サクセンダ(リラグルチド3.0mg)は日本国内で承認されておらず、飲酒との関係を説明した日本語の添付文書もありません。この記事で挙げる数字は、すべて海外の資料から引用したものです。

アルコールは肝臓が糖を作り直す働きを抑えるため、飲んでいる最中ではなく数時間後から翌朝にかけて血糖が下がる場合があり、酔いの症状と重なって見過ごされます。

GLP-1受容体作動薬だけを使っているうちは低血糖が起きにくいとされますが、SU薬やインスリンを併せて使っていると話が変わります。

飲んでよい量には触れません。体の中で何が起き、どんな場面が危うく、誰に相談すればよいのかを順に追っていきます。

目次

サクセンダとお酒の注意点は、国内での承認状況から確かめる

サクセンダは国内で承認されておらず、飲酒中の注意を書いた日本語の公的文書は存在しません。同じリラグルチドでも、承認済みのビクトーザとは用量も適応も別ものだと押さえておく必要があります。

数字の出どころ何を示すか読むときの注意
米国の添付文書サクセンダを使った試験での低血糖の割合日本人を主な対象とした結果ではない
海外の無作為化試験リラグルチド3.0mgの効果と有害事象参加者の背景が国内の患者とずれる
国内の電子添文ビクトーザの適応と用法・用量3.0mgという用量には当てはまらない

国内で承認されたリラグルチド製剤はビクトーザだけ

ビクトーザ皮下注18mgの電子添文は、効能・効果を2型糖尿病と定めており、体重を減らす目的での使用には触れていません。用法は1日1回0.3mgから始め、1週間以上の間隔をあけて0.3mgずつ増やす設計になっています。

維持量は0.9mgとされ、効果が不十分な場合に限って最高1.8mgまで増やせると書かれています。国内で認められたリラグルチドの上限はこの1.8mgであり、その先の用量に制度上の居場所はありません。

医薬品情報をまとめたデータベースでも、リラグルチドの日本での製品名はビクトーザだけで、サクセンダは米国の製品として並んでいます。同じ成分でありながら、日本と米国では手に入る製剤が違うわけです。

サクセンダの数字は海外の資料からしか読めない

米国ではサクセンダが体重管理の薬として承認されており、添付文書に低血糖の注意も併用薬との関係も書かれています。日本には対応する文書がないため、この記事もその英文をたどる形になります。

リラグルチド3.0mgは、2型糖尿病のある成人を対象にした56週の無作為化試験でも調べられており、米国の添付文書に載る低血糖の割合も、そうした試験の参加者を集計した数字です。

肥満のある成人を対象にした24件・9937人のコクランレビューは、リラグルチドが有害事象を増やす可能性を示し、リスク比を1.07(95%信頼区間1.04〜1.11)と報告しました。中止に至った有害事象のリスク比は1.98(1.30〜3.02)です。

同じレビューは、24件のうち22件が製造販売元から資金を受けていた点も併せて記しています。数字を読むときは、どんな集団で、誰の資金によって行われた研究かまで見ておくほうが安全でしょう。

日本語の添付文書がない薬で、低血糖が起きたら

低血糖が起きたときに何を確かめ、どこで中止を判断するかという手順が、日本語の公的文書として手元にありません。受診した側も、使われている製剤の情報を一から確かめる作業から始まります。

日本糖尿病学会は「GLP-1受容体作動薬およびGIP/GLP-1受容体作動薬の適応外使用に関する見解」を2020年7月9日に掲載し、2023年4月12日と同年11月28日に改訂しています。国内での扱いを確かめたいときの入り口になる文書です。

使っている薬の名前と用量、始めた時期は、いつでも示せるようにしておくと安心です。体調を崩したさなかに説明する負担も、あらかじめ整理しておけば軽くなります。

サクセンダ使用中のお酒が低血糖を招く道筋は、肝臓の働きにある

アルコールが血糖を下げるのは、肝臓が糖を作り直す働きを抑えるからです。下がる時刻は飲んでいる最中とは限らず、数時間後や翌朝へずれ込みます。

空腹時の血糖は、肝臓が二段構えで支えている

食事から時間が空くと、肝臓はまず蓄えたグリコーゲンを分解して糖を送り出し、それでも足りなければ乳酸やアミノ酸を材料に糖を作り直します。この作り直しが糖新生と呼ばれる働きです。

グリコーゲンの蓄えは無限ではなく食事から補われて初めて保たれるため、欠食が続いている時期は、二段構えの一段目がすでに細っている状態だといえます。

血糖を支える手立てが二つあるからこそ健康な人は一晩眠っても低血糖になりませんが、裏を返せば、どちらか一方が止まるだけで余裕は一気に減ってしまうわけです。

アルコールを処理する間、糖新生にブレーキがかかる

肝臓はアルコールの分解を優先するため、その間は糖を作り直す作業まで手が回りません。血糖が下がり始めても、本来なら立ち上がるはずの立て直しが弱まったまま時間が過ぎていきます。

1型糖尿病の患者を対象にした系統的レビューでは、採用された13件のうち8件で、エタノールが静脈内・経口いずれの投与でも低血糖のリスク上昇と関連したと報告されました。

血糖が下がる働きだけでなく、拮抗する体の反応や低血糖の自覚、認知機能の鈍りまで関わっていたと、このレビューは述べています。

残る5件はリスクの上昇を報告しておらず、結果は一様ではありません。ただし、このレビューが調べた13の糖尿病関連団体の推奨はすべて、アルコールは食事とともに取るよう勧めていた点で一致しています。

対象が1型糖尿病である以上、2型糖尿病の人へそのまま当てはめられる結果ではありません。それでも肝臓の糖新生が抑えられる働き自体は糖尿病の型を選ばないため、注意の向きは共通します。

下がるのは飲んでいる最中とは限らない

飲み始めた直後は、おつまみの糖質や飲料そのものの糖で血糖がむしろ上がる場合もあります。下がってくるのは、その糖が使われ切り、肝臓がまだアルコールの処理に追われている時間帯です。

時間帯体で起きていること見落とされやすい理由
飲み始めから数時間食事と飲料の糖で血糖が支えられる何も起きないため安心してしまう
帰宅後から就寝まで糖が使われ、糖新生は抑えられたまま酔いの症状と重なって区別がつかない
就寝中から翌朝血糖を支える手立てが乏しい眠っていて自覚できない

眠っている間は自覚できないため、翌朝の強い倦怠感や寝汗を二日酔いと片づけてしまう例も珍しくありません。飲んだ夜に何も起きなかったという事実は、その晩を通して安全だった証明にはなりません。

日本の4地域で40〜69歳の非糖尿病の913人にセンサーを付けた調査でも、飲酒と血糖の関係は時間帯によって向きを変えていました。全日の平均血糖は飲酒量で差がないのに、時間帯ごとに分けると差が現れます。

男性では朝から夕方にかけての平均血糖が飲む人ほど高く、中等度の飲酒者で4.6〜4.7mg/dL、大量の飲酒者で5.7〜6.8mg/dL、飲まない人を上回りました。

ところが17時から24時にかけては向きが逆転し、中等度の飲酒者で5.8mg/dL、大量の飲酒者で6.1mg/dL低くなっています。

女性の現在飲酒者でも、同じ時間帯の平均血糖が2.7mg/dL低いという結果でした。糖尿病のない人を対象にした調査ではあるものの、飲んだ夜に血糖が下向きへ動く傾向は数字として現れています。

飲酒の習慣は、重症低血糖の頻度とも結びつく

韓国の全国データで2型糖尿病の149万233人を追った研究では、大量に飲む人の重症低血糖のハザード比が1.22(95%信頼区間1.15〜1.30)でした。

同じ研究で喫煙者のハザード比は1.28(1.23〜1.34)、定期的な運動習慣を持つ人は0.79(0.77〜0.82)と、逆の向きに働いていました。

追跡期間中に重症低血糖を起こしたのは3万539人(2.1%)でした。不健康な生活習慣が重なるほどリスクは段階的に上がり、習慣を改めた人ではリスクが下がっています。

インスリン治療中の2型糖尿病を対象にした症例対照研究でも、3153組の比較からアルコール乱用のオッズ比が2.43と示されました。すでに知られていた要因を揃えたうえで残った関連である点に意味があります。

サクセンダ単独とSU薬・インスリン併用では、お酒の危うさが変わる

サクセンダだけを使っているうちは、低血糖が問題になる場面は多くありません。危うさが跳ね上がるのは、SU薬やインスリンを併せて使っている場合です。

GLP-1受容体作動薬は、血糖が高いときに強く働く

この系統の薬はインスリンの分泌を促しますが、その働きが血糖の高さに応じて変わるため、単独では下がりすぎにくいとされます。空腹時にまで無理やり分泌を押し上げる薬とは性質が違います。

米国の添付文書でも、低血糖の注意はインスリン分泌促進薬やインスリンとの併用という文脈で書かれています。単独での使用を一律に危険とするような記述ではありません。

とはいえ、下がりにくいという性質は、アルコールが加わった状況までを保証するものではないでしょう。肝臓の糖新生が抑えられれば、薬の性質とは別の道筋で血糖は下がります。

添付文書の数字は、SU薬の併用の有無で開く

米国の添付文書には、2型糖尿病のある人を対象にした試験の結果が、SU薬を使っているかどうかに分けて載っています。低血糖は症状の有無を問わず血糖54mg/dL未満として数えられており、隣り合う集団で数字がここまで違います。

集団サクセンダプラセボ
SU薬を併用(血糖54mg/dL未満)110人中31人(28.2%)55人中7人(12.7%)
SU薬なし(血糖54mg/dL未満)312人中22人(7.1%)157人中7人(4.5%)
重症低血糖(他者の援助が必要)422人中3人(0.7%)212人中0人

重症低血糖を起こした3人はいずれもSU薬を使っていた人で、プラセボを使った212人では1人も起きていませんでした。

米国の添付文書は、インスリン分泌促進薬やインスリンを使っている2型糖尿病の成人では、サクセンダの使用によって重症を含む低血糖のリスクが高まりうると述べ、併用薬を減らせばリスクが下がる場合があるとしています。

大規模なデータでも、SU薬は低血糖の入り口になりやすい

中等度の心血管リスクを持つ2型糖尿病の成人で、GLP-1受容体作動薬・SGLT2阻害薬・DPP-4阻害薬・SU薬を比べた研究があります。SU薬は他の3系統より、救急外来の受診や入院を要する低血糖のリスクが有意に高いという結果でした。

デンマークで2型糖尿病の6万6807人を追った研究でも、メトホルミンとSU薬の組み合わせがすべての評価項目で最もリスクが高く、メトホルミンにSGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬を重ねた群が概ね最も低いという並びになりました。

どちらも飲酒そのものを調べた研究ではありませんが、低血糖という出来事がどの薬の周りで起きやすいかを示す材料にはなるでしょう。

自分の処方に何が入っているか、どう確かめる?

SU薬にはグリメピリドやグリクラジドなどの名前があり、配合錠の中に紛れている場合もあります。薬の袋やお薬手帳を眺めただけでは、系統まで判断できないかもしれません。

確実なのは、処方元か調剤した薬局へ「この中にSU薬やインスリンは入っていますか」と直接尋ねる形です。飲酒の場面を想定して聞けば、答えも具体的に返ってきます。

サクセンダを自由診療や個人輸入で入手し、糖尿病の薬は別の医療機関から受けている場合、どちらの側も全体像をつかめていません。両方に、もう一方の処方内容を伝えておく必要があります。

サクセンダとお酒が重なった夜、低血糖はこんな症状で始まる

低血糖の始まりは、冷や汗や手のふるえ、動悸といった体からの合図です。お酒の席では酔いと区別がつかず、周囲の人も気づけません。

最初に出るのは自律神経からの合図

血糖が下がり始めると、体は交感神経を働かせて立て直そうとします。そのときに表へ出てくるのが、汗や動悸、ふるえといった一連の変化です。

  • 冷や汗が出る
  • 手や指がふるえる
  • 動悸を感じる
  • 強い空腹感がある
  • 顔色が悪くなる
  • 落ち着かず、不安な感じがする

さらに下がると、頭痛や強い眠気、集中できない状態、呂律の回りにくさが加わってきます。この段階に入ると自分では判断できなくなるため、周囲の目が頼りになります。

酔いと低血糖はなぜ見分けにくい?

ふらつき、呂律の回りにくさ、眠気、冷や汗は、どれも酔いの姿とそのまま重なります。飲んだ量から説明がついてしまうため、低血糖という選択肢が頭に浮かびません。

先ほどの系統的レビューでも、エタノールは血糖を下げるだけでなく、低血糖の自覚や認知機能まで鈍らせると指摘されていました。気づく力そのものが落ちる点が、この組み合わせの厄介なところです。

2型糖尿病における無自覚性低血糖を調べた統合解析では、その割合が22%(95%信頼区間14〜29%)と報告されています。飲酒とは無関係に、もともと合図を感じにくい人が一定数いるという意味です。

周囲に伝えておくと、助けが早くなる

同席する家族や同僚が事情を知っていれば、様子がおかしいときに酔いと決めつけずに済みます。伝える内容は、それほど多くなくて構いません。

  • 血糖を下げる薬を使っている
  • 低血糖のときに出やすい症状
  • 反応が鈍いときは声をかけ続けてほしい
  • 意識がはっきりしないときは救急要請をしてほしい
  • かかっている医療機関の名前

飲む機会が続く時期にあらかじめ一度話しておけば、その後は毎回説明する必要もなく、事情を知っている人が一人いるだけで十分でしょう。

手当ての中身は、処方時に受けた指導に従う

低血糖への対処として何をどれだけ口にするかは、処方内容や体格、併用薬によって変わります。この記事では量に踏み込まず、処方時に受けた指導のとおりに動く形をおすすめします。

指導を受けていない、あるいは内容を覚えていないなら、次の受診を待たずに処方元へ確認しておきたい項目です。飲む予定が入る前に済ませておくほうが確実でしょう。

意識がはっきりしない人の口へ、無理に何かを入れる行為は避けてください。のどに詰まらせたり気管へ入ったりする危険があるため、その場面では救急要請が先になります。

いったん回復しても、アルコールの影響が残っている間は再び下がる場合があります。一度戻ったから安心と考えず、その夜は一人にしない配慮が要ります。

お酒だけではない、サクセンダ使用中に低血糖へ近づく場面

低血糖に近づく場面は飲酒だけではありません。食事を抜いた日、いつもより体を動かした日、熱や下痢で食べられない日にも、同じ下地ができあがります。

食事を抜いた日や、食欲が落ちている時期

デンマークで、SU薬による治療中に重症低血糖で入院した161人を調べた報告があります。平均年齢は76歳で、最も多かった理由は、食事の量が大きく減ったのにSU薬の用量が変わらなかった組み合わせで、45%を占めていました。

22%の患者では理由が複数挙がっており、感染症が重なって食事量が落ち、それでもSU薬の量が据え置かれた形が目立ちます。入院を要する重症低血糖の発生率は、SU薬で治療している人の100人年あたり0.48件と算出されました。

サクセンダは食欲を落とす方向に働くため、食事量が減った状態そのものが起こりやすくなります。薬の量が同じままなら、体の側だけが変わっていく形です。

いつもより体を動かした日は、その後も続く

運動は筋肉が糖を取り込む量を増やし、肝臓に蓄えたグリコーゲンも使います。血糖が下がる向きの働きは、体を動かすのをやめた後もしばらく残ります。

先ほどの韓国の研究では、定期的な運動習慣を持つ人の重症低血糖のハザード比が0.79(95%信頼区間0.77〜0.82)でした。習慣として続いている運動と、その日だけ急に長く歩いた場合とでは、体への意味が違います。

運動した日の夜に飲めば、肝臓の蓄えは両方向から削られます。運動と飲酒が同じ日に並ぶ予定は、それだけで注意の対象になるといえるでしょう。

熱や下痢で食べられない日

感染症で食事が入らないとき、SU薬やインスリンの量が変わらないままだと、先ほどのデンマークの報告と同じ形ができあがります。脱水も重なるため、体の側に余裕はありません。

場面体で起きていること相談したい合図
食事を抜いた・食欲が落ちている肝臓の糖の蓄えが細る冷や汗や手のふるえが出た
いつもより長く体を動かした筋肉が糖を多く使い、蓄えも減る運動の後や夜にだるさが強い
熱や下痢で食べられない食事も水分も入らない半日以上ほとんど食べられない

こうした日に薬をどう扱うかは、処方時に受けている指示があればそれに従います。指示が手元にないなら、自分で減らしたり飛ばしたりせず、処方元へ連絡して判断を仰ぐ場面です。

サクセンダとお酒の疑問は、処方元へそのまま持ち込む

飲酒の可否を判断できるのは、処方の中身と体の状態を把握している医療機関だけです。誰にでも当てはまる量の答えは、どこを探しても見つかりません。

飲酒の習慣を、控えめに伝えない

診察で飲酒の話題が出ると、量を少なめに答えたくなる気持ちが働きます。ただし実際より控えめに伝えると、低血糖の危うさを見積もる材料が失われ、判断の精度が落ちてしまいます。

先に触れた症例対照研究でアルコール乱用が重症低血糖と結びついていたのは、飲酒が診療の判断に関わる情報だからです。正確に伝えるほど、返ってくる助言も具体的になるでしょう。

週に何日、どの時間帯に、どんな酒をどれだけ飲むのか、食事と一緒かどうかまで添えて話せば、診察での議論は一段と具体的に進んでいきます。

記録があると、話が具体的に進む

低血糖を疑う症状が出た夜は、その場の記憶が薄れないうちに書き留めておくと後で役に立つでしょう。次の受診で示せば、対策の話し合いも土台のある議論に変わります。

  • 症状が出た日付と時刻
  • そのとき何を飲み、何を食べたか
  • 症状の内容と、続いた長さ
  • 測っていれば血糖の値
  • 使っている薬の名前と量

血糖自己測定や持続グルコース測定を使っている人は、飲んだ夜こそ記録が生きます。就寝前と翌朝の値が残っていれば、飲酒後の動きが自分のデータとして見えてきます。

未承認の薬を使っている事実も、隠さずに伝える

サクセンダを国内未承認のまま使っている場合、その事実を伏せると原因の切り分けが遅れます。低血糖の背景に何があるのかを、受診先が組み立てられなくなるからです。

日本語の添付文書がないぶん、製剤の名前と用量、始めた時期を示せると話が早く進みます。持参できるなら、現物や説明書きも一緒に見せるほうが確実です。

糖尿病の薬とサクセンダを別々の医療機関から受けているなら、双方に相手の処方を伝えておきます。片方だけが全体を知らない状態は、飲酒の場面でとくに響きます。

よくある質問

Q
サクセンダを使いながらお酒を飲むと、低血糖はいつごろ起こりますか?
A

飲んでいる最中とは限らず、数時間後や、就寝中から翌朝にかけて現れる場合があります。アルコールを処理している間の肝臓は糖を作り直す働きが弱まり、その影響が飲み終えた後まで残るからです。

眠っている時間帯は自覚できず、翌朝の倦怠感や寝汗を二日酔いと片づけてしまう例もあります。飲んだ夜は就寝前と起床時の様子を意識し、気になる変化があれば受診時に伝えましょう。

Q
サクセンダだけを使っている場合でも、お酒で低血糖になりますか?
A

可能性はあります。GLP-1受容体作動薬は単独では血糖を下げすぎにくいとされますが、アルコールが肝臓の糖新生を抑える働きは、薬の性質とは別の道筋だからです。

米国の添付文書が示す低血糖の割合も、SU薬を併用していない集団ではサクセンダで7.1%、プラセボで4.5%と、どちらも0ではありませんでした。単独だから安全という読み方はできません。

Q
サクセンダの使用中に低血糖を疑う症状が出たら、どうすればよいですか?
A

対処として何をどれだけ口にするかは処方内容や体格で変わるため、処方時に受けた指導のとおりに動いてください。指導を受けていないなら、飲む予定が入る前に処方元へ確認しておきたい項目です。

意識がはっきりしない人の口へ無理に何かを入れる行為は避け、その場面では救急要請を優先します。いったん回復しても再び下がる場合があるため、その夜は一人にしないほうが安全です。

Q
サクセンダを使っていて食事を抜いた日は、何に気をつければよいですか?
A

食事から補われるはずの肝臓の蓄えが細るため、血糖を支える力が落ちた状態になります。SU薬やインスリンを併用している人では、薬の量が同じままだと差が開く一方です。

デンマークの報告でも、食事量が大きく減ったのにSU薬の用量が変わらなかった組み合わせが、重症低血糖の理由の45%を占めていました。食べられない日が続くようなら、その時点で処方元へ連絡しましょう。

Q
サクセンダとお酒について、受診時には何を伝えればよいですか?
A

週に何日どの時間帯に飲むか、1回の量と種類、食事と一緒かどうかを具体的に伝えます。実際より控えめに答えると、低血糖の危うさを見積もる材料が失われてしまいます。

サクセンダを国内未承認のまま使っている事実も、伏せずに伝える対象です。糖尿病の薬を別の医療機関から受けているなら、双方に相手の処方内容を伝えておきましょう。

参考にした文献