高い声を出そうとすると声がかすれたり、うわずったりする症状に悩んでいませんか。特に歌を歌う方や、仕事で声をよく使う方にとって、声の不調は大きな問題です。

この記事では、高音で声がかすれる・うわずる原因、ご自身でできる対処法、そして医療機関を受診する目安や一般的な対応について詳しく解説します。

声のトラブルに関する正しい知識を得て、適切な対応を考える一助となれば幸いです。

声がうわずる・かすれるとはどのような状態?

声がうわずる、またはかすれるという状態は、声帯の正常な振動が妨げられることによって生じます。

普段通りに話しているつもりでも、相手に聞き返されたり、自分自身で声の出しにくさを感じたりすることがあります。

特に高音域で症状が現れやすいのは、声帯がより速く、精密に振動する必要があるため、わずかな異常でも影響を受けやすいためです。

声の異常を感じる主なサイン

声の異常は、かすれ声やうわずりだけでなく、様々な形で現れることがあります。ご自身の声に以下のような変化がないか注意してみましょう。

これらのサインに気づくことが、早期対応への第一歩となります。

声の異常の一般的な兆候

サインの種類具体的な状態日常生活での影響例
声質の変化がらがら声、しわがれ声、息もれ声電話で聞き取りにくいと言われる
発声の困難感声が出にくい、途切れる、力が必要長時間の会話が疲れる
音域の変化高い声が出ない、低い声が出にくい歌うときに音程が不安定になる

高音が出にくい具体的な状況

高音が出にくいという症状は、特定の状況でより顕著になることがあります。

例えば、カラオケでサビの部分を歌おうとしたとき、大勢の中で発言しようとして声を張ったとき、あるいは感情が高ぶって早口になったときなどです。

これらの状況では、声帯に普段以上の負荷がかかりやすく、潜在的な問題が表面化することがあります。

一時的な症状と持続的な症状の違い

声のかすれやうわずりは、風邪をひいたり、大声を出したりした後に一時的に現れることもあります。しかし、症状が長期間続く場合や、徐々に悪化する場合は注意が必要です。

原因や適切な対処法も異なるため、症状の性質を見極めることが大切です。

症状の期間による分類

区分期間の目安考えられる主な要因
一時的な症状数日~1週間程度風邪、声の使いすぎ、乾燥
持続的な症状2週間以上声帯ポリープ、声帯結節、慢性炎症、その他疾患

声の変化に伴いやすいその他の症状

声がかすれる、うわずるといった主症状の他に、喉の違和感や痛み、咳、痰が絡む感じなど、他の症状を伴うことも少なくありません。

これらの付随する症状は、原因を特定する上で重要な手がかりとなることがあります。

声の不調と共に見られることのある症状

  • 喉の乾燥感やイガイガ感
  • 発声時の喉の痛み
  • 咳や痰の増加
  • 飲み込みにくさ

高音で声がうわずる・かすれる主な原因

高音で声がうわずったりかすれたりする背景には、様々な原因が考えられます。声帯そのものの問題から、全身的な健康状態が影響していることまであります。

原因を正しく理解することが、適切な対策への第一歩です。

声の使いすぎや間違った発声方法

最も一般的な原因の一つが、声の酷使や不適切な発声習慣です。長時間話し続けたり、無理な高声や大声を出したりすると、声帯に過度な負担がかかり、炎症や機能不全を引き起こすことがあります。

職業別の声帯への負担

教師、歌手、アナウンサー、コールセンターのオペレーターなど、日常的に声を多く使う職業の方は、特に声帯への負担が大きくなりがちです。

このような職業に従事する方は、日頃から声のケアを意識することが重要です。

要因声帯への影響具体的な症状例
長時間の連続使用声帯粘膜の乾燥、疲労夕方になると声が出にくい
無理な発声声帯の機械的刺激、炎症特定の音域で声が裏返る
不適切な音量調整声帯への過度な負荷声がかすれる、声が続かない

日常生活での注意点

騒がしい場所での会話や、無理に大きな声を出すことは避けましょう。また、長時間話し続ける必要がある場合は、適度に休憩を挟み、声帯を休ませることが大切です。

咳払いを頻繁に行うことも、声帯に負担をかけるため注意が必要です。

喉の炎症や感染症

風邪やインフルエンザなどのウイルス感染、あるいは細菌感染によって喉頭(喉仏のあたりにある、声帯を含む器官)に炎症が起こると、声帯が腫れたり動きが悪くなったりして声がかすれます。

これを急性喉頭炎と呼びます。

急性喉頭炎と声への影響

急性喉頭炎では、声のかすれに加えて、喉の痛み、咳、発熱などの症状が現れることが一般的です。

声帯が炎症を起こしているため、無理に声を出そうとすると症状が悪化したり、治癒が遅れたりする可能性があります。

慢性的な炎症のリスク

急性喉頭炎が長引いたり、喫煙や大気汚染などの刺激に長期間さらされたりすると、喉頭の炎症が慢性化することがあります。

慢性喉頭炎になると、声のかすれが持続し、声質の変化も起こりやすくなります。

声帯ポリープや声帯結節

声帯ポリープや声帯結節は、声帯の粘膜にできる「できもの」で、声のかすれや高音が出にくいといった症状の代表的な原因です。

これらは声の使いすぎや間違った発声が長期間続くことで発生しやすいと考えられています。

ポリープと結節の違い

声帯ポリープは、声帯粘膜の血管が破れて内出血し、それが吸収されずに隆起したもので、片側の声帯にできることが多いです。

一方、声帯結節は、声帯への機械的な刺激が繰り返されることで粘膜が硬く厚くなったもので、両側の声帯の同じ場所にできることが多いのが特徴です。

「たこ」や「ペンだこ」に似た状態と考えると分かりやすいかもしれません。

特徴声帯ポリープ声帯結節
形状柔らかく、血管に富む腫瘤硬く、白色の小さな隆起
発生部位主に片側性主に両側性(対称性)
主な原因急激な声の乱用、咳など慢性的な声の乱用

できやすい人の特徴

声帯ポリープは、急に大声を出したり、無理な発声をしたりした際にできることがあります。一方、声帯結節は、教師や保育士、歌手など、日常的に声を酷使する職業の人に多く見られます。

また、カラオケなどで長時間歌い続けることも原因となり得ます。

加齢による声の変化(老人性嗄声)

年齢を重ねるとともに、体の様々な部分に変化が現れるように、声帯も変化します。

声帯の筋肉が萎縮したり、粘膜の潤いが減少したりすることで、声がかすれたり、弱々しくなったり、高い声が出にくくなったりすることがあります。

これを老人性嗄声(ろうじんせいさせい)と呼びます。

その他の原因(アレルギー、逆流性食道炎、喫煙、ストレスなど)

上記以外にも、声のかすれやうわずりを引き起こす原因は多岐にわたります。

アレルギー反応による喉の炎症、胃酸が食道や喉に逆流する逆流性食道炎、喫煙による声帯への慢性的な刺激、精神的なストレスなどが影響することもあります。

逆流性食道炎と声の関連

逆流性食道炎では、胃酸が喉まで逆流し、声帯を含む喉頭粘膜を刺激して炎症を引き起こすことがあります。これにより、声のかすれ、咳、喉の違和感などが生じることがあります。

特に、朝起きたときに声がかすれている、胸やけがあるといった場合は、逆流性食道炎が関与している可能性を考えます。

喫煙が声帯に与える影響

喫煙は声帯にとって百害あって一利なしです。タバコの煙に含まれる有害物質は、声帯の粘膜を慢性的に刺激し、炎症や浮腫(むくみ)を引き起こします。

その結果、声が低くなったり、かすれたりする「タバコ声」と呼ばれる状態になることがあります。また、喉頭がんのリスクも高めます。

喫煙による声帯への主な悪影響

  • 声帯粘膜の慢性的な炎症と肥厚
  • 声帯の乾燥
  • 喉頭がんのリスク増加

ストレスと声の不調

強いストレスや精神的な緊張は、自律神経のバランスを乱し、喉の筋肉を過度に緊張させることがあります。これにより、声が出しにくくなったり、声が震えたり、かすれたりする心因性発声障害を引き起こすことがあります。

特に、人前で話すことに強い不安を感じる場合などに現れやすいです。この場合、声帯自体に明らかな異常が見られないこともあります。

自宅でできるセルフケアと予防法

声がかすれたりうわずったりする症状がある場合、まずは声帯をいたわるセルフケアを試みることが大切です。また、日頃から予防を心がけることで、声のトラブルを未然に防ぐことにもつながります。

声帯を休ませる重要性

声帯に炎症や疲労がある場合、最も重要なケアは声帯を休ませること、すなわち「音声安静」です。無理に声を出し続けると、症状が悪化したり、回復が遅れたりする可能性があります。

具体的な声の安静方法

完全に声を出さない「沈黙」が理想的ですが、難しい場合は、会話を最小限にし、小さな声でゆっくりと話すように心がけましょう。筆談やジェスチャーを活用するのも良い方法です。

また、電話や長時間の会議など、声を張る必要がある場面はできるだけ避けます。

声を酷使した後のケア

会議やプレゼンテーション、カラオケなどで長時間声を使った後は、意識して声帯を休ませる時間を作りましょう。喉を潤すために温かい飲み物をゆっくり飲むのも効果的です。

また、その日はできるだけ会話を控えるなど、声帯への負担を軽減する工夫をします。

喉の保湿と適切な生活習慣

喉の乾燥は声帯の大敵です。声帯の粘膜が乾燥すると、振動が悪くなり、声が出にくくなったりかすれたりしやすくなります。

適切な湿度を保ち、生活習慣を見直すことが、喉の健康を維持するために重要です。

加湿の工夫

空気が乾燥しやすい季節や、エアコンの効いた室内では、加湿器を使用したり、濡れタオルを干したりして、部屋の湿度を適切(目安として50~60%)に保ちましょう。

マスクの着用も、自分の呼気で喉の湿度を保つのに役立ちます。

方法ポイント期待できる効果
加湿器の使用清潔に保ち、適切な湿度設定室内の全体的な加湿
濡れタオルの利用就寝時などに枕元に干す局所的な加湿
マスクの着用外出時や乾燥した場所で呼気による喉の保湿

水分補給のポイント

こまめに水分を摂取し、喉を内側から潤すことも大切です。一度に大量に飲むのではなく、少量ずつ頻繁に飲むのが効果的です。

カフェインやアルコールを含む飲料は利尿作用があり、かえって脱水を招くことがあるため、摂取量に注意しましょう。白湯や常温の水、ノンカフェインのハーブティーなどがおすすめです。

睡眠と栄養のバランス

十分な睡眠とバランスの取れた食事は、体の免疫力を高め、喉の粘膜を健康に保つために必要です。特に、ビタミンA、C、Eなどは粘膜の保護や修復に関わるため、積極的に摂取しましょう。

睡眠不足や疲労は声の不調を招きやすいため、規則正しい生活を心がけます。

正しい発声方法の意識

無理な発声は声帯に大きな負担をかけます。特に、喉だけで声を出そうとすると、声帯が緊張しやすくなります。腹式呼吸を意識し、リラックスした状態で、自然な声を出すことが大切です。

腹式呼吸のすすめ

腹式呼吸は、横隔膜を使って深く呼吸する方法で、安定した声量を保ち、喉への負担を軽減するのに役立ちます。息を吸うときにお腹が膨らみ、吐くときにお腹がへこむのを確認しながら練習してみましょう。

無理のない発声練習

急に大きな声や高い声を出そうとせず、まずはリラックスした状態で、楽に出せる音域からゆっくりと発声練習を始めるのが良いでしょう。

ハミングやリップロール(唇をブルブルと震わせる)なども、声帯のウォーミングアップに適しています。

発声時に意識したいこと

  • 肩の力を抜き、リラックスする
  • 顎を引かず、自然な姿勢を保つ
  • 喉に力を入れすぎない
  • 息の流れを意識する

声の異常で医療機関を受診する目安

声のかすれやうわずりが続く場合、自己判断せずに医療機関を受診することが大切です。

特に、症状が改善しない、悪化している、あるいは日常生活に支障が出ている場合は、専門医の診察を受けることを検討しましょう。

症状が続く期間や悪化のサイン

一般的に、風邪などによる一時的な声のかすれは1週間程度で改善することが多いです。

しかし、2週間以上症状が続く場合や、声のかすれが徐々にひどくなる、声が出なくなる、呼吸が苦しいといった症状が現れた場合は、何らかの器質的な病変(ポリープ、結節、腫瘍など)や機能的な問題が隠れている可能性があります。

日常生活への支障度

声の不調によって、仕事でのコミュニケーションに困る、電話での会話が難しい、趣味の歌が楽しめないなど、日常生活に支障が出ている場合は、我慢せずに医療機関に相談しましょう。

早期に原因を特定し、適切な対応を行うことで、症状の改善や悪化の防止につながります。

専門医(耳鼻咽喉科)の受診を検討すべきケース

声のトラブルを専門的に診療するのは耳鼻咽喉科です。特に以下のような場合は、耳鼻咽喉科医の診察を受けることを強く推奨します。

耳鼻咽喉科受診の目安となる症状

症状・状況考えられるリスク受診の重要性
2週間以上続く声のかすれ声帯ポリープ、結節、慢性炎症など原因特定と適切な治療開始
急に声が出なくなった声帯麻痺、急性炎症の悪化など緊急性のある疾患の可能性
血痰が出る、呼吸困難がある喉頭がんなどの悪性腫瘍の可能性早期発見・早期治療が極めて重要
飲み込むときに痛む、首にしこりがある炎症、腫瘍など精密検査による診断が必要

内科で相談できること

かかりつけの内科医がいる場合、まずはそこで相談してみるのも一つの方法です。内科では、風邪や気管支炎など、声のかすれを引き起こす可能性のある一般的な感染症の診療を行います。

また、逆流性食道炎が疑われる場合の初期対応や、必要に応じて耳鼻咽喉科への紹介も行います。声の症状だけでなく、全身的な不調がある場合も、内科での相談が適していることがあります。

医療機関で行われる検査

医療機関では、声のかすれやうわずりの原因を特定するために、いくつかの検査を行います。問診から始まり、喉の状態を直接観察する検査や、声の機能を評価する検査などがあります。

問診で確認されること

医師はまず、患者さんから症状について詳しく話を聞きます。

いつから症状があるのか、どのような時に症状が悪化するのか、他にどのような症状があるのか、喫煙歴や職業、普段の生活習慣なども重要な情報となります。

問診における主な確認事項

項目確認内容の例診断への手がかり
症状の具体的な内容声のかすれ方、高音の出にくさ、持続時間疾患の種類の推定
症状の経過発症時期、悪化・改善の傾向急性か慢性かの判断
既往歴・生活習慣アレルギー、喫煙歴、飲酒歴、職業原因特定、リスク因子の評価

喉頭鏡検査(内視鏡検査)

喉頭鏡検査は、声帯の状態を直接観察するための最も重要な検査です。細い管状のカメラ(内視鏡)を鼻または口から挿入し、喉頭や声帯の形、色、動きなどを詳細に観察します。

この検査により、声帯ポリープ、声帯結節、喉頭炎、声帯麻痺、さらには喉頭がんなどの病変の有無を確認できます。

検査の目的と流れ

検査の主な目的は、声帯やその周辺組織に異常がないかを視覚的に確認することです。通常、鼻の麻酔(スプレーやゼリー)を行った後、細く柔軟なファイバースコープを鼻から挿入します。

検査時間は数分程度で、比較的負担の少ない検査です。口から硬性の内視鏡を用いる場合もあります。

検査でわかること

この検査によって、声帯の腫れ、発赤、ポリープや結節の有無、声帯の動きの左右差、粘膜の異常などを詳細に評価できます。

また、必要に応じて組織の一部を採取して病理検査(生検)を行うこともあります。

音声機能検査

音声機能検査は、声の高さ、強さ、質などを客観的に評価する検査です。マイクに向かって様々な声を出してもらい、その音響的な特徴を分析します。

これにより、声の障害の程度や性質を把握し、治療効果の判定にも役立てます。

必要に応じて行われるその他の検査

上記以外にも、原因や症状に応じて、アレルギー検査、頸部CTやMRIなどの画像検査、嚥下機能検査(飲み込みの検査)、血液検査などが行われることがあります。

例えば、逆流性食道炎が疑われる場合は、胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)が推奨されることもあります。

医療機関での一般的な対応

医療機関での対応は、声のかすれやうわずりの原因によって異なります。原因に応じた適切な治療や指導を受けることで、症状の改善が期待できます。

原因に応じた保存的治療

多くの場合、まずは声帯への負担を減らし、炎症を抑える保存的治療が行われます。これには、生活習慣の改善指導、声の衛生指導、薬物療法などが含まれます。

生活指導と音声指導

声の安静、禁煙、適切な湿度管理、刺激物の摂取を避けるなどの生活指導が行われます。また、発声方法に問題がある場合は、言語聴覚士による音声指導(ボイスセラピー)が行われることもあります。

これは、声帯に負担の少ない効率的な発声方法を習得するための訓練です。

薬物療法(消炎鎮痛剤、去痰薬など)

喉頭の炎症が強い場合には、消炎鎮痛剤やステロイドの吸入・内服などが用いられます。痰が絡む場合には去痰薬、感染が疑われる場合には抗菌薬が処方されることもあります。

逆流性食道炎が原因であれば、胃酸の分泌を抑える薬が中心となります。

保存的治療の主な内容

治療法主な目的具体的な内容例
音声安静声帯の休息、炎症軽減沈黙、会話制限、筆談
薬物療法炎症抑制、症状緩和消炎剤、去痰薬、吸入薬
生活習慣改善声帯への刺激軽減、環境整備禁煙、加湿、刺激物回避

声帯ポリープや結節に対する処置

声帯ポリープや声帯結節が大きく、保存的治療で改善しない場合や、早期の改善を希望する場合には、手術的な治療が検討されることがあります。

喉頭微細手術(ラリンゴマイクロサージェリー)と呼ばれる、顕微鏡を使って声帯の病変を切除する手術が一般的です。手術後は、声帯の安静とリハビリテーションが重要になります。

逆流性食道炎など原因疾患の治療

逆流性食道炎やアレルギー性鼻炎など、声の症状の背景に他の疾患がある場合は、その原因疾患の治療を優先的に行います。原因疾患が改善することで、声の症状も軽快することが期待できます。

リハビリテーション(音声治療)

音声治療は、言語聴覚士の指導のもとで行われる声のリハビリテーションです。声帯に負担の少ない発声方法の習得、呼吸法の改善、声帯周囲の筋肉のストレッチなどを行い、声の機能回復を目指します。

手術後のリハビリテーションとしても重要です。

声がうわずる・かすれる症状に関するよくある質問

Q
風邪をひいた後から声がかすれるのですが、自然に治りますか?
A

風邪に伴う声のかすれ(急性喉頭炎)は、通常1週間程度で自然に軽快することが多いです。しかし、声の安静を保ち、喉を乾燥させないように心がけることが大切です。

症状が長引く場合や悪化する場合は、他の原因も考えられるため、医療機関を受診することをお勧めします。

Q
カラオケで高い声を出そうとすると声が裏返ります。病気でしょうか?
A

カラオケなどで一時的に声が裏返ることは、必ずしも病気とは限りません。発声方法が適切でなかったり、無理に高い声を出そうとしたりすると起こりやすいです。

ただし、頻繁に起こる場合や、普段の会話でも声がかすれる、出しにくいといった症状がある場合は、声帯に何らかの問題(結節やポリープなど)が生じている可能性も考えられますので、一度耳鼻咽喉科で相談してみるのが良いでしょう。

Q
声のために普段から摂取した方が良い食べ物や飲み物はありますか?
A

特定の食品が直接的に声を良くするという科学的根拠は限定的ですが、喉の粘膜を健康に保つためには、バランスの取れた食事が基本です。

喉の健康維持に役立つとされる栄養素と食品例

  • ビタミンA(粘膜保護):緑黄色野菜(にんじん、ほうれん草など)、レバー
  • ビタミンC(免疫力向上):果物(柑橘類、いちごなど)、野菜(パプリカ、ブロッコリーなど)
  • ビタミンE(血行促進):ナッツ類、植物油
  • 水分(喉の潤い):水、白湯、ノンカフェインの温かい飲み物

刺激物(香辛料の多いもの、熱すぎるもの、冷たすぎるもの)や、アルコール、カフェインの多い飲料は控えめにすると良いでしょう。

Q
声変わりと声のかすれは関係ありますか?
A

思春期の声変わりは、喉頭(特に声帯)が成長し、声の高さが変化する生理的な現象です。この時期に一時的に声がかすれたり、不安定になったりすることはよくあります。

通常は自然に落ち着きますが、声変わりの時期を過ぎても声のかすれが続く場合や、他の症状(痛みなど)を伴う場合は、医療機関に相談することを検討してください。

以上

参考にした論文