声がかすれて話しにくい、特定の音域が出にくいなど、のどのかすれでお悩みではありませんか。

この記事では、声がかすれる状態やその原因、考えられる病気、ご自身でできる対処法、医療機関を受診する目安について、分かりやすく解説します。

声のかすれに関する正しい知識を得て、不安の解消にお役立てください。

声がかすれるとはどのような状態?

声がかすれるという状態は、医学的には「嗄声(させい)」と呼ばれます。普段とは違う声質になり、コミュニケーションに支障をきたすこともあります。

声のかすれは、のどの違和感だけでなく、声が出しにくい、途切れがちになるなど、様々な形で現れます。

声のかすれ(嗄声)の主な特徴

声のかすれには、いくつかの特徴的な現れ方があります。例えば、がらがらした声(粗糙性嗄声)、弱々しく息が漏れるような声(気息性嗄声)、力が入らないような声(無力性嗄声)などです。

これらの声の変化は、声帯の振動が正常に行われていないことを示唆します。声の高さや強さの調節が難しくなることもあります。

声の変化の主な種類

声の変化特徴考えられる要因
がらがら声雑音が混じったような、濁った声声帯の不規則な振動
息漏れ声声に息が混じり、弱々しい印象の声声帯の閉鎖不全
力のない声声量が小さく、張りのない声声帯の振動不良、筋力低下

声が作られる仕組み

私たちの声は、肺から送られた呼気が、のど仏の内部にある「声帯」という左右一対のひだを振動させることで生まれます。

この声帯の振動によって作られた音が、咽頭、口腔、鼻腔といった声道で共鳴し、言葉として発せられます。声帯の長さや厚さ、緊張度合いによって声の高さが変わり、呼気の強さによって声の大きさが調節されます。

この複雑な働きがスムーズに行われることで、私たちは様々な声を出すことができます。

一時的なかすれと続くかすれの違い

声のかすれは、一時的なものと、長期間続くものがあります。例えば、カラオケで歌いすぎたり、風邪をひいたりした後に一時的に声がかすれることは誰にでも経験があるでしょう。

このような場合は、声帯の安静を保つことで数日中に改善することがほとんどです。

しかし、声のかすれが2週間以上続く場合や、徐々に悪化する場合、他の症状(飲み込みにくさ、呼吸困難、首のしこりなど)を伴う場合は、何らかの病気が隠れている可能性も考えられるため、注意が必要です。

声がかすれる主な原因

声がかすれる原因は多岐にわたります。日常生活における些細な習慣が影響していることもあれば、特定の病気が原因となっていることもあります。

原因を正しく理解することが、適切な対処への第一歩となります。

声の使いすぎや負担

最も一般的な原因の一つが、声の使いすぎや声帯への過度な負担です。長時間話し続けたり、大声を出したり、無理な発声を繰り返したりすると、声帯が炎症を起こしたり、傷ついたりして声がかすれます。

教師、歌手、保育士など、日常的に声を多く使う職業の方によく見られます。

声を使いすぎる状況の例

  • 会議やプレゼンテーションでの長時間の発言
  • スポーツ観戦などでの大きな声援
  • カラオケでの長時間の歌唱
  • 騒がしい環境での会話

これらの状況が続くと、声帯に負担がかかり、かすれ声の原因となります。意識して声の休息を取ることが大切です。

風邪や感染症による炎症

風邪やインフルエンザなどの呼吸器感染症は、喉頭(こうとう)や声帯に炎症を引き起こし、声のかすれ(急性声帯炎)の原因となります。

ウイルスや細菌の感染により声帯が腫れたり、充血したりすることで、正常な振動ができなくなるためです。通常、感染症が治癒するとともに声のかすれも改善しますが、炎症が長引くと慢性化することもあります。

声帯に負担をかける主な要因

要因具体例声への影響
大声を出す怒鳴る、叫ぶ声帯の急激な摩擦、損傷リスク
長時間の会話接客業、電話応対声帯の疲労、乾燥
不適切な発声無理な高音、低音声帯への不自然な負荷

喫煙や飲酒の影響

喫煙は、声帯にとって非常に有害です。タバコの煙に含まれる有害物質が声帯の粘膜を刺激し、慢性的な炎症や乾燥を引き起こします。これにより、声がかすれたり、低くなったりする「喫煙者声(スモーカーズボイス)」と呼ばれる特徴的な声質になることがあります。

また、喫煙は喉頭がんのリスクを高めることも知られています。アルコールの過度な摂取も、脱水作用により声帯を乾燥させたり、胃酸の逆流を促したりして、声のかすれの原因となることがあります。

加齢による変化

年齢を重ねるとともに、身体の他の部分と同様に、声帯も変化します。声帯の筋肉が萎縮したり、粘膜の潤いが減少したりすることで、声帯の振動が悪くなり、声がかすれたり、弱々しくなったり、高い声が出しにくくなったりすることがあります。

これは「加齢性嗄声」または「声帯萎縮」と呼ばれ、自然な老化現象の一つですが、適切なケアやトレーニングによって改善が見込める場合もあります。

声のかすれを引き起こす可能性のある病気

声のかすれが長引く場合や、他の症状を伴う場合は、単なる声の使いすぎや一時的な炎症ではなく、何らかの病気が背景にある可能性を考える必要があります。

早期発見・早期治療が重要な病気もあるため、注意が必要です。

急性声帯炎・慢性声帯炎

急性声帯炎は、主に風邪などのウイルス感染や声の使いすぎによって声帯が急に炎症を起こす病気です。声のかすれ、のどの痛み、咳などの症状が現れます。

通常は数日から数週間で改善しますが、無理に声を出し続けると治癒が遅れたり、慢性声帯炎に移行したりすることがあります。

慢性声帯炎は、急性声帯炎が長引いたり、喫煙や刺激物の慢性的な摂取、汚れた空気の吸入などが原因で、声帯の炎症が持続する状態です。声のかすれが続き、時にのどの不快感を伴います。

声帯ポリープ・声帯結節

声帯ポリープは、声帯の片側にできる、通常は柔らかい隆起物です。声の使いすぎや急激な発声(咳払い、叫び声など)が原因で声帯粘膜の血管が破れ、内出血が吸収されずにポリープ状になることが多いです。

声帯結節は、声帯の両側にできる硬い隆起物で、ペンダコのようなものです。長期間にわたる声の酷使が主な原因で、特に教師や歌手など声を職業とする人に見られます。

どちらも声のかすれが主な症状ですが、声帯ポリープは急に、声帯結節は徐々に症状が現れる傾向があります。

声帯ポリープと声帯結節の違い

項目声帯ポリープ声帯結節
発生部位主に片側両側対称性
形状柔らかい、球状や水疱状硬い、ペンだこ様
主な原因急な発声、声の乱用慢性的な声の酷使

逆流性食道炎

逆流性食道炎は、胃酸や胃の内容物が食道に逆流することで、食道の粘膜に炎症が起こる病気です。

胸やけや呑酸(どんさん:酸っぱいものが上がってくる感じ)が主な症状ですが、逆流した胃酸がのど(喉頭)まで達すると、声帯に炎症を引き起こし、声のかすれ、咳、のどの違和感などの症状が現れることがあります。

これを喉頭アレルギーや咽喉頭酸逆流症と呼ぶこともあります。特に、朝起きた時に声がかすれていることが多い場合は、就寝中の胃酸逆流が影響している可能性があります。

甲状腺の病気

甲状腺は、のど仏の下あたりにある蝶形の臓器で、体の代謝を調節するホルモンを分泌しています。

甲状腺の機能亢進症(バセドウ病など)や機能低下症(橋本病など)、甲状腺腫瘍などが原因で、声帯を動かす神経(反回神経)が圧迫されたり、麻痺したりすると、声がかすれることがあります。

また、甲状腺の手術後に反回神経麻痺が起こり、声のかすれが生じることもあります。声のかすれ以外に、首の腫れや飲み込みにくさ、体重の変化などの症状がある場合は、甲状腺の病気を疑うこともあります。

声のかすれを伴う主な喉の病気

病名主な症状特徴
急性声帯炎声のかすれ、のどの痛み、咳風邪や声の使いすぎで急に発症
声帯ポリープ声のかすれ(急に悪化することも)声帯片側にできる隆起物
反回神経麻痺声のかすれ(息漏れ声)、誤嚥声帯を動かす神経の麻痺

まれなケースとして喉頭がんなど

声のかすれが長期間続く場合、特に喫煙者や高齢者の場合は、喉頭がんの可能性も考慮に入れる必要があります。喉頭がんは、声帯やその周辺に発生する悪性腫瘍で、初期症状として声のかすれが現れることが多いです。

進行すると、のどの痛み、血痰、呼吸困難、飲み込みにくさなどの症状が出てきます。喉頭がんは早期発見が非常に重要であり、治療成績にも大きく影響します。

2週間以上続く原因不明の声のかすれは、専門医の診察を受けることを強く推奨します。

声がかすれる症状が現れたときのセルフケア

声のかすれに気づいたら、まずは声帯を休ませ、のどをいたわるセルフケアを試みることが大切です。症状の悪化を防ぎ、早期の回復を促すために、日常生活でできることを紹介します。

声の安静を保つ

声のかすれがあるときは、できるだけ声を出さないようにすることが最も重要です。これを「沈黙療法」と呼ぶこともあります。

仕事などでどうしても話す必要がある場合でも、大きな声や長時間の会話は避け、筆談やジェスチャーを利用するなど工夫しましょう。

また、ひそひそ話も声帯に負担をかけることがあるため、避けた方が良いでしょう。咳払いや無理な発声も声帯を傷つける原因になるので控えます。

のどの保湿と加湿

のどの乾燥は声帯にとって大敵です。声帯の粘膜が乾燥すると、振動が悪くなり、かすれ声が悪化しやすくなります。こまめに水分を摂取し、のどを潤しましょう。特に、白湯や常温の水がおすすめです。

カフェインやアルコールを含む飲料は利尿作用があり、かえって脱水を招くことがあるため、摂取量に注意します。また、室内の湿度を適切に保つことも重要です。

加湿器を使用したり、濡れタオルを干したりして、部屋の湿度が40~60%程度になるように調整しましょう。マスクの着用も、のどの保湿に役立ちます。

のどの保湿に役立つ方法

方法具体的なやり方期待できること
こまめな水分補給水、白湯などを少量ずつ頻繁に飲むのどの粘膜の潤いを保つ
室内加湿加湿器の使用、濡れタオルを干す空気の乾燥を防ぎ、のどへの刺激を軽減
マスク着用外出時や乾燥した場所で着用呼気に含まれる水分でのどを保湿

生活習慣の見直し

全身の健康状態は、のどの状態にも影響します。十分な睡眠と休息を取り、バランスの取れた食事を心がけることが、声帯の回復力を高めます。

喫煙は声帯に直接的なダメージを与えるため、禁煙することが強く推奨されます。受動喫煙も避けるようにしましょう。また、辛い食べ物や熱すぎる飲み物、炭酸飲料などは、のどを刺激することがあるため、声のかすれがあるときは控えた方が無難です。

見直したい生活習慣のポイント

  • 十分な睡眠時間の確保
  • 栄養バランスの取れた食事
  • 禁煙または節煙
  • 刺激物の摂取を控える

これらの生活習慣を見直すことで、のどの健康状態の改善が期待できます。

市販薬を使用する際の注意点

声のかすれに対して、のどの炎症を抑えるトローチやうがい薬などの市販薬を使用することも一つの方法です。ただし、これらの薬は一時的な症状緩和が目的であり、根本的な原因を治療するものではありません。

市販薬を数日間使用しても症状が改善しない場合や、悪化する場合は、自己判断を続けずに医療機関を受診しましょう。また、薬の成分によってはアレルギー反応を起こす可能性もあるため、使用上の注意をよく読み、薬剤師に相談することも大切です。

特に、声のかすれの原因がはっきりしない場合は、安易な市販薬の使用は診断を遅らせる可能性もあるため注意が必要です。

医療機関を受診する目安

声のかすれは多くの場合、一時的なものですが、中には注意が必要なケースもあります。どのような場合に医療機関を受診すべきか、その目安を知っておくことが大切です。

かすれが長期間続く場合

声のかすれが2週間以上続く場合は、耳鼻咽喉科などの専門医の診察を受けることを検討しましょう。一時的な炎症であれば、通常は数日から1週間程度で改善傾向が見られます。

長引く場合は、慢性声帯炎、声帯ポリープ、声帯結節、あるいは他の病気が隠れている可能性があります。

伴う症状がある場合(痛み、息苦しさなど)

声のかすれに加えて、以下のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。

  • のどの強い痛み
  • 飲み込みにくさ、飲み込むときの痛み
  • 呼吸困難感、息切れ
  • 血痰(痰に血が混じる)
  • 首のしこりや腫れ
  • 原因不明の体重減少

これらの症状は、より深刻な病気のサインである可能性があります。

受診を検討すべき症状の例

症状詳細受診の推奨度
2週間以上続く声のかすれ改善が見られない、または悪化する高い
呼吸困難感安静時でも息苦しい、ゼーゼーする非常に高い(緊急性も)
血痰咳とともに血の混じった痰が出る非常に高い
嚥下障害食べ物や飲み物が飲み込みにくい高い

声の変化が急激な場合

特に誘因がないにもかかわらず、急に声が出なくなったり、著しく声質が変わったりした場合も、医療機関の受診を考えましょう。

声帯の急な変化は、声帯出血や反回神経麻痺など、速やかな対応を要する状態の可能性があります。

不安が大きい場合

症状の程度にかかわらず、声のかすれが気になって日常生活に支障が出ている、あるいは何か悪い病気ではないかと強い不安を感じる場合は、一度専門医に相談することをおすすめします。

医師の診察を受けることで、原因が明らかになり、不安が解消されることもあります。

医療機関で行われる検査と診断

声のかすれで医療機関を受診すると、原因を特定するためにいくつかの検査が行われます。ここでは、代表的な検査と診断までの流れについて説明します。

問診と視診

まず、医師が症状について詳しく尋ねます(問診)。いつから声がかすれているか、どのような声の変化か、他に症状はないか、喫煙歴や職業、普段の生活習慣などについて確認します。

その後、口を開けてのどを観察したり、首のリンパ節などを触診したりする視診・触診を行います。これらの情報から、おおよその原因に見当をつけます。

喉頭内視鏡検査(ファイバースコープ)

声帯の状態を直接観察するために、喉頭内視鏡検査(ファイバースコープ検査)が行われることが一般的です。これは、細い管状のカメラ(ファイバースコープ)を鼻または口から挿入し、喉頭や声帯をモニターで観察する検査です。

声帯の形、色、動き、炎症やポリープ、腫瘍の有無などを詳細に確認できます。検査は数分程度で終わり、局所麻酔を使用することもありますが、通常大きな苦痛はありません。

この検査により、声のかすれの直接的な原因の多くを特定することができます。

声のかすれで用いられる主な検査

検査名目的簡単な説明
問診症状や生活習慣の把握医師が患者から話を聞く
視診・触診のどや首の状態の確認医師が直接見て触って確認する
喉頭内視鏡検査声帯の直接観察細いカメラでのどの奥を観察する

画像検査やその他の検査

喉頭内視鏡検査で原因が特定できない場合や、より詳しい情報が必要な場合には、追加の検査が行われることがあります。例えば、頸部CT検査やMRI検査などの画像検査は、喉頭やその周辺の構造を詳細に評価し、腫瘍の広がりなどを確認するのに役立ちます。

また、声の音響分析や発声機能検査なども、声の状態を客観的に評価するために行われることがあります。

アレルギーが疑われる場合はアレルギー検査、逆流性食道炎が疑われる場合は胃カメラ検査、甲状腺疾患が疑われる場合は血液検査や超音波検査などが検討されます。

診断後の一般的な対応

各種検査の結果を総合的に判断し、医師が診断を下します。診断に基づいて、適切な治療方針や生活指導が行われます。原因が声の使いすぎや急性炎症であれば、声の安静や薬物療法(消炎鎮痛剤、去痰剤など)が中心となります。

声帯ポリープや声帯結節の場合は、保存的治療(声の衛生指導、音声治療)で改善しない場合に手術が検討されることもあります。逆流性食道炎が原因であれば、胃酸を抑える薬の処方や生活習慣の改善指導が行われます。

悪性腫瘍が発見された場合は、専門の医療機関で放射線治療、化学療法、手術などの集学的治療が行われます。

声のかすれを予防するためにできること

声のかすれは、日常生活のちょっとした心がけで予防できる場合があります。大切な声を健やかに保つために、普段からできることを意識してみましょう。

正しい発声方法を意識する

無理な発声は声帯に負担をかけます。腹式呼吸を意識し、のどに力を入れすぎず、リラックスして話すことが大切です。早口で話したり、長時間話し続けたりするのを避け、適度に間を取るようにしましょう。

また、騒がしい場所では、無理に大きな声を出そうとせず、相手に近づいて話すなどの工夫も有効です。

日常的に声を多く使う方は、専門家による発声指導(ボイストレーニング)を受けることも、声帯への負担を軽減し、声のトラブルを予防するのに役立ちます。

のどに負担をかけない生活

のどを健康に保つためには、生活習慣全般に気を配ることが重要です。まず、十分な睡眠を取り、体調を整えることが基本です。

バランスの取れた食事を心がけ、特にビタミンA、C、Eなどは粘膜の健康維持に役立つと言われています。喫煙は声帯にとって最大の敵の一つですので、禁煙することが最も効果的な予防策です。

アルコールの飲みすぎも控えましょう。

のどに優しい生活習慣

習慣具体的な行動期待される効果
禁煙タバコを吸わない、受動喫煙を避ける声帯への刺激・炎症リスクの低減
節酒アルコールの摂取量を控える脱水や胃酸逆流リスクの低減
十分な睡眠質の良い睡眠を7-8時間程度とる免疫力の維持、疲労回復

のどの乾燥を防ぐ工夫

  • こまめな水分補給(水、白湯など)
  • 部屋の加湿(湿度50-60%目安)
  • 乾燥する季節や場所でのマスク着用

これらの工夫は、のどの粘膜を保護し、声のかすれを予防するのに役立ちます。

定期的な健康管理

全身の健康状態は、声の健康にも密接に関連しています。風邪やインフルエンザなどの感染症は声のかすれを引き起こすため、手洗いやうがいを励行し、人混みを避けるなど、感染予防に努めましょう。

また、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、逆流性食道炎などの持病がある場合は、それらの病気を適切にコントロールすることも、声のかすれの予防につながります。

定期的な健康診断を受け、自身の健康状態を把握しておくことも大切です。

声のかすれに関するよくある質問

ここでは、声のかすれに関して患者さんからよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q
声がかすれているとき、話さない方が良いですか?
A

はい、声がかすれているときは、できるだけ声を使わない「声の安静」が最も重要です。話す必要がある場合でも、小さな声で、短時間にとどめるように心がけてください。

ひそひそ話はかえって声帯に負担をかけることがあるため、避けた方が良いでしょう。無理に声を出すと、症状が悪化したり、治癒が遅れたりする可能性があります。

Q
加湿器はどの程度の湿度に設定すれば良いですか?
A

一般的に、のどにとって快適な湿度は50~60%程度とされています。冬場など空気が乾燥しやすい季節には、加湿器を適切に使用して、この程度の湿度を保つように心がけましょう。

ただし、湿度が高すぎるとカビやダニの発生原因にもなるため、適度な範囲で調整することが大切です。湿度計を置いて、室内の湿度を確認すると良いでしょう。

Q
声のかすれは自然に治りますか?
A

声の使いすぎや軽い風邪による一時的な声のかすれであれば、声の安静を保ち、のどをケアすることで数日から1週間程度で自然に改善することが多いです。

しかし、2週間以上続く場合や、他の症状(痛み、息苦しさなど)を伴う場合、症状が悪化する場合は、何らかの病気が原因である可能性も考えられるため、自己判断せずに医療機関を受診することをおすすめします。

Q
どのような食べ物や飲み物がのどに良いですか?
A

特定の食べ物や飲み物が直接的に声のかすれを治療するわけではありませんが、のどの粘膜を潤し、刺激を避けるようなものが推奨されます。

例えば、常温の水や白湯、はちみつ入りの温かい飲み物(刺激の少ないハーブティーなど)、のど飴(糖分の少ないもの)などが挙げられます。

逆に、香辛料の多い刺激物、熱すぎるものや冷たすぎるもの、アルコール、カフェインを多く含む飲料は、のどへの刺激や乾燥を招くことがあるため、声の調子が悪いときは控えた方が良いでしょう。

バランスの取れた食事で体全体の健康を保つことが、のどの健康にもつながります。

以上

参考にした論文