「いびきをかくのは男性だけ」「睡眠時無呼吸症候群は太った男性の病気」そう思っていませんか?

実は女性も睡眠時無呼吸症候群(SAS)になる可能性があり、特に女性特有の原因や症状があるため見過ごされやすい傾向にあります。

この記事では女性の睡眠時無呼吸症候群に焦点を当て、その原因、男性とは異なる症状の現れ方、放置するリスク、そして適切な対策や治療法について詳しく解説します。

「最近、日中とても眠い」「夜中に何度も目が覚める」といったお悩みをお持ちの女性は、ぜひご一読ください。

女性の睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?男性との違い

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は睡眠中に呼吸が浅くなったり止まったりすることを繰り返す病気です。男性に多いというイメージがありますが、女性も決して無縁ではありません。

女性のSASは男性とは異なる特徴を持つことがあり、そのために診断が遅れたり、見過ごされたりすることがあります。

女性における睡眠時無呼吸症候群の有病率

睡眠時無呼吸症候群の有病率は男性と比較すると女性の方が低いとされています。

しかし、年齢とともにその差は縮まる傾向にあります。特に閉経後の女性では有病率が上昇することが報告されています。

生活習慣の変化や社会的な認識の高まりから、以前考えられていたよりも多くの女性がSASに罹患している可能性が指摘されています。

年代別に見る女性のSASリスク

年代主なリスク要因注意点
若年~中年期妊娠、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などホルモンバランスの影響を受けやすい時期です。
更年期以降女性ホルモンの減少、体重増加有病率が顕著に上昇する傾向があります。
全年代共通肥満、顎の小ささ、生活習慣個々の体質や生活習慣も大きく関わります。

男性と比較した際の特徴的な点

女性の睡眠時無呼吸症候群は男性と比較していくつかの特徴的な違いが見られます。例えばいびきの音量が男性ほど大きくない、あるいは無呼吸の時間が比較的短いといった傾向があります。

また、日中の眠気を強く訴えるよりも、疲労感や気分の落ち込み、頭痛といった非典型的な症状を訴えることが多いと言われています。

見過ごされやすい女性のSAS

前述のような症状の違いから、女性の睡眠時無呼吸症候群は本人も周囲も気づきにくく、見過ごされやすい傾向があります。

「ただ疲れているだけ」「更年期だから仕方ない」などと自己判断してしまい、適切な診断や治療に至らないケースも少なくありません。

しかしSASを放置すると様々な健康リスクを高めるため、早期発見・早期治療が重要です。

女性特有の睡眠時無呼吸症候群の原因

女性が睡眠時無呼吸症候群を発症する原因には男性と共通するものもありますが、女性特有の要因も大きく関わっています。

ホルモンバランスの変化や体型の特徴などが上気道の開存性に影響を与えることがあります。

ホルモンバランスの変化(妊娠、更年期)

女性ホルモンであるプロゲステロンには呼吸を刺激する作用があります。このため、プロゲステロンの分泌が活発な時期は上気道の筋肉の活動性が高まり、気道が広がりやすくなります。

しかし、妊娠中や更年期にはホルモンバランスが大きく変動し、SASのリスクに影響を与えることがあります。

妊娠とSAS

妊娠中は体重増加やホルモン変化により、鼻粘膜の腫れや上気道の狭窄が起こりやすくなります。

特に妊娠後期には増大した子宮が横隔膜を押し上げ、呼吸が浅くなることもSASの一因となり得ます。

更年期とSAS

閉経を迎えると女性ホルモンの分泌が急激に減少し、プロゲステロンによる呼吸刺激作用も低下します。

このことにより上気道の筋力が弱まり、気道が閉塞しやすくなるため、SASの発症リスクが高まります。

また、更年期には体重が増加しやすいことも関連しています。

ホルモン変動とSASリスクの関連

ライフステージホルモン状態SASへの影響
月経周期(黄体期)プロゲステロン高値呼吸刺激作用によりリスク低下傾向
妊娠中ホルモンバランス変動、体重増加リスク上昇の可能性
更年期・閉経後女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)低下リスク顕著に上昇

体型や骨格の特徴

一般的に男性に比べて女性は首が細く、顎が小さい傾向があります。

これらの骨格的な特徴は上気道のスペースが元々狭いことを意味し、わずかな体重増加や筋力低下でも気道が閉塞しやすくなる要因となります。

肥満でなくてもSASを発症する女性がいるのは、このような背景も関係しています。

加齢による影響

加齢は男女問わずSASのリスクを高める要因です。年齢とともに全身の筋力が低下し、上気道を支える筋肉も例外ではありません。

舌根沈下や軟口蓋の弛緩が起こりやすくなり、気道が狭窄・閉塞しやすくなります。

女性の場合、閉経後のホルモンバランスの変化と加齢による筋力低下が複合的に作用し、SASのリスクをさらに高めることがあります。

その他の関連要因

上記以外にも甲状腺機能低下症や多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)といった特定の疾患が女性のSAS発症に関与している場合があります。

また、喫煙や過度のアルコール摂取といった生活習慣もリスクを高める要因となります。

女性に見られやすい睡眠時無呼吸症候群の症状

女性の睡眠時無呼吸症候群では、男性に典型的な大きないびきや明確な呼吸停止といった症状が目立たないことがあります。

そのため、SASと気づかずに他の不調として認識されているケースも少なくありません。

典型的な症状以外のサイン

女性のSASでは以下のような症状が前面に出ることがあります。

女性に現れやすいSASのサイン

  • 原因不明の慢性的な疲労感、倦怠感
  • 朝の頭痛、頭重感
  • 集中力や記憶力の低下
  • 気分の落ち込み、抑うつ気分、不安感
  • 夜間の頻尿
  • 寝汗
  • 不眠(寝つきが悪い、途中で目が覚める、早朝に目が覚める)

これらの症状は更年期障害や自律神経失調症、うつ病など他の疾患の症状とも似ているため、SASが見逃される原因の一つとなっています。

日中の倦怠感や気分の落ち込み

睡眠の質が低下すると、日中に強い倦怠感や意欲の低下、気分の落ち込みなどを感じやすくなります。

女性のSASでは、はっきりとした眠気よりも、このような精神的な不調や身体的な疲労感を強く訴える傾向があります。

家事や仕事のパフォーマンス低下にもつながり、生活の質を大きく損なう可能性があります。

頭痛や不眠

睡眠中の低酸素状態や頻繁な覚醒は起床時の頭痛を引き起こすことがあります。

また、SASによる息苦しさや頻繁な覚醒が、寝つきの悪さや中途覚醒、早朝覚醒といった不眠症状の原因となることも少なくありません。

「眠りが浅い」「熟睡感がない」といった訴えもSASのサインである可能性があります。

睡眠の質低下による症状例

症状SASとの関連日常生活への影響
慢性的な疲労感質の低い睡眠による回復不足家事や仕事への意欲低下
朝の頭痛睡眠中の低酸素状態一日の始まりの不快感
不眠症状呼吸困難による覚醒日中の眠気や集中力低下

生活習慣病との関連

睡眠時無呼吸症候群は高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病の発症や悪化と深く関連しています。

女性においてもSASを放置するとこれらの疾患のリスクが高まることが分かっています。

特に閉経後は生活習慣病のリスク自体が上昇するため、SASの合併はさらなる健康問題を引き起こす可能性があります。

女性の睡眠時無呼吸症候群がもたらす影響

女性の睡眠時無呼吸症候群を放置すると様々な健康上の問題を引き起こす可能性があります。

特に妊娠中や更年期など女性特有のライフステージにおいては、その影響がより深刻になることもあります。

妊娠中のリスク(妊娠高血圧症候群など)

妊娠中に睡眠時無呼吸症候群を発症したり、元々あったSASが悪化したりすると、母体と胎児の両方に悪影響を及ぼす可能性があります。

具体的には妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、早産、低出生体重児などのリスクが高まることが報告されています。妊娠中のいびきや日中の強い眠気はSASのサインかもしれないため、注意が必要です。

妊娠中のSASが関連する可能性のある合併症

母体への影響胎児への影響
妊娠高血圧症候群発育遅延
妊娠糖尿病低出生体重
帝王切開率の上昇早産

心血管系への負担

睡眠時無呼吸症候群は心臓や血管に大きな負担をかけます。睡眠中の低酸素状態や頻繁な覚醒は交感神経を緊張させ、血圧を上昇させます。

この状態が慢性的に続くと、高血圧、不整脈、心不全、心筋梗塞、脳卒中といった心血管系疾患のリスクが高まります。

女性においても、特に閉経後は心血管疾患のリスクが上昇するためSASの管理は非常に重要です。

精神面への影響(うつ、不安)

睡眠の質の低下は精神状態にも大きな影響を与えます。

女性のSASでは日中の眠気よりも抑うつ気分や不安感を強く訴えることが多いと前述しましたが、実際にうつ病や不安障害を合併するリスクが高いことが分かっています。

SASの治療を行うことで、これらの精神症状が改善することもあります。

生活の質(QOL)の低下

慢性的な疲労感、集中力の低下、気分の落ち込み、日中の眠気などは仕事や家事、趣味といった日常活動への意欲や能力を低下させ、全体的な生活の質(QOL)を著しく損なう可能性があります。

SASを適切に治療することでこれらの症状が改善し、より活動的で充実した生活を取り戻すことが期待できます。

女性の睡眠時無呼吸症候群の検査と診断

「もしかしたら睡眠時無呼吸症候群かもしれない」と感じたら、まずは専門の医療機関を受診し、適切な検査を受けることが大切です。

女性の場合、症状が非典型的であるため、問診で伝えるべきポイントや検査の意義を理解しておくことがスムーズな診断につながります。

問診で伝えるべきこと

医療機関を受診する際には以下のような情報を医師に伝えるようにしましょう。

具体的な症状や生活状況を伝えることで医師はSASの可能性をより的確に判断できます。

問診で医師に伝えると良い情報

  • いびきの有無(家族からの指摘など)
  • 睡眠中の呼吸の乱れ(息苦しさ、呼吸が止まるなど)
  • 日中の眠気、疲労感の程度
  • 起床時の頭痛、口の渇き
  • 夜間のトイレの回数
  • 集中力や記憶力の変化
  • 気分の落ち込みやイライラ感
  • 月経周期、妊娠・出産の状況、更年期の症状
  • 既往歴、服用中の薬
  • 生活習慣(喫煙、飲酒、睡眠時間など)

簡易検査と精密検査(PSG)

睡眠時無呼吸症候群の診断には主に2種類の検査があります。

まずは自宅で手軽に行える簡易検査でスクリーニングを行い、必要に応じて医療機関に1泊入院して行う精密検査(終夜睡眠ポリグラフ検査:PSG)に進むのが一般的です。

主な睡眠検査の種類

検査の種類検査場所調べる主な項目特徴
簡易検査(アプノモニターなど)自宅呼吸、いびき、血中酸素飽和度など手軽に行えるスクリーニング検査。
精密検査(PSG)医療機関(1泊入院)脳波、眼球運動、筋電図、心電図、呼吸、血中酸素飽和度など多数SASの確定診断と重症度評価に用いる最も詳しい検査。

女性の場合、睡眠の質そのものに問題があることも多いため、脳波も測定できるPSG検査がより有用な情報を得られることがあります。

診断基準と重症度評価

検査結果に基づいて、睡眠1時間あたりの無呼吸と低呼吸の回数(AHI:Apnea Hypopnea Index)を算出し、SASの診断と重症度を評価します。

一般的にAHIが5回以上でSASと診断され、その数値によって軽症、中等症、重症に分類されます。

女性の場合AHIが比較的低くても症状が強く出ることがあるため、症状の程度も考慮して総合的に判断します。

婦人科との連携の重要性

女性のSASは月経周期、妊娠、更年期といった女性特有のホルモン変動と深く関わっている場合があります。そのため睡眠専門医だけでなく、婦人科医との連携が重要になるケースもあります。

特に更年期症状とSASの症状が似ている場合や妊娠中のSASが疑われる場合には、両方の専門家による適切な評価と管理が求められます。

女性の睡眠時無呼吸症候群の治療法と対策

女性の睡眠時無呼吸症候群の治療法は男性と基本的には同じですが、女性特有の原因やライフステージを考慮したアプローチが重要になります。

重症度や症状、原因、合併症の有無、そして患者さん自身の希望などを総合的に判断し、適切な治療法を選択します。

生活習慣の改善(体重管理、睡眠環境)

全ての重症度のSASにおいて、まず基本となるのが生活習慣の改善です。特に肥満はSASの大きなリスク因子であるため、適切な体重管理は非常に重要です。

生活習慣改善のポイント

  • バランスの取れた食事と適度な運動による体重管理
  • 禁煙、節度あるアルコール摂取
  • 寝る前のカフェイン摂取を控える
  • 規則正しい睡眠習慣(就寝・起床時間を一定にする)
  • 横向き寝の推奨(仰向け寝は気道が狭くなりやすいため)
  • 寝室環境の整備(適切な温度・湿度、静かで暗い環境)

CPAP(シーパップ)療法

CPAP療法は中等症から重症のSASに対する標準的な治療法です。鼻に装着したマスクから持続的に空気を送り込み、睡眠中の気道の閉塞を防ぎます。

女性の場合、顔のサイズに合ったマスクの選択や圧の設定をきめ細かく行うことが快適な治療継続のために大切です。

最近では女性向けの小型でデザイン性の高いCPAP装置も開発されています。

マウスピース(スリープスプリント)治療

マウスピース治療は主に軽症から中等症のSASに用いられる治療法です。就寝中に下顎を前方に移動させる特殊なマウスピースを装着し、気道を広げます。

マウスピースは歯科で個人の歯型に合わせて作製します。持ち運びが便利でCPAP療法が合わない場合の選択肢にもなります。

ただし顎関節に問題がある場合や、残っている歯が少ない場合には適用できないこともあります。

主な治療法の選択目安

治療法主な対象特徴
生活習慣の改善全てのSAS患者治療の基本、他の治療と並行して行う。
CPAP療法中等症~重症効果が高い、持続的な使用が必要。
マウスピース治療軽症~中等症比較的簡便、歯科で作製・調整。

ホルモン補充療法などの検討

閉経後の女性で女性ホルモンの減少がSASの大きな原因となっていると考えられる場合、婦人科医の判断のもとでホルモン補充療法(HRT)が検討されることがあります。

HRTによってSASの症状が改善する可能性が報告されていますが、HRTには利益とリスクがあるため、適応を慎重に判断する必要があります。

また、甲状腺機能低下症などSASの原因となる他の疾患がある場合は、その治療を優先します。

よくある質問

ここでは女性の睡眠時無呼吸症候群に関して、患者さんからよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q
妊娠中でも治療は受けられますか?
A

はい、妊娠中の睡眠時無呼吸症候群も治療の対象となります。

妊娠中のSASは母体や胎児に影響を与える可能性があるため、放置せずに医師に相談することが重要です。

治療法としては母体と胎児への安全性を考慮し、CPAP療法が選択されることが多いです。生活習慣の指導も併せて行います。

必ず産婦人科医と睡眠専門医が連携して治療を進めます。

Q
更年期と関係がありますか?
A

はい、深く関係しています。

更年期に入り女性ホルモン(特にプロゲステロン)が減少すると上気道の筋力が低下し、気道が狭窄しやすくなるため、睡眠時無呼吸症候群を発症しやすくなります。

また、更年期には体重が増加しやすいこともSASのリスクを高めます。

更年期に見られる疲労感や気分の落ち込み、不眠といった症状が、実はSASによるものである可能性も考えられます。

Q
どのような診療科を受診すればよいですか?
A

まずは睡眠時無呼吸症候群を専門とする呼吸器内科、循環器内科、耳鼻咽喉科、あるいは睡眠専門クリニックを受診することをお勧めします。

問診や検査の結果、SASと診断された場合、治療法によっては歯科(マウスピース治療の場合)や婦人科(ホルモンバランスが関与している場合)との連携が必要になることもあります。

かかりつけ医に相談し、適切な専門医を紹介してもらうのも良いでしょう。

Q
自分でできる対策はありますか?
A

医療機関での治療と並行して、ご自身でできる対策もいくつかあります。

まず、適正体重の維持は非常に重要です。バランスの取れた食事と定期的な運動を心がけましょう。また、横向きで寝ることで気道の閉塞を軽減できる場合があります。抱き枕を利用するのも一つの方法です。

アルコールや睡眠薬は上気道の筋肉を弛緩させSASを悪化させる可能性があるため、摂取を控えるか医師に相談してください。

寝室の環境を整え、規則正しい睡眠習慣を身につけることも大切です。

以上

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