持つ
肥満症での投与期間の上限最大68週間最大72週間

どちらが優れているかを比べる表ではありません。同じ肥満症という効能でも条件の細部が異なるため、置き換えて考えないほうがよい、という読み方が実情に近いと考えられます。

睡眠時無呼吸でゼップバウンドの適応になる条件

睡眠時無呼吸の側の条件は、体重ではなく睡眠中の呼吸の測定から始まります。効能の欄に書かれたBMI27kg/m2以上という一行の背後に、検査と事前の取り組みが積み重なる構成です。

中等症以上かどうかはどの検査で決まる?

電子添文は、無呼吸低呼吸指数が15イベント/時間以上の患者を対象とすると定めています。この指数は睡眠1時間あたりに呼吸が止まったり浅くなったりする回数で、いびきの大きさや眠気の強さでは代わりになりません。

公的な指針はさらに踏み込み、終夜睡眠ポリグラフ検査の結果から15イベント/時間以上、あるいは簡易モニターを用いた簡易施設外睡眠検査の結果から30イベント/時間の中等症以上を確認するよう求めました。どの検査で測ったかによって基準の数値が変わる点に注意が要ります。

検査を受けていない段階では、この条件に当てはまるかどうかを見積もれません。家族から呼吸の止まりを指摘された経験があるなら、まず検査の相談から始まります。

検査用いる指数中等症以上とされる値
終夜睡眠ポリグラフ検査無呼吸低呼吸指数(AHI)15イベント/時間以上
簡易モニターによる簡易施設外睡眠検査呼吸イベントの指数30イベント/時間

原則としてBMI30以上が対象になる

効能の欄はBMI27kg/m2以上としていますが、公的な指針は臨床試験で27以上30未満の参加者が限られていたことを理由に、原則としてBMI30kg/m2以上の患者を対象とするよう求めています。

27以上30未満の人へ用いる場合は、睡眠時無呼吸に関する診療ガイドラインを参考に、有効性と安全性を理解したうえで必要性を慎重に判断する扱いです。数値の上では届いていても、自動的に対象になるわけではありません。

3ヵ月の食事療法と運動療法が前に置かれる

肥満を伴う場合には治療計画を作り、投与する施設でその計画に基づく食事療法・運動療法を3ヵ月以上実施しても十分な体重減少が得られない、という条件が課されます。この間に最低1回は管理栄養士の栄養指導を受けた人であることも求められました。

肥満症の6ヵ月と比べると期間は短くなっていますが、生活習慣の改善を飛ばして薬から始める道が用意されていない点は共通しています。減量療法は標準的な治療の代わりにはならないものの、指数の改善に寄与すると多くの研究が示してきたためです。

ただし例外もあります。肥満低換気症候群のうち覚醒時の状態がCPAPによる治療でも改善しない場合や、心不全と診断される場合には、早期の開始が必要と判断されれば3ヵ月の要件を満たさずとも適用を考慮できると書かれています。

扱える診療科は肥満症のときと違う

施設の要件も効能ごとに別です。肥満症では代謝内科・糖尿病内科・内分泌内科・循環器内科・内科のいずれかを標榜する保険医療機関が対象ですが、睡眠時無呼吸では次の診療科が挙げられています。

  • 循環器内科
  • 呼吸器内科
  • 耳鼻咽喉科
  • 内科

専門医の要件も組み替えられており、日本循環器学会・日本呼吸器学会・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の専門医と、日本内分泌学会・日本糖尿病学会の専門医の双方から、それぞれ最低1分野の関与が必要とされました。

常勤の管理栄養士による栄養指導ができる体制は、どちらの効能でも求められます。睡眠を診る側と代謝を診る側が組んではじめて処方できる形になっている、と読み取れるでしょう。

ゼップバウンドの適応から外れる人と慎重に判断する場合

効能ごとの条件を満たしていても、体質や持病によっては使えません。投与しないと定められた状態と、必要性を慎重に判断する状態は、電子添文で別々に整理されています。

投与しないと定められている状態

成分に対する過敏症の既往歴がある人には投与しません。糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡または前昏睡の状態にある人と、1型糖尿病の人も同じく対象から外れます。

2型糖尿病を持つ人が重症の感染症にかかっている場合や、手術などの緊急の状況にある場合も同じ扱いになります。これらの場面ではインスリン製剤による血糖管理が望まれるからです。

妊娠に関わる条件は厳しい

妊婦または妊娠している可能性のある女性には投与しません。妊娠する可能性のある女性に対しては、投与中および最終投与後1ヵ月間の避妊の必要性と適切な避妊法を説明するよう求められています。

将来の妊娠を視野に入れているなら、開始前の相談で伝えておくと治療の計画そのものを組み立てやすくなります。小児等を対象とした有効性と安全性の臨床試験は実施されておらず、子どもへの使い方は確かめられていません。

慎重な判断が要る持病と状態

次に挙げる状態では、投与の必要性を慎重に判断する扱いになります。該当したからといって一律に使えないわけではなく、見込まれる利益と危険を比べたうえで医師が決めます。

  • 重症胃不全麻痺など重度の胃腸障害がある
  • 膵炎の既往歴がある
  • 脳下垂体機能不全または副腎機能不全がある
  • 栄養不良状態や飢餓状態、不規則な食事摂取、衰弱状態にある
  • 激しい筋肉運動を行っている
  • 過度のアルコール摂取がある
  • 増殖糖尿病網膜症や糖尿病黄斑浮腫などを合併している、またはその既往がある
  • 腹部手術やイレウスの既往がある
  • 高齢である

低血糖を起こすおそれのある状態がまとめて並んでいる点も目を引きます。この薬は血糖を下げる働きを持つため、もともと低血糖に傾きやすい人では注意の度合いが変わってくるのです。

目の状態が挙がっているのも特徴でしょう。急激な血糖の改善にともなって糖尿病網膜症が顕在化したり悪化したりする場合があるため、投与中も注意が続きます。

ゼップバウンドの適応は始めたあとも確かめられる

条件が問われるのは入り口だけではありません。投与できる期間には上限が置かれ、効果が出ない場合と十分に出た場合の中止についても、あらかじめ決められています。

投与期間の上限は効能によって違う

肥満症では日本人を対象とした臨床試験の主要な有効性の評価期間が72週間であったことから、投与は最大72週間とされました。睡眠時無呼吸では承認申請時に評価された国際共同第3相試験の投与期間が52週であったため、上限は最大52週間です。

いずれの効能でも、開始にあたって治療計画を作り、上限までに薬を中止できるよう指導する必要があると書かれています。始める段階から終わり方まで含めて考える薬だといえるでしょう。

3〜4ヵ月で改善傾向がなければ中止する

肥満症では投与開始後に毎月、体重・血糖・血圧・脂質などを確認し、3〜4ヵ月間投与しても改善傾向が認められなければ中止と定められています。効果が認められた場合も、その後は2〜3ヵ月に1回以上の頻度で状態を観察する流れです。

十分な減量効果が得られたときは、投与を続ける必要性を慎重に判断し、72週を待たずに中止して食事療法・運動療法のみの管理へ移ることも考えます。漫然と続ける使い方は、はじめから想定されていません。

中止したあとに肥満症の悪化が認められた場合は、初回と同じように治療計画に基づく食事療法・運動療法を原則6ヵ月以上実施したうえで、必要なときに限って再開する順序になります。

睡眠時無呼吸では検査で重症度を見直す

睡眠時無呼吸では毎月体重などを確認し、3〜4ヵ月間投与しても減量の傾向が認められない場合に中止します。加えて投与開始から6〜7ヵ月を目安に終夜睡眠ポリグラフ検査で重症度を確かめ、改善の傾向がなければ中止と定められました。

体重の変化だけでなく、呼吸の状態そのものを測り直す点がこの効能の特徴です。中止後に悪化が認められた場合は、原則3ヵ月以上の食事療法・運動療法を経てから再開を検討する扱いになります。

効能投与期間の上限途中で確かめること
肥満症最大72週間毎月の体重・血糖・血圧・脂質、3〜4ヵ月での改善傾向
中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群最大52週間毎月の体重、6〜7ヵ月を目安とした検査での重症度

期間の上限と中止の目安が最初から示されているのは、この薬が生涯にわたって使い続ける類のものではないからです。減量と体調の維持を担う主役は、あくまで食事と運動の側に置かれています。

よくある質問

Q
ゼップバウンドの適応は肥満症だけですか?
A

肥満症のほかに、中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群という効能があります。電子添文の効能又は効果の欄に、2つが並記されています。

条件は効能ごとに別々で、求められる検査も事前の取り組みの期間も異なります。どちらの効能で使う話なのかによって、確かめる項目が入れ替わると考えてください。

Q
ゼップバウンドの適応になるBMIの基準はいくつですか?
A

肥満症では、BMIが27kg/m2以上で肥満に関連する健康障害を2つ以上持つ場合か、BMIが35kg/m2以上の場合のいずれかです。睡眠時無呼吸ではBMIが27kg/m2以上とされ、公的な指針は原則として30kg/m2以上を対象に求めています。

BMIは診察のときに測った身長と体重から計算します。境目に近い数値では自分で判断がつきにくいため、気になった段階で受診して確かめるほうが早道です。

Q
ゼップバウンドの適応の条件はウゴービと同じですか?
A

肥満症については、BMIの数値も肥満に関連する健康障害の個数も同じです。食事療法・運動療法を6ヵ月以上続けても効果が足りない場合という前提も共通しています。

違うのは併せ持つ病気の書きぶりと、投与期間の上限、そして睡眠時無呼吸への効能の有無です。ゼップバウンドは耐糖能障害という語を用い、上限は最大72週間とされています。

Q
睡眠時無呼吸でゼップバウンドを使うとCPAPは不要になりますか?
A

公的な指針は、食事や運動による減量療法について、CPAPなどの標準的な治療の代わりになるような効果はないと記しています。薬を始めたからといって、これまでの治療をやめてよいという意味にはなりません。

治療をどう組み合わせるかは、検査の結果と症状をあわせて主治医が判断します。自己判断で中断せず、変更したい希望があれば診察の場で相談してから決める流れになります。

Q
ゼップバウンドを使えないのはどんな人ですか?
A

成分への過敏症の既往歴がある人、糖尿病性ケトアシドーシスや糖尿病性昏睡・前昏睡の状態にある人、1型糖尿病の人には投与しません。2型糖尿病を持つ人の重症感染症や手術などの緊急時も同様です。

妊婦や妊娠している可能性のある女性も対象から外れます。膵炎の既往や重度の胃腸障害などは慎重に判断する扱いで、該当しても一律に使えないわけではありません。

参考にした文献