マンジャロで最も多く報告されている副作用は吐き気や下痢といった消化器の症状で、臨床試験では投与量を増やした時期に集中していました。まれではあるものの、急性膵炎やイレウスのような重い副作用も電子添文に記載があります。

一方、インターネット上で目にする死亡例が何件という数字は、薬との因果関係が確かめられた件数ではありません。報告の件数と、比較対照を置いた研究が示すリスクは、まったく別の物差しで測られた数字です。

国内でマンジャロが承認されている効能は2型糖尿病だけで、個人輸入による入手には品質の確認も救済制度も及びません。危険性の中身を、頻度と確からしさを添えて順に整理します。

目次

マンジャロの危険性は起こりやすい胃腸症状とまれな重い副作用に分かれる

マンジャロの危険性を語るときは、頻度の高い胃腸症状と、まれにしか起きない重い副作用を分けて眺めると混乱が減ります。前者は増量した時期に集中して自然に軽くなりやすく、後者は頻度が低い代わりに受診の判断を急ぐ必要があります。

分け方代表的な症状報告されている頻度
よく起こる副作用吐き気、下痢、嘔吐、便秘、食欲の低下臨床試験では吐き気17〜22%、下痢13〜16%、嘔吐6〜10%
まれだが重い副作用急性膵炎、胆管炎電子添文ではいずれも0.1%未満
頻度が定まっていない重い副作用低血糖、胆嚢炎、胆汁うっ滞性黄疸、イレウス、アナフィラキシー、血管性浮腫電子添文では頻度不明

頻度不明という記載は、起こらないという意味ではありません。頻度を数値で示せるだけの情報が、まだ集まっていない状態を指しています。

吐き気や下痢が最も多く、増量した直後に集中する

2型糖尿病の1879人を40週追った国際共同試験では、チルゼパチドを受けた人のうち吐き気が17〜22%、下痢が13〜16%、嘔吐が6〜10%に報告されました。比較対象となったセマグルチド1mgと、おおむね同じ範囲に収まっています。

重篤な有害事象は、チルゼパチド群で5〜7%、セマグルチド群で3%でした。

肥満や過体重のある人を対象とした4つの試験をまとめた解析では、消化器症状を報告した人がチルゼパチド群で27.8〜72.8%、プラセボ群で12.2〜32.5%を占めました。その多くは重篤ではなく、用量を上げている期間に起きています。

同じ解析で、消化器症状のために治療をやめた人は1.0〜10.5%でした。つらいからといって自分で量を増やしたり間隔を詰めたりすると負担が重なるため、増量の速さは診察のたびに医師が調整していきます。

電子添文が重大な副作用として挙げている症状

マンジャロの電子添文は、重大な副作用として低血糖、急性膵炎、胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸、アナフィラキシー、血管性浮腫、イレウスを挙げています。このうち頻度が示されているのは急性膵炎と胆管炎で、どちらも0.1%未満と記載されています。

0.1%未満は、1000人に1人に届かない水準を指す表現です。小さな数字ではあるものの、ゼロではない以上、起きたときに気づけるかどうかが結果を大きく分けます。

どんな症状が出たら連絡するのか、夜間や休日はどこへ向かうのかを、開始の時点で決めておくと迷いが減ります。重い副作用への備えは、恐れることではなく手順を持つことに近いといえます。

低血糖が問題になるのは組み合わせる薬しだい

血糖値が54mg/dL未満になる低血糖は、先ほどの40週の試験でチルゼパチド5mg群の0.6%、10mg群の0.2%、15mg群の1.7%、セマグルチド群の0.4%に報告されました。用量と単純に比例しているわけではありません。

マンジャロだけを使っている場面では低血糖は起こりにくいものの、スルホニル尿素薬やインスリンと併せると話が変わります。電子添文も、低血糖の症状とその対処方法を患者へ十分に説明するよう求めています。

高所での作業や自動車の運転に従事している人には特に注意するよう、あわせて記載されています。ブドウ糖を持ち歩くかどうかも含め、併用している薬の中身に合わせて決めていく部分です。

マンジャロの死亡例はどこまで確かめられているのか?

比較対照を置いた研究では、チルゼパチドを使った人の死亡が増えるという結果は出ていません。ただし副作用報告として集計される死亡の件数は、それとはまったく性質の違う数字なので、同じ土俵で並べられない点に注意が要ります。

副作用報告の件数は因果関係が確定した数ではない

医薬品の副作用報告は、医師や企業が薬との関連を疑った時点で提出される仕組みです。関連が確かめられた事例だけを集めたものではなく、もともとの病気や併用薬が原因だった事例も同じ枠に入ります。

さらに、報告された件数を実際の使用者数で割った割合にはなりません。分母にあたる使用者数が分からないうえ、報道や話題性によって報告のされやすさそのものが動くためです。

  • 薬が原因だったのかどうか
  • その薬を使っていた人が何人いたのか
  • 同じ条件の人が使わなかった場合にどうなったのか
  • 報告されないまま終わった事例がどれだけあったのか

件数の多さを、そのまま危険性の大きさへ読み替えられない理由がここに並んでいます。報告は注意を向けるための入り口であって、結論そのものではありません。

比較対照を置いた研究で見えている死亡の数字

肥満のある成人を対象とした9件の無作為化試験7111人をまとめた系統的レビューでは、12〜18か月の時点でチルゼパチドとプラセボの死亡に差が見られませんでした。リスク比は0.79で、95%信頼区間は0.34〜1.83、確実性は中程度と評価されています。

3.5年まで追った1件の試験でも、死亡のリスク比は0.83、95%信頼区間は0.22〜3.17でした。ただし対象は肥満のある人であり、含まれる試験はいずれも製薬企業が関わっていた点を、レビューの著者らも注意点として挙げています。

2型糖尿病でチルゼパチドを始めた14834人と、他のGLP-1受容体作動薬を始めた125474人を中央値10.5か月追った米国の観察研究では、死亡した人が0.6%と1.1%でした。調整後のハザード比は0.58、95%信頼区間は0.45〜0.75です。

ただし比較の相手は無治療ではなく、同じ系統の薬にあたります。この点を落とすと、薬を使わない場合との差のように読めてしまいます。

不安だけを理由にやめると別の危険が入れ替わる

重い副作用の説明を読むと、まず薬を止めようという発想に傾きがちです。症状が出たときの中止は電子添文にも書かれた対応ですが、症状がないのに不安だけで中断すると、避けたつもりの危険と別の危険が入れ替わります。

マンジャロは2型糖尿病の血糖を管理する薬なので、中断すれば血糖の値は上がる方向へ動きます。高い血糖が続いた状態は、網膜や腎臓、神経の合併症が進む条件そのものです。

症状が出たときに続けるのか、量を戻すのか、別の薬へ替えるのかを決めるのは主治医の役目になります。連絡が取りづらい時間帯にどう動くかまで、あらかじめ聞いておくと落ち着いて判断できます。

マンジャロで最も注意される急性膵炎の危険性

急性膵炎は電子添文で0.1%未満とされる、頻度としてはまれな副作用です。それでも起きたときの重さと、開始から間もない時期に集中しやすいという偏りから、症状を知っておく意味は大きいといえます。

電子添文が示す急性膵炎の頻度と対応

電子添文は急性膵炎を重大な副作用に挙げ、その頻度を0.1%未満としています。膵炎の既往がある人は、投与するかどうかを慎重に判断する対象として別に記載されています。

加えて、急性膵炎の初期症状があらわれた場合には使用を中止し、速やかに医師の診断を受けるよう指導する、とも定めています。つまり、痛みを我慢したまま自己判断で注射を続ける形は、はじめから想定されていません。

膵炎は血液検査と画像で調べる病気で、症状だけで決着が付くものではありません。だからこそ、迷ったら受診へ回すという単純な線引きが、いちばん外れが少なくなります。

33万人を比べた研究が見せた時期の偏り

米国退役軍人の2型糖尿病333687人を対象に、GLP-1受容体作動薬を始めた人とスルホニル尿素薬を始めた人を比べた研究があります。

1年後の急性膵炎の発生率の差は10万人あたり−3.64で、95%信頼区間は−30.76〜23.48でした。全体として見るかぎり、差は付いていません。

ところが原因別に分けると、向きが割れていました。薬剤性が疑われる膵炎だけが増え、高トリグリセリド血症に関連する膵炎とアルコール性の膵炎はむしろ減っており、その差し引きで全体の差が消えていた形です。

急性膵炎の分類10万人あたりの差95%信頼区間
すべての原因−3.64−30.76〜23.48
薬剤性が疑われるもの23.4514.27〜33.85
高トリグリセリド血症に関連−16.96−27.41〜−7.34
アルコール性−10.32−18.12〜−3.17

治療を続けた人だけを見た解析では、薬剤性が疑われる膵炎の42%が最初の3か月に起きていました。なおこの研究が扱ったのはGLP-1受容体作動薬の全体で、チルゼパチド単独の数字ではない点は押さえておく必要があります。

どんな腹痛なら受診が必要なのか?

急性膵炎で典型的なのは、みぞおちから左上の腹部にかけての強い痛みで、背中側へ回り込むように感じる人もいます。吐き気や嘔吐を伴い、体を丸めると少し和らぐ姿勢を取る場面も知られています。

いつもの胃の不調とは違うと感じる強さの痛みが続き、食事の内容と関係なく悪化していくなら、様子を見ずに連絡してください。電子添文が求めているのも、初期症状の段階で中止して速やかに受診する動き方です。

逆に、増量した週に出た軽い吐き気や軟便まで受診の対象にすると、生活が回らなくなります。強さと続き方、そして痛みの場所という三つの目印で、線を引いておくと動きやすくなります。

胆のうと腸、手術前に関わるマンジャロの危険性

胃腸の動きに働きかける薬である以上、影響は胆のうや腸にも及びます。胆石や胆嚢炎は用量と使用期間で数字が変わり、イレウスと胃内容の停滞は手術や内視鏡の前に必ず伝えるべき情報になります。

胆石や胆嚢炎は用量と期間で数字が変わる

無作為化試験76件・103371人をまとめた解析では、GLP-1受容体作動薬に割り付けられた群で胆のうと胆道の病気が1.37倍に増えていました。95%信頼区間は1.23〜1.52で、内訳は胆石症が1.27倍、胆嚢炎が1.36倍、胆道疾患が1.55倍です。

比べた条件リスク比95%信頼区間
高用量1.561.36〜1.78
低用量0.990.73〜1.33
長い期間の使用1.401.26〜1.56
短い期間の使用0.790.48〜1.31
減量を目的とした試験2.291.64〜3.18
2型糖尿病などの試験1.271.14〜1.43

用量が高いほど、使う期間が長いほど、そして減量を目的とした試験ほど数字が大きく出ています。同じ薬でも、何のためにどれだけ使うかで危険性の大きさが変わると読める並びです。

2026年に公表された60件のメタ解析を束ねた検討でも、胆のうや胆道のイベントは1.34倍、95%信頼区間1.16〜1.55と近い値でした。

ただし著者らは、これを厳密な信頼性の基準を満たさない探索的な所見と位置づけています。数字の大きさと、その数字の確からしさは分けて眺める必要があります。

イレウスは頻度不明でも軽く見られない

電子添文はイレウスを重大な副作用に挙げ、頻度は不明としています。腹部の手術やイレウスの既往がある人については、腸閉塞を含むイレウスを起こすおそれがあるとして、慎重に判断する対象に置いています。

便が出ないまま腹部が張り、吐き気や嘔吐が続く状態は、ふだんの便秘と見分けが付きにくい形で始まります。市販の便秘薬で押し切ろうとせず、張りと嘔吐が揃った時点で連絡するほうが安全です。

開腹手術を受けた経験があるなら、その情報は最初の診察で伝えておくと判断が早くなります。既往の有無によって、様子を見てよい範囲そのものが変わってくるからです。

胃の中身が残るため手術や内視鏡の前に申告する

GLP-1受容体作動薬は、胃から食物が送り出される速さを遅くします。消化器の専門誌に載った総説は、遅れが大きいと食物が胃に長くとどまり、手術や上部消化管内視鏡の際に誤嚥のリスクが上がりうると指摘しています。

同じ総説は、長時間作用型の薬が胃排出へ及ぼす影響についてエビデンスが乏しく、術前の休薬をどう定めるかが決めきれていないとも述べています。麻酔科や内視鏡を担当する医師へ、使っている薬を必ず伝える理由がこの点にあります。

健診の胃カメラや歯科での処置など、糖尿病の主治医とは別の場所で受ける検査ほど情報が届きにくくなります。お薬手帳を見せるだけでも、担当者が把握できる材料は大きく変わります。

誤嚥性肺炎の研究は何を示したのか?

米国の保険データで14種類の手術を受けた366476人を調べた研究では、術前にGLP-1受容体作動薬の処方があった5931人と、なかった人のあいだで、術後30日の誤嚥性肺炎に有意な差が見られませんでした。

調整後のオッズ比は0.78で、95%信頼区間は0.57〜1.06でした。

著者らはこの結果を受けて、術前に薬を止めるかどうかの指針を見直す余地があると述べています。とはいえ、懸念が確かめられなかったからといって、申告しなくてよいという話にはつながりません。

対象は保険データで追える範囲の手術であり、チルゼパチドだけを取り出した解析でもありません。実際にどうするかは、受ける手術の内容と使っている薬に合わせて担当医が決めていきます。

マンジャロが向かない人と、医師が慎重に判断する条件

電子添文は、1型糖尿病や糖尿病性ケトアシドーシスなど、マンジャロを投与しない状況をはっきり定めています。それとは別に、既往や状態によって投与の可否を慎重に判断する対象も置かれており、この二つは意味が違います。

1型糖尿病やケトアシドーシスには使わない

電子添文が禁忌としているのは、本剤の成分に対する過敏症の既往がある人、糖尿病性ケトアシドーシスや糖尿病性昏睡・前昏睡の人、1型糖尿病の人、そして重症感染症や手術などの緊急の場合です。

1型糖尿病はインスリンそのものが出せなくなる病気なので、インスリンの分泌や働きを助けるこの薬では代わりになりません。緊急時にインスリン製剤へ切り替えるという判断も、同じ考え方の上に立っています。

妊娠している、あるいはその可能性がある場合は、本剤を投与せずインスリン製剤を使うと定められています。授乳中はヒトの母乳へ移行することがあるため、授乳を続けるか中止するかを有益性で比べて決めます。

膵炎やイレウスの既往、重い胃腸障害があるとき

膵炎の既往がある人、腹部の手術やイレウスの既往がある人は、電子添文で慎重に判断する対象に挙げられています。重度の胃腸障害がある場合も、症状が悪化するおそれがあると記載されています。

これらは投与できないという意味ではなく、利益と危険性を並べて比べる場面だという意味です。判断の材料が診察室に揃っているかどうかで、同じ人でも置かれる位置が変わってきます。

過去の入院や手術、消化器の持病は、思い出せる範囲でまとめて伝えるほうが役に立ちます。お薬手帳と一緒に、手術を受けた年と病名を書いた紙が一枚あるだけで、話がずいぶん早く進みます。

甲状腺髄様癌の家族歴がある場合

雌雄のラットを使った2年間のがん原性試験では、すべての用量で甲状腺C細胞腫瘍の発生頻度が増えたと電子添文に記載があります。ただしこれは動物での所見であり、人でも同じことが起きると確かめられた結果ではありません。

その一方で、甲状腺髄様癌の既往がある人や、甲状腺髄様癌または多発性内分泌腫瘍症2型の家族歴がある人については、安全性が確立していないとされています。家族に甲状腺の病気があるなら、開始前に伝えておく情報に当たります。

動物実験の所見を人の結論として読み替えると、必要な薬を遠ざける方向にも、危険を軽く見る方向にも振れてしまいます。確かめられている範囲を確かめられている範囲のまま扱うのが、いちばん誤りの少ない読み方です。

個人輸入や無診察の処方がマンジャロの危険性を大きくする

国内でマンジャロが承認されている効能は2型糖尿病だけで、それ以外の目的で使ったときの安全性と有効性は確認されていません。入手の経路が正規から外れると、品質の確認も救済の仕組みも届かなくなります。

国内で承認されている効能は2型糖尿病だけ

製造販売元各社が連名で出し、医薬品医療機器総合機構のサイトに掲載されている2025年8月5日付のお知らせがあります。日本で承認されているGLP-1受容体作動薬とGIP/GLP-1受容体作動薬は、2型糖尿病のみを効能・効果としていると明記した文書です。

マンジャロの各規格も、その一覧に名前が並んでいます。

同じ文書は、国内で承認された使用法以外で使われた場合、本来の効果が見込めないだけでなく思わぬ健康被害が起こる可能性も想定されると述べています。美容や痩身を目的とした広告が出回っている状況を受けた注意喚起です。

日本糖尿病学会も2023年11月28日付の見解で、適応外使用を宣伝する医療広告が見られる点を問題として挙げました。そのうえで、誤解を招きかねない広告表示を戒め、国内の承認状況を踏まえた処方を医師に求めています。

個人輸入では品質の確認も救済制度も届かない

厚生労働省は、個人輸入される医薬品の品質について、日本の医薬品医療機器等法に基づく確認がなされていないと説明しています。正規のメーカー品を装った偽造製品である可能性にも、同じページで触れました。

  • 国の基準に沿った品質の確認
  • 副作用が出たときに医師や薬剤師が頼れる情報
  • 医薬品副作用被害救済制度による救済
  • 診察と検査にもとづく用量の調整

副作用が出た場面でも、成分や作用の十分な情報がないため専門家でも迅速に対応しにくいと同省は指摘しています。さらに、個人輸入した医薬品による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度の対象になりません。

安く手に入るという入り口は、こうした支えをまとめて手放す入り口でもあります。価格の差は、外れてしまった分の安全網の値段にあたると考えると分かりやすいはずです。

診察を伴わない処方で抜け落ちるもの

マンジャロは、医師が2型糖尿病の患者それぞれの状態を確かめたうえで、添付文書に従って処方することを前提にした薬です。禁忌に当たるかどうかの確認も、増量の速さの調整も、診察があってはじめて成り立ちます。

短いやり取りだけで薬が届く仕組みでは、膵炎の既往や腹部手術の履歴、併用している薬の把握が抜け落ちやすくなります。低血糖のように、併用薬の中身しだいで危険性が変わる副作用ほど、この抜けが響いてきます。

比べる点医療機関での処方個人輸入や無診察での入手
品質の確認国内の承認と製造販売元の管理を受ける日本の法律に基づく確認がない
副作用が出たとき診察と検査で原因を確かめられる成分の情報が乏しく対応が遅れやすい
健康被害の救済医薬品副作用被害救済制度の対象対象にならない

体重を減らしたいという願いそのものが否定されるわけではありません。その願いに対して国内で承認された道筋があるかどうかは、診察の場で確かめられる話です。

よくある質問

Q
マンジャロの副作用でいちばん多いのはどんな症状ですか?
A

吐き気、下痢、嘔吐、便秘といった消化器の症状です。2型糖尿病の1879人を40週追った試験では、吐き気が17〜22%、下痢が13〜16%、嘔吐が6〜10%に報告されました。

多くは重篤ではなく、用量を上げている時期に集中します。ただし食事が取れないほど続くときは、量の調整が要るかどうかを診察で相談してください。

Q
マンジャロの死亡例が報告されていると聞きましたが、どう受け止めればよいですか?
A

副作用として報告された件数は、薬との因果関係が確かめられた数ではありません。使っていた人が何人いたのかという分母も分からないため、件数から死亡率を計算できない性質の数字です。

比較対照を置いた研究では、チルゼパチドで死亡が増えるという結果は出ていません。とはいえ急性膵炎やイレウスのような重い副作用は実際に起こりうるので、初期症状の段階で受診する備えは別に必要です。

Q
マンジャロで吐き気がつらいとき、自分で量を減らしてもよいですか?
A

用量の変更は医師の判断で行う部分なので、自分で減らしたり間隔を空けたりする前に連絡するほうが安全です。増量の速さを緩める、いまの量で維持するなど、選べる手はいくつかあります。

一方で、強い腹痛や続く嘔吐、腹部の張りが出た場合は別です。電子添文も初期症状の段階で中止して速やかに受診するよう求めており、その場面では我慢して続けないほうが安全といえます。

Q
マンジャロをダイエット目的で使っても問題ありませんか?
A

国内で承認されている効能は2型糖尿病だけです。製造販売元各社の2025年8月5日付のお知らせは、それ以外の目的で使用された場合の安全性と有効性は確認されていないと明記しています。

日本糖尿病学会も、適応外使用を宣伝する医療広告について注意を促す見解を公表しています。体重の管理を考えているなら、承認された道筋があるかどうかを含めて診察の場で相談するのが確実です。

Q
マンジャロを使っていることは手術や胃カメラの前に伝えるべきですか?
A

伝えてください。この系統の薬は胃から食物が送り出される速さを遅くするため、胃の中身が残った状態で処置に入る懸念が指摘されています。

術後の誤嚥性肺炎を調べた米国の研究では、GLP-1受容体作動薬の処方があった群となかった群で有意な差は見られませんでした。それでも休薬するかどうかの指示は、受ける処置に合わせて担当医が決める領域です。

参考にした文献