鼻づまりは片側だけでも意外と不快感が大きく、日常生活に支障をきたす場合があります。鼻をかんでもすっきりしなかったり、痛みや違和感を伴うケースもあるため、気になっている方は少なくありません。

この記事では、片側だけの鼻づまりに注目し、内科的に考えられる原因や検査・治療の流れ、日常生活での対処法などを詳しくお伝えします。

少しでも当てはまる症状がある方は、どうぞ参考になさってください。

片側だけの鼻づまりとは

鼻づまりは両側同時に起こるイメージが強いですが、実際には片側だけに集中するケースも珍しくありません。片側だけの場合、原因や受診タイミングを判断しづらいことがあります。

ここではまず、片側だけの鼻づまりの特徴や日常生活への影響などを解説します。

どのような症状か

片側だけの鼻づまりでは、左右の鼻のうちどちらか一方だけが詰まったような感覚が続くことが特徴です。

たとえば、右側が常に詰まっている状態や、時間帯によって右と左が交互に詰まりやすくなるパターンがあります。

息苦しさは両側が詰まっている場合よりは軽度であることが多いものの、鼻閉感は持続的に感じることが少なくありません。

両側の鼻づまりとの違い

両側の鼻づまりと比べると、片側だけの場合は呼吸しやすい側としにくい側がはっきり分かれやすい点に特徴があります。

夜間の睡眠時に身体の向きを変えると、詰まっている側が変わるように感じる場合もあり、安定した睡眠を妨げる要因になり得ます。

日常生活への影響

片側だけの鼻づまりは、以下のような場面で支障が出やすいです。

箇条書きで示す主な困りごと

  • 睡眠中に片方の鼻が詰まって息苦しさを感じる
  • 会話中や仕事・学習に集中したいときに不快感がある
  • 鼻をかんでも一向にすっきりせずもどかしい
  • 片側だけ鼻汁が出る、鼻血が出るなどの症状が気になる

上記のように、自分では対処が難しく、違和感が長期化することでストレスがかかりやすくなります。

受診を考える目安

数日で自然に治る程度であれば、急性の粘膜の炎症かもしれません。ところが、長期的に片側の鼻づまりが続いている場合は、副鼻腔炎や鼻中隔のゆがみなどが関係している可能性があります。

鼻づまりに伴って頭痛や発熱、または鼻水に色がつく(黄・緑など)といった症状があれば、一度内科もしくは耳鼻咽喉科で相談するのが大切です。

考えられる主な原因

片側だけの鼻づまりを引き起こす原因はいくつかあります。ここでは、内科で対応可能な範囲を含め、原因として考えられる主な要素を整理します。

鼻炎(アレルギー性・血管運動性など)

アレルギー性鼻炎や血管運動性鼻炎は、粘膜の炎症や血管の拡張によって鼻の通りが悪くなる状態です。アレルギー性の場合、季節性の花粉やダニ・ハウスダストへの反応が考えられます。

血管運動性鼻炎では、自律神経の乱れなどにより粘膜が腫れ、片側の鼻づまりが起こりやすくなります。

副鼻腔炎

いわゆる「蓄膿症」と呼ばれる状態を含む副鼻腔炎は、鼻腔の奥にある副鼻腔に膿がたまる病気です。

急性副鼻腔炎の場合には頭痛や顔面痛が強く出ることも多く、慢性になると片側だけまたは両側の鼻づまりが長期間続きます。

鼻中隔弯曲症

鼻の中央を仕切る「鼻中隔」が曲がっていると、狭くなった側の鼻が詰まりやすくなります。

先天的に起こる場合もありますが、外傷による場合もあり、程度によっては片側だけの鼻づまりの大きな原因となります。

鼻ポリープや腫瘍の可能性

まれに、鼻腔内にポリープ(鼻茸)や腫瘍ができていることによって鼻づまりが生じることがあります。粘膜の炎症や副鼻腔炎によってポリープができる場合もあり、初期は片側だけ詰まるケースもあります。

原因と特徴の対比表

原因特徴考えられる合併症
アレルギー性鼻炎くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどが同時に出やすい花粉症による慢性的な炎症
血管運動性鼻炎自律神経の乱れによる鼻粘膜の腫れストレス関連症状、睡眠障害
副鼻腔炎鼻づまり、顔面痛、膿性鼻汁頭痛、慢性炎症
鼻中隔弯曲症先天的・外傷性のゆがみで片側が詰まりやすい鼻出血、慢性的な呼吸不良
鼻ポリープ・腫瘍片側だけの持続的な鼻づまり頭痛、嗅覚低下、まれに悪性腫瘍の可能性

片側だけが詰まる場合は、一つの要因だけでなく複数の原因が重なっているケースもあります。

内科クリニックで行う診察の流れ

片側だけの鼻づまりは耳鼻咽喉科を連想しがちですが、内科でもまず初期診察が可能です。ここでは、内科クリニックで診察するときの流れを説明します。

問診

最初に行うのが問診です。症状がいつから始まったのか、どのような環境や場面でひどくなるか、鼻水の状態(透明か、黄色〜緑色か)、痛みの有無など、多角的に質問を行います。

アレルギーの有無や生活習慣なども含めて詳しく把握することで、原因の絞り込みに役立ちます。

視診・触診

必要に応じて鼻の外観、顔面部の状態を視診し、頬や額のあたりに痛みがないかなどを触診で確認します。特に副鼻腔炎が疑われる場合は、顔面を軽くたたいて痛みや響き方を調べることも行われます。

聴診や他の全身チェック

鼻づまりだけでなく、全身の状態を把握するために聴診(心音や肺音の確認)を行う場合もあります。

アレルギー性の病態が疑われるときは、皮膚の状態や呼吸音の異常などを確認しながら、必要な検査を検討します。

必要に応じた検査の実施

問診や視診・触診で絞り込んだ疑いのある疾患に応じて、血液検査、画像検査、アレルギー検査などを行います。ここで得られた情報をもとに、具体的な治療方針を立てる流れです。

検査方法と目的

片側だけの鼻づまりの原因を明らかにするためには、複数の検査を組み合わせることが重要です。ここでは代表的な検査方法と、その目的について解説します。

血液検査

血液検査では、感染症やアレルギーの有無などを調べることができます。白血球の増加や好酸球の増加などが認められれば、アレルギー性鼻炎や感染症を疑う手がかりとなります。

検査結果の目安表

項目意味疑われる病気や状態
WBC(白血球)細菌感染や炎症などがあると上昇細菌性副鼻腔炎などの感染症
好酸球アレルギー反応があると上昇アレルギー性鼻炎や喘息など
CRP炎症の程度を示す数値急性炎症や慢性炎症

血液検査の結果だけで確定診断するのではなく、他の検査と合わせて総合的に判断します。

鼻鏡検査

内科でも簡易的に鼻鏡(鼻を広げて内部を観察できる器具)を用いて、鼻腔内の状態を確認することがあります。粘膜の腫れやポリープの有無を視認できるため、初期段階での目安にしやすい方法です。

画像検査(CTなど)

副鼻腔炎や鼻中隔弯曲症などを調べるためには、CT検査が有用です。副鼻腔に膿がたまっているかどうか、鼻中隔がどの程度曲がっているのかなどが画像で明確にわかります。

必要に応じてMRIを行うケースもあります。

代表的な画像検査と目的表

検査方法主な目的代表的な用途
X線撮影副鼻腔の大まかな炎症や膿の有無をチェック副鼻腔炎のスクリーニング
CT骨の構造や副鼻腔の詳細な状態の把握副鼻腔炎、鼻中隔弯曲症、腫瘍の有無
MRI軟組織や神経の状態を詳細に見るポリープや腫瘍などの精密検査

アレルギー検査

アレルギー性鼻炎が疑われる場合は、特定のアレルゲンに対するIgE抗体の有無やレベルを調べる血液検査を行います。

ハウスダスト、ダニ、花粉など、原因となる可能性のあるアレルゲンが明確になれば、生活環境の改善など具体的な対策をとりやすくなります。

箇条書きで示す主なアレルギー検査の対象

  • ハウスダスト
  • ダニ
  • スギ花粉
  • ヒノキ花粉
  • 動物(ネコ、イヌ)
  • イネ科の植物

検査結果から複数の項目に陽性反応が出ることもあるため、総合的な観点から治療計画を立てることが肝心です。

片側だけの鼻づまりを改善するための対処法

原因がはっきりすれば、それに応じた治療を選択することができます。ここでは、具体的な対処法として日常生活の工夫から内科的治療、耳鼻咽喉科との連携について幅広く紹介します。

日常生活の工夫

片側だけの鼻づまりを少しでも緩和するには、生活環境を整えることが基本となります。特にアレルギー性鼻炎が疑われる場合は、室内の清掃や空気の管理を徹底すると症状が軽くなるケースがあります。

日常生活で取り入れたいケアの表

ケア内容具体例期待できる効果
部屋の換気1日数回、短時間でも窓を開けて空気を入れ替える湿気とハウスダストの軽減
掃除・ダニ対策布団、カーペットのこまめな掃除や天日干しアレルゲンの減少
マスクの着用花粉の時期やホコリが多い場所での使用吸い込むアレルゲンの軽減
加湿・保湿乾燥しすぎないよう適度に加湿し、粘膜の乾燥を防ぐ鼻粘膜の保護・炎症緩和
寝室の空気管理エアコンのフィルター清掃や空気清浄機の利用睡眠時の鼻づまりの軽減

こうした身近な対策でも、症状を落ち着かせる効果が期待できます。

内科的治療(薬剤)

原因に合わせた薬物療法を行うことも多く、アレルギー性鼻炎には抗ヒスタミン薬やステロイド点鼻薬を処方する場合があります。

血管運動性鼻炎であれば、自律神経のバランスを整える薬剤や生活リズムの改善を併用することが勧められます。

副鼻腔炎が背景にある場合には、抗生物質や去痰薬などを使い、膿を減らす治療を行うことが一般的です。

用いられる主な薬剤の一覧

種類効果・特徴主な疾患
抗ヒスタミン薬アレルギー症状(鼻水、くしゃみ)の軽減アレルギー性鼻炎
ステロイド点鼻薬鼻粘膜の炎症や腫れを抑えるアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎
抗生物質(経口・点鼻)細菌感染を抑制急性副鼻腔炎
去痰薬粘膜の分泌物を出しやすくする副鼻腔炎、気道の炎症全般

こうした内科的治療のみで十分な改善が見られない場合には、耳鼻咽喉科での精密検査や手術を検討するケースもあります。

耳鼻咽喉科との連携

内科受診で副鼻腔炎などが疑われた場合や、画像検査の結果によっては耳鼻咽喉科との連携を図ることが大切です。

耳鼻咽喉科での詳細な内視鏡検査や、必要があれば外科的治療を受けると、より確実な改善につながる可能性があります。

早期受診のメリット

片側の鼻づまりは放置しても自然に治るとは限りません。長期化して合併症が生じる前に受診することで、原因究明と対策が早期に整い、日常生活への悪影響も最小限に抑えられます。

生活習慣とセルフケア

片側だけの鼻づまりであっても、日頃の生活習慣が影響することは少なくありません。ここでは、セルフケアの要点をより深く解説します。

食事と栄養バランス

栄養バランスの良い食事は免疫力の維持に直結します。抗酸化作用のある食材(緑黄色野菜や果物など)やタンパク質を十分にとることで、粘膜の機能が保たれやすくなります。

辛いものを食べると一時的に鼻づまりが改善することがありますが、その効果は一時的なので過度の摂取は避けたほうがいいでしょう。

箇条書きで示す食生活のポイント

  • 朝食を抜かず、1日3食を基本にする
  • 緑黄色野菜や果物を意識してとる
  • 塩分や刺激物の過剰摂取を控える
  • 水分補給をこまめに行う
  • タンパク質源(肉、魚、卵、大豆製品)をバランスよくとる

栄養面だけでなく、胃腸の負担や睡眠にも配慮しながら食生活を組み立てていくと、体調全般の改善につながることがあります。

室内環境の整え方

アレルゲンやハウスダストなど、鼻づまりを起こす原因となる物質を減らす工夫が求められます。床の拭き掃除やカーペットの定期的な洗浄、空気清浄機や除湿器の活用などが効果的です。

エアコンのフィルターも定期的に掃除し、清潔な環境を維持するとよいでしょう。

室内環境のチェックポイント表

ポイント内容期待される効果
床掃除の頻度週に2~3回程度、モップや拭き掃除を行うホコリ・ダニの減少
カーテン・カーペット定期的に洗濯やクリーニングをするダニやカビの繁殖抑制
室温・湿度の管理室温20~25℃、湿度40~60%を目安に調節粘膜の乾燥・過湿の予防
換気の習慣1回あたり数分でも、1日に数回窓を開ける空気循環による汚れた空気の排出

環境が改善すると、片側だけでなく両側の鼻づまりリスクを下げる効果も期待できます。

運動と睡眠

適度な運動は血行を促進し、自律神経のバランスを整える助けとなります。また、十分な睡眠時間を確保することで、粘膜の回復や免疫力の向上が望めます。

ただし、過度な運動や睡眠不足は逆効果になるので、自分の体力やライフスタイルに合わせたプランがポイントです。

箇条書きで示す運動・睡眠の心がけ

  • ウォーキングや軽めのジョギングなど有酸素運動を週2~3回行う
  • 寝る前のスマートフォンの使用を控え、早めに就寝する
  • 睡眠時間は6~7時間を目安に確保する
  • 適度なストレッチや呼吸法でリラックスを取り入れる

疲労をため込まず、体調が良い状態を保つことが大切です。

ストレス管理

精神的なストレスは自律神経の乱れを招き、血管運動性鼻炎などの鼻づまりに影響を与えることがあります。

ストレスを感じたときは、リラックスできる趣味や運動、十分な休息を取り入れて自律神経を整える習慣をつけることが望ましいです。

ストレス対策に役立つ行動例の表

行動例具体的な方法効果
深呼吸や瞑想朝や就寝前に3~5分間、意識的に深呼吸する自律神経の調整、リラックス効果
趣味の時間をつくる音楽鑑賞、読書、散歩、アート制作などストレス発散、気分転換
相談や会話友人や家族に話を聞いてもらう、専門家に相談感情の整理、客観的アドバイスの獲得

ストレス源を完全に取り除くことは難しくても、対策方法を知っておくと症状の悪化を防ぎやすくなります。

受診のタイミングと予防策

片側だけの鼻づまりを放置していると、思わぬ合併症や慢性化のリスクが高まる場合があります。早めに受診するタイミングや、普段からできる予防策についてまとめます。

症状が長引く場合

軽い鼻づまりなら、風邪の一時的な症状で終わることもあります。

ただし、2週間以上片側の鼻づまりが改善しない場合や、黄緑色の鼻水が続く、頭痛や頬の痛みを伴うなどの症状が見られる場合は、副鼻腔炎や慢性炎症を疑うべきです。

悪化の兆候と合併症

痛みが強くなってきたり、鼻血が出やすくなったり、臭いを感じにくくなった場合は要注意です。副鼻腔炎が進行すると中耳炎や気管支炎を引き起こす可能性もあります。

アレルギー性鼻炎が原因であっても、慢性化すると睡眠の質が低下し、集中力や体力の低下を招きやすくなります。

箇条書きで示す悪化のサイン

  • 鼻づまりによる頭痛や顔面痛が強まる
  • 鼻血が頻繁に出る
  • ニオイを感じる力が低下する
  • 夜間のいびきがひどくなる、無呼吸傾向がある

上記のようなサインが見られたら、受診を早めるのが大切です。

内科クリニックでのアプローチ

片側だけの鼻づまりの場合、まずは内科で基本的な検査や診断を行い、必要に応じて耳鼻咽喉科への紹介を行う流れが多いです。

内科では全身状態を把握しながら原因を特定し、もし鼻腔内の構造的な問題や手術が必要な病態が疑われるなら、専門医と連携することでスムーズに治療が進むことが期待できます。

早めの受診のすすめ

日常生活の対策や市販薬で対処しても改善しない場合や、症状が急に重くなったときは、早めに医療機関を受診してください。特に痛みや熱を伴う場合、受診が遅れると治療期間が長引くリスクもあります。

症状の軽い段階で診察を受けることで、時間と手間を大きく節約できる可能性があります。

よくある質問

片側だけの鼻づまりで受診を考える方からよく寄せられる質問をまとめておきます。気になる点や心配な点がある方は、下記を参考にしてみてください。

Q
片側だけが詰まっていても内科に行ってよいですか?
A

もちろん問題ありません。鼻づまりというと耳鼻咽喉科を連想しますが、全身的な健康状態やアレルギーなどが関与している場合もあるため、内科で初期診察を受けるメリットがあります。

必要に応じて専門科に紹介することも可能です。

Q
処方された薬を飲んでもあまり改善しません。どうすればいいですか?
A

薬の種類や量、服用期間は症状や体質によって適宜調整が必要です。効果が乏しいと感じる場合は、独断で服薬をやめずに担当医に相談してください。

追加検査や薬の変更、耳鼻咽喉科の紹介など、別のアプローチをとることで改善が見られる場合があります。

Q
鼻うがいは片側だけの鼻づまりにも有効ですか?
A

鼻うがいは鼻腔内の汚れや粘膜の分泌物を洗い流すことで、症状を和らげる補助的な手段として活用する人がいます。

ただし、自己流で行うと耳に水が入るなどトラブルを起こす恐れがあるため、正しい方法を確認したうえで実施してください。

Q
片側の鼻づまりが続いていても仕事が忙しくてなかなか受診できません。放置しても大丈夫でしょうか?
A

放置して症状が長引くと、慢性副鼻腔炎などに発展するリスクが高まります。また、鼻づまりは睡眠不足や集中力低下を招き、パフォーマンスの低下にもつながります。

可能な限り早めに医療機関を受診し、適切な治療を検討することをおすすめします。

以上

参考にした論文