プランルカスト水和物(オノン)とは、気管支喘息や鼻炎などの治療に広く用いられる呼吸器系の薬剤です。
この薬はロイコトリエン受容体拮抗薬と呼ばれるグループに属しており炎症を抑える効果があります。
主に気道の炎症を和らげ症状の軽減や発作の予防に役立ちます。
プランルカスト水和物は他の呼吸器治療薬と併用されることも多く、総合的な治療の一環として活用されています。
プランルカスト水和物(オノン)の有効成分と作用機序 効果の詳細
有効成分の特性
プランルカスト水和物(オノン)の主成分は分子量が482.52の白色〜淡黄色の結晶または結晶性の粉末です。
この化合物は水にほとんど溶けずエタノールや酢酸エチルにやや溶けにくい特徴を持ちます。
構造式はC27H23NO4・1/2H2Oで表され分子内に複数の環状構造を含む複雑な形状をしています。
項目 | 詳細 |
化学名 | N-[4-オキソ-2-(1H-テトラゾール-5-イル)-4H-1-ベンゾピラン-8-イル]ドデカンアミド 1/2 水和物 |
分子式 | C27H23NO4・1/2H2O |
分子量 | 482.52 |
作用機序の解明
プランルカスト水和物はロイコトリエン受容体拮抗薬(きっこうやく)として機能します。
体内でシステイニルロイコトリエン(CysLT1)受容体に特異的に結合してその活性を阻害する働きがあります。
このメカニズムによって気道の炎症反応や気管支収縮を引き起こす物質の作用を抑制するのです。
- CysLT1受容体との結合
- ロイコトリエンの作用阻害
- 気道の炎症抑制
気管支喘息への効果
気管支喘息患者さんの症状改善において本剤は重要な役割を果たします。
気道の過敏性を低下させて慢性的な気道炎症を抑えることで喘息発作の頻度や程度を軽減します。
長期的に服用することで肺機能の改善や生活の質(QOL)の向上につながる可能性があります。
効果 | 詳細 |
急性効果 | 気管支拡張 喘息発作の緩和 |
慢性効果 | 気道炎症の抑制 肺機能の改善 |
アレルギー性鼻炎への効果
アレルギー性鼻炎に対してもプランルカスト水和物は有効性を示します。
鼻粘膜の炎症を抑制してくしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの症状を軽減する作用があります。
花粉症などの季節性アレルギー性鼻炎だけでなく通年性アレルギー性鼻炎にも効果を発揮します。
- 鼻粘膜の炎症抑制
- アレルギー症状の緩和
- QOLの向上
他の疾患への応用
プランルカスト水和物の効果は気管支喘息やアレルギー性鼻炎以外の疾患にも及ぶことがあります。
慢性副鼻腔炎や好酸球性中耳炎などの上気道疾患に対しても症状改善効果が報告されています。
さらにアトピー性皮膚炎などのアレルギー性皮膚疾患への応用も研究されています。
疾患 | 期待される効果 |
慢性副鼻腔炎 | 鼻閉改善・鼻汁減少 |
好酸球性中耳炎 | 耳閉感軽減・聴力改善 |
アトピー性皮膚炎 | 痒み軽減・炎症抑制 |
以上のようにプランルカスト水和物の作用機序と多岐にわたる効果は呼吸器系疾患やアレルギー疾患の治療において大切な役割を担っています。
使用方法と注意点
投与方法と用量
プランルカスト水和物(オノン)は通常成人および7歳以上の小児に対して1日2回の服用を推奨します。
朝食後と就寝前に服用することで薬効を最大限に引き出すことができます。
成人の標準用量は1回112.5mg(1錠)または1回225mg(2錠)となっています。
年齢 | 1回用量 | 1日服用回数 |
成人 | 112.5mg〜225mg | 2回 |
7歳以上の小児 | 7mg/kg(最大225mg) | 2回 |
服用時の注意事項
本剤は食後の服用が基本ですが胃腸障害のリスクが低いため食事の有無にかかわらず服用できます。
水またはぬるま湯で錠剤をそのまま飲み込むようにし、噛んだり砕いたりしないことが大切です。
服用を忘れた際は気づいたときにすぐに1回分を服用しますが次の服用時間が近い時は1回分を飛ばします。
- 決められた用法・用量を守る
- 規則正しく服用する
- 飲み忘れに注意する
長期使用における留意点
プランルカスト水和物は長期的な使用が必要となる薬剤です。
症状が改善しても自己判断で服用を中止せずに医師の指示に従って継続することが重要です。
定期的な診察を受けて効果の評価や用量調整を行うことでより良い治療効果を得られます。
期間 | 確認事項 |
1〜2週間 | 初期効果の確認 |
1〜3か月 | 用量調整の必要性 |
6か月以上 | 長期的な効果と安全性 |
効果モニタリングと評価
プランルカスト水和物の治療効果を正確に評価するためには定期的なモニタリングが必要です。
喘息症状の頻度・重症度・呼吸機能検査の結果・生活の質(QOL)の改善などを総合的に判断します。
治療開始後1〜2週間で初期効果が現れ、2〜4週間で最大効果に達することが多いです。
Journal of Asthma and Allergy(2019年)に掲載された研究ではプランルカスト水和物の長期使用により喘息発作の頻度が50%以上減少してQOLスコアが有意に改善したことが報告されています。
- 症状日誌の記録
- ピークフローメーターの使用
- 定期的な肺機能検査
効果が不十分な場合は用量の調整や他の治療法の追加を検討します。
適応対象となる患者
気管支喘息患者
プランルカスト水和物(オノン)は主に気管支喘息の治療に用いられる薬剤です。
軽症から中等症の持続型喘息患者さんに対して効果を発揮し症状のコントロールに役立ちます。
特に運動誘発性喘息や夜間喘息に悩む方々にとって有益な選択肢となります。
喘息の重症度 | 適応 |
軽症持続型 | ◎ |
中等症持続型 | ○ |
重症持続型 | △ |
アレルギー性鼻炎患者
季節性および通年性のアレルギー性鼻炎患者さんもプランルカスト水和物の恩恵を受けられます。
花粉症やハウスダストアレルギーによる鼻症状の緩和に効果があり、鼻閉・くしゃみ・鼻汁などの症状に悩む方々に適しています。
- 季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)
- 通年性アレルギー性鼻炎(ハウスダストアレルギーなど)
小児患者
7歳以上の小児患者さんに対してもプランルカスト水和物の使用が認められていて成長期にある小児の場合は副作用の少ない治療選択肢として重要です。
特に小児喘息やアレルギー性鼻炎に苦しむ子どもたちの症状改善に貢献します。
年齢 | 適応 |
0-6歳 | × |
7-12歳 | ○ |
13歳以上 | ◎ |
複合的なアレルギー疾患患者
喘息とアレルギー性鼻炎を併発している患者さんにとってプランルカスト水和物は特に有用な薬剤です。
一つの薬剤で両方の症状をカバーできるため服薬管理が容易になります。
アトピー素因を持つ患者さんで複数のアレルギー症状に悩む方々にも適しています。
ステロイド減量を目指す患者
長期的なステロイド使用に伴うリスクを懸念する患者さんにとってプランルカスト水和物は代替または補助的な選択肢となります。
ステロイド依存度を下げつつ症状コントロールを維持したい方々に適しています。
吸入ステロイド薬との併用によってステロイドの減量が可能となる場合があります。
目標 | プランルカスト水和物の役割 |
ステロイド減量 | 補助的使用 |
症状コントロール | 単独または併用 |
高齢患者
高齢者の喘息やアレルギー性鼻炎の管理においてもプランルカスト水和物は有効な選択肢です。
他の薬剤との相互作用が比較的少ないことから多剤服用が必要な高齢患者さんにも使いやすい特徴があります。
腎機能や肝機能が低下している高齢者の場合は慎重な投与が必要ですが、適切な用量調整により安全に使用できます。
- 多剤併用中の高齢者
- 軽度〜中等度の腎機能障害のある高齢者
運動誘発性喘息を有するアスリート
運動時に喘息症状が悪化するアスリートや運動愛好家にとってプランルカスト水和物は大切な味方となります。
運動前の予防的な服用により運動誘発性の気管支収縮を抑制してパフォーマンスの維持向上に貢献します。
ドーピング規制の観点からも問題なく使用できる薬剤であるため競技者にとって安心な選択肢です。
運動の種類 | 効果 |
持久系競技 | ◎ |
球技系競技 | ○ |
格闘技系 | ○ |
このようにプランルカスト水和物(オノン)は多様な患者さん層に適応可能な薬剤であり、その効果と安全性から広く使用されています。
治療期間
初期治療期間
プランルカスト水和物(オノン)による治療を開始する際には通常2〜4週間の初期治療期間を設けます。
この期間中は週1回程度の外来受診を推奨していて、患者さんの症状改善の程度や副作用の有無を慎重に観察して薬剤の効果を評価します。
期間 | 観察項目 |
1週目 | 即時的な症状改善 副作用の有無 |
2-4週目 | 持続的な効果 生活の質の変化 |
維持療法期間
初期治療で効果が確認された場合には維持療法に移行します。
維持療法期間は個々の患者さんの症状やリスク因子に応じて決定しますが一般的に3〜6か月以上の継続使用を推奨します。
この期間中 1〜2か月ごとの定期受診を設けて症状コントロールの状態を評価します。
- 症状の安定度合いの確認
- 薬剤用量の微調整
- 生活環境の変化への対応
長期治療の必要性
気管支喘息やアレルギー性鼻炎などの慢性疾患では長期的な治療継続が大切です。
プランルカスト水和物の使用を1年以上継続するケースも多く特に通年性アレルギーや重症喘息患者さんでは より長期の使用が求められます。
長期使用時は3〜6か月ごとに総合的な治療効果の評価を行って必要に応じて治療方針の見直しを検討します。
治療期間 | 評価間隔 | 主な評価項目 |
〜6か月 | 1-2か月 | 症状コントロール 副作用 |
6か月〜1年 | 2-3か月 | 肺機能 QOL改善度 |
1年以上 | 3-6か月 | 長期的な安全性・治療継続の必要性 |
季節性使用の考慮
季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)の患者さんでは症状が出現する時期に合わせた期間限定の使用を検討します。
花粉飛散開始の2週間前から服用を開始し、飛散終了後2週間程度まで継続するなど柔軟な使用期間設定が可能です。
このアプローチにより不必要な薬剤暴露を避けつつ効果的な症状コントロールを達成できます。
治療中止の検討
症状が長期間安定している場合は治療の一時中止や段階的な減量を検討します。
通常 3〜6か月以上症状が良好にコントロールされている時期を選んで慎重に減量や中止を試みます。
中止後も定期的な経過観察を続けて症状再燃の兆候がある場合は速やかに再開します。
- 症状安定期の確認(3〜6か月以上)
- 環境因子の評価(季節変動 生活環境の変化)
- 段階的な減量計画の立案
ここでJournal of Allergy and Clinical Immunology(2021年)に掲載された研究をご紹介します。
プランルカスト水和物を2年以上継続使用した患者群において約70%が症状の長期的な改善を維持し、20%で投薬量の減量が可能であったことが報告されています。
プランルカスト水和物(オノン)の副作用とデメリット
消化器系の副作用
プランルカスト水和物(オノン)の使用に伴い消化器系の不快症状が現れることがあります。
胃部不快感・嘔気・食欲不振などの症状が報告されており、これらは服用初期に多く見られる傾向があります。
多くの場合でこれらの症状は一過性であり服用を継続するうちに自然と軽減します。
症状 | 頻度 |
胃部不快感 | 比較的多い |
嘔気 | やや多い |
食欲不振 | 少ない |
皮膚症状
皮膚に関連する副作用もプランルカスト水和物の使用で観察されることがあります。
発疹・かゆみ・蕁麻疹などの症状が報告されておりアレルギー反応の一環として現れる可能性があります。
これらの症状が重度の場合や持続する際は医師の診察を受け投薬の中止や変更を検討する必要があります。
- 発疹
- かゆみ
- 蕁麻疹
肝機能への影響
まれに肝機能に影響を及ぼすケースが報告されています。
AST(GOT)やALT(GPT)などの肝機能検査値の上昇が見られることがあり定期的な検査によるモニタリングが重要です。
重度の肝機能障害の発症は非常にまれですが黄疸や倦怠感などの症状に注意を払わなければなりません。
検査項目 | 上昇リスク |
AST(GOT) | 低い |
ALT(GPT) | 低い |
γ-GTP | 非常に低い |
血液系への影響
血液系に影響を与える副作用も報告されていますが、その頻度は極めて低いです。
白血球減少、血小板減少などが起こる可能性があり定期的な血液検査によるチェックが推奨されます。
これらの症状は通常投薬中止により改善しますが早期発見と適切な対応が大切です。
中枢神経系への影響
プランルカスト水和物の使用に伴い中枢神経系に関連する副作用が稀に報告されています。
頭痛・めまい・眠気などの症状が現れることがあり日常生活や作業能力に影響を与える可能性があります。
これらの症状は多くの場合軽度であり時間とともに改善しますが、持続する場合は医師に相談することが望ましいです。
- 頭痛
- めまい
- 眠気
長期使用に伴うデメリット
プランルカスト水和物の長期使用に関しては安全性プロファイルが比較的良好です。
しかし長期間にわたる使用では薬剤耐性の発現や効果の減弱が起こる可能性があります。
定期的な効果の評価と用量調整が必要となり患者さんの負担が増える側面があります。
Journal of Allergy and Clinical Immunology(2020年)に掲載された研究ではプランルカスト水和物を5年以上継続使用した患者群において 約15%で効果の減弱が観察されたことが報告されています。
代替治療薬
他のロイコトリエン受容体拮抗薬
プランルカスト水和物(オノン)が十分な効果を示さない際には同じロイコトリエン受容体拮抗薬の中から別の薬剤への変更を検討します。
モンテルカスト(商品名シングレア)は この分類の中で最も広く使用されている薬剤であり効果の個人差が大きいため代替選択肢として有力です。
ザフィルルカスト(商品名アコレート)も類似の作用機序を持つ薬剤であり、一部の患者さんでより良好な反応を示す場合があります。
薬剤名 | 商品名 | 特徴 |
モンテルカスト | シングレア | 1日1回服用 |
ザフィルルカスト | アコレート | 1日2回服用 |
吸入ステロイド薬
ロイコトリエン受容体拮抗薬で効果が不十分な場合には吸入ステロイド薬への切り替えや追加を考慮します。
フルチカゾンプロピオン酸エステル(商品名フルタイド)やブデソニド(商品名パルミコート)などが広く使用されており強力な抗炎症作用を有します。
これらの薬剤は気道の炎症を直接抑制するためプランルカスト水和物とは異なるメカニズムで症状改善を図ることができます。
- フルチカゾンプロピオン酸エステル(フルタイド)
- ブデソニド(パルミコート)
- シクレソニド(オルベスコ)
長時間作用型β2刺激薬(LABA)
気管支拡張作用を持つ長時間作用型β2刺激薬はプランルカスト水和物の代替または併用薬として考慮されます。
サルメテロール(商品名セレベント)やホルモテロール(商品名オーキシス)などが代表的な薬剤であり12〜24時間持続する気管支拡張効果を示します。
これらの薬剤は特に運動誘発性喘息や夜間症状の改善に有効です。
薬剤名 | 商品名 | 作用時間 |
サルメテロール | セレベント | 約12時間 |
ホルモテロール | オーキシス | 約12時間 |
抗IgE抗体薬
重症の気管支喘息で他の治療に反応が乏しい場合 オマリズマブ(商品名ゾレア)などの抗IgE抗体薬の使用を検討します。
これらの薬剤は特異的IgEに結合しアレルギー反応の引き金となる物質を中和する働きがあります。
2〜4週間隔で皮下注射を行う必要があり専門医による慎重な管理が必要です。
テオフィリン製剤
テオフィリン(商品名テオドール)は気管支拡張作用と抗炎症作用を併せ持つ薬剤でありプランルカスト水和物の代替選択肢の一つです。
経口投与が可能で比較的安価であるというメリットがありますが有効血中濃度域が狭いため慎重な用量調整が重要です。
副作用として胃腸障害や頭痛などが報告されているので患者さんの状態に応じて使用を判断します。
薬剤名 | 商品名 | 主な作用 |
テオフィリン | テオドール | 気管支拡張 抗炎症 |
経口ステロイド薬
重症の喘息発作時や他の治療で十分な効果が得られない際は経口ステロイド薬の短期使用を考慮します。
プレドニゾロン(商品名プレドニン)やメチルプレドニゾロン(商品名メドロール)などが一般的に使用されます。
強力な抗炎症作用を持つ反面、長期使用による副作用リスクが高いため慎重な投与が必要です。
- プレドニゾロン(プレドニン)
- メチルプレドニゾロン(メドロール)
- ベタメタゾン(リンデロン)
Journal of Allergy and Clinical Immunology(2022年)では以下のような研究が掲載されました。
プランルカスト水和物で十分な効果が得られなかった患者さんの約60%がモンテルカストへの変更で症状改善を示しました。
さらに残りの患者さんの大部分が吸入ステロイド薬の追加で良好なコントロールを達成したことが報告されています。
これらの代替治療薬の選択は患者さんの症状の程度・過去の治療歴・併存疾患などを総合的に考慮して行います。
プランルカスト水和物(オノン)の併用禁忌
絶対的な併用禁忌
プランルカスト水和物(オノン)には現在絶対的な併用禁忌薬は報告されていません。
しかし他の薬剤との相互作用には十分な注意を払う必要があり、医師や薬剤師との綿密なコミュニケーションを通じて安全な投薬を心がけることが重要です。
注意を要する併用薬
ワルファリンなどの抗凝固薬との併用時には出血傾向の増強に注意が必要です。
これらの薬剤を併用する際は定期的な血液凝固能のモニタリングを行います。
またCYP3A4で代謝される薬剤との相互作用も報告されており慎重な投与が求められます。
- ワルファリン
- CYP3A4基質薬(シンバスタチン クラリスロマイシンなど)
他の喘息治療薬との併用
β2刺激薬や吸入ステロイド薬など他の喘息治療薬との併用は一般的に問題ありません。
むしろこれらの薬剤との併用により相乗効果が期待できる場合があります。
ただし複数の薬剤を使用する際は各薬剤の効果と副作用を慎重に観察する必要があります。
併用薬 | 注意点 |
β2刺激薬 | 効果増強の可能性 |
吸入ステロイド | 相乗効果あり |
テオフィリン | 血中濃度モニタリング |
アレルギー性鼻炎治療薬との併用
抗ヒスタミン薬や鼻噴霧用ステロイド薬などアレルギー性鼻炎治療薬との併用も可能です。
これらの薬剤とプランルカスト水和物を組み合わせることで、より効果的な症状コントロールが達成できます。
併用時は各薬剤の用法用量を適切に調整して過剰な薬物療法を避けることが大切です。
消化器系薬剤との相互作用
制酸剤や消化性潰瘍治療薬との併用に関しては 特に大きな問題は報告されていません。
ただし これらの薬剤がプランルカスト水和物の吸収に影響を与える可能性があるため 服用のタイミングに注意が必要です。
胃酸を抑制する薬剤との併用時は 両薬剤の服用間隔を2時間以上空けることが推奨されます。
併用薬 | 推奨される服用間隔 |
制酸剤 | 2時間以上 |
プロトンポンプ阻害薬 | 特に制限なし |
肝代謝酵素に影響を与える薬剤
プランルカスト水和物は主に肝臓で代謝されるため肝代謝酵素に影響を与える薬剤との併用には注意が必要です。
特にCYP3A4を誘導する薬剤(リファンピシン フェニトインなど)との併用ではプランルカスト水和物の血中濃度が低下する可能性があります。
逆にCYP3A4を阻害する薬剤(ケトコナゾール イトラコナゾールなど)との併用では血中濃度が上昇する可能性があります。
- CYP3A4誘導薬 リファンピシン フェニトイン
- CYP3A4阻害薬 ケトコナゾール イトラコナゾール
プランルカスト水和物(オノン)の薬価と費用
薬価
プランルカスト水和物(オノン)の薬価は1錠あたり112.5mgで24.7円で、ドライシロップ10%で38.9円/gです。
この価格は医療機関や薬局での価格を示すものであり、患者さんの自己負担額はこれより低くなります。
規格 | 薬価 |
112.5mg | 24.7円 |
ドライシロップ10% | 38.9円/g |
処方期間による総額
1週間処方の場合は標準的な用法(112.5mg1日4錠)で総額691.6円となります。
1ヶ月処方では 同じ用法で薬代は2,964円になります。
- 1週間処方 691.6円
- 1ヶ月処方 2,964円
ジェネリック医薬品との比較
プランルカスト水和物のジェネリック医薬品は先発品と同等の効果で価格が約40%安くなっています。
また112.5mg錠のジェネリック品は1錠あたり14.5円です。
製品 | 225mg錠価格 |
先発品 | 24.7円 |
ジェネリック | 14.5円 |
以上
- 参考にした論文