気管支炎の診断は、単一の検査だけで確定するものではありません。医師は患者の話を詳しく聞く問診や呼吸音を確認する聴診を基本とし、必要に応じて胸部レントゲン撮影や血液検査、細菌検査を組み合わせます。

レントゲン検査は主に肺炎など他の病気ではないことを確認するために行われ、気管支炎そのものが画像にはっきりと映るケースは稀です。

この記事では、病院で行われる具体的な検査内容とその目的、それぞれの検査からどのような情報が得られるのかを詳しく解説します。

気管支炎を疑う症状と病院受診のタイミング

気管支炎を疑って病院を受診すべきタイミングは、咳や痰といった症状が2週間以上続く場合や、38度以上の発熱を伴い呼吸が苦しいと感じた時です。

風邪だと思って様子を見ていても改善しない場合、気管支の炎症が悪化している可能性があります。早めに医療機関を受診すると、肺炎などの重篤な病気への移行を防げます。

気管支炎は、ウイルスや細菌の感染によって気管支粘膜に炎症が起こる病気です。初期症状は風邪と非常によく似ていますが、炎症が下気道へと広がるにつれて特徴的な症状が現れます。

咳や痰が長引くときは要注意

気管支炎の最も代表的な症状は、しつこく続く咳と痰です。風邪であれば数日から1週間程度で治まることが多い咳が、2週間、3週間と続く場合は気管支炎を疑います。

気管支が炎症を起こすと過敏になり、わずかな刺激でも咳が出るようになります。また、気道の分泌物が増えるため、透明や黄色、緑色などの痰が絡むようになります。

特に夜間や明け方に咳がひどくなる傾向があり、睡眠不足に陥ることも少なくありません。日常生活に支障が出るほどの咳は、早急に治療が必要です。

発熱や息苦しさを伴う場合の対処法

急性の気管支炎では、発熱を伴う場合があります。微熱程度で済むこともありますが、インフルエンザウイルスなどが原因の場合は高熱が出ます。

さらに注意が必要なのは、息苦しさや「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という呼吸音がする場合です。これは気管支が腫れて空気の通り道が狭くなっている証拠であり、呼吸困難に陥るリスクがあります。

特に高齢者や小さな子供、喘息の持病がある人は重症化しやすいため、息苦しさを感じたら迷わず医療機関を受診してください。自己判断での我慢は禁物です。

風邪と気管支炎の主な違い

項目一般的な風邪(感冒)急性気管支炎
主な症状鼻水、喉の痛み、くしゃみ、軽い咳激しい咳、痰、胸の不快感、発熱
症状の持続期間数日~1週間程度で改善する2週間~3週間以上続くことがある
炎症の範囲上気道(鼻、喉)が中心下気道(気管、気管支)まで広がる
全身状態比較的元気なことが多い倦怠感や食欲不振が出やすい

風邪と気管支炎の見分け方はあるのか

一般の方が自分の症状だけで風邪と気管支炎を完全に見分けるのは難しいのが現実です。しかし、目安となるポイントはいくつかあります。

風邪は鼻水や喉の痛みといった上気道の症状が中心ですが、気管支炎は胸の奥から響くような深い咳が特徴です。

そして、風邪薬を飲んでも症状が改善しない、あるいは一度熱が下がったのに再び咳がひどくなるといった経過をたどる場合も気管支炎が疑われます。

明確な診断には医師による診察と検査が必要ですので、迷ったら呼吸器内科を受診すると良いでしょう。

医師が診断を下すために最初に行う問診と聴診

医師が気管支炎の診断を下すために最も重視するのは、患者さんからの詳細な情報収集を行う問診と、胸の音を直接確認する聴診です。

特別な機器を使わない基本的な診察ですが、病気の原因や重症度を推定するために極めて多くの情報を医師に提供します。高額な検査を行う前に、まずはこれらの診察で病状の全体像を把握します。

症状の経過や喫煙歴を詳しく伝える

問診では、正確な情報を伝えることが正しい診断への近道です。

症状が出始めた時期や変化だけでなく、喫煙歴の有無も非常に重要な情報です。タバコは気管支に慢性的な炎症を引き起こしやすく、慢性気管支炎やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の原因となります。

それに加えて、過去にかかった病気や現在服用している薬、アレルギーの有無なども医師に伝えてください。

職業によっては粉塵や化学物質を吸入する機会があり、それが原因となっている可能性もあります。些細なことと思っても、診断の助けになる場合があります。

胸の音を聞く聴診で何がわかるのか

聴診器を使った診察では、呼吸に伴う雑音(副雑音)の有無を確認します。健康な人の呼吸音はスムーズですが、気管支に炎症があると特有の音が聞こえます。

例えば、気道が狭くなっていると「ヒューヒュー」「ゼーゼー」という笛のような音が、痰が溜まっていると「ゴロゴロ」という音が聞こえます。

さらに、肺胞にまで炎症が及んでいる肺炎の場合は「パリパリ」という細かい音が聞こえるときがあります。医師はこの音の違いを聞き分け、炎症が気管支にとどまっているのか、肺炎を併発しているのかをある程度推測できます。

呼吸機能検査で肺の状態を確認する

必要に応じて、スパイロメトリーと呼ばれる呼吸機能検査を行う場合があります。これは息を大きく吸ったり吐いたりして、肺活量や空気を吐き出す勢いを測定する検査です。

気管支炎が慢性化している場合や、喘息との鑑別が必要な場合に役立ちます。

気管支が狭くなっていると、息を吐く勢いが低下する閉塞性換気障害のパターンを示します。この検査をすると、現在の肺の機能がどの程度保たれているか、あるいは低下しているかを数値で客観的に評価可能になります。

問診時に医師へ伝えるべき重要項目

項目具体的に伝えるべき内容医師が判断するポイント
症状の開始時期いつから具合が悪くなったか急性か慢性かの判断
咳・痰の特徴痰の色(黄、緑、透明)、咳の頻度細菌感染かウイルス感染かの推測
随伴症状発熱、悪寒、胸痛、息苦しさ重症度や肺炎併発の可能性
生活習慣・背景喫煙歴、職業、周囲の感染状況リスク因子や感染経路の特定

レントゲン検査で気管支炎の影はどう映るのか

気管支炎の診断において胸部レントゲン検査を行う主な目的は、気管支炎そのものを写し出すことではなく、肺炎や結核、肺がんといった他の重大な病気を除外することにあります。

実は、単純な気管支炎だけではレントゲン画像に明らかな異常な影が映ることはほとんどありません。しかし、「影がないこと」を確認することが、気管支炎という診断を確定させるために大切です。

多くの患者さんが「レントゲンを撮ればすべてわかる」と考えがちですが、レントゲンはあくまで肺全体の影を見る検査です。気管支の壁が少し厚くなっている程度の軽度な炎症は、レントゲンでは捉えきれない場合が多いのです。

それでも医師がレントゲンを勧めるのは、咳や発熱の原因が命に関わる肺炎ではないことを確実に証明し、安心して治療を進めるためです。

胸部X線検査を行う主な目的

胸部X線検査(レントゲン)は、X線を体に照射して肺や心臓の状態を画像化する検査です。気管支炎の疑いがある場合、医師はこの検査で肺野(はいや)と呼ばれる肺の空気を含んだ部分に、白い影がないかを確認します。

もし白っぽくぼやけた影があれば肺炎の可能性が高まりますし、特定の部分に塊のような影があれば腫瘍などを疑います。

逆に、肺野がきれいに黒く映っていれば、肺そのものには大きな異常がないと判断できます。つまり、レントゲンは「消去法」で診断を絞り込むために非常に有効な手段なのです。

レントゲン検査の特徴と限界

  • 肺全体の大きな病変(肺炎、肺結核、肺腫瘍など)を見つけるのが得意である
  • 気管支の粘膜の細かい炎症や肥厚は写りにくい
  • 心臓の大きさや胸水の有無も確認できる
  • 被曝量は極めて微量であり、人体への影響はほとんどない
  • 正面と側面の2方向から撮影することで、心臓の裏側なども確認できる

肺炎や結核など他の病気との鑑別

長引く咳や発熱は、気管支炎だけでなく肺炎や肺結核、肺がん、心不全などでも見られる症状です。特に肺炎は高齢者において命取りになるケースもあり、早期発見が必要です。

レントゲン画像で肺に浸潤影(しんじゅんえい)と呼ばれる白い影が見られれば肺炎、空洞を伴う影などがあれば結核を疑います。

これらの病気は気管支炎とは治療法が全く異なるため、レントゲン検査での確実な鑑別が求められます。もし異常な影が見つかった場合は、さらにCT検査などの精密検査へと進むことになります。

異常なしと言われた場合の解釈

「レントゲンは異常なしです」と医師に言われた場合、それは「病気ではない」という意味ではありません。「レントゲンに写るような肺炎や大きな異常はないが、症状から見て気管支炎でしょう」という意味であることがほとんどです。

画像上の異常がないことは、重篤な肺炎ではないという安心材料になります。

レントゲンで異常が見当たらないにもかかわらず、激しい咳や痰が続くという事実こそが、炎症が気管支にとどまっている急性気管支炎であるという診断の裏付けになるのです。

血液検査の数値から炎症の程度を読み解く

血液検査は、体の中でどれくらいの炎症が起きているか、そしてその原因が細菌なのかウイルスなのかを推測するために行います。特に白血球数(WBC)とCRP(C反応性タンパク)という2つの項目が重要視されます。

これらの数値を確認し、医師は抗生物質を投与すべきかどうかという治療方針の決定に役立てます。

白血球数とCRP値が示す体のサイン

白血球は体に侵入した病原体と戦う兵隊のような存在です。体に細菌が入ってくると、これを排除しようとして白血球の数が正常値よりも増加します。

一方、CRPは体内で炎症や組織の破壊が起きているときに肝臓で作られるタンパク質で、炎症の強さに比例して数値が上がります。健康な人のCRPはほぼゼロに近い値ですが、重度の細菌性気管支炎や肺炎になると、この数値が跳ね上がります。

白血球数やCRPの数値が高い場合は、体が激しく戦っている証拠であり、積極的な治療が必要であると判断されます。

細菌性かウイルス性かを見極めるヒント

気管支炎の原因はウイルスが大多数を占めますが、細菌感染による場合もあります。

一般的に、白血球数が著しく増加し、CRP値も高い場合は細菌感染の可能性が高くなります。この場合、細菌を殺す抗生物質の投与が効果的です。

逆に、白血球数やCRPの上昇が軽度であれば、ウイルス性の可能性が高く、抗生物質は効かないため対症療法が中心となります。

このように、血液検査は「薬の使い分け」を判断する上で非常に大切な判断材料となります。

アレルギーが関与しているか調べるIgE抗体

咳が長引く原因として、アレルギー反応が関与しているケースもあります。

これを調べるために、血液中の好酸球(こうさんきゅう)の数や、非特異的IgE抗体という数値をチェックする場合があります。もしこれらの数値が高ければ、アレルギー性気管支炎や咳喘息の可能性が疑われます。

アレルギーが原因であれば、感染症の治療薬ではなく、アレルギーを抑える薬や吸入ステロイド薬などが必要になります。原因に応じた適切な治療を行うためにも、血液検査でのアレルギーチェックは有用です。

血液検査の主な項目と判定の目安

検査項目基準値の目安数値が高い場合に考えられること
白血球数 (WBC)3,500~9,000 /μL細菌感染症、強い炎症、ストレスなど
CRP (C反応性タンパク)0.3 mg/dL以下細菌性肺炎、重度の気管支炎、組織破壊
好酸球白血球全体の数%アレルギー性疾患、寄生虫感染
IgE (免疫グロブリンE)170 IU/mL以下アトピー素因、アレルギー体質の可能性

原因菌を特定するための痰の検査と培養

痰の検査(喀痰検査)は、気管支炎の原因となっている具体的な細菌を特定するために行います。痰には気管支で増殖した細菌が含まれている可能性が高く、これを調べると最も効果のある抗生物質を選べます。

喀痰検査で細菌の種類を特定する

喀痰検査には、顕微鏡で細菌の形を直接見る「塗抹(とまつ)検査」と、細菌を栄養培地で育てて増やす「培養検査」があります。

塗抹検査は比較的短時間で結果が出ますが、大まかな分類しかできません。一方、培養検査は細菌の種類(肺炎球菌、インフルエンザ菌、マイコプラズマなど)を正確に特定できます。

原因菌が分かれば、その菌に特化した治療戦略を立てることが可能になります。

痰の色と疑われる原因の目安

  • 透明・白色・サラサラ:ウイルス感染、アレルギー(対症療法で様子を見る)
  • 黄色・緑色・ドロドロ:細菌感染(膿が含まれるため抗生物質を検討)
  • 錆色(鉄さび色):肺炎球菌などによる肺炎(早急な検査と治療が必要)
  • 血液が混じる(血痰):結核、肺がん、激しい炎症(精密検査を行う)

抗生物質が効くかどうか調べる感受性試験

培養検査で細菌が見つかった場合、次に行うのが「薬剤感受性試験」です。これは、見つかった細菌に対してどの種類の抗生物質が効き、どの薬が効かない(耐性がある)かを調べるテストです。

近年、様々な抗生物質が効かない耐性菌が問題になっています。この試験を行うと、無駄な投薬を避け、確実に効果のある薬を選択できます。治療の効率を高め、早期治癒を目指すために非常に大切な検査です。

検査結果が出るまでにかかる日数

痰の検査のデメリットは、結果が出るまでに時間がかかる点です。塗抹検査は当日中に結果が出る場合もありますが、細菌を育てる培養検査には通常3日から1週間程度の日数が必要です。

そのため、初診時には医師の経験に基づいた予測で抗生物質が処方され、後日検査結果が出た段階で、必要であれば薬を変更するという流れになるのが一般的です。

結果が出るまでの間は処方された薬をしっかりと飲み、症状の変化を医師に伝えましょう。

診断が難しい場合に行われるCT検査などの精密検査

レントゲンや血液検査で原因がはっきりしない場合、あるいは症状が長期間改善しない場合には、胸部CT検査などのより精密な検査が行われます。

CT検査はX線を体の周囲から回転させながら照射し、コンピューターで断面図を作成する技術です。レントゲンでは死角になって見えなかった心臓の裏側や、微細な気管支の変化まで鮮明に映し出せます。

精密検査を行う目的は、気管支炎の診断というよりも、他の隠れた病気を見逃さないことにあります。特に肺がんの初期段階や、気管支拡張症、間質性肺炎といった病気はレントゲンだけでは発見が難しいため、CT検査が威力を発揮します。

胸部CT検査が必要になるときの判断基準

胸部CT検査が推奨されるのは、レントゲンで「疑わしい影」があるがはっきりしない場合や、血痰が出る場合、体重減少が見られる場合などです。

また、通常の治療を行っても咳が数ヶ月続くような慢性的な経過をたどる場合も適応となります。

CT画像では、気管支の壁が厚くなっている様子や、気管支の中に溜まった分泌物、肺胞の細かな炎症などを詳細に確認できます。被曝量はレントゲンより多くなりますが、得られる情報量は格段に多いため、診断の確定に大きく寄与します。

気管支鏡検査を行うケースとは

極めて稀ですが、気管支鏡検査(内視鏡検査)を行うときもあります。これは胃カメラのように、口や鼻から細いカメラを気管支の中に挿入し、内側から直接観察する検査です。

腫瘍が疑われる場合や、異物が詰まっている可能性がある場合、あるいは原因不明の血痰が続く場合に行われます。また、気管支の奥から直接痰や組織を採取できるため、診断の確実性が非常に高い検査です。

ただし、患者さんへの負担が大きいため、入院が必要になるケースも多く、慎重に適応が判断されます。

慢性気管支炎やCOPDとの関連を調べる

咳や痰が3ヶ月以上続き、それが2年以上繰り返される場合は「慢性気管支炎」と診断されます。これは多くの場合、タバコによる肺の破壊が進んだCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の一部として現れます。

CT検査では肺気腫(肺胞が壊れた状態)の有無も確認できるため、単なる急性気管支炎なのか、それとも長期的な管理が必要な慢性疾患なのかを見極められます。

早期に発見できれば、禁煙や吸入薬による治療で病気の進行を遅らせることが可能です。

CT検査や精密検査が検討される主なケース

状況医師が懸念する点
通常の治療を2週間以上続けても改善しない診断の見直しや合併症の疑い
レントゲンで判断がつかない微妙な影がある微細な肺炎、初期の肺がん
痰に血が混じる(血痰)気管支拡張症、結核、腫瘍
原因不明の体重減少や微熱が続く結核、悪性腫瘍、膠原病肺
喫煙歴が長く、COPDの合併が疑われる肺の破壊状況(肺気腫)の評価

気管支炎と診断された後の治療方針と過ごし方

様々な検査を経て気管支炎と診断された後は、原因と症状に合わせた適切な治療が開始されます。基本的には薬で症状を和らげながら、自身の自然治癒力で回復を待つことになります。

治療の効果を最大限に引き出すためには、薬を飲むだけでなく、日常生活での養生が欠かせません。無理をして仕事や学校に行くと、治りが遅くなるだけでなく周囲に感染を広げるリスクもあります。

治療のゴールは、咳や痰を消失させ、普段通りの呼吸を取り戻すことです。症状が軽くなったからといって自己判断で薬を止めると、ぶり返したり耐性菌を生み出したりする原因になります。

医師の指示に従い、最後までしっかりと治療を完了させましょう。

原因に合わせた薬物療法の選択

ウイルス性の気管支炎であれば、特効薬はないため、咳止めや去痰薬などの対症療法薬が処方されます。インフルエンザであれば抗インフルエンザ薬が使われます。

一方、細菌感染の証拠がある場合には抗生物質が処方されます。重要なのは、すべての気管支炎に抗生物質が必要なわけではないという点です。医師は検査結果に基づいて適切な薬を選んでいます。

また、気管支が狭くなり喘息のような症状が出ている場合は、気管支拡張薬の貼り薬や吸入薬が処方されるときもあります。薬を適切に使うと、苦しい症状を早く和らげられます。

気管支炎の治療に使用される主な薬剤

  • 鎮咳薬(咳止め):咳中枢に作用して、辛い咳を鎮める
  • 去痰薬:痰をサラサラにして出しやすくし、気道を浄化する
  • 気管支拡張薬:収縮した気管支を広げ、呼吸を楽にする(テープや吸入薬)
  • 解熱鎮痛剤:発熱や喉の痛み、頭痛を和らげる
  • 抗生物質:細菌感染が疑われる場合に、原因菌を殺菌する

自宅で安静にする際の環境づくり

薬と同じくらい大切なのが、自宅での環境調整です。乾燥は気管支の大敵ですので、加湿器などを利用して部屋の湿度を50~60%に保つようにしましょう。湿度が上がると気道の粘膜が潤い、痰が出しやすくなります。

また、タバコの煙やホコリなどの刺激物質を避けるのも重要です。家族に喫煙者がいる場合は、完全に分煙するか、禁煙してもらうのが理想です。

水分をこまめに摂る工夫も、痰を柔らかくして排出を助ける効果があります。

治りかけの時期に気をつけるべきこと

熱が下がり体が楽になってきても、気管支の粘膜はまだ傷ついた状態です。この時期に無理をして激しい運動をしたり、寒暖差の激しい場所に行ったりすると、再び咳が悪化する場合があります。

完全に咳が止まるまでは、外出時にマスクを着用して冷たい空気を直接吸い込まないようにする、アルコールや香辛料などの刺激物を控えるといった配慮が必要です。

焦らずじっくりと気管支をいたわることが、結果的に完治への一番の近道となります。

よくある質問

Q
気管支炎の診断は即日で確定するのですか?
A

気管支炎の診断は、問診や聴診、レントゲン検査の結果を総合して、初診の日に「気管支炎の疑いが強い」という形で臨床的な診断が下されるケースがほとんどです。

ただし、原因となる細菌やウイルスを特定するための培養検査などは結果が出るまでに数日を要します。

そのため、即日で治療を開始しつつ、後日検査結果を確認して診断を確定させる流れが一般的です。

Q
気管支炎の検査は痛みを伴いますか?
A

検査で痛みを伴う可能性があるのは、主に血液検査時の採血です。針を刺す際にチクリとした痛みがあります。

レントゲン検査やCT検査、呼吸機能検査、喀痰検査など、それ以外の検査には痛みはありません。

医師や看護師は患者さんの負担を最小限にするよう配慮しますので、痛みに不安がある場合は事前に伝えてください。

Q
子供が気管支炎になった時の検査方法は?
A

子供の検査方法は大人と基本的には同じですが、被曝を避けるためにレントゲン検査は必要最小限にとどめられる傾向があります。

また、小さな子供は上手に痰を出せない場合が多いため、鼻の奥を綿棒でぬぐってウイルスや細菌の迅速検査を行うことがよくあります。

採血も子供にとっては負担が大きいため、重症度が低い場合は省略されるときもあります。

Q
検査費用は高額になりますか?
A

検査費用は、行われる検査の内容によって異なりますが、3割負担の方で一般的な診察、レントゲン、血液検査を行った場合、数千円程度に収まるのが一般的です。

CT検査を追加した場合はさらに費用がかかります。あくまで目安であり、処方される薬代は別途必要になります。

具体的な金額が心配な場合は、受付で事前に確認すると良いでしょう。

Q
妊娠中にレントゲン検査を受けても大丈夫ですか?
A

妊娠中のレントゲン検査は、お腹を特殊な防護エプロンで遮蔽すると、胎児への被曝をほぼゼロに抑えることが可能です。

医師は母体の健康と胎児への影響を慎重に天秤にかけ、検査の有益性がリスクを上回ると判断した場合にのみ検査を提案します。

妊娠の可能性がある場合は、必ず診察前に医師や放射線技師に申告してください。