「亜鉛をとれば髪が速く伸びる」とは言えません。栄養が足りている人がさらに足したところで、伸びる速さが上乗せされるという裏づけは見当たらないからです。

代謝を促せば速くなるという説明も広まっていますが、こちらも根拠は乏しく、髪が伸びる速さは日々の代謝の増減で上下する種類のものではありません。

とはいえ、伸びる速さには思いのほか広い個人差があり、平均だけを物差しにすると自分の髪を実際より悪く見積もってしまいます。

平均はどのくらいで、どこまで幅が開くのか。自分の速さをどう測り、速さ以外に何を見ればよいのかまで、順にたどっていきましょう。

亜鉛で髪伸びるスピードが上乗せされない理由

亜鉛が足りている人が量を増やしても、髪の伸びる速さは動きません。栄養で埋められるのは不足という穴だけで、穴がふさがった先に上積みは生まれないからです。

亜鉛と髪の関係が語られるとき、この「不足を埋める」と「さらに足す」の境目がしばしば飛ばされています。

亜鉛のとり方体の中で動く部分伸びる速さへの影響
不足を埋める材料の足りなさが解消落ちていた分が戻る
足りた上で増やすほとんど変わらない上乗せはない
長く多く入れ続ける銅の吸収が下がるむしろ妨げになりうる

右端の欄が良い方向へ動くのは一番上の行だけで、真ん中の行に期待をかけると、変化の出ないまま数か月を費やしてしまいます。

足りない状態を埋める場面だけが例外です

亜鉛が不足すると毛をつくる細胞の分裂が滞り、髪は細く弱くなって抜けやすくなります。この状態から抜け出せば、落ちていた分が戻り、伸びも元の調子に近づきます。

脱毛の相談で受診した人の血清亜鉛を集めた解析では、脱毛のある群で値が低い傾向が示されており、不足そのものは珍しい話ではありません。

ただし低い値が見つかったからといって、それが薄毛の主因だと決まるわけではなく、原因は別にあって亜鉛はたまたま低かっただけ、という場合も少なくないでしょう。

偏った食事や急なダイエット、胃腸の手術のあとなどでは亜鉛が足りなくなりやすく、味覚の変化や傷の治りにくさが先に出る場合もあります。髪だけを見て決めず、体の他の変化とあわせて眺めると輪郭がつかみやすくなります。

代謝を促せば髪は速く伸びるのでしょうか?

促されるという言い方に対応する測定値が、髪の側にはほとんど見当たりません。代謝が上がったとされる状態で毛が速く伸びたと示した報告は、栄養不足を立て直した場面を除けば見つからないのが現状です。

毛をつくる細胞はもともと体の中でとくに分裂の速い部類に入り、材料さえ届いていれば全速力に近い状態で回っています。すでに全開のものを外から押して、さらに速くする余地は小さいわけです。

「巡りをよくする」「代謝を上げる」という言葉は心地よく響きますが、髪の伸びという物差しに載せたとき、確かめられた効果として残るものはごくわずかでしょう。

体を温める、よく歩く、睡眠を整えるといった習慣は健康の土台として値打ちがありますが、髪の伸びる速さを押し上げる手段として語るには根拠が足りません。土台づくりと速さの上乗せを分けておくと、期待の掛け違いが起きにくくなります。

とりすぎると銅の吸収を妨げます

亜鉛と銅は腸で同じ運び手を取り合うため、亜鉛だけを長く多く入れ続けると銅が足りなくなり、貧血や神経の症状が出る場合があります。

髪のためを思って続けた習慣が、別の不足を呼び込むという逆転も起こりえます。補うなら上限量を超えない範囲にとどめ、持病や薬がある人は主治医に確かめておくと安心です。

食品から普通に食べているぶんには過剰になりにくく、心配が要るのは高用量の錠剤を自己判断で長く続けた場合になります。

栄養補助食品の表示は1日量あたりで書かれており、複数の製品を重ねると気づかないうちに合算されていきます。食品と補助食品の両方から入る量を一度書き出すと、思ったより多いと気づく人もいます。

髪伸びるスピードの平均は1か月に約1センチ

頭の髪はおおよそ1日0.3ミリ前後、1か月で1センチ強のペースで伸びていきます。これが平均としてよく使われる数字です。

ただし平均は代表値にすぎず、実際に測ると人によってかなり違う値が並びます。

1日あたり0.3ミリ前後という単位で見ます

1日単位の伸びは0.3ミリ前後で、目で見て分かる変化にはなりません。数か月ぶんをまとめて初めて、分け目や生え際に差として現れてきます。

研究の場では1日あたりのマイクロメートルという細かい単位で記録され、0.3ミリは300マイクロメートルにあたります。

期間伸びる長さの目安気づきやすさ
1日約0.3ミリ分からない
1か月約1センチほぼ分からない
3か月約3センチ分け目で分かる
1年約12センチはっきり分かる

3か月ためて指1本ぶんほどという間隔が、記録の期間を決めるときの下敷きになります。

1週間や2週間という短い区切りで判断しようとすると、伸びの実力ではなく測り方のぶれのほうを読んでしまいます。髪の変化を追う作業には、もともと季節単位の物差しが合っているのでしょう。

平均の1センチはどこまであてになる?

実測の幅はかなり広く、アフリカ系の成人を対象にした調査では1日150〜363マイクロメートルという開きが報告されています。

最も遅い人と最も速い人では2倍以上の差があり、同じ「平均より遅い」でも、体調の反映なのか生まれつきなのかは数字だけでは分かれません。

同じ頭の中でも毛の1本ごとに速さはそろっておらず、平均はそれらをならした値にすぎません。頭全体の代表値を目の前の1本にそのまま当てはめられるわけではないでしょう。

平均を下回っていても異常とは限らず、比べる相手は他人ではなく半年前の自分になります。

同じ頭でも部位によって差が出ます

頭頂部と側頭部、後頭部では毛の密度や休止期の割合が違い、生えそろい方も同じにはなりません。アフリカ系38人を測った調査では、速さの部位差は目立たなかった一方、密度や休止期の割合には差がありました。

眉やまつ毛のように、頭以外の毛はもっと短い周期で入れ替わり、伸びる速さも頭の髪とは別の値をとります。

頭の中でも前のほうと後ろのほうでは毛の性質がそろっておらず、女性型脱毛症では頭頂に近い場所から先に変化が現れます。前と後ろを撮り分ける習慣には、その差を目に見える形へ移す使い道もあるでしょう。

測る場所を毎回変えてしまうと、部位の差を自分の変化と読み違えるため、記録では位置を固定しておきましょう。

髪伸びるスピードに幅を生む年齢・季節・生まれつき

伸びる速さの個人差は、年齢と季節と生まれつきの体質でおおかた説明がつきます。どれも食事で短期間に動かせる部分ではありません。

自分の数字が平均とずれていたとき、まず疑うべきはこの3つでしょう。

年齢とともに成長期が短くなります

同じ人を8年から14年にわたって追いかけた観察では、加齢とともに毛が伸び続ける期間が短くなり、毛の直径も細くなっていきました。

抜けてから次の毛が顔を出すまでの空白も長くなり、生えている毛の量そのものが目減りしていきます。

40代以降に「伸びが遅くなった」と感じる背景には、速さそのものより、伸びていられる期間の短縮が効いているといえます。

毛が抜けてから次が顔を出すまでの休みが延びる分、同じ毛穴の数でも同時に生えている毛は減ります。鏡の前で覚える「薄くなった」という印象は、速さではなくこの間隔の変化を映しているのです。

季節で抜け毛の比率が動きます

抜け毛を訴えて受診した女性823人を6年間追った研究では、休止期の毛の割合が夏に最も高くなり、春にも小さな山がありました。

男性14人を1年半観察した別の研究でも、成長期の毛は3月に9割を超えたあと9月に底を打ち、抜け毛は8月から9月にかけて冬の倍以上へ増えています。

日照時間との関わりを指摘した観察もあり、季節の波は思い込みではなく、複数の集団でくり返し確かめられてきました。ただし波の大きさは人によって違い、ほとんど気づかないまま過ごす人もいます。

秋に抜け毛が増えても、それだけでは病的な変化とは言えず、前の年の同じ月と見比べたほうが実像に近づくでしょう。

生まれつきの差は集団間の比較にも出ています

5大陸24集団の若年成人2249人を測った調査では、アジア系は太くて速く、アフリカ系は密度が低く遅いという傾向が示されました。

アフリカ系と白人を比べた別の報告では、1日あたり256マイクロメートルと396マイクロメートルという差が出ています。

毛の断面の形やカールの強さも集団によって違い、同じ長さだけ伸びても見た目の変化には差が出ます。くせの強い髪は伸びた分が縮んで見えるため、実際より遅く伸びていると受け取られがちです。

集団の傾向がそのまま個人の予言になるわけではありませんが、生まれつきの部分がこれだけ大きいという事実は、食事への期待を現実的な大きさへ戻してくれます。

細い毛はゆっくり伸びます

成長期の毛を6万本近く測った解析では、毛の太さと伸びる速さのあいだに関係があり、細い毛ほど遅く伸びていました。

女性型脱毛症のある頭皮では、同じ太さの毛で比べても速さが落ちており、細くなる変化と遅くなる変化が並んで進みます。

見た目の量が減って感じられるのは、本数と太さだけでなく、伸びの遅さも重なっているためです。

太さと速さが結びついているのなら、細くなった毛を無理に速く伸ばそうとしても手がかりは乏しいと分かります。先に目を向けたいのは、細い毛の割合が増えていくという流れそのものでしょう。

  • 年齢と成長期の長さ
  • 季節による休止期の増減
  • 生まれつきの体質と集団差
  • 1本ごとの毛の太さ
  • 女性型脱毛症の有無

並べてみると、どれも数か月の食生活の変更で順番を入れ替えられる要素ではないと分かります。

亜鉛より先に髪伸びるスピードを決めている成長期の長さ

速さを握っているのは、毛が伸び続けられる期間の長さと毛包の働きぶりであって、その日の代謝の高低ではありません。

髪の悩みの多くは、速さより「伸びていられる時間」の側に原因があります。

伸びる速さと伸ばせる長さは別物です

1日に伸びる量が同じでも、成長期が2年で終わる毛と6年続く毛では、たどり着ける長さがまるで違ってきます。

肩まで伸ばせない人の毛が遅いとは限らず、途中で成長期が終わって抜けているだけ、という場合が多くあります。

見ているもの決めている要素変えやすさ
伸びる速さ毛包の細胞分裂の勢いほぼ動かない
伸ばせる長さ成長期が続く年数加齢と脱毛症で短くなる
見た目の量本数と1本の太さ診療の対象になりうる

「伸びない」という言葉の中身が3つのどれなのかを分けるだけで、打つ手の見当がついてきます。

肩より下まで伸ばせる人と、どうしても届かない人の差は、日々の速さより成長期の年数に表れています。同じ1年を過ごしても、成長期が続いている毛だけが長さを積み上げ、途中で抜けた毛はそこで止まります。

成長期が短いと同じ速さでも短く終わります

女性型脱毛症では毛周期が回を追うごとに短くなり、太く長く育つ前に抜けてしまう毛が増えていきます。

分け目のあたりだけ髪が伸びきらないように見えるのは、その場所の毛が早く成長期を終えているためでしょう。

速さを上げようと工夫するより、成長期を保つ手立てを探すほうが、悩みの本体に近い位置にあります。

成長期の毛の割合や1本の太さは診察で確かめられ、頭皮を拡大して見る器具を使えば短い時間で判定がつきます。自宅で撮った写真や測った数字を持参すると、経過の話がかみ合いやすくなるでしょう。

日々の代謝の上下は速さを動かしません

運動や入浴で一時的に血のめぐりが変わっても、毛包の分裂の速度がそれに合わせて上下したという記録は見当たりません。

毛をつくる細胞は栄養と酸素が届いていれば一定の勢いで回り続け、外から急かして速度を上げられる作りにはなっていません。

効果が出るとすれば、栄養の届いていなかった状態を立て直したときで、それは速さの上乗せではなく、落ちていた分の回復です。

回復と上乗せの違いは小さく見えて、期待の置きどころを大きく変えます。回復であれば数か月で頭打ちになり、そこから先は手立てを組み替える段階へ入ります。亜鉛を足し続けても動きが止まったなら、原因は栄養の外にあると読むほうが自然です。

髪伸びるスピードを自分で測る手順

自分の速さを知りたいなら、同じ場所を同じ条件で3か月以上記録するのが確実です。

1本の毛を追いかけるのではなく、分け目や生え際に基準点を決めて、そこからの距離を測っていきます。

記録する項目やり方間隔
基準点からの長さ分け目の同じ位置で定規を当てる1か月ごと
生え際の伸び白髪や染めた境目を目印にする1か月ごと
写真同じ場所と光、同じ髪型で撮る1か月ごと
抜け毛の量朝のブラシに残る本数を数える週に1回

4つを一度に始める必要はなく、続けられそうな1つだけでも、半年たてば十分な比較材料になります。

分け目と生え際に基準点を決めます

分け目のいちばん前から何センチという形で位置を決め、毎回そこを測るようにすると、場所のずれによる誤差が小さくなります。

白髪染めやカラーをしている人は、染めた部分と伸びてきた部分の境目が天然の目盛りになり、1か月ぶんの伸びをそのまま読み取れます。

境目までの長さを定規で測り、日付とともに書き留めておけば、次の月との比較が楽になるでしょう。

書きつける先は手帳でも携帯のメモでも構わず、大切なのは同じ形式で残していく点にあります。単位をそろえ、測った日と髪の状態も一緒に書いておくと、後から見返したときに迷いません。

期間は3か月以上とります

1か月では1センチ前後しか伸びず、測り方の誤差に飲み込まれてしまうため、判断の材料にはなりません。

3か月ためれば3センチ前後になり、多少の測りぶれがあっても傾向として読み取れるようになります。

季節で抜け毛の比率が動く以上、本来は1年をひとまわりして同じ月どうしを見比べるのが理想です。

1年という期間は長く感じられても、3か月ごとに区切ってしまえば記録の回数は4回で済みます。途中で途切れたら再開すればよく、抜けた月があっても前後の点をつなげば大きな向きは読み取れます。

写真は同じ条件で撮ります

写真は条件がそろって初めて比較になり、光の向きや髪の乾き具合が違うだけで、量も地肌の見え方も変わってしまいます。

撮る側の姿勢や距離もそろえたほうがよく、洗面所の同じ位置に立つと決めておけば手間がかかりません。

  • 同じ部屋、同じ時間帯の光
  • 髪を乾かした状態
  • 分け目とつむじの同じ角度
  • カメラまでの距離と高さ
  • 髪をとめる位置

条件を紙に書いて鏡の横へ貼っておくと、3か月後の自分が同じ撮り方を再現できます。

月ごとの比較には誤差が乗ります

髪は濡れると伸び、乾くと縮むため、測るときの状態が違えば数ミリの差はすぐに生まれます。

毛先の傷みで切れた分も長さから引かれるので、伸びていないように見えて実際は伸びている場合もあるでしょう。

引っぱり方でも数ミリは変わるため、力を入れずに軽く伸ばした状態でそろえておきます。同じ人が同じ道具で測っても、日によってこのくらいの差は当たり前に出てきます。

測定の道具や倍率が違うだけで研究の場でも3割ほど値がずれた例があり、家庭での記録なら誤差はもっと大きく乗ると考えておきます。

数字が前の月を下回っても、1回の値で判断せず、3点以上を並べて向きを見るほうが確かです。

髪伸びるスピードより先に見たい3つの指標

伸びる速さは、変化に気づくための物差しとしては動きが鈍すぎます。まず確かめたいのは抜け毛の量と毛の太さ、そして地肌の透け具合の3つになります。

速さの数字に差が出るころには、すでに何か月も過ぎているためです。

見る指標見方気をつけたいサイン
抜け毛の量同じ場面で本数を数える数か月続けて増える
毛の太さ抜けた毛の根元側を比べる細い毛の割合が増える
地肌の透け同じ光で分け目を撮る幅が広がってくる

どれも1か月で答えの出るものではありませんが、速さを測るより早く傾向が見えてきます。

抜け毛は本数より増減で見ます

1日に50本から100本ほどは自然に抜けるため、本数そのものより、以前の自分と比べて増えたかどうかが手がかりになります。

数えるのが負担なら、排水口にたまった量やブラシの残り具合を毎週同じ場面で見るだけでも足ります。正確さそのものより、同じやり方をどれだけ続けられるかが結果を左右します。

夏の終わりから秋にかけては誰でも増えるので、季節の山と本当の変化を取り違えないよう、前の年の同じ時期を思い出しておきましょう。

毛先ではなく根元の太さを比べます

抜けた毛を明るい場所に並べ、根元側の太さがそろっているか、細い毛が目立って混じっていないかを見ます。

太い毛と細い毛が入り混じる状態は、女性型脱毛症で早い段階から現れる特徴として知られています。

明るい紙の上に並べると細さの差が見やすく、携帯で拡大して撮っておけば前の月との比較にも使えます。本数を数える必要はなく、太い毛と細い毛の混ざり具合だけを眺めておけば足ります。

細い毛の割合が増える向きが続いているなら、速さの数字を待たずに相談する材料になるでしょう。

分け目の地肌は光をそろえて見ます

地肌の透けは光の当たり方でいくらでも変わるため、同じ場所と同じ時間帯で撮った写真どうしを並べます。

分け目の幅が少しずつ広がっていく変化は、女性の薄毛で最初に目につきやすいところです。

3か月おきの写真を4枚並べると、日々の印象では追いきれない向きが浮かび上がってきます。

受診を考えたいのは変化の速さです

数か月のうちに抜け毛が急に増えた、地肌の透けが目立って広がったといった速い変化は、放置せず相談したほうが安心です。

痛みやかゆみ、赤みやかさぶたを伴う場合も、髪だけの問題ではない可能性があり、早めの受診が向いています。地肌に触れて違和感があるなら、写真を撮りためるより先に診てもらうほうが早道でしょう。

甲状腺の病気や鉄の不足、出産後の変化など、髪の外側に原因がある場合は、そちらを扱うと髪も落ち着いていきます。

女性の薄毛では使える薬に制限があり、自己判断で強い成分に手を出さず、医師と相談しながら選ぶのが安全です。

よくある質問

Q
亜鉛をとると髪伸びるスピードは上がりますか?
A

足りている人が量を増やしても、伸びる速さは上がりません。栄養で埋められるのは不足という穴の部分だけで、そこから先の上積みは生まれないためです。

逆に不足していた人が適量まで戻すと、落ちていた伸びが元に近づく場合はあります。血液検査で値を確かめてから考えるほうが確実でしょう。

Q
髪伸びるスピードの平均はどのくらいですか?
A

1日およそ0.3ミリ、1か月で1センチ強というのが、平均としてよく使われる数字です。ただし実測では1日150〜363マイクロメートルという幅が報告されており、人によってかなり違います。

平均より遅くても異常とは限らず、比べる相手は他人ではなく過去の自分になります。半年前の記録があれば、変化の向きだけは読み取れます。

Q
髪伸びるスピードは季節によって変わりますか?
A

抜け毛の比率には季節の波があり、夏から初秋にかけて休止期の毛が増える傾向が複数の研究で示されています。

伸びる速さ自体の季節差は小さく、秋に「伸びが止まった」と感じるときは、抜け毛が増えて量が減ったほうを見ている場合が多いといえます。

Q
亜鉛のとりすぎで気をつける点はありますか?
A

亜鉛を多く長く入れ続けると銅の吸収が下がり、貧血や神経の症状が出る場合があります。髪のために始めた習慣が別の不足を招くという逆転も起こりえます。

食事から普通にとっているぶんには過剰になりにくく、注意が要るのは高用量を自己判断で続けた場面です。持病や薬がある人は主治医に確かめておくと安心でしょう。

Q
髪伸びるスピードが落ちたと感じたら受診したほうがよいですか?
A

速さだけで受診を決める必要はありませんが、抜け毛の急な増加や分け目の広がりが重なっているなら、早めに相談したほうがよいでしょう。

甲状腺や鉄、産後の変化など髪の外側に原因が隠れている場合もあり、そちらが分かると対応の道筋がはっきりします。

参考にした論文