「しょんしょん」と表現されるような、小さく連続して出るくしゃみにお悩みではありませんか?
一度出始めると止まらなかったり、特定の状況で繰り返したりすると、気になりますし、日常生活に影響が出ることもあります。
この記事では、そのような小さなくしゃみが続く原因、考えられる病気、ご自身でできる対処法、そして医療機関を受診する目安について、分かりやすく解説します。
しょんしょん続く小さなくしゃみとは?
まず、「しょんしょん」と表現される小さなくしゃみがどのようなものか、基本的な情報から見ていきましょう。くしゃみ自体の役割や、通常のくしゃみとの違いを知ることで、ご自身の症状への理解が深まります。
くしゃみの基本的な役割
くしゃみは、鼻腔内に入った異物(ホコリ、花粉、ウイルスなど)や刺激物を、強い空気の流れとともに体外へ排出しようとする、体の防御反応の一つです。
鼻の粘膜が刺激を受けると、その情報が脳に伝わり、反射的に息を大きく吸い込んだ後、瞬間的に強く息を吐き出すことで異物を除去します。これは、体を守るための重要な働きです。
「しょんしょん」くしゃみの特徴
「しょんしょん」と表現されるくしゃみは、一般的な「ハクション!」という大きなくしゃみとは異なり、比較的小さな音で、連続して何度も起こる傾向があります。
一度の刺激で一回だけ出るのではなく、数回から十数回、場合によってはそれ以上続くこともあります。くしゃみ自体は小さくても、回数が多いために体力を消耗したり、集中力が途切れたりすることがあります。
しょんしょんくしゃみの主な感覚
感覚 | 説明 | 伴いやすい状況 |
---|---|---|
鼻のムズムズ感 | くしゃみが出る前に鼻の奥がむず痒くなる感覚が強い | アレルギー反応時など |
連続性 | 一度出ると、短い間隔で何度も繰り返す | 特定の刺激に反応している時 |
音の小ささ | 「クシュン」「シュン」といった比較的小さな音 | 意識的・無意識的に抑えている場合もある |
通常のくしゃみとの違い
通常のくしゃみは、比較的大きな音とともに単発、あるいは数回程度で終わることが多いです。一方、「しょんしょん」くしゃみは、音は小さいものの、連続性が高い点が特徴です。
この連続性は、鼻粘膜が持続的に刺激を受けている状態や、過敏になっている状態を示唆している可能性があります。原因によっては、鼻水や鼻づまり、目のかゆみといった他の症状を伴うこともあります。
しょんしょんくしゃみの主な原因
小さなくしゃみが連続して出る背景には、様々な原因が考えられます。ここでは、代表的な原因をいくつか紹介します。ご自身の症状がどの原因に近いか、考えてみるヒントになるかもしれません。
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎は、しょんしょんくしゃみの最も一般的な原因の一つです。
特定のアレルゲン(アレルギーの原因物質)が鼻の粘膜に付着することで、免疫系が過剰に反応し、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状を引き起こします。
アレルゲンには、季節性のもの(スギ、ヒノキなどの花粉)と、通年性のもの(ハウスダスト、ダニ、ペットの毛など)があります。
主なアレルゲンの種類
種類 | 代表例 | 特徴 |
---|---|---|
季節性アレルゲン | スギ、ヒノキ、ブタクサ、イネ科植物の花粉 | 特定の季節に症状が現れる・悪化する |
通年性アレルゲン | ハウスダスト、ダニの死骸や糞、カビ、ペットの毛やフケ | 一年を通して症状が見られる |
非アレルギー性鼻炎(血管運動性鼻炎など)
アレルギー検査をしても原因となるアレルゲンが見つからないのに、くしゃみや鼻水などの症状が出る場合、非アレルギー性鼻炎の可能性があります。その代表例が血管運動性鼻炎です。
これは、寒暖差(暖かい場所から寒い場所への移動など)、タバコの煙、香水、精神的なストレスなどが引き金となり、鼻の粘膜の血管が拡張したり、自律神経のバランスが乱れたりすることで症状が現れます。
風邪や感染症の初期症状
風邪(普通感冒)やインフルエンザなどのウイルス感染症の初期症状として、くしゃみが出ることがあります。ウイルスが鼻や喉の粘膜に感染し、炎症を起こすことで刺激となり、くしゃみを誘発します。
この場合、くしゃみに加えて、喉の痛み、発熱、倦怠感などの全身症状を伴うことが一般的です。
環境的な刺激物
病気とは関係なく、日常生活の中にある様々な刺激物が、一時的にしょんしょんくしゃみを引き起こすこともあります。
- ホコリやハウスダスト
- タバコの煙
- 香辛料(コショウなど)
- 強い香水や芳香剤
- 排気ガス
これらの刺激物が鼻の粘膜に触れることで、反射的にくしゃみが出ます。刺激がなくなれば、くしゃみも治まることが多いです。
刺激となりうる化学物質の例
物質の種類 | 具体例 | 含まれる製品例 |
---|---|---|
揮発性有機化合物(VOC) | ホルムアルデヒド、トルエン | 建材、家具、接着剤、塗料 |
香料成分 | リモネン、リナロール | 化粧品、洗剤、芳香剤 |
その他 | 塩素系漂白剤の成分 | 家庭用洗剤 |
考えられる病気や状態
しょんしょんくしゃみが続く場合、単なる一時的な反応ではなく、何らかの病気や鼻の状態が背景にある可能性も考慮する必要があります。ここでは、関連する可能性のある代表的な病気について説明します。
アレルギー性鼻炎の詳細
前述の通り、アレルギー性鼻炎は主要な原因です。
花粉症のように特定の季節に限定される場合(季節性アレルギー性鼻炎)と、ハウスダストやダニなどが原因で一年中症状が見られる場合(通年性アレルギー性鼻炎)があります。
くしゃみの他に、水のようにサラサラした鼻水(水様性鼻漏)、鼻づまり(鼻閉)が3大症状です。目のかゆみや充血、皮膚のかゆみなどを伴うこともあります。
慢性副鼻腔炎(蓄膿症)
副鼻腔(鼻の周囲にある骨の空洞)に炎症が長く続く状態です。
主な症状は、粘り気のある色のついた鼻水(膿性鼻漏)、鼻づまり、後鼻漏(鼻水が喉に流れる感覚)、頭痛、顔面痛、嗅覚障害などですが、鼻の粘膜が刺激されることで、くしゃみを伴うこともあります。
風邪などがきっかけで急性副鼻腔炎を発症し、それが治りきらずに慢性化するケースが多いです。
副鼻腔炎の主な症状
症状 | 特徴 |
---|---|
膿性鼻漏 | 黄色や緑色の粘り気のある鼻水 |
鼻閉(鼻づまり) | 鼻での呼吸がしにくい状態 |
後鼻漏 | 鼻水が喉に落ちる感覚、痰が絡む |
顔面痛・頭痛 | 目の周り、頬、額などに痛みや重さを感じる |
嗅覚障害 | においを感じにくくなる |
鼻ポリープ(鼻茸)
鼻ポリープは、鼻の中や副鼻腔の粘膜が炎症などによって腫れて、きのこ状に垂れ下がったものです。
「鼻茸(はなたけ)」とも呼ばれます。ポリープができると、鼻づまりや嗅覚障害の主な原因となりますが、鼻腔内の空気の流れを変えたり、粘膜を刺激したりすることで、くしゃみを引き起こすこともあります。
慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎に伴って発生することが多いです。
その他の鼻の病気
頻度は低いですが、鼻中隔弯曲症(鼻の中を左右に仕切る壁が曲がっている状態)が空気の流れを乱して粘膜を刺激したり、まれに鼻腔内の腫瘍などが原因でくしゃみが続くこともあります。
気になる症状が続く場合は、自己判断せず医療機関に相談することが重要です。
家庭でできる対処法とセルフケア
しょんしょんくしゃみの症状を和らげるために、ご自身でできることもあります。原因に応じた対策を行うことで、症状の軽減が期待できます。
ただし、これらは根本的な治療ではなく、症状緩和のための一時的な対策である点を理解しておきましょう。
原因物質の回避と環境整備
アレルギーが原因の場合、原因となるアレルゲンをできるだけ避けることが最も重要です。
- 花粉症の場合:外出時のマスクや眼鏡の着用、帰宅時の衣服の着替えや洗顔、うがい、花粉飛散の多い日の外出を控える、窓を開ける時間を短くするなど。
- ハウスダスト・ダニの場合:こまめな掃除(特に寝具周り)、空気清浄機の使用、布製のソファやカーペットを避ける、防ダニ効果のある寝具カバーの使用など。
- ペットアレルギーの場合:ペットを飼育する場所を限定する、こまめな掃除、ペットとの接触後の手洗いなど。
血管運動性鼻炎の場合は、温度差を避ける(急に寒い場所へ行かない)、刺激の強い香りを避ける、ストレス管理なども有効です。
室内環境整備のポイント
対策項目 | 具体的な方法 | 期待される効果 |
---|---|---|
掃除 | 床、家具の上、エアコンフィルターなどをこまめに掃除機がけ、拭き掃除 | ハウスダスト、ダニ、カビの除去 |
換気 | 1日数回、窓を開けて空気を入れ替える(花粉飛散時期は工夫が必要) | 汚れた空気や湿気を排出 |
湿度管理 | 加湿器や除湿器を使い、湿度を40~60%程度に保つ | 鼻粘膜の乾燥防止、カビ・ダニの繁殖抑制 |
鼻うがいや加湿
鼻うがい(生理食塩水などを使用)は、鼻腔内を洗浄し、付着したアレルゲンやウイルス、ホコリなどを洗い流す効果が期待できます。また、鼻の粘膜の腫れを和らげる助けにもなります。
ただし、正しい方法で行わないと中耳炎などを引き起こす可能性もあるため、説明書をよく読んだり、医療機関で指導を受けたりするとよいでしょう。
部屋の空気が乾燥していると、鼻の粘膜も乾燥し、刺激に対して過敏になりやすいです。
加湿器を使用したり、濡れタオルを干したりして、適切な湿度(一般的に40~60%程度)を保つことも、症状緩和につながります。
生活習慣の見直し
不規則な生活や睡眠不足、ストレス、疲労などは、自律神経のバランスを乱し、アレルギー症状や鼻炎症状を悪化させることがあります。
十分な睡眠時間を確保し、バランスの取れた食事を心がけ、適度な運動を取り入れ、ストレスを上手に解消するなど、規則正しい生活を送ることが、体全体の免疫機能や自律神経の働きを整え、症状の改善につながる可能性があります。
市販薬を使用する際の注意点
くしゃみや鼻水に対して、市販の抗ヒスタミン薬や点鼻薬を使用することも選択肢の一つです。しかし、市販薬は種類が多く、含まれる成分や副作用も様々です。
特に、血管収縮剤を含む点鼻薬は、一時的に鼻づまりを劇的に改善させますが、長期間連用すると、かえって鼻づまりが悪化する「薬剤性鼻炎」を引き起こすことがあります。
使用する場合は、薬剤師に相談し、用法・用量を守り、漫然と長期間使用しないように注意が必要です。症状が改善しない場合や、どの薬を使えばよいか分からない場合は、医療機関を受診しましょう。
市販の点鼻薬使用上の注意
血管収縮剤を含む点鼻薬は、一時的な効果は高いものの、連用により薬剤性鼻炎のリスクがあります。使用は短期間にとどめ、症状が続く場合は必ず医療機関に相談してください。
医療機関を受診する目安
しょんしょんくしゃみが続く場合、どのタイミングで医療機関を受診すればよいか迷うこともあるでしょう。
以下のような場合は、耳鼻咽喉科やアレルギー科、あるいは内科など、お近くの医療機関への相談を検討してください。
症状が長引く場合
一時的な刺激や軽い風邪によるくしゃみであれば、数日で治まることがほとんどです。
しかし、1週間以上くしゃみが続く、あるいは特定の季節になると毎年繰り返すような場合は、アレルギー性鼻炎や他の鼻の病気が隠れている可能性があります。
日常生活に支障が出ている場合
くしゃみが頻繁に出ることで、仕事や勉強に集中できない、夜眠れない、人前でくしゃみが止まらず困るなど、日常生活に影響が出ている場合は、我慢せずに受診をおすすめします。
適切な治療により、生活の質(QOL)の改善が期待できます。
他の症状を伴う場合(発熱、顔面痛など)
しょんしょんくしゃみに加えて、以下のような症状がある場合は、単なるアレルギーや軽い鼻炎ではない可能性も考えられます。
- 発熱
- 黄色や緑色の粘り気のある鼻水
- 鼻血
- 顔面(頬、目の周り、額)の痛みや圧迫感
- においが分かりにくい(嗅覚障害)
- 息苦しさや咳
これらの症状は、副鼻腔炎や他の感染症、まれに他の病気のサインである可能性もあるため、早めに医師の診察を受けることが重要です。
受診を検討すべき症状の組み合わせ例
しょんしょんくしゃみ + | 考えられる可能性(一例) | 推奨される行動 |
---|---|---|
水様性鼻漏、鼻閉、目のかゆみ | アレルギー性鼻炎 | 原因特定と治療のため受診 |
膿性鼻漏、顔面痛、後鼻漏 | 副鼻腔炎 | 早めの受診 |
発熱、倦怠感、喉の痛み | 風邪、感染症 | 安静、症状が強ければ受診 |
市販薬で改善しない場合
市販薬を数日間試しても症状が全く改善しない、あるいは一時的に良くなってもすぐに元に戻ってしまうような場合も、受診のタイミングです。症状の原因や程度に合った治療が必要な可能性があります。
迷ったら相談を
上記以外でも、ご自身の症状について不安がある場合は、遠慮なく医療機関に相談しましょう。医師に相談することで、安心につながることもあります。
医療機関での検査と診断
医療機関を受診すると、症状の原因を特定するために、いくつかの検査が行われます。ここでは、一般的に行われる検査と診断の流れについて説明します。
問診と鼻鏡検査
まず、医師が症状について詳しく尋ねます(問診)。いつから症状があるか、どんな時にひどくなるか、くしゃみ以外の症状はあるか、アレルギーの既往歴や家族歴などを伝えます。
その後、鼻鏡(びきょう)という器具を使って、鼻の中の状態を直接観察します。鼻の粘膜の色や腫れ具合、鼻水の性状、鼻ポリープや鼻中隔の曲がりの有無などを確認します。
アレルギー検査
アレルギー性鼻炎が疑われる場合、原因となるアレルゲンを特定するためにアレルギー検査を行います。代表的なものに、血液検査(特異的IgE抗体検査)と皮膚テスト(プリックテストなど)があります。
血液検査では、特定のアレルゲンに対する抗体の量を測定します。皮膚テストでは、アレルゲンエキスを皮膚に少量滴下し、反応を見ることでアレルゲンを特定します。
画像検査(レントゲン、CTなど)
副鼻腔炎や鼻ポリープ、その他の鼻の構造的な異常が疑われる場合には、画像検査を行うことがあります。
レントゲン(X線)検査やCT(コンピュータ断層撮影)検査により、副鼻腔の状態や鼻腔内の詳細な構造を確認することができます。
主な検査とその目的
検査名 | 主な目的 | 検査で分かること(例) |
---|---|---|
問診 | 症状の詳細、経過、背景情報の把握 | 症状のパターン、考えられる原因の推定 |
鼻鏡検査 | 鼻腔内の直接観察 | 粘膜の腫れ、鼻水の性状、ポリープの有無 |
アレルギー検査 | アレルゲンの特定 | 何に対するアレルギーがあるか |
画像検査(CT等) | 鼻・副鼻腔の構造確認 | 副鼻腔炎の程度、鼻ポリープ、鼻中隔弯曲 |
診断の流れ
医師は、問診、鼻鏡検査、そして必要に応じて行われたアレルギー検査や画像検査の結果を総合的に評価し、しょんしょんくしゃみの原因を診断します。
アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎、副鼻腔炎など、原因に応じた診断名が告げられます。
医療機関での治療法
診断に基づいて、原因と症状の程度に応じた治療が行われます。治療の目標は、症状をコントロールし、日常生活への影響を最小限に抑えることです。
薬物療法(抗ヒスタミン薬、点鼻ステロイド薬など)
アレルギー性鼻炎や血管運動性鼻炎に対しては、薬物療法が中心となります。
- 第2世代抗ヒスタミン薬(内服薬):くしゃみ、鼻水に効果があります。眠気の副作用が少ないタイプが主流です。
- 鼻噴霧用ステロイド薬(点鼻薬):鼻の炎症を抑える効果が高く、くしゃみ、鼻水、鼻づまりの3症状すべてに有効です。効果が現れるまでに数日かかることがありますが、全身への影響は少ないとされています。
- ロイコトリエン受容体拮抗薬(内服薬):鼻づまりに特に効果が期待できます。
- 血管収縮性点鼻薬:鼻づまりを即効的に改善しますが、連用は避けるべきです(前述の通り)。頓用(症状がひどい時だけ使う)が原則です。
副鼻腔炎の場合は、抗菌薬(細菌感染が疑われる場合)や、去痰薬(粘り気のある鼻水を出しやすくする薬)などが用いられることもあります。
アレルギー性鼻炎治療薬の比較(主なもの)
薬剤の種類 | 主な効果 | 特徴 |
---|---|---|
第2世代抗ヒスタミン薬 | くしゃみ、鼻水 | 眠気が少ない、効果発現が比較的早い |
鼻噴霧用ステロイド薬 | くしゃみ、鼻水、鼻づまり | 炎症抑制効果が高い、継続使用が重要 |
ロイコトリエン受容体拮抗薬 | 鼻づまり | 気管支喘息合併例にも用いられる |
アレルゲン免疫療法
アレルギー性鼻炎の根本的な体質改善を目指す治療法です。原因となるアレルゲンを少量から投与し、徐々に増やしていくことで、体をアレルゲンに慣れさせ、アレルギー反応を起こしにくくします。
治療期間は数年にわたりますが、長期的な症状改善や、将来的なアレルギー疾患の発症予防効果も期待されています。主にスギ花粉症とダニアレルギー性鼻炎に対して行われ、皮下注射法と舌下投与法があります。
生活指導
薬物療法と並行して、原因に応じたセルフケア(アレルゲン回避、環境整備など)の指導が行われます。治療効果を高め、症状の再発を防ぐためには、日常生活での工夫も重要です。
手術が必要な場合
薬物療法で十分な効果が得られない重症の鼻づまり、慢性副鼻腔炎、鼻ポリープなどがある場合には、手術が検討されることもあります。
例えば、鼻中隔弯曲症を矯正する手術、副鼻腔の通りを良くする手術(内視鏡下副鼻腔手術)、鼻粘膜をレーザーで焼灼してアレルギー反応を鈍くする手術などがあります。
手術の適応については、医師とよく相談することが必要です。
よくある質問
最後に、しょんしょんくしゃみに関して、患者さんからよく寄せられる質問とその回答をいくつか紹介します。
子供のしょんしょんくしゃみで気をつけることは?
子供の場合も、アレルギー性鼻炎が原因であることが多いです。特に、くしゃみ以外に鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、鼻をこする、口呼吸などの様子が見られる場合は、アレルギーを疑います。
症状が続く場合は、小児科や耳鼻咽喉科に相談しましょう。子供は自分の症状をうまく伝えられないこともあるため、保護者が注意深く観察することが大切です。
また、鼻炎症状が長引くと、集中力の低下や睡眠障害、中耳炎などを引き起こす可能性もあります。
くしゃみを我慢するのは良くない?
くしゃみは生理的な反射なので、無理に我慢するのは推奨されません。強く我慢しようとすると、鼻や耳、喉に圧力がかかり、まれに鼓膜を傷めたり、他の問題を引き起こしたりする可能性も指摘されています。
ただし、公共の場などでは、手やハンカチ、ティッシュ、あるいは肘の内側などで口と鼻を覆い、飛沫が飛ばないように配慮するエチケットは重要です。
特定の季節だけ症状が出ます。
春先のスギ・ヒノキ、秋のブタクサなど、特定の季節に限定してしょんしょんくしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症状が出る場合は、季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)の可能性が高いです。
原因となる花粉の種類を特定し、その花粉が多く飛散する時期の前から対策(初期療法)を始めることで、シーズン中の症状を軽く抑えることが期待できます。医療機関で相談し、適切な対策を立てましょう。
放置するとどうなりますか?
原因にもよりますが、アレルギー性鼻炎などを放置すると、症状が慢性化し、生活の質の低下につながります。鼻づまりによる口呼吸が続くと、睡眠の質の低下、集中力低下、口内の乾燥、虫歯や歯周病のリスク増加などが考えられます。
また、慢性的な鼻の炎症が、副鼻腔炎や中耳炎、気管支喘息などの他の病気を引き起こしたり、悪化させたりする可能性もあります。症状が続く場合は、放置せずに医療機関で適切な診断と治療を受けることが重要です。
早めの相談が大切
しょんしょん続く小さなくしゃみは、様々な原因によって起こります。気になる症状があれば、自己判断せずに、まずはお近くの医療機関にご相談ください。
原因を特定し、ご自身に合った対処法や治療法を見つけることが、快適な日常生活を取り戻すための第一歩です。
以上