「亜鉛をとれば髪が太くなる」という言い方に無理があるのは、1本の毛の太さを決めているのが毛包の大きさであって、食べたものがその大きさを押し広げてくれるわけではないからです。
加齢と女性型脱毛症では毛包そのものが小さくなり、そこから生えてくる毛は細く短くなっていきますが、縮んだ毛包を栄養で元の大きさへ戻せるという裏づけはありません。
では栄養が無意味かというとそうでもなく、本来出せるはずの太さを取りこぼさずに済ませるための土台としては、確かな役目を持っています。
ハリやコシが落ちたと感じるとき、変わっているのは太さだけとは限りません。まずは何が起きているのかを切り分けるところから始めます。
亜鉛で髪が太くなると言い切れない理由
太さの上限を握っているのは毛包の大きさであって食事で押し上げられる部分ではなく、栄養が関わってくるのは、その上限まで届いているかどうかという別の問いのほうです。上限そのものと、上限に届くかどうかは、分けて考えます。
| 髪の太さに関わるもの | 変えられる余地 | 亜鉛など栄養の届き方 |
|---|---|---|
| 毛包の大きさ | 加齢とFAGAで縮む | 届かない |
| 生まれつきの体質 | ほとんど動かない | 届かない |
| 材料の足りなさ | 食事で埋められる | 届く範囲 |
右の欄が「届く」に変わるのは一番下の行だけで、亜鉛に期待できるのは、上の2行をいったん脇へ置いたうえで残る最後の一行に限られます。順番を取り違えると、期待だけが先に大きくなります。
毛の太さは毛包の大きさが決めています
髪は毛包という筒の底で作られ、その筒の大きさに見合った太さの毛が押し出されてくるため、細い毛が生えるのは毛が痩せたからではなく、作っている側が小さいからです。
毛包が大きければ太い毛が、小さければうぶ毛のように頼りない毛が育つわけで、同じ人の頭と腕とで太さがまるで違うのも、毛包の大きさが違うためでしょう。部位ごとの差は生まれつき決まっています。
太さを変えたいなら毛包の大きさを変えるほかありませんが、そこは食事の届く場所ではありません。運び込めるのは、その筒で使われる材料のほうだけです。
栄養は太さの上限を押し上げません
毛包が持っている大きさは、その人がその時点で出せる太さの上限を決めています。材料をどれだけ積み増しても、上限そのものが上へずれる仕組みは備わっていません。増やせるのは在庫であって、器の容量ではないのです。
食事と脱毛を扱った総説も、欠乏があれば正すべきだとしたうえで、欠乏のない人への補充を支える根拠は足りないと述べています。支持されているのは、あくまで欠乏の補正までです。
同じ総説が、一部の製品にはかえって脱毛を悪化させたり毒性を招いたりする危うさもあると触れている以上、増やす方向へ進む前に、まず足りているのかを確かめる順番になるでしょう。
「太くなる」と「細くならない」は別の話です
太くするのとこれ以上細くしないのとでは目指している地点がまるで違い、前者は毛包そのものを大きくする話で、後者は今ある大きさを取りこぼさない話です。同じ言葉で語られても、中身は別物です。
栄養が受け持てるのは後者のほうだけで、土台が崩れれば毛は本来の太さに届かなくなりますが、土台を厚くしたところで天井までは上がりません。攻めではなく守りの手当てだといえます。
この2つが混ぜて語られるとうたい文句は急に力強く聞こえてきますから、読むときに切り分けておくだけでも、期待の掛け違いは避けられるはずです。主語が毛包なのか材料なのかを見ます。
髪の太さは毛乳頭の大きさで決まります
毛包の底には毛乳頭という小さな部屋があり、その体積が毛の太さと結びついていて、太い毛の毛乳頭は細い毛のそれとは桁の違う大きさを持っています。太さの話は、部屋の大きさの話です。
毛乳頭が大きいほど太い毛が育ちます
235個の毛包を調べた研究では、男性のひげの毛乳頭の体積が、女性の顔のうぶ毛の毛包に比べておよそ40倍にのぼりました。同じ皮膚に生える毛でも、作り手の大きさはこれほど開きます。
差の内訳は毛乳頭に含まれる細胞の数が17倍、細胞1個あたりの細胞外基質が2.4倍という組み合わせで、太い毛が育つ現場はそもそも動員されている細胞の数から違っていました。
毛の断面の面積と毛乳頭の体積とははっきり結びついており、太さを握っているのは毛そのものではなく、その下にある部屋の大きさのほうなのです。毛は、その部屋が出した答えにすぎません。
太さと本数の両方が見た目の量をつくります
薄毛の自覚がある女性1,099人と、自覚のない女性315人を測った研究では、密度だけでも毛径だけでも「量が減った」という感覚を説明しきれませんでした。片方だけでは追いつきません。
そこで研究者は密度と太さの両方を組み合わせた「毛量」という指標を提案しており、鏡の前で受け取る印象は本数と太さの掛け算に近い形で立ち上がってくるのでしょう。
1本あたりの断面積は太さの2乗で効いてくるため、太い毛がわずかに細るだけでも、束にしたときの手ごたえは目に見えて落ちていきます。本数が保たれていても量は減って見えます。
毛径は40代半ばを境に下り坂へ入ります
同じ研究では頭頂部の毛径が20歳から40〜45歳にかけて増え、そこを過ぎると下がっていったため、太さの頂点は若いころではなく中年にさしかかるあたりに置かれています。
一方の密度は20代がもっとも高く、その後は下がる速さを増していきました。太さと本数は同じ曲線を描いておらず、頂点の位置そのものがずれています。先に減りはじめるのは本数のほうです。
「量が減った」と感じ始める時期は40代半ばで、50代の半ばから後半にもう一段下がると報告されており、年齢だけで説明のつく変化がかなりの部分を占めています。
加齢と女性型脱毛症で髪が細くなる仕組み
太い毛がうぶ毛のような細い毛へ置き換わっていく現象を毛包のミニチュア化と呼び、女性型脱毛症で先に進むのは、抜け落ちることよりもこの作り替えのほうです。抜ける前に、まず細くなります。
| 1平方センチあたり | 軽い段階 | 進んだ段階 |
|---|---|---|
| 毛包の総数 | 317 | 243 |
| 太い毛の毛包 | 263 | 96 |
| 太い毛とうぶ毛の比 | 12.8 | 2.3 |
減り方は一様ではなく、太い毛の毛包だけが3分の1近くまで落ち込み、失われた分がうぶ毛の側へ移っていきます。総数の減りより、内訳の入れ替わりが先に立ちます。
毛包が小さくなると生える毛も細くなります
42人の女性の頭皮を調べた研究では、軽い段階から進んだ段階へ移るにつれて太い毛の毛包が1平方センチあたり263から96へ減り、同じ範囲のうぶ毛の毛包は33から71へ逆に増えていました。
太い毛とうぶ毛の比は12.8から2.3まで下がっており、毛包が消えたというより、太い毛を作っていた毛包が小さく作り替えられた結果とみられます。縮みは数字の上でも追えます。
抜けた本数を数えるだけではこの置き換わりが見えてこないまま、地肌が透けてくる背景に1本ずつの縮みが静かに積み上がっていきます。見えている変化は、遅れて届いた知らせです。
太い毛と細い毛が混ざるのがFAGAの特徴です
太さがそろわず、しっかりした毛と細い毛が隣り合って生えている状態を毛径のばらつきと呼び、この不ぞろいこそ毛包のミニチュア化を映す最も的確な臨床の指標だと報告されました。
分け目に沿って見ていくと太い毛のあいだに産毛のように短く細い毛が混じっており、全体が均一に細るわけではなく、まだら模様として現れてきます。濃淡のある地図のような見え方です。
円形に抜ける脱毛症や一時的にまとめて抜ける休止期脱毛とは、この点で見え方が異なります。太さの不ぞろいは、診察の場でも手がかりとして重く扱われています。
休止期の毛が増えて抜け毛も重なります
同じ研究では休止期にある毛包の割合が13.7パーセントから31.4パーセントへ増えており、細くなるだけでなく休んでいる毛包の割合まで上がっていきます。細るのと休むのは並んで進みます。
休止期の毛は数か月とどまったあとに抜け落ちるため抜け毛の量としても表に出てきますが、細くなる変化と抜ける変化は、同じ流れを別の角度から見た姿でしょう。
抜け毛が増えた時期にばかり目を向けていると、静かに進む縮みのほうを見落とします。両方を並べて眺めるほど、いまどの段階にいるのかをつかみやすくなります。片方だけでは段階を読み違えてしまうでしょう。
進んだ段階では毛包そのものが減ります
毛包の総数そのものも1平方センチあたり317から243へ減っており、軽い段階では縮みが主役でも、進むにつれて毛包の脱落までが加わってきます。縮みの先に、消失という段階が控えています。
失われた毛包は戻らないため、まだ縮んでいる段階のうちに手を打てるかどうかが分かれ目になります。戻せる範囲は、時間とともに狭まっていきます。
分け目が年単位で広がっている、地肌の透け方が去年と違うといった変化に気づいた時点が、確かめに行く頃合いだといえます。気づいた変化を書き留めておくと、話は早く進みます。
ハリやコシが落ちた髪に起きている4つの変化
ハリやコシという言葉は感覚を指しており、その中身には少なくとも4つの別々の変化が混ざっていて、どれが主役かによって打つ手も見通しも変わってきます。まとめて薄毛と呼ぶと見立てを誤ります。
| 感じていること | 起きている変化 | 確かめる手がかり |
|---|---|---|
| 1本が弱々しい | 毛径の低下 | 抜けた毛を並べて比べる |
| 束がやせた | 本数の減少 | 結んだときの太さ |
| ぱさつく・引っかかる | キューティクルの傷み | 毛先と根元の手ざわり |
| まとまらない | うねりの増加 | 光の反射のむら |
4つが同時に進む場合もありますが対処の向きはそれぞれ違い、毛径と本数は体の内側の話で、キューティクルとうねりは毛が生えたあとに起こる話です。同じ悩みでも打つ手は行ごとに変わります。
1本が細くなって弾力が落ちています
毛の弾力は断面積に強く左右されるため、太さがわずかに落ちるだけでも手ごたえは変わり、同じ本数を束ねたところで細い毛の束は形を保てません。わずかな差が手ざわりを大きく変えます。
髪型が決まらない、根元が立ち上がらないという訴えの奥にはこの1本ずつの細りが隠れており、量が減ったという感覚の中身が実は太さの低下だった例も珍しくないでしょう。
加齢と女性型脱毛症はどちらもこの経路をたどるので、原因が違っていても、表に出てくる感覚はよく似た形をとります。感覚だけでは、原因までは見分けられません。
本数が減って束がやせています
密度の低下は20代を過ぎたあたりから始まって年を追うごとに速さを増すため、1本ずつの太さが保たれていても、本数が減れば束はやせていきます。太さとは別に進む減り方です。
結んだときのゴムの巻き数が増えた、分け目が太くなったという変化は本数の側から出ているサインで、手の感覚は意外なほど正直に量の変化を拾います。指先の記憶は当てになります。
太さの低下と本数の減少は同時に進む場合が多く、切り分けは簡単ではありません。それでも抜けた毛を並べてみれば、どちらが主役かの見当はつきます。
キューティクルが傷んで手ざわりが変わります
10歳から70歳までの日本人女性の毛を調べた研究では、加齢とともにキューティクルの傷み方そのものが変わり、損傷の型が移り変わって、とかす力への耐性が落ちていきました。
変化がはっきりしてくるのは40代から50代にかけてで、髪の表面を守る脂質の減少も加齢した毛では速く進むため、同じ扱い方を続けていても受ける傷は年々深くなります。
この変化は毛が生えたあとに起こるため栄養では取り返せず、熱や摩擦を減らす扱い方のほうが、はるかに直接効いてきます。内側からの手当てが届かない領域だといえます。
うねりが出て毛の並びが乱れます
10代から70代までの日本人女性230人を調べた研究では髪のつやが年齢とともに落ちていきましたが、その低下は毛の太さや断面の形では説明がつきませんでした。
説明できたのは毛1本ずつのうねりが不規則に増えるという変化のほうで、うねった毛は隣とそろわず、光をばらばらに返すためにつやが失われていきます。1本は細くなくても乱れます。
まとまらない、広がる、つやがないという印象は太さの話とは別に立ち上がってくるもので、太さを追いかけても解決しない訴えがここに混ざっています。つやの悩みは別の入り口です。
髪の太さの変化を自分で見分ける目安
見分けの軸は、抜けた毛の太さ、束ねたときの束の太さ、分け目の地肌の見え方という3つで足ります。どれも家で確かめられる範囲におさまります。
- 抜けた毛を白い紙に並べて太さを見比べる
- 同じゴムで結んだときの巻き数を記録する
- 分け目の地肌を同じ明るさで月に一度撮る
- 前髪の生え際と後頭部の毛を見比べる
- 気づいた時期と当時の体調を書き留める
どれも特別な道具は要らず、条件をそろえるだけで意味を持ちはじめますし、比べる相手は他人の髪ではなく半年前の自分の髪です。条件のそろわない比較は迷いを増やします。
抜けた毛の太さと根元を見比べます
洗面台に落ちた毛を白い紙の上へ並べて混ざり具合を見ると、太さがそろっていれば周期に沿った抜け毛で、極端に細い毛が混じるなら縮みが進んでいるのかもしれません。
根元が白くふくらんでいる毛は役目を終えて押し出された毛で、短くて細く根元のふくらみを持たない毛が目立つときは、確かめに行く材料になります。根元の形は抜けた理由を映します。
日によって抜ける本数は大きく揺れますから、1日分では判断がつかず、数日ぶんをまとめて眺めるほうが確かでしょう。1日の数字に一喜一憂しないほうが賢明です。
束ねたときの太さで本数の変化をつかみます
同じゴムで同じ位置に結んで巻く回数を記録しておくと束の太さの変化を数字として残せますし、感覚に頼るよりはるかに再現しやすい方法です。数えるだけなので道具も要りません。
半年前と比べて巻き数が1回増えていれば束は確かに細くなっており、太さと本数のどちらが効いているかまでは分からなくても、変化そのものはつかめます。
季節や体調でも揺れるため、1回の測定では結論を出しません。同じ条件で何度か記録を重ねるほうが確かです。並べた記録が、あとから効いてきます。
分け目の地肌は同じ条件で見比べます
分け目の地肌の見え方は照明と髪の乾き具合で大きく変わるので、同じ場所、同じ明るさ、同じ乾き方でそろえてはじめて、月をまたいだ比較が成り立ちます。
頭のてっぺんは自分では見えないため家族に撮ってもらうか鏡を2枚使いますが、診察の場でもこの写真があるだけで話は早く進みます。言葉より1枚の写真が早く届きます。
地肌が透けて見える幅が年単位で広がっているようなら、記録を続けながら自己判断のまま待つ段階ではありません。広がる速さこそが手がかりになります。
亜鉛をふくむ栄養が髪の太さに届く範囲
栄養が効くのは足りない状態を埋める場面に限られ、足りている人が増やしたところで毛包が大きくなるわけではありません。効く場面と効かない場面は、はっきり分かれます。
| 今の栄養の状態 | 期待できること | 気をつける点 |
|---|---|---|
| はっきり足りない | 土台の立て直し | 原因の特定を先に |
| 足りているか不明 | まず確かめる | 自己判断で増やさない |
| 足りている | 上乗せの余地なし | とりすぎの害が残る |
3つの段のどこに立っているかで次の一手はまるで変わりますし、段を確かめないまま量だけ増やすと、得られるものより失うもののほうが増えていきます。まず段を見定めます。
足りない状態を埋める場面では意味があります
毛包の細胞は入れ替わりが速く材料の不足がそのまま毛の姿に出るため、カロリーやたんぱく質、ミネラル、必須脂肪酸、ビタミンが欠ければ毛の構造の異常や色の変化、脱毛が起こると整理されました。
足りない状態が続けば本来出せるはずの太さにも届かなくなるわけで、埋める作業に意味があるのは、この取りこぼしを止められるからです。床を踏み固める作業に近いでしょう。
言い換えれば栄養は太さの天井ではなく床を支えているので、床が抜けていれば手当てが要りますし、抜けていなければ動かす理由もありません。厚みを増しても天井は動きません。
足りている人が増やしても太さは変わりません
欠乏のない人への補充が髪の役に立つかどうかはまだ確かめられておらず、総説も判断の材料が足りていない現状を患者へ伝えるよう促しています。未確定の話は未確定のまま扱います。
太さの上限を握っているのは毛包の大きさであって材料の量ではないため、満たされた先へ足したところで、行き場のない分が体に残るだけです。余った分に行き場はありません。
「飲めば太くなる」といううたい文句はこの線引きをまたいで書かれているので、まず自分がどちら側に立っているのかを確かめる順番になります。立ち位置が決まれば判断も定まります。
亜鉛のとりすぎは銅の吸収を妨げます
亜鉛と銅は腸で同じ経路を奪い合うため亜鉛が過剰になると銅は入りにくくなり、銅が減れば貧血や白血球の減少、神経の症状が現れてきます。髪のための習慣が別の欠乏を招きます。
亜鉛の飲みすぎで銅が欠乏した76歳の女性の報告では、歩きにくさと重い貧血が現れて血球のすべてが減っており、亜鉛を止めて銅を補ったあとも神経の症状は残りました。
髪のために始めた習慣が体の別の場所を削っているのなら続ける理由は残りませんから、量を自分で決めず、そもそも要るのかどうかから相談するほうが安全です。
受診の目安になるのは変化の速さです
分け目が年単位で広がっている、抜け毛が3か月を超えても減らない、抜けた毛に極端に細い毛が混じるといった変化のどれかが当てはまるなら、確かめに行く段階でしょう。
- 変化に気づいた時期と、そのころの体調
- 同じ条件で撮っておいた分け目の写真
- 飲んでいる薬とサプリメントの名前
- 直近の健康診断や血液検査の結果
女性の薄毛を扱う医療機関では拡大鏡で地肌を見て毛の太さのばらつきを確かめ、必要に応じて血液検査を組み合わせますから、原因が絞り込めれば、どこまで気にするべきかの線引きもはっきりします。
縮んでいる段階と毛包が失われた段階とでは残されている選択肢が違うため、迷っている時間そのものが、選べる幅を静かに狭めていきます。早く確かめるほど手は多く残ります。
よくある質問
- Q亜鉛をとれば髪は太くなりますか?
- A
太さを決めているのは毛包の大きさであって栄養がその大きさを押し広げるわけではなく、欠乏のない人への補充が髪の役に立つという裏づけも、いまのところ足りていません。
一方で足りない状態を放置すれば本来出せるはずの太さにも届かなくなるため、太くする手段ではなく取りこぼしを止める土台として考えるほうが実際に近いでしょう。期待の置きどころが変わります。
- Q髪のハリやコシが落ちたのは亜鉛が足りないせいですか?
- A
ハリやコシが落ちたという感覚には、毛径の低下、本数の減少、キューティクルの傷み、うねりの増加という4つの変化が混ざっており、栄養の不足は前の2つに関わる要因のひとつにすぎません。
とくに40代以降では加齢や女性型脱毛症による毛包の縮みが背景に重なってきますから、栄養だけを疑う前に、どの変化が主役なのかを切り分けるほうが近道です。
- Q髪が細くなったかどうかは自分で見分けられますか?
- A
抜けた毛を白い紙に並べて太さのそろい方を見る、同じゴムで結んだときの巻き数を記録する、分け目の地肌を同じ明るさで撮っておくという3つで、おおよその見当はつきます。
ただし太さのばらつきを正確に測るには拡大鏡が要るので、自分の記録はあくまで受診時の手がかりとして持っていくものだと考えておくと、判断を誤りません。道具の限界も知っておきます。
- Q亜鉛をとりすぎると体に何か起こりますか?
- A
亜鉛と銅は腸で同じ経路を奪い合うため亜鉛が過剰になると銅が入りにくくなり、銅が減れば貧血や白血球の減少、手足のしびれや歩きにくさといった神経の症状が現れます。
報告のなかには亜鉛を止めて銅を補っても神経の症状が残った例もあるため、持病や飲んでいる薬があるなら、量を自分で決める前に医師や薬剤師へ相談するほうが安全でしょう。
- Q女性型脱毛症で細くなった髪は元の太さに戻りますか?
- A
毛包が縮んでいる段階と毛包そのものが失われた段階とでは残されている選択肢が違い、42人の女性を調べた研究では、進んだ段階になると毛包の総数まで減っていました。
どの段階にいるのかは拡大鏡で地肌と毛の太さのばらつきを見て判断しますが、自己判断で待つほど選べる幅は狭まるため、変化に気づいた時点で相談する価値があります。早い段階ほど手は多く残ります。
