免疫のはたらきに着目した血液検査は、体内で起こるさまざまな変化を知るうえで大切です。
感染症や自己免疫疾患、アレルギーなどの疑いがある場合に、原因を調べたり症状の進行度を確認したりする手段として活用できます。
免疫は複雑な仕組みをもつため、漠然とした不安を抱えつつ「どのタイミングで検査を受けるか」「何を調べられるのか」を知りたいと考える人も多いかもしれません。
この記事では、免疫血清学的検査の基本から具体的な検査の内容、受診の際に知っておきたいポイントまで詳しく解説します。
免疫血清学的検査の概要と特徴
免疫血清学的検査は、血清中の抗体や抗原を測定することで、体内の免疫機構にどのような異常や変化が生じているかを知るための検査です。
感染症や自己免疫性疾患、アレルギー症状など、多岐にわたる病態を把握するうえで重要です。まずは、免疫血清学的検査とは具体的にどんなものなのか、その特徴を整理していきましょう。
免疫血清学的検査の基本的な考え方
免疫はウイルスや細菌などの外敵を排除し、体を守るしくみです。このしくみが過剰に働いたり、逆にうまく働かなかったりすると、さまざまな不調が起こります。
血清の中に含まれる抗体や補体の状態を確認することで、免疫がどの程度活性化しているかやどのようなターゲットに対して反応しているかを知ることができます。
抗体はタンパク質で構成され、体内に侵入した異物を特異的に認識し結合します。抗原はその抗体によって認識される物質です。
免疫血清学的検査では、抗原と抗体の結合状態を測定し、感染症や自己免疫疾患などの診断や経過観察を行います。
血清と血漿の違い
血液検査で用いる「血清」と「血漿」は似たような言葉ですが、内容に違いがあります。血漿は血液から血球成分を取り除いた部分に当たり、凝固因子を含んでいます。
一方、血清は血漿から凝固因子を取り除いた液体成分に当たります。
免疫血清学的検査の多くは、血清を用いる手法が多いため「血清学的検査」と呼ばれています。抗体や補体の測定は血清に含まれる成分を解析することが多いのが特徴です。
どのような症状があるときに検討するか
免疫血清学的検査は、下記のような症状やリスクが疑われるときに検討されることが多いです。
- ウイルスや細菌の感染症が疑われる場合
- 関節リウマチや膠原病などの自己免疫疾患が疑われる場合
- 花粉症やアレルギー性鼻炎などのアレルギー症状が長引く場合
- 原因不明の発熱や疲労感などが続く場合
免疫の異常や感染症などを診断するための手がかりを得る目的で行うことが多く、早期診断や適切な治療方針の立案に役立ちます。
一般的なメリットと限界
免疫血清学的検査には多様なメリットがありますが、万能というわけではありません。
検査を行うことで、特定の抗体価が上昇していれば特定の疾患を強く示唆できます。しかし疾患によっては、抗体価の上昇に時間がかかったり、病状が進んでいるのに抗体反応があまり高まらない場合もあります。そのため、結果が陰性だからといって完全に疾患を否定できないケースがあります。
したがって、医師は症状や他の検査結果と総合的に評価して診断を下します。免疫血清学的検査は大きな判断材料となりますが、必要に応じて他の検査を組み合わせることが大切です。
次の一覧を参考に、免疫血清学的検査のメリットと限界を示します。
項目 | メリット例 | 限界・注意点 |
---|---|---|
感染症診断 | 抗体価測定により感染時期や再感染を推測しやすい | 病初期は抗体が十分に産生されず、陰性になる可能性がある |
自己免疫疾患 | 代表的な自己抗体の存在を把握しやすい | 免疫複雑性が高く、抗体陰性の自己免疫疾患も存在する |
アレルギー | アレルゲン特異IgE検査で原因物質を推定しやすい | 実際の症状と検査結果が必ずしも一致しない場合がある |
経過観察 | 治療前後の抗体価変動を確認できる | 治療の効果判定には複数の検査や臨床所見を総合的に考察 |
免疫血清学的検査の種類と目的
免疫血清学的検査にはさまざまな種類があり、目的に応じて使い分けが行われています。
感染症であれば病原体に対する抗体測定、自分の細胞や組織を攻撃してしまう自己免疫性疾患であれば自己抗体測定を主とするなど、検査手法は広範囲に及びます。
それぞれの特徴を知ると、自分の疑われる病気や症状に対してどの検査が行われるのかをイメージしやすくなります。
抗体測定による感染症の診断
ウイルスや細菌に対する特異的な抗体を測定すると、いつごろ感染したのか、再感染なのかなどをある程度推測できます。
例えば、風疹ウイルスや麻疹ウイルス、HIVなど特定の病原体に対する抗体測定が挙げられます。抗体の種類(IgMやIgGなど)によって、感染初期なのか既感染なのかを判断しやすい点が特徴です。
ただし、抗体を産生するまでには一定の期間が必要なので、感染後すぐに抗体が上昇しないケースもあります。そのため、疑いが強い場合はタイミングを少し空けて再検査を行うことがあります。
補体の活性測定と補体関連疾患
補体は免疫反応を支える重要なタンパク質群で、病原体を攻撃するしくみに関わります。
補体に異常があると、自己免疫性疾患や反復性の感染症などを引き起こす場合があります。補体価(CH50)やC3、C4などの成分を測定して、補体系の機能状態を把握します。
補体関連疾患の例として、血管性浮腫(C1インアクチベーター欠損症)などが知られています。補体価測定はこうした疾患の診断・経過観察に有用です。
自己抗体測定による自己免疫疾患の評価
自己免疫疾患では本来自己防御に使われる免疫が、自分自身の組織や細胞を誤って攻撃します。そのときに生じる自己抗体を測定するのが代表的な手段です。
関節リウマチを疑う場合はリウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体、膠原病全般では抗核抗体(ANA)などを調べます。
また全身性エリテマトーデス(SLE)では抗ds-DNA抗体や抗Sm抗体が着目され、シェーグレン症候群なら抗SS-A抗体や抗SS-B抗体を調べます。それぞれの疾患に特徴的な自己抗体パターンがあるため、結果からおおよその病型を推定しやすいのが利点です。
ただし自己抗体が陰性の病型も存在するため、自己抗体測定だけでは十分とは言えません。症状や画像検査、ほかの血液検査結果を総合的に考慮する必要があります。
アレルギー検査としての免疫学的手法
免疫血清学的検査では、アレルギーを疑う場合に特異的IgE抗体を測定する手法がよく用いられます。スギ花粉やダニ、食物アレルゲンなど、原因の可能性がある抗原に対するIgE抗体の存在やレベルを調べます。
アレルギー症状の原因特定に役立ち、回避すべきアレルゲンがわかるなどのメリットがあります。しかしIgE抗体が陽性でも、実際には症状を引き起こさないケースもあり、臨床所見と合わせた判断が重要です。
次の一覧は、主な免疫血清学的検査の種類と目的をまとめたものです。
検査種類 | 目的・特徴 | 代表的な検査例 |
---|---|---|
感染症に対する抗体 | 感染時期や再感染の推定 | 風疹IgM/IgG、麻疹IgM/IgG、HIV抗体検査など |
補体価測定 | 補体系の機能状態を確認し、補体異常による疾患を疑う | CH50、C3、C4など |
自己抗体測定 | 自己免疫疾患の評価 | 抗核抗体、抗ds-DNA抗体、リウマトイド因子、抗SS-A/SS-B抗体など |
特異的IgE検査 | アレルゲン特定、アレルギー症状の原因判定の一助 | 各種アレルゲン特異的IgEパネル(花粉、ダニ、食物、ハウスダストなど) |
免疫血清学的検査でわかる病気と疾患リスク
免疫血清学的検査によって発見される病気やリスクの幅は非常に広いです。多くの感染症から自己免疫疾患、アレルギー性疾患など、さまざまな異常を推定する手がかりになります。
ただし、検査結果がすぐに確定診断になるわけではなく、ほかの検査や医師の診断とあわせて考える必要があります。
感染症の可能性
特定の病原体に対する抗体価が高まっている場合、現在または過去にその病原体と接触した可能性が高いと考えられます。
病原体によってはIgM抗体が現在の感染、IgG抗体が過去の感染や免疫獲得の状態を示唆します。
例えば風疹の場合、IgMが陽性であれば新規感染の可能性が高まり、IgGが陽性のみでIgMが陰性であれば過去の感染か予防接種による免疫獲得を示します。
感染症によっては血液以外に唾液や咽頭ぬぐい液などを対象にした検査を行う場合もあるため、抗体検査だけでなく総合的な判断が必要です。
自己免疫疾患の可能性
関節リウマチや全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群など自己免疫疾患の多くは、特定の自己抗体を有しているケースが多いです。
例えば抗核抗体(ANA)は幅広い自己免疫疾患で陽性になる可能性があり、中でも高力価で陽性の場合は膠原病を強く疑います。しかしANAが陽性でも、症状と結びつかないケースもあります。
自己免疫疾患は症状が多彩なため、血液検査だけでは病型を決定できないことが多いです。医師は関節や皮膚、内臓などの症状を組み合わせ、診断基準に基づいて総合的に診断します。
アレルギーの可能性
アレルゲン特異的IgE抗体を調べると、花粉症や食物アレルギーなどの原因を推測できます。IgE抗体が高値であれば、そのアレルゲンに対する敏感度が高まっていると考えられます。
ただし、IgE抗体が陽性でも必ず症状が起こるわけではありません。実際に摂取や暴露があっても症状が出ない場合や、逆に特定のアレルゲンに対してIgEが陰性でも症状が発生する場合があります。
医師は検査結果と問診や診察結果を照らし合わせてアレルギー診断を行います。
潜在的リスクの評価
免疫血清学的検査でわかった感染症既感染や自己抗体の存在などは、将来的に何らかの病気を発症するリスクを示唆することもあります。
例えば自己抗体の中には、まだ症状が出ていない早期の段階から検出されるものもあるため、今後の症状出現を注意深く見守る指標になることがあります。
また、感染症抗体価が高値の場合は、慢性感染症や再活性化のリスクを考慮する必要があるかもしれません。検査結果が示すリスクを踏まえ、医師は経過観察や予防策の提案を行うことがあります。
下の一覧は、免疫血清学的検査と関連の深い主な疾患とリスク例です。
疾患・リスク | 関連する検査例 | 主な特徴 |
---|---|---|
風疹・麻疹などウイルス性疾患 | 抗ウイルスIgM、IgGなど | 公共衛生上重要な疾患が多い |
HIV感染症 | HIV抗体検査 | ウイルス感染の有無や潜伏期間の把握に重要 |
関節リウマチ | リウマトイド因子、抗CCP抗体 | 関節の腫れや痛みなどが代表症状 |
全身性エリテマトーデス(SLE) | 抗核抗体、抗ds-DNA抗体 | 皮膚症状や臓器症状の多彩さが特徴 |
シェーグレン症候群 | 抗SS-A抗体、抗SS-B抗体 | 口や目の乾燥症状、関節痛など |
アレルギー性鼻炎、花粉症、食物アレルギー | 特異的IgE抗体検査 | 原因物質を推定し、生活環境や食事指導に役立つ |
検査の流れと注意点
免疫血清学的検査の種類がわかったら、実際に検査を受けるときの流れや注意点を理解することが大切です。
検査そのものは血液採取が中心になるため比較的シンプルですが、検査結果の解釈や再検査のタイミングなど、押さえておきたいポイントがあります。
検査前の準備
免疫血清学的検査は基本的に血液採取がメインです。特別な食事制限が必要ない検査が多いですが、医療機関によっては感染症抗体検査などで空腹時を推奨するケースがあります。
事前に主治医や検査室からの指示を受けたら、それに従うとスムーズです。水分補給についても、通常は問題ありませんが、カフェインや糖分を含む飲み物は控えるように指示を受ける場合があります。
また採血時にふらつきやすい人は、前日までにしっかり休息をとっておくなどの対策が必要です。
採血から結果がわかるまで
採血手技は数分で終了することが多いです。医療スタッフが駆血帯を巻き、静脈から注射針を入れて数ミリリットルから多い場合は十数ミリリットル程度の血液を採取します。
採取した血液を遠心分離して血清を分離し、検査項目ごとに機器や試薬を使って測定します。結果は検査項目によって数日~数週間かかる場合があり、病院や検査施設の体制にもよります。
特に希少な抗体の検査や外注検査では時間が長くかかることがあります。
下の一覧は一般的な検査から結果判明までのおおまかなスケジュールです。
ステップ | 内容 | 備考 |
---|---|---|
1. 予約と問診 | 医師による問診、検査説明 | 検査項目が多い場合は順番に実施することもある |
2. 採血 | 静脈から必要量の血液を採取 | 採血量は検査項目により異なる |
3. 血清分離 | 血液を遠心分離し血清を得る | 凝固を待ってから分離することが多い |
4. 試薬反応 | 抗体・抗原測定を行う | 一部専門機関に送るケースあり |
5. 結果報告 | 検査結果を医師が判断・説明 | 数日~数週間ほどで報告を受ける |
結果が出たあとのポイント
免疫血清学的検査の結果が届いたら、医師が問診や身体所見、ほかの検査結果とあわせて総合評価します。
抗体価の数値が高いからといって必ずしも病気が進行しているとは限らず、逆に陰性でも安心できない場合もあります。
自己判断で結論を出さずに、疑問点があれば遠慮なく医師に相談し、必要に応じて追加検査の提案を受けることが大切です。
場合によっては一定期間を空けて同じ検査を繰り返し、抗体価や病態変化を観察することが推奨されることもあります。
注意すべき副反応や体への影響
採血にともなうリスクとしては、注射針を刺した場所が内出血や腫れを起こす場合があります。感染症リスクはきわめて低いものの、針刺し事故や消毒不足が起こらないよう医療スタッフが厳重に管理しています。
アレルギー検査のなかには、皮膚テストや食物負荷テストとあわせて行う場合があり、そのときにはアレルギー症状が誘発されるリスクを伴います。
血液検査のみであれば大きな副作用はほとんどありませんが、不安がある場合は受診時に申し出ると安心です。
免疫血清学的検査の具体例
免疫血清学的検査というと抽象的なイメージを抱くかもしれませんが、実は身近な疾患のなかにも多用されています。
たとえば風疹やインフルエンザの抗体価検査、関節リウマチの自己抗体検査などは日常の診療でよく行われています。ここでは代表例をいくつか取り上げ、検査の狙いや特徴を紹介します。
風疹抗体検査
妊娠前や妊娠初期の女性が受ける機会が多い検査です。風疹抗体(IgM、IgG)を調べることで、既感染歴があるか、現在感染しているかなどを推定します。
妊娠中に風疹に感染すると胎児に先天性風疹症候群が生じるリスクがあり、予防策を講じるうえで血清学的な検査が役立ちます。また、抗体価が十分でない場合はワクチン接種も検討されます。
以下の一覧は、風疹抗体検査の結果解釈の一例です。
抗体 | 陽性の場合の一般的解釈 | 陰性の場合の一般的解釈 |
---|---|---|
IgM抗体 | 現在またはごく最近の感染を強く疑う | 感染初期・後期、または感染していない可能性 |
IgG抗体(高値) | 既感染、あるいは予防接種済みで免疫があると推定 | 感染後まもない時期や免疫が十分でない可能性 |
IgG抗体(低値) | 必ずしも免疫十分とはいえない、再感染に注意が必要 | ほぼ免疫なしと判断し、ワクチン接種を検討 |
関節リウマチ関連抗体検査
関節リウマチは手指や足指など小関節を中心に炎症を起こす慢性疾患で、免疫異常が原因の1つと考えられます。リウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体などを測定し、関節リウマチの存在や活動性を推定します。
抗CCP抗体は関節リウマチに比較的特異度が高く、活動性の指標としても注目されています。ただし抗体が陽性でも症状が軽い場合もあり、必ずしも症状の重さに比例しない点に注意が必要です。
インフルエンザ抗体価検査
インフルエンザ感染の有無やワクチン接種後の抗体価を確認したい場合などに、血液を用いた抗体価検査を行うことがあります。
急性期と回復期に採血して抗体価の変動を比較し、数倍以上の上昇が見られればインフルエンザ感染を強く推定します。
ただし、インフルエンザの診断には迅速検査キットが広く普及しているため、わざわざ抗体価を測定しないことも多いです。主に学術研究や特殊な事情がある場合に実施することがある程度です。
HBs抗原・抗体検査
B型肝炎ウイルスに感染しているか、あるいはワクチンによる免疫があるかを判定するために用いる検査です。
HBs抗原が陽性ならウイルス感染状態を示唆し、HBs抗体が陽性でHBs抗原が陰性ならワクチンによって免疫を獲得しているか、過去の感染から回復して免疫を持っていると考えられます。
B型肝炎は慢性化しやすく、一部は肝硬変や肝がんのリスクを高めるため、定期的な検査や早期発見が重要です。
次の一覧は、B型肝炎ウイルス(HBV)関連の主要な検査項目とその意味合いをまとめたものです。
検査項目 | 意味合い | 主な活用シーン |
---|---|---|
HBs抗原 | 陽性ならB型肝炎ウイルスに感染している可能性が高い | 急性感染、慢性感染の診断 |
HBs抗体 | 陽性ならワクチン接種による免疫獲得、または過去感染 | 感染歴チェック、ワクチンの有効性確認 |
HBc抗体IgM | 急性期に陽性になりやすい | 感染初期の確認 |
HBc抗体IgG | 既感染や慢性化の可能性を示唆 | 感染の既往や慢性化の追跡 |
検査結果を踏まえた受診のポイント
免疫血清学的検査の結果を受け取ったあと、数値が陽性でも陰性でも、どう対処すればいいのか判断に迷うことがあるかもしれません。
とくに「抗体がある=必ず病気」とは言い切れない検査も多いので、一喜一憂せずに冷静に判断する必要があります。最後に、結果を踏まえた受診や日常生活で気をつけたいポイントを紹介します。
医師への報告と相談
検査結果を確認したら、まずは医師と相談しましょう。医師は症状や家族歴、既往歴なども踏まえ、数値の意味を解説してくれます。
たとえば、「抗体価が基準値よりやや高いが、病気が進行しているわけではない」というケースもあり得ます。
疑問点を持ち帰って悩むより、その場で医師に質問したほうが安心です。医師によっては追加検査や再検査のタイミングを提案することもあります。必要に応じて、別の診療科を紹介するケースもあります。
結果に合わせた生活面の留意
免疫血清学的検査で感染症の既感染や自己抗体の存在がわかった場合でも、すぐに治療が必要とは限りません。
例えば自己抗体が陽性でも症状が軽度ならば、定期的にフォローアップしながら日常生活を維持する方針になることがあります。
一方、感染症のリスクが高い場合には、感染を拡大させないようマスクの着用や手洗いの励行など、基本的な感染予防策に力を入れることが望ましいです。
医師が指示を出した場合は、適宜職場や学校への連絡も検討してください。
- 定期的な健康チェックの習慣化
- 規則正しい睡眠とバランスの良い食事
- 感染症予防対策(手洗い・うがい・適度な運動など)
- ストレス管理(過度な負荷を避ける、自分に合ったリラクゼーション)
これらの取り組みが全身の免疫バランスを保つうえで重要です。
セカンドオピニオンや専門医の受診
多くの免疫系の病気は膠原病リウマチ科やアレルギー科、感染症科などの専門医が診療を担当します。総合内科で検査を行った場合でも、結果に応じて専門医への受診をすすめられることがあります。
とくに難治性の自己免疫疾患や特殊な感染症の疑いがある場合、専門医の経験や知識が重要です。疑問や不安が強いときは、遠慮なく医師にセカンドオピニオンを依頼してもよいでしょう。
不明点や不安を解消するために
免疫血清学的検査の結果を正しく理解し、自分の健康状態を見つめるためには、医療者とのコミュニケーションが大切です。不明点を整理しメモに書き出してから受診すると、質問し忘れを防げます。
また、必要に応じてお近くの医療機関を受診して、ほかの検査や専門医の診断を得るとより安心です。
インターネットや書籍から得られる情報は便利ですが、必ずしもすべて正確とは限らないので、最終的には医療の専門家の意見を確認することをおすすめします。
下の一覧に、結果を踏まえた受診をスムーズにするための簡単なヒントをまとめます。
ポイント | 具体的な工夫 |
---|---|
1. 質問の準備 | 自分の疑問点をメモにしておき、受診時に医師に尋ねる |
2. 時間の確保 | ゆとりをもって病院を受診し、医師と十分に話をする |
3. セカンドオピニオン利用 | 重大な病気が疑われるときは遠慮なく他院の意見も取り入れる |
4. 情報の取り扱い | 信頼できる医療サイトや専門書を参考にしつつ、不明点は医師に確かめる |
以上