呼吸器疾患の一種である肺胞蛋白症(PAP)とは、肺胞内に異常なタンパク質が蓄積することで、ガス交換機能が障害される稀な疾患です。

肺胞は酸素と二酸化炭素のガス交換を担う重要な場所ですが、PAPではこの機能が損なわれてしまいます。

PAPの原因としては、自己免疫機序による GM-CSF の機能阻害、血液疾患や感染症などの基礎疾患の存在、遺伝子変異などが知られています。

発症年齢や臨床経過は原因によって異なりますが、進行性の呼吸困難を呈することが特徴です。

目次

肺胞蛋白症(PAP)の病型分類と特徴

肺胞蛋白症(PAP)は、肺胞内に過剰なタンパク質が蓄積することで呼吸機能が障害される稀な疾患であり、その病型は自己免疫性肺胞蛋白症(aPAP)、続発性肺胞蛋白症(sPAP)、先天性肺胞蛋白症(cPAP)の3つに大別されます。

自己免疫性肺胞蛋白症(aPAP)

自己免疫性肺胞蛋白症(aPAP)は、PAPの中で最も頻度が高く、全体の約90%を占めています。

aPAPでは、GM-CSFに対する自己抗体が産生され、肺胞マクロファージの機能が阻害されることが病態の中心となります。

特徴詳細
発症年齢主に中年期(30~50歳代)
性差男性に多い(男女比 2:1)
喫煙との関連喫煙者に多い

続発性肺胞蛋白症(sPAP)

続発性肺胞蛋白症(sPAP)は、他の疾患や病態に伴って発症するPAPであり、全体の約5~10%を占めます。

sPAPを引き起こす原因疾患としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 造血器腫瘍(慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群など)
  • 感染症(結核、ニューモシスチス肺炎など)
  • 粉塵吸入(シリカ、アルミニウムなど)

先天性肺胞蛋白症(cPAP)

先天性肺胞蛋白症(cPAP)は、GM-CSFの受容体や、サーファクタントの代謝に関与するタンパク質の遺伝子変異によって発症する非常に稀な病型であり、全体の1%未満とされています。

cPAPは、新生児期から乳児期に重篤な呼吸不全を呈することが特徴です。

遺伝形式原因遺伝子
常染色体劣性遺伝SFTPB, SFTPC, ABCA3
常染色体劣性遺伝または優性遺伝CSF2RA, CSF2RB

肺胞蛋白症(PAP)の主症状

肺胞蛋白症(PAP)は、肺胞内に過剰なタンパク質が蓄積することで呼吸機能が障害される稀な疾患であり、その主症状は病型によって異なる特徴を示します。

自己免疫性肺胞蛋白症(aPAP)の症状

aPAPは、PAPの中で最も頻度が高い病型であり、中年期に発症することが多いです。

初期には無症状のことが多いですが、徐々に進行する呼吸困難が主症状となります。呼吸困難の程度は、安静時には目立たず、運動時にのみ顕在化する場合が多いです。

症状頻度
呼吸困難90%
咳嗽60%
体重減少30%

また、aPAPでは低酸素血症を伴うことが多く、重症例では安静時にも呼吸困難を感じるようになります。

続発性肺胞蛋白症(sPAP)の症状

sPAPは、基礎疾患に伴って発症するPAPであり、症状は基礎疾患の影響を受けます。

例えば、血液疾患に伴うsPAPでは、貧血や感染症の症状が前景に立つことがあります。一方、粉塵吸入による sPAPでは、呼吸困難や咳嗽が主症状となります。

sPAPの症状は、以下のようにまとめられます。

  • 基礎疾患に関連する症状(貧血、感染症など)
  • 呼吸困難、咳嗽などの呼吸器症状
  • 全身倦怠感、体重減少などの全身症状

先天性肺胞蛋白症(cPAP)の症状

cPAPは、新生児期から乳児期に発症する非常に稀な病型であり、重篤な呼吸不全を呈することが特徴です。

cPAPの患者では、出生直後から呼吸困難や チアノーゼが認められ、人工呼吸管理を必要とする場合が多いです。

症状頻度
呼吸困難100%
チアノーゼ90%
哺乳不良80%

cPAPは、早期から適切な呼吸管理を行わないと、重篤な後障害を残す可能性があり、注意が必要です。

肺胞蛋白症(PAP)の病型別にみる原因とその機序

肺胞蛋白症(PAP)は、肺胞内に過剰なタンパク質が蓄積することで呼吸機能が障害される稀な疾患であり、その原因は病型によって異なります。

自己免疫性肺胞蛋白症(aPAP)の原因

aPAPは、PAPの中で最も頻度が高い病型であり、GM-CSFに対する自己抗体の産生が原因であると考えられています。

GM-CSFは、肺胞マクロファージの機能を調節するサイトカインであり、その機能が阻害されることで肺胞内のタンパク質(サーファクタント)が過剰に蓄積します。

原因頻度
GM-CSF自己抗体90%
その他の自己免疫機序10%

aPAPの発症には、喫煙や遺伝的素因が関与していると考えられていますが、詳細なメカニズムは明らかになっていません。

続発性肺胞蛋白症(sPAP)の原因

sPAPは、基礎疾患に伴って発症するPAPであり、原因は多岐にわたります。代表的な原因疾患として、以下のようなものが挙げられます。

  • 造血器腫瘍(慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群など)
  • 感染症(結核、ニューモシスチス肺炎など)
  • 粉塵吸入(シリカ、アルミニウムなど)

これらの疾患では、肺胞マクロファージの機能低下や肺胞上皮の障害が生じ、サーファクタントの蓄積につながると考えられています。

先天性肺胞蛋白症(cPAP)の原因

cPAPは、サーファクタントの代謝に関与する遺伝子の変異によって発症する非常に稀な病型です。原因となる遺伝子は、以下のようにまとめられます。

遺伝子機能
SFTPB, SFTPCサーファクタントタンパク質の合成
ABCA3サーファクタントの輸送
CSF2RA, CSF2RBGM-CSF受容体の構成

これらの遺伝子変異により、サーファクタントの合成や分泌、再利用の過程に障害が生じ、肺胞内に過剰なタンパク質が蓄積すると考えられています。

病型別の原因のまとめ

PAPの原因は、病型によって異なる特徴を示します。aPAPではGM-CSF自己抗体、sPAPでは基礎疾患に伴う肺胞マクロファージの機能低下、cPAPではサーファクタント代謝関連遺伝子の変異が主な原因となります。

いずれの病型においても、肺胞内のタンパク質蓄積が病態の中心であり、その機序の理解は重要です。

PAPの原因を探ることは、適切な診断や治療方針の決定において不可欠であり、病型ごとの特徴を理解することが求められます。

また、原因の解明は新たな治療法の開発にもつながる可能性があり、今後のさらなる研究が期待されるところです。

肺胞蛋白症(PAP)の診察と診断のポイント

PAPの診察と診断には、詳細な病歴聴取、身体所見、検査所見の総合的な評価が重要であり、BALや肺生検などの特殊検査の適応についても慎重な判断が求められます。

また、病型によって診断のアプローチが異なることを理解し、個々の患者に応じた対応が必要となります。

詳細な病歴聴取の重要性

PAPの診察において、まず重要となるのは詳細な病歴聴取です。特に、以下の点に注目することが大切です。

  • 呼吸困難や咳嗽などの呼吸器症状の有無とその経過
  • 喫煙歴や粉塵曝露歴の有無
  • 基礎疾患(血液疾患、感染症など)の有無

これらの情報は、PAPの病型を推定する上で重要な手がかりとなります。例えば、喫煙歴があればaPAPを、基礎疾患があればsPAPを疑うことができます。

身体所見と検査所見の特徴

PAPの身体所見では、呼吸音の減弱や捻髪音(fine crackles)を聴取することがあります。また、検査所見では以下のような特徴が見られます。

検査所見
胸部X線・CTすりガラス陰影、crazy-paving appearance
肺機能検査拘束性換気障害、拡散能低下
血液ガス分析低酸素血症

これらの所見は、PAPに特徴的ですが、確定診断には至りません。確定診断には、次に述べる気管支肺胞洗浄(BAL)や肺生検が必要となります。

気管支肺胞洗浄(BAL)の有用性

PAPの診断において、気管支肺胞洗浄(BAL)は非常に有用な検査です。BALでは、乳白色の洗浄液が回収され、沈渣には periodic acid-Schiff(PAS)染色陽性の頑固な物質が認められます。

BAL所見特徴
洗浄液の性状乳白色
沈渣の性状PAS染色陽性の頑固な物質

BAL所見は、PAPの診断に非常に有用ですが、確定診断には肺生検が必要となる場合があります。

肺生検の適応と注意点

PAPの確定診断には、肺生検が必要となることがあります。特に、sPAPやcPAPでは、BAL所見だけでは診断が困難な場合があります。肺生検では、以下のような所見が認められます。

  • 肺胞腔内への好酸性物質の充満
  • 肺胞マクロファージの泡沫状変化
  • 肺胞壁の肥厚

ただし、肺生検は侵襲的な検査であり、適応については慎重に判断する必要があります。また、生検部位によっては、確定診断に至らない可能性もあるため、注意が必要です。

画像所見

PAPの画像診断には、胸部X線写真とCTが有用であり、特徴的な所見を理解しておくことが重要です。

ただし、画像所見だけでは確定診断には至らず、BALや肺生検などの追加検査が必要となります。また、画像所見の解釈には、臨床情報や他の検査所見を総合的に考慮することが大切です。

胸部X線写真の所見

PAPの胸部X線写真では、両側肺野にびまん性の浸潤影を認めることが特徴です。

この所見は、butterfly shadowと呼ばれ、PAPに特徴的とされています。ただし、病型によって浸潤影の分布や濃淡に差異が見られることがあります。

病型浸潤影の分布濃淡
aPAPびまん性比較的均一
sPAP局所的なことがある不均一なことがある
cPAPびまん性不均一で濃い

胸部X線写真は、PAPの診断において重要な手がかりとなりますが、確定診断には至らないため、CTなどの追加検査が必要となります。

Case courtesy of Hani Makky Al Salam, Radiopaedia.org. From the case rID: 8714

「両側中下肺野にびまん性のすりガラス影~浸潤影が散見される。」

胸部CTの所見

PAPの胸部CTでは、以下のような特徴的な所見が認められます。

  • すりガラス陰影
  • 小葉間隔壁の肥厚
  • crazy-paving appearance(すりガラス陰影と小葉間隔壁肥厚の組み合わせ)

これらの所見は、PAPに特徴的ですが、他の疾患でも見られることがあるため、注意が必要です。また、病型によってCT所見に差異が見られることがあります。

病型すりガラス陰影小葉間隔壁肥厚
aPAPびまん性明瞭
sPAP局所的なことがある不明瞭なことがある
cPAPびまん性不明瞭

胸部CTは、PAPの診断に非常に有用ですが、確定診断には気管支肺胞洗浄(BAL)や肺生検が必要となります。

Case courtesy of Abhinav Ranwaka, Radiopaedia.org. From the case rID: 386

「両肺にすりガラス影と小葉間隔壁の肥厚が目立ち、いわゆる”Crazy paving pattern”を認める。」

画像所見のピットフォール

PAPの画像所見は特徴的ですが、以下のようなピットフォールがあることを理解しておく必要があります。

  • 他の疾患でも類似の所見が見られることがある(特に間質性肺炎)
  • 病期や重症度によって所見が異なることがある
  • 治療によって所見が変化することがある

したがって、画像所見の解釈には、臨床情報や他の検査所見を総合的に考慮することが重要です。

肺胞蛋白症(PAP)の治療方法と薬、治癒までの期間

PAPの治療では、病型に応じた適切な治療法の選択が重要であり、また、治療後の経過観察も欠かせません。

自己免疫性肺胞蛋白症(aPAP)の治療

aPAPの治療の中心は、全肺洗浄療法(WLL)です。

WLLは、全身麻酔下で片肺ずつ大量の生理食塩水で洗浄する方法であり、肺胞内の異常タンパク質を除去することができます。

WLLの効果は高く、約70~80%の患者で症状の改善が見られます。

治療法効果合併症
全肺洗浄療法(WLL)70~80%で症状改善低酸素血症、不整脈など
GM-CSF吸入療法約50%で症状改善発熱、関節痛など

WLLに加えて、GM-CSF吸入療法が行われることがあります。

GM-CSF吸入療法は、肺胞マクロファージの機能を改善することで、肺胞内のタンパク質除去を促進する治療法です。

ただし、効果はWLLほど高くなく、約50%の患者で症状改善が見られるとされています。

続発性肺胞蛋白症(sPAP)の治療

sPAPの治療では、原因となる基礎疾患の治療が最も重要です。

基礎疾患のコントロールによって、sPAPの症状が改善することがあります。また、sPAPに対してもWLLが行われることがありますが、効果は限定的であり、慎重な適応判断が必要です。

以下に、sPAPの原因疾患と治療法をまとめます。

造血器腫瘍化学療法、造血幹細胞移植など
感染症抗菌薬、抗ウイルス薬など
粉塵吸入原因物質の回避、ステロイド薬など

先天性肺胞蛋白症(cPAP)の治療

cPAPの治療は、対症療法が中心となります。酸素療法や人工呼吸管理が必要となることが多く、肺移植が唯一の根治療法とされています。

ただし、cPAPは非常に稀な疾患であり、治療経験も限られているため、治療方針の決定には専門医との十分な相談が必要です。

治療法効果
酸素療法低酸素血症の改善
人工呼吸管理呼吸不全の改善
肺移植根治が可能

治療後の予後

PAPの予後は、病型や重症度によって異なります。aPAPでは、WLLや GM-CSF吸入療法によって、多くの患者で症状の改善が見られます。

しかし、一部の患者では再発を繰り返したり、重症化したりすることがあります。

sPAPの予後は、基礎疾患のコントロール状況に大きく依存します。基礎疾患が良好にコントロールされれば、sPAPの症状も改善することが期待できます。

cPAPの予後は不良であり、多くの患者が乳児期に呼吸不全で死亡します。肺移植が行われた場合でも、長期予後は明らかになっていません。

治療の副作用やデメリット(リスク)

PAPの治療は、病型や重症度に応じて個別化する必要があり、また、治療に伴う副作用やリスクを十分に考慮する必要があります。

自己免疫性肺胞蛋白症(aPAP)の治療に伴う副作用とリスク

aPAPの治療の中心であるWLLには、以下のような副作用やリスクが伴います。

低酸素血症WLL中に酸素化が悪化し、重篤な低酸素血症を来すことがあります。
不整脈WLLに伴う電解質異常や低体温により、不整脈が誘発されることがあります。
感染症WLLによる肺胞の損傷や免疫抑制により、肺炎などの感染症を合併することがあります。

また、GM-CSF吸入療法では、以下のような副作用が報告されています。

副作用頻度
発熱10~20%
関節痛5~10%
頭痛5~10%

これらの副作用は多くの場合、一過性で軽度ですが、患者のQOLを低下させる可能性があります。

続発性肺胞蛋白症(sPAP)の治療に伴う副作用とリスク

sPAPの治療では、原因疾患に対する治療が中心となりますが、それぞれの治療法に特有の副作用やリスクが伴います。

例えば、造血器腫瘍に対する化学療法では、骨髄抑制や感染症のリスクが高くなります。また、粉塵吸入による sPAPに対するステロイド薬の使用では、以下のような副作用が問題となります。

  • 易感染性
  • 骨粗鬆症
  • 糖尿病
  • 消化性潰瘍

これらの副作用は、長期的なQOLに大きな影響を及ぼす可能性があり、慎重な経過観察が必要です。

先天性肺胞蛋白症(cPAP)の治療に伴う副作用とリスク

cPAPの治療では、酸素療法や人工呼吸管理に伴う合併症が問題となります。例えば、長期の人工呼吸管理では、以下のようなリスクが高くなります。

  • 人工呼吸器関連肺炎(VAP)
  • 気道損傷
  • 気胸
  • 肺高血圧症

また、cPAPの唯一の根治療法である肺移植には、拒絶反応や感染症などの重大なリスクが伴います。

合併症頻度
拒絶反応20~30%
感染症10~20%
移植後リンパ増殖性疾患1~5%

cPAPの治療では、これらのリスクを踏まえた上で、患者の状態に応じた慎重な治療選択が求められます。

再発の可能性と予防の仕方

自己免疫性肺胞蛋白症(aPAP)の再発リスクと予防戦略

aPAPは、全肺洗浄療法(WLL)やGM-CSF吸入療法によって寛解が得られることが多い疾患ですが、一部の患者では再発を繰り返します。

再発リスクは、以下の因子によって影響を受けると考えられています。

  • 初回治療時の重症度
  • 喫煙の継続
  • GM-CSF自己抗体価の高値持続

再発を予防するためには、これらのリスク因子に対する介入が重要です。具体的には、以下のような対策が挙げられます。

予防策内容
禁煙指導喫煙は再発リスクを高めるため、積極的な禁煙指導が必要
定期的な評価症状や検査所見の定期的なモニタリングにより、再発の早期発見が可能
GM-CSF吸入療法の継続寛解後もGM-CSF吸入療法を継続することで、再発リスクを低減できる可能性がある

aPAPの再発予防には、患者教育と長期的なフォローアップが不可欠です。

続発性肺胞蛋白症(sPAP)の再発リスクと予防戦略

sPAPの再発リスクは、原因疾患のコントロール状況に大きく依存します。したがって、sPAPの予防においては、原因疾患に対する適切な治療が最も重要な戦略となります。

以下に、sPAPの原因疾患とその予防策を示します。

  • 造血器腫瘍:定期的な病勢評価と適切な治療の継続
  • 感染症:感染予防策の徹底と早期治療
  • 粉塵吸入:曝露の回避と呼吸器保護具の使用

また、sPAPの患者では、呼吸器感染症のリスクが高いため、以下のような予防策が推奨されます。

  • インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの接種
  • 手指衛生の徹底
  • 感染症流行時のマスク着用

sPAPの再発予防には、原因疾患のマネジメントと感染症予防の両面からのアプローチが求められます。

先天性肺胞蛋白症(cPAP)の再発リスクと予防戦略

cPAPは、サーファクタント代謝関連遺伝子の変異による疾患であり、根本的な治療法は確立されていません。したがって、cPAPの再発予防は、対症療法の継続と合併症の予防が中心となります。

以下に、cPAPの予防戦略を示します。

予防策内容
呼吸管理の最適化適切な酸素療法と人工呼吸管理により、呼吸不全を予防
感染症予防人工呼吸器関連肺炎(VAP)などの感染症予防策の徹底
栄養管理適切な栄養管理により、成長発達を支援
移植の検討重症例では、肺移植の適応を検討

cPAPの患者では、長期的な呼吸管理と多職種連携によるケアが必要不可欠です。

治療費

肺胞蛋白症(PAP)の治療費は、病型や重症度、治療方法によって大きく異なりますが、一般的に高額になる傾向があります。

特に、全肺洗浄療法(WLL)や肺移植などの特殊治療を要する場合、数百万円から数千万円の費用がかかることがあります。

初診料と再診料

PAPの診断や経過観察には、呼吸器内科や膠原病内科などの専門外来の受診が必要です。

初診料は、病院によって異なりますが、数千円から1万円程度が一般的です。再診料は、初診料の半額程度になることが多いです。

診療行為費用目安
初診料2,,880円~10,000円(初診料単独~+大病院受診特別料金など)
再診料730円~5,000円(再診料単独~+各種加算)

検査費

PAPの診断や経過観察には、胸部CT検査や肺機能検査、気管支肺胞洗浄(BAL)などの特殊検査が必要です。これらの検査費は、数万円から数十万円と高額になることがあります。

検査項目費用目安
胸部CT検査12,000円~36,000円
肺機能検査2,500円~5,000円
気管支肺胞洗浄(BAL)32,000円~53,000円+各種入院費

処置費

PAPの治療の中心である全肺洗浄療法(WLL)は、全身麻酔下で行われる特殊な処置であり、高額な費用がかかります。

WLLの費用は、病院によって異なりますが、一回の処置で90~150万円です。こちらの1割~3割が自己負担となります。

ただし、高額医療制度の対象となるため、実際の自己負担はそれより低いです。

入院費

PAPの治療では、WLLや肺移植などの特殊治療のために長期入院が必要となることがあります。

入院費は、一日数万円から数十万円と高額になることが多いです。また、重症例では集中治療室(ICU)での管理が必要となることがあり、さらに高額な費用がかかります。

以上

参考にした論文