フットケア外来は、糖尿病のある方の足を専門に診るための外来で、傷ができる前の段階から状態を確かめ、必要な処置や手入れの見直しまでを一続きに行います。

感覚がにぶった足では靴ずれや小さな傷に気づきにくく、足の裏や指の間のように自分では見えにくい場所を、別の人の目で定期的に確かめてもらう機会が要ります。

糖尿病足病変は、痛みが出てから動くと手当てが遅れやすいため、症状の乏しいうちからの点検が大きな意味を持ちます。

診察では見た目に加えて感覚と血流を調べ、たこや厚くなった爪への処置、履いている靴の点検へとつながっていきます。足の変化に早く気づけるかどうかが、その後の経過を分けます。

目次

糖尿病の足に起きる変化とフットケア外来が置かれる背景

糖尿病の足で起きる問題は、感覚の低下と血流の低下、そして感染への弱さが重なって進みます。フットケア外来は、この3つを別々にではなく同時に見張るために置かれた診療の場です。

感覚がにぶった足では痛みが警報にならない

高い血糖が続くと足先の神経が傷み、触れた感じや温度、痛みの伝わり方が少しずつ鈍っていきます。靴の中で皮膚がこすれても信号が届かないため、気づいたときには傷が深く進んでいる場合があります。

感覚の低下を調べる方法としては、細いナイロン繊維を皮膚に押し当てるモノフィラメント検査が広く使われており、器具を使わず指先で軽く触れるだけのIpswich Touch Testとも比べられてきました。

5つの研究をまとめた解析では、10gモノフィラメントを基準にしたときの感度が0.77(95%信頼区間0.69〜0.84)、特異度が0.96(同0.93〜0.98)と報告されています。

数字を見れば分かるとおり、どの方法にも見落としが残るため、実際の外来では複数のやり方を組み合わせながら確かめていきます。

血流が細くなると小さな傷も治りにくい

足へ向かう動脈が細くなると、傷をふさぐために必要な血液が届きにくくなり、ふだんなら数日で治る擦り傷が何週間も残る場合があります。

血流の低下は、歩いたときのふくらはぎの張りや足の冷え、皮膚の色の変化として現れますが、神経の障害が重なると自覚のないまま進んでしまうケースも少なくありません。

そのため外来では、症状のあるなしにかかわらず足の甲や内くるぶしの近くで脈の触れ方を確かめ、必要に応じて腕と足首の血圧を比べる検査へ進みます。

小さな傷はどうやって潰瘍と切断へ進む?

気づかれないまま放置された傷は皮膚の下で広がり、潰瘍となって腱や骨にまで届く場合があります。細菌が入り込むと腫れと熱感が急に強まり、入院や手術へ進む例も珍しくありません。

米国の退役軍人86,094人を追った研究によれば、足潰瘍と新たに診断された人のうち3,279人(3.8%)が、診断から1年以内に膝の上または下での大切断を受けていました。

割合としては少数にとどまりますが、いったん切断に至れば歩き方も生活の形も大きく変わるため、その手前でどれだけ手を打てるかが問われます。

腎臓や目の合併症がある人ほど足の血流に注意が要る

フィンランドで1型糖尿病の4,697人を追った研究では、足の血流が著しく落ちた状態にあたる重症下肢虚血の12年累積発症率が4.6%(95%信頼区間4.0〜5.3)でした。

腎症と重い網膜症の組み合わせによって危険度は大きく異なり、微量アルブミン尿と重症網膜症が重なった群では11.9倍(同5.4〜26.5)、腎不全に至った群では37.9倍(同17.2〜78.9)と報告されました。

これは1型糖尿病を対象にした結果なので2型にそのまま当てはめられませんが、他の合併症が進んでいる人ほど足も見張る対象になる点は共通しているといえます。

変化の種類足に現れる状態見逃しやすい理由
神経の障害感覚が鈍り、痛みや熱さを感じにくい痛みが出ないまま傷が深くなる
血流の低下傷が治りにくく、冷えや色の変化が出る神経の障害が重なると自覚が乏しい
感染への弱さ小さな傷から腫れや熱感が急に強まる発熱をともなわない場合がある

この3つは単独で起きるより、互いを悪化させながら進む点がやっかいです。フットケア外来がまとめて足を診る形をとっているのは、こうした重なりを一度の受診でとらえるためです。

フットケア外来で糖尿病の足をどう調べているのか

初回の受診では、靴と靴下を脱いだ状態で足の全体を見たうえで、感覚と血流を数値として確かめ、危険度の分類まで進みます。次にいつ来るかは、この分類をもとに決まっていきます。

調べ方見ているもの受診時の様子
視診と触診皮膚の色、たこ、傷、変形、爪の状態足の裏と指の間まで確認する
モノフィラメント検査触覚が保たれているか細い繊維を数か所に押し当てる
脈の触知と足首の血圧足まで届く血流の勢い脈を触れ、腕と足首の血圧を比べる

靴と靴下を脱いで足の裏と指の間まで見る

診察はまず足を出すところから始まります。皮膚の乾燥やひび割れ、たこの厚み、指の変形、爪の色と厚さを順に見ながら、圧のかかりやすい場所を探していきます。

とくに見落とされやすいのが、かかとの後ろ側と小指の外側、そして指と指のあいだです。自分で確かめようとしても角度的に見えにくく、鏡を使っても影になって分かりづらい場所でしょう。

足の裏に硬く盛り上がったたこがあれば、その真下の皮膚に強い圧が繰り返しかかっている印になります。まだ傷になっていない段階でも、外来ではその位置を記録して次の受診で見比べます。

細い繊維や指先の接触で感覚を確かめる

感覚の検査は、足の裏の決められた場所に細いナイロン繊維を垂直に押し当て、触れたと感じるかどうかを答えてもらう形が中心です。目を閉じた状態で行うため、見た目の情報に頼らずに済みます。

音叉を足の骨に当てて振動の感じ方を調べたり、アキレス腱の反射を確かめたりする方法も併せて使われ、どの感覚がどこまで落ちているかを立体的にとらえていきます。

検査で異常が出ても、それだけで足を失うわけではありません。むしろ感覚の低下が分かった時点から、履物と日々の点検の話へ進めるようになります。

脈の触れ方と血圧の左右差から血流を読む

血流の評価は、足の甲を走る動脈と内くるぶしの後ろの動脈に指を当て、拍動の強さと左右の差を確かめるところから始まります。触れにくい場合には、超音波の機器を使って血流の音を聞き取ります。

さらに腕と足首の血圧を測って比を出す検査を加えると、細くなった動脈の影響を数値として追えます。値が極端に高い場合には動脈の壁が硬くなっている可能性もあり、別の検査で補います。

血流の低下がはっきりしたときは、傷の手当てだけで治るとは限らないため、血管を扱う診療科と相談しながら方針を決めていく流れになります。

危険度の分類が次の受診間隔を決める

感覚と血流の結果、変形の有無、これまでの潰瘍や切断の経験を合わせて、足の危険度をいくつかの段階に分ける方法が国際的に使われています。段階が上がるほど、受診の間隔は短く設定されます。

感覚も血流も保たれている段階では確認の頻度をひかえめにでき、潰瘍を起こした経験がある足では、より短い周期での点検が求められます。何か月おきになるかは、用いる分類と施設の方針しだいでしょう。

具体的な間隔は足の状態と持病の組み合わせで変わるので、次にいつ来るかは診察した医師と担当者が個別に決めます。自分の段階がどこかは、受診のたびに確かめておくと役に立ちます。

フットケア外来が糖尿病足病変に行う処置の中身

外来で実際に手を動かすのは、たこの除去、爪の手入れ、傷の手当ての3つが中心です。いずれも痛みの少ない範囲で行い、足にかかる圧を減らす工夫と組み合わせて進めます。

分厚くなったたこを削って圧を逃がす

たこは、同じ場所に圧が繰り返しかかった皮膚が身を守ろうとして厚くなった状態です。ところが厚みそのものが硬い異物のようにはたらき、下の柔らかい組織を圧迫して出血や潰瘍を招く場合があります。

外来では専用の刃やグラインダーを使い、痛みの出ない層まで慎重に削って厚みを落とします。削った後に赤黒い点が見えれば、皮膚の下ですでに出血が起きていた印として扱われます。

同じ場所にたこが繰り返しできるようであれば、削るだけでは追いつきません。靴の中敷きを変えたり、足の当たり方を見直したりと、圧の出どころへさかのぼって手を打ちます。

厚くなった爪や巻き爪を器具で整える

爪が厚く硬くなると、靴に当たった力がそのまま爪の下の皮膚へ伝わり、内出血や潰瘍のきっかけになります。自分で切ろうとして深爪や皮膚の傷を作ってしまう例も多く見られます。

外来では、爪の厚みを削って形を整え、角の残し方まで含めて調整します。爪の状態によっては、皮膚科や形成外科での処置につなぐ判断もされます。

爪の状態起こりやすい問題外来での扱い
厚く硬い爪靴に当たり、爪の下の皮膚を傷める厚みを削って形を整える
巻き爪・陥入爪爪の縁が皮膚に食い込み炎症を起こす形を整え、必要に応じて他科へ紹介
白く濁った爪潰瘍や皮膚の感染との関連が報告されている検査で原因を確かめ、方針を相談する

オランダのプライマリケアで糖尿病のある48,212人を中央値10.3年追った研究では、爪白癬がある人の潰瘍発症の危険度が1.37倍(95%信頼区間1.13〜1.66)、他の要因を調整した後でも1.23倍(同1.01〜1.49)と報告されました。

爪の濁りは、見た目だけの問題として片づけられるものではありません。

潰瘍ができたら傷の手当てと免荷を並行する

潰瘍ができた足では、傷そのものへの手当てと、その場所に体重をかけない工夫を同時に進めます。歩くたびに圧がかかり続ける限り、どれほど良い被覆材を使ってもふさがりにくいためです。

傷の中の壊れた組織を取り除き、湿り具合を保つ材料で覆い、専用の装具やギプス様の固定で圧を逃がす方法が組み合わされます。感染が疑われる場合には、細菌の検査と抗菌薬の検討も加わります。

血糖の管理も並行して行いますが、足潰瘍の治りに対して厳格な血糖管理がどこまで有効かを比べた研究は、結果の出そろった試験が見つかっていないと系統的な検証で示されました。分かっていない部分が残る領域だと知っておくと、経過を焦らずに追えます。

感染や血流の低下が疑われたらどこへつなぐ?

足が赤く腫れて熱を持つ、膿が出る、傷の奥に骨が触れるといった所見があれば、外来での処置だけで完結させず、入院や専門の診療科へ引き継ぐ判断がされます。

血流の低下が背景にある場合は、血管の治療を行う診療科と連携し、血液の通り道を広げる処置を先に検討する流れになります。順番を誤ると、傷の手当てだけが空回りしてしまいます。

フットケア外来が扱う範囲と、他の診療科へ渡す範囲は施設によって異なります。どこまで対応できるかは、受診を考えている施設に直接尋ねるのが確実でしょう。

靴と毎日の手入れを糖尿病のフットケア外来で見直す

足に傷を作る原因の多くは、履物と日々の扱い方に潜んでいます。フットケア外来では処置だけでなく、いま履いている靴と手入れのやり方を一緒に点検し、負担のかかる癖を洗い出します。

履いている靴を持参すると圧のかかり方が見える

ふだん履いている靴の中敷きは、足のどこに圧が集中しているかを教えてくれます。すり減り方や汚れの付き方を見れば、たこのできた位置と重なるかどうかも読み取れるでしょう。

靴の中に小石や畳んだ靴下、はがれた中敷きの破片が入ったまま歩いていた例も実際にあります。感覚が落ちた足では異物が入っていても気づけないため、履く前に手を入れて確かめる習慣が助けになります。

  • ふだん履いている靴(できれば履き古したもの)
  • 外出用と室内用の両方の履物
  • 使っている中敷きや装具
  • これまでの検査結果や糖尿病の記録
  • 飲んでいる薬の一覧

新しく靴を買うときは、夕方など足がむくむ時間帯に合わせて選ぶと窮屈になりにくく、指先に余裕があるか、縫い目が皮膚に当たらないかを立った姿勢で確かめると失敗が減ります。

洗い方と保湿、爪の切り方をそろえる

足の手入れは、特別な道具より続けやすさが物を言います。米国で足の合併症の危険が高い175人を1年間追った試験では、消毒薬入りの清拭シートを毎日使った群と石けんと水のシートを使った群で、新たな足の合併症の起こり方に差は出ませんでした。

どちらの群も同じ保湿剤と足の手入れの説明を受けていた点が、この結果を読むうえで大切です。強い薬剤に切り替えるより、洗って乾かして保湿するという当たり前の流れを毎日続けるほうが現実的だといえます。

場面確かめたい点気をつけたい行動
洗うとき指の間まで洗い、水気を残さない熱い湯に長く浸ける
保湿かかとやすねの乾燥とひび割れ指の間へ厚く塗り込む
爪切り長さと角の残し方深爪、角を自分で掘る

入浴のあと、明るい場所で足の裏まで一度見る流れを作っておくと、変化に気づく機会が毎日確保されます。腰や膝が曲げにくい方は、床に鏡を置く方法が向いているかもしれません。

たこを自分で削るのはなぜ危ない?

市販の刃物ややすりでたこを削る行為は、感覚の落ちた足では特に危険を伴います。痛みが警報として働かないため、削りすぎて生の皮膚まで達しても気づかず、そこから潰瘍が始まる場合があります。

薬剤でたこを溶かす貼り薬も、周囲の健康な皮膚まで傷めてしまう恐れがあり、糖尿病のある足では扱いが難しくなります。厚みが気になったら、削らずに外来で相談するほうが安全です。

湯たんぽや電気毛布、こたつも注意が要ります。熱さを感じにくい足では低温やけどが起こりやすく、朝になって水ぶくれに気づく事例が繰り返し報告されています。

糖尿病でフットケア外来に通い続けると何が変わるのか

定期的に足を診てもらう最大の意味は、自分では気づけない変化が早い段階で拾われる点にあります。専門的な足のケアと切断の少なさとの関連を示した報告もありますが、いずれも観察に基づく結果です。

自分では見えない場所を定期的に確かめてもらえる

足の裏、かかとの後ろ、指の間は、体をひねっても視界に入りにくい場所です。感覚が落ちていれば触っても分からず、家族に見てもらうにも毎日は頼みにくいでしょう。

外来で記録が残っていれば、前回との違いという形で変化を追えます。たこの位置がずれた、爪の色が変わった、皮膚が薄くなったといった小さな差が、次の一手を決める材料になります。

説明を受けながら自分の足を見る時間そのものにも意味があります。どこに圧がかかりやすいかを一度知れば、家での点検の目のつけどころが変わってきます。

専門的な足のケアと切断の少なさに関連が報告されている

米国で透析を受けている2型糖尿病の14,935人を対象に、足潰瘍と診断される前の3か月間に足と足関節のケアを受けていたかどうかを比べた研究があります。ケアを受けていた人は全体の18.4%でした。

多変量解析では、死亡または大切断という組み合わせの起こりやすさが11%低く(ハザード比0.89、95%信頼区間0.84〜0.93)、大切断だけを見た場合も9%低い(同0.91、0.84〜0.99)と報告されました。

ただしこれは透析を受けている腎不全の方を対象にした観察研究であり、足のケアが切断を減らしたと証明したものではありません。もともとの状態の違いが結果に影響している可能性も残ります。

通う施設によって結果に差が出ている

同じ足潰瘍でも、どこで診てもらうかによって経過が違ってくる可能性が示されています。米国の退役軍人86,094人を140施設にわたって調べた研究では、1年以内の大切断について施設間の中央オッズ比が1.85と算出されました。

一方で1年死亡についての施設間のばらつきは1.16にとどまり、差は小さいままでした。この対比から、切断のばらつきは足潰瘍そのものへの診療の違いに由来する可能性が高いと考察されています。

これは米国の医療制度のもとで得られた結果なので、日本の状況にそのまま置き換えられません。それでも、足を扱う体制が施設ごとに違うという事実は、受診先を選ぶときの手がかりになります。

受診が途切れると足を見る機会も減る

シンガポールの一般外来で2型糖尿病の方を調べた研究では、足のスクリーニングの予約を守れていない割合が43.3%に達しました。HbA1cが7%以上の群では守れない見込みが1.878倍(95%信頼区間1.090〜3.235)でした。

カナダのオンタリオ州で成人の糖尿病患者約149万人を追った分析でも、感染症の流行が始まった後に対面での包括的な糖尿病評価の実施が急に落ち込み、前年の水準を下回ったままでした。

同じ期間の大切断の実施率は前年より増えなかったと報告されており、単純に評価の減少が切断へ直結したわけではありません。とはいえ足を見る機会が減れば、変化に気づく入り口も狭くなります。

研究の対象調べた内容報告された結果
透析中の2型糖尿病 14,935人(米国)潰瘍診断前3か月の足と足関節のケア死亡・大切断の複合が11%低い(0.89、0.84〜0.93)
新規の足潰瘍 86,094人(米国)施設ごとの1年以内の大切断施設間の中央オッズ比1.85(死亡は1.16)
足潰瘍 180人(フランス)遠隔での経過観察と通常の通院の比較12か月の入院日数が7.1日と13.4日(p=0.0458)

いずれの研究も日本での診療をそのまま映したものではありませんが、足を見る回数と手当ての届きやすさが結果に関わってくる点では共通しています。

糖尿病でフットケア外来にかかるときの受診の流れと費用の確かめ方

フットケア外来をどこで受けられるか、費用がどれくらいかかるかは、施設と足の状態によって変わります。確かな答えは、受診を考えている施設と加入している医療保険の窓口から得られます。

フットケア外来はどこで受けられる?

糖尿病を診る医療機関のなかには、足の診察と処置をまとめて行う枠を設けているところがあります。名称も「フットケア外来」「足病外来」などさまざまで、統一されているわけではありません。

担当する職種も施設ごとに違い、医師のほか、看護師や理学療法士、義肢装具士などが関わる形が見られます。予約が必要か、紹介状が要るかも一律ではないため、電話や公式サイトで事前に確かめておくと動きやすくなります。

すでに糖尿病で通院している方は、主治医に足の相談ができる場を尋ねるのが近道です。検査結果や治療内容の共有もそのまま引き継がれます。

費用や保険の扱いは受診先と保険者に確かめる

足に対する処置や指導の費用は、足の状態や行われた内容、施設の体制によって扱いが変わります。同じ「たこを削る」でも、傷や潰瘍を伴うかどうかで位置づけが違ってきます。

そのため、金額や保険の扱いを一律の数字で示すのは難しく、実際の負担は足の状態が分かって初めて固まります。受診前に施設の窓口へ問い合わせ、加入している健康保険の相談先も併せて確かめるのが確実な進め方です。

装具や特別な靴を作る場合には、また別の手続きが関わってきます。必要になった段階で、担当者から説明を受けながら進めていく形になります。

早めに相談したい足の変化

次に挙げる変化に気づいたときは、次回の予約を待たずに連絡を取るほうが安全です。糖尿病のある足では、見た目のわりに内部で進んでいる場合があります。

  • 1週間たってもふさがらない傷、いったん治って再び開く傷
  • 靴下や靴に付く血や膿の跡
  • 片足だけの腫れ、赤み、熱っぽさ
  • 皮膚が黒ずむ、紫がかるといった色の変化
  • しびれや痛みの急な増減、感覚が消えた感じ
  • 爪の変色や、爪の周囲の痛みと腫れ

痛みがないからまだ大丈夫、という判断は糖尿病の足では通用しません。感覚が落ちているほど症状は乏しくなるため、見た目の変化を根拠に動くほうが理にかなっています。

よくある質問

Q
フットケア外来にはどのくらいの間隔で通うものですか?
A

感覚と血流の検査結果、変形の有無、これまでの潰瘍や切断の経験を合わせた危険度の段階によって変わります。段階が上がるほど間隔は短くなります。

感覚も血流も保たれている段階では間隔を長めにとれる一方、潰瘍の経験がある足では、より短い周期での点検が求められる場合もあります。実際の間隔は診察した医師が個別に判断します。

Q
足に症状がなくても糖尿病のフットケア外来を受ける意味はありますか?
A

神経の障害が進んだ足では痛みや違和感が現れにくく、症状の有無だけでは状態を測れません。感覚と血流を検査で確かめて初めて分かる変化があります。

症状のない段階で危険度が分かれば、履物や日々の手入れの見直しに時間をかけられます。受診の必要性についての判断は、足を診た医師と相談しながら決めるのが確実でしょう。

Q
フットケア外来では糖尿病のたこや爪をどのように扱うのですか?
A

たこは専用の刃やグラインダーで厚みを落とし、下の皮膚にかかる圧を減らします。削った跡に赤黒い点が見えれば、皮膚の下で出血が起きていた印として扱われます。

爪は厚みを削って形を整え、角の残し方まで調整します。状態によっては皮膚科や形成外科での処置につなぐ判断もされるため、自分で無理に切らずに相談するほうが安全です。

Q
糖尿病足病変の潰瘍ができた場合、フットケア外来だけで治療は完結しますか?
A

潰瘍の深さや感染の有無、血流の状態によって進め方は変わります。赤い腫れや膿、傷の奥に骨が触れる所見があれば、入院や専門の診療科への引き継ぎが検討されます。

血流の低下が背景にある場合には、血管の治療を行う診療科と連携し、血液の通り道を広げる処置を先に検討する流れになります。どこまで対応できるかは施設によって差があるため、事前の確認が確実でしょう。

Q
フットケア外来を受ける前に、糖尿病の足で準備しておくとよいものはありますか?
A

ふだん履いている靴と中敷き、室内用の履物を持参すると、圧のかかり方やすり減り方から足への負担を読み取れます。使っている装具があれば併せて持っていくと役に立ちます。

これまでの検査結果や飲んでいる薬の一覧も、状態を把握するうえで手がかりになります。足に塗っている市販薬や貼り薬があれば、名前を控えておくと説明がスムーズに進みます。

参考にした文献