ボセンタン水和物(トラクリア)とは、肺動脈性肺高血圧症(PAH)という希少な循環器疾患に対して用いられる経口薬です。

この薬剤は血管収縮を引き起こすエンドセリンという物質の作用を阻害することで肺動脈の拡張をもたらします。

PAHの患者さんにとってボセンタン水和物は症状の改善や生活の質の向上に寄与する可能性がある重要な選択肢の一つです。

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トラクリア錠62.5mgの効果・効能・副作用 | 薬剤情報 | HOKUTO
目次

ボセンタン水和物(トラクリア)の有効成分・作用機序・効果について

有効成分の特徴

ボセンタン水和物(トラクリア)の主成分であるボセンタンはエンドセリン受容体拮抗薬として知られる化合物です。

この物質は分子量が約551.6であり水に難溶性ながらメタノールやエタノールには溶けやすい特性を持っています。

特性詳細
分子式C27H29N5O6S・H2O
化学名4-tert-butyl-N-[6-(2-hydroxyethoxy)-5-(2-methoxyphenoxy)-2-(pyrimidin-2-yl)pyrimidin-4-yl]benzene-1-sulfonamide monohydrate
外観白色~帯黄白色の粉末
溶解性水に難溶、メタノールに溶けやすい

作用機序の詳細

ボセンタンはエンドセリン-1(ET-1)というペプチドの受容体に結合することでその作用を阻害します。

ET-1は血管を収縮させる強力な物質であり肺動脈性肺高血圧症(PAH)の患者さんでは過剰に産生されていることがわかっています。

受容体タイプボセンタンの作用
ETA受容体結合して阻害
ETB受容体結合して阻害

ボセンタンがこれらの受容体に結合すると ET-1の作用が抑制され、結果として血管拡張や血管リモデリングの抑制が起こります。

薬理学的効果

ボセンタンの投与により肺動脈圧の低下や心拍出量の増加といった血行動態の改善が期待できます。

これらの効果はPAH患者さんの症状緩和や運動耐容能の向上につながる可能性があります。

  • 肺動脈圧の低下
  • 心拍出量の増加
  • 全身血管抵抗の減少

長期的には右心室の負荷軽減による心機能の改善も期待されており、生命予後の改善に寄与する重要な薬剤として位置づけられています。

臨床効果の評価

複数の臨床試験においてボセンタンの有効性が示されています。

評価項目改善効果
6分間歩行距離増加
WHO機能分類改善
臨床症状軽減
血行動態指標改善

特に6分間歩行距離の延長はPAH患者さんのQOL向上に直結する指標として注目されています。

ボセンタンによる治療は症状の進行抑制や日常生活動作の維持に貢献することが期待されており、PAH治療における基盤的な薬剤としての地位を確立しています。

ボセンタン水和物(トラクリア)の使用方法と注意点

投与方法と用量

ボセンタン水和物(トラクリア)は通常成人には1回62.5mgを1日2回朝夕に経口投与します。

投与開始から4週間には後患者さんの状態を慎重に観察しながら1回125mgの1日2回投与へ増量することが多いです。

投与期間1回投与量1日投与回数
開始~4週間62.5mg2回
4週間以降125mg2回

体重40kg未満の患者さんや肝機能障害を有する方には 投与量の調整が必要となる場合があります。

服用時の注意事項

本剤は食事の影響を受けにくいため食前でも食後でも服用可能です。

ただし毎日ほぼ同じ時間帯に服用することが望ましく生活リズムに合わせた以下のような服用スケジュールを立てることをお勧めします。

  • 朝食後と夕食後に服用
  • 起床時と就寝前に服用

服用を忘れた際は気づいた時点で1回分を服用していただきますが、次の服用時間が近い時は飛ばして通常のスケジュールに戻ることが大切です。

併用薬に関する注意点

ボセンタンは多くの薬剤と相互作用を示す可能性があるため他の薬剤との併用には細心の注意が必要です。

併用注意薬相互作用
シクロスポリン血中濃度上昇
ワルファリン抗凝固作用減弱
シンバスタチン効果減弱
経口避妊薬効果減弱

特に強力なCYP3A4阻害剤(ケトコナゾールなど)との併用は避けるべきであり、他の薬剤を使用する際は必ず主治医に相談するようお伝えください。

長期使用における注意点

ボセンタンの長期使用においては定期的な肝機能検査と血液検査が重要となります。

投与開始前および投与中は以下の検査を実施し、異常が認められた際は速やかに対応する必要があります。

  • 肝機能検査(AST ALT)
  • 血液検査(ヘモグロビン値)
検査項目実施頻度
肝機能検査投与開始前 投与開始後1ヶ月間は2週に1回 その後は1ヶ月に1回
血液検査投与開始前 投与開始後1 3 6ヶ月 以後3ヶ月ごと

長期投与中は薬剤の効果や副作用の発現状況を慎重にモニタリングし、必要に応じて用量調整や併用薬の変更を検討することが大切です。

ボセンタン水和物(トラクリア)の適応対象となる患者

肺動脈性肺高血圧症患者

ボセンタン水和物(トラクリア)は主に肺動脈性肺高血圧症(PAH)と診断された患者さんに処方される薬剤です。

PAHは肺動脈の血管壁が肥厚し内腔が狭くなることで血圧が上昇して右心室に過度の負担がかかる進行性の希少疾患です。

PAHの分類特徴
特発性PAH原因不明
遺伝性PAH遺伝子変異あり
薬剤誘発性PAH薬剤使用歴あり
膠原病関連PAH膠原病合併

これらの分類に該当し WHO機能分類でⅡ度からⅣ度に分類される患者さんがボセンタンの主な投与対象となります。

WHO機能分類による適応判断

WHO機能分類はPAH患者さんの重症度を評価する重要な指標であり、ボセンタンの投与開始を検討する際の判断材料となります。

  • Ⅱ度 軽度の身体活動の制限がある
  • Ⅲ度 著しい身体活動の制限がある
  • Ⅳ度 安静時にも症状がある

特にⅢ度からⅣ度の患者さんでは早期のボセンタン投与開始が検討されることが多いです。

小児PAH患者への適応

ボセンタンは成人PAH患者さんだけでなく小児PAH患者さんにも使用可能な薬剤です。

小児患者さんでは体重に応じた用量調整が必要となるため慎重な投与計画が大切です。

体重開始用量維持用量
20kg未満1回31.25mg 1日2回1回31.25mg 1日2回
20-40kg1回31.25mg 1日2回1回62.5mg 1日2回
40kg以上1回62.5mg 1日2回1回125mg 1日2回

小児PAH患者さんへの投与では成長発達への影響を考慮しつつ長期的な経過観察が不可欠です。

混合型肺高血圧症患者

一部の混合型肺高血圧症患者さんもボセンタンの投与対象となる可能性があります。

例えば 先天性心疾患に伴う肺高血圧症や慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)でPAHの要素が強い患者さんでは ボセンタンの使用が検討されることがあるでしょう。

疾患ボセンタン投与の可能性
先天性心疾患関連PAH
CTEPH△(PAH要素が強い場合)
左心疾患による肺高血圧症×
肺疾患による肺高血圧症×

ただし これらの患者さんへの投与は慎重な判断が必要であり専門医による詳細な評価が重要となります。

治療期間と予後

治療開始と初期評価

ボセンタン水和物(トラクリア)による治療は肺動脈性肺高血圧症(PAH)と診断されたら速やかに開始されることが多いです。

治療開始後約4週間で初期評価を行い効果や副作用の有無を慎重に確認します。

評価項目評価時期
自覚症状2週間後 4週間後
6分間歩行距離4週間後
血行動態4〜8週間後
肝機能2週間ごと

この初期評価により治療の継続や用量調整の判断を行います。

長期治療の必要性

PAHは進行性の疾患であるためボセンタンによる治療は長期に渡って継続される傾向にあります。

多くの患者さんでは症状の安定や進行の抑制が得られるまで数か月から数年にわたり服用を続けることとなります。

  • 症状改善までの期間 3〜6か月
  • 効果維持のための継続期間 数年〜終生

ただし 個々の患者さんの状態や反応性によって 治療期間は大きく異なる点に留意が必要です。

治療効果のモニタリング

長期治療中は定期的な効果判定と安全性確認が不可欠です。

一般的に3〜6か月ごとに包括的な評価を行い治療の継続や変更を検討します。

評価指標評価内容
WHO機能分類症状の重症度
6分間歩行距離運動耐容能
NT-proBNP心負荷の指標
心エコー右心機能

これらの指標を総合的に判断し治療効果が不十分な場合は他のPAH治療薬の追加や変更を考慮します。

治療中断のリスク

ボセンタンの治療を突然中止するとPAHの急激な悪化(リバウンド)が起こる可能性があります。

このため治療の中断や終了を検討する際は慎重な判断と段階的な減量が重要となります。

中断理由対応
副作用発現一時中断後 再開検討
妊娠希望他剤への変更
効果不十分他剤への切り替え

長期予後への影響

ボセンタンを含むPAH治療薬の登場により、PAH患者さんの予後は大きく改善しました。

治療開始前の状態や治療への反応性によって個人差はありますが、適切な治療により多くの患者さんで生命予後の延長が期待できます。

  • 1年生存率 90%以上
  • 3年生存率 70〜80%
  • 5年生存率 60〜70%

ただしこれらの数値は統計的なものであり、個々の患者さんの予後を正確に予測することは困難です。

併用療法と予後改善

重症度や治療反応性によってはボセンタン単剤ではなく、他のPAH治療薬との併用療法が選択されることがあります。

併用療法によりさらなる予後改善が期待できる可能性があります。

併用薬作用機序
PDE5阻害薬cGMP分解抑制
プロスタサイクリン血管拡張 抗増殖
sGC刺激薬cGMP産生促進

副作用とデメリット

肝機能障害

ボセンタン水和物(トラクリア)の最も注意すべき副作用の一つが肝機能障害です。

この薬剤は肝臓で代謝されるため一部の患者さんで肝酵素の上昇が観察されることがあります。

肝機能検査項目異常値の目安
AST (GOT)基準値上限の3倍以上
ALT (GPT)基準値上限の3倍以上
ビリルビン基準値上限の2倍以上

肝機能障害の発現リスクは投与開始後1年以内に高くその後は低下する傾向にありますが、継続的なモニタリングが不可欠です。

貧血

ボセンタン投与中に貧血が生じることがあり 患者さんの一部で倦怠感や息切れなどの症状が現れる可能性があります。

貧血の程度は個人差が大きく軽度のものから輸血を要するものまで様々です。

  • ヘモグロビン値の低下
  • ヘマトクリット値の減少

これらの値の定期的なチェックが重要となりますが、貧血の発現によりボセンタンの投与を中止しなければならないケースは比較的稀です。

浮腫

ボセンタンの投与によって体内の水分貯留が促進され浮腫が生じることがあります。

特に下肢の浮腫が多く見られますが顔面や手の浮腫を訴える患者さんもいます。

浮腫の部位頻度
下肢高い
顔面中程度
低い

浮腫は多くの場合軽度から中等度ですが、時に患者さんのQOLに影響を及ぼす可能性があります。

催奇形性

ボセンタンには催奇形性のリスクがあるため妊婦または妊娠の可能性のある女性への投与は禁忌とされています。

このため妊娠可能な女性患者さんには避妊の必要性について十分な説明を行う必要があります。

避妊法信頼性
経口避妊薬低下の可能性あり
バリア法推奨
IUD推奨

薬物相互作用

ボセンタンは多くの薬剤と相互作用を示すため併用薬の選択には注意が必要です。

特にCYP3A4で代謝される薬剤との相互作用が問題となることがあります。

  • シクロスポリンとの併用禁忌
  • ワルファリンの効果減弱
  • 経口避妊薬の効果低下

これらの相互作用によって他の疾患の治療に影響を与える可能性があるため慎重な薬剤選択が求められます。

頭痛

ボセンタン投与開始時に頭痛を訴える患者さんが一定数存在します。

多くの場合は時間の経過とともに軽減しますが、持続する際は用量調整や対症療法が必要となることがあります。

頭痛の特徴対応
一過性経過観察
持続性用量調整検討
重度対症療法考慮

頭痛が重度で持続する際は他の原因の検索も含めて総合的な評価が重要です。

経済的負担

ボセンタンは高額な薬剤であり長期使用による経済的負担が大きいというデメリットがあります。

特に医療保険の適用範囲外となる場合には患者さんの自己負担が増大する可能性があります。

負担軽減策内容
高額療養費制度自己負担額の上限設定
特定疾患医療費助成対象疾患の場合に適用

代替治療薬

他のエンドセリン受容体拮抗薬

ボセンタン水和物(トラクリア)が効果を示さない際には同じ作用機序を持つ他のエンドセリン受容体拮抗薬への切り替えが検討されます。

この薬剤群にはアンブリセンタンやマシテンタンなどが含まれ、これらは異なる選択性や薬物動態を有しています。

薬剤名特徴
アンブリセンタンETA受容体選択性が高い
マシテンタン組織浸透性に優れる

これらの薬剤はボセンタンと同様にエンドセリンの作用を阻害しますが、個々の患者さんによって反応性が異なる場合があります。

ホスホジエステラーゼ5阻害薬

ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害薬はエンドセリン受容体拮抗薬とは異なる機序で肺血管を拡張させる薬剤群です。

代表的な薬剤はシルデナフィルやタダラフィルです。

  • 一酸化窒素(NO)シグナル経路の増強
  • cGMPの分解抑制

これらの作用によって肺動脈圧の低下と心拍出量の増加が期待できます。

可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬

可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬は比較的新しい薬剤群でリオシグアトが代表的です。

この薬剤は NOに依存せずにcGMPの産生を促進し、血管拡張作用を発揮します。

作用点効果
sGCcGMP産生増加
血管平滑筋弛緩・拡張

ボセンタンとは全く異なる作用機序を持つため効果不十分例における代替薬として注目されています。

プロスタサイクリン経路作動薬

プロスタサイクリン経路作動薬は強力な血管拡張作用を有する薬剤群です。

以下の薬剤が含まれ、それぞれ投与経路や半減期が異なります。

薬剤名投与経路
エポプロステノール持続静注
トレプロスチニル皮下注・吸入
ベラプロスト経口

これらの薬剤は重症例や他剤が無効な場合に選択されることが多く慎重な管理が必要です。

併用療法の考え方

ボセンタンが単独で十分な効果を示さない場合には他の作用機序を持つ薬剤との併用が検討されます。

例えばエンドセリン受容体拮抗薬とPDE5阻害薬の組み合わせは相補的な効果が期待できる代表的な併用パターンです。

  • エンドセリン経路の阻害
  • NO-cGMP経路の増強

このような複数の経路を標的とする併用療法により、単剤では得られなかった効果が現れる可能性があります。

薬剤変更の判断基準

ボセンタンから他剤への変更を検討する際は様々な要素を総合的に評価することが重要です。

臨床症状や血行動態指標の改善度 副作用の有無などを慎重に検討し、個々の患者さんに最適な選択を行います。

評価項目判断基準
WHO機能分類改善なし・悪化
6分間歩行距離有意な延長なし
血行動態改善不十分
副作用継続困難な症状

これらの指標を総合的に判断して他剤への変更や併用療法の導入を決定します。

ボセンタン水和物(トラクリア)の併用禁忌

シクロスポリンとの併用禁忌

ボセンタン水和物(トラクリア)はシクロスポリンとの併用が禁忌とされています。

シクロスポリンはボセンタンの血中濃度を著しく上昇させる作用があり、両剤の併用により重篤な副作用が生じる危険性が高まります。

薬剤名相互作用の機序
ボセンタンCYP3A4で代謝される
シクロスポリンCYP3A4の強力な阻害剤

この相互作用によりボセンタンの血中濃度が通常の30倍以上に上昇するとの報告もあり、肝機能障害などのリスクが大幅に増大します。

グリベンクラミドとの併用禁忌

グリベンクラミドは スルホニルウレア系の経口血糖降下薬ですが、ボセンタンとの併用は避けるべきとされています。

両剤の併用により互いの血中濃度が変動し予期せぬ副作用や治療効果の減弱が生じる危険性があります。

相互作用影響
ボセンタンの血中濃度上昇肝機能障害リスク増加
グリベンクラミドの血中濃度低下血糖コントロール悪化

糖尿病を合併する肺動脈性肺高血圧症患者さんでは他の血糖降下薬の選択を検討する必要があります。

強力なCYP3A4阻害剤との併用注意

ボセンタンは主にCYP3A4によって代謝されるため強力なCYP3A4阻害剤との併用には十分な注意が必要です。

これらの薬剤との併用によりボセンタンの血中濃度が上昇して副作用のリスクが高まる危険性が生じます。

  • イトラコナゾール
  • ケトコナゾール
  • リトナビル

上記の抗真菌薬やHIV治療薬との併用は原則として避けるべきであり 代替薬の検討が求められます。

CYP3A4誘導薬との相互作用

CYP3A4を誘導する薬剤との併用もボセンタンの治療効果に影響を及ぼす可能性があります。

これらの薬剤はボセンタンの代謝を促進して血中濃度の低下を引き起こす危険性が生じるのです。

CYP3A4誘導薬影響
リファンピシンボセンタン血中濃度低下
カルバマゼピン効果減弱のリスク
フェニトイン用量調整が必要な場合あり

これらの薬剤との併用が避けられない際は慎重な経過観察と必要に応じた用量調整が求められます。

妊娠中の使用禁忌

ボセンタンは催奇形性のリスクがあるため妊婦または妊娠している可能性のある女性への投与は禁忌です。

妊娠可能な女性に投与する際は確実な避妊法の実施が不可欠となります。

避妊法信頼性
経口避妊薬効果低下の可能性あり
バリア法推奨
IUD推奨

ホルモン避妊薬の効果がボセンタンにより低下する可能性があるため非ホルモン性の避妊法の併用が推奨されます。

肝機能障害を有する患者への投与制限

重度の肝機能障害(Child-Pugh分類クラスC)を有する患者さんへのボセンタン投与は禁忌とされています。

中等度の肝機能障害(Child-Pugh分類クラスB)を有する患者さんへの投与も慎重な判断が必要です。

肝機能障害の程度投与可否
軽度(クラスA)慎重投与
中等度(クラスB)原則禁忌
重度(クラスC)投与禁忌

肝機能障害を有する患者では ボセンタンの代謝が遅延し 血中濃度が上昇するリスクがあるため 注意深いモニタリングが求められます。

ボセンタン水和物(トラクリア)の薬価について

薬価

ボセンタン水和物(トラクリア)の薬価は62.5mg錠で3327円、小児用分散錠32mgで4576.2円と設定されています。

この価格は医療用医薬品として保険適用されるため患者さんの自己負担額は一般的に3割となります。

規格薬価
62.5mg錠3327円
小児用分散錠32mg4576.2円

処方期間による総額

1週間処方の場合 62.5mg錠を1日2回服用すると費用は46,578円となります。これを1ヶ月処方にすると199,620円に達します。

処方期間総額
1週間46,578円
1ヶ月22199,620円

患者さんの負担軽減のため民間の医療保険や製薬会社による患者支援プログラムの活用も検討されます。

ジェネリック医薬品との比較

現時点でボセンタン水和物のジェネリック医薬品は販売されており、62.5mg錠で524.4円と設定されています。

規格薬価
先発品3327円
後発品524.4円

ジェネリック医薬品を使用することによりかなりの医療費削減が望めます。

以上

参考にした論文