「砂糖と炭水化物って何が違うの?」「どちらも甘いものだから同じようなもの?」こんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
健康やダイエットに関心が高まる中でこれらの言葉を耳にする機会は増えましたが、その違いや正しい知識は意外と知られていません。
炭水化物は私たちの体にとって重要なエネルギー源ですが、その中には砂糖も含まれます。
この記事では管理栄養士が砂糖と炭水化物の基本的な違いから、それぞれの役割、そして健康的な摂り方まで分かりやすく解説します。正しい知識を身につけて毎日の食生活に役立てましょう。
炭水化物とは?私たちの体のエネルギー源
炭水化物はタンパク質、脂質と並ぶ三大栄養素の一つであり、私たちの体にとって主要なエネルギー源です。日々の活動を支えるために炭水化物の役割を正しく理解しましょう。
炭水化物の基本的な役割
炭水化物の最も重要な役割は脳や筋肉、神経系など体の様々な組織が活動するためのエネルギーを供給することです。
特に脳は通常ブドウ糖(炭水化物が分解されてできる単糖の一種)を唯一のエネルギー源として利用するため、炭水化物の摂取は生命維持に不可欠です。
また、炭水化物は体を作る材料の一部となったり、他の栄養素の働きを助けたりする役割も担っています。
炭水化物の主な種類と分類
炭水化物はその化学的な構造の複雑さによって大きく「糖質」と「食物繊維」に分けられます。さらに糖質は分子の大きさによって単糖類、二糖類、多糖類に分類されます。
炭水化物の分類
大分類 | 小分類 | 主な例 |
---|---|---|
糖質(消化されてエネルギーになる) | 単糖類 | ブドウ糖、果糖、ガラクトース |
二糖類 | 砂糖(ショ糖)、麦芽糖、乳糖 | |
多糖類 | でんぷん、グリコーゲン | |
食物繊維(消化されにくい) | セルロース、ペクチン、グルコマンナン |
一般的に「炭水化物」と言う場合、これらの糖質と食物繊維の両方を指します。
消化吸収とエネルギー変換
口から摂取した炭水化物(糖質)は消化酵素によって主にブドウ糖などの単糖類にまで分解され、小腸から吸収されて血液中に入ります。
血液中のブドウ糖はインスリンというホルモンの働きによって体の各細胞に取り込まれ、エネルギーとして利用されます。
すぐにエネルギーとして使われなかったブドウ糖は肝臓や筋肉でグリコーゲンとして貯蔵されたり、それでも余った分は中性脂肪として蓄えられたりします。
炭水化物が不足するとどうなるか
炭水化物の摂取が極端に不足すると体はエネルギー不足に陥ります。脳の働きが低下して集中力がなくなったり、疲れやすくなったりします。
また、体はエネルギーを作り出すために筋肉中のタンパク質を分解したり、脂肪を分解してケトン体という物質を作り出したりします。
長期的な炭水化物不足は体力低下や健康上の問題を引き起こす可能性があります。
砂糖とは?炭水化物の一種としての砂糖
「砂糖」は私たちにとって非常に身近な甘味料ですが、栄養学的には炭水化物の一種として位置づけられます。砂糖について詳しく見ていきましょう。
砂糖の定義と正体
一般的に「砂糖」と呼ばれるものは、化学的には「ショ糖(スクロース)」という二糖類のことを指します。
ショ糖はブドウ糖と果糖という2つの単糖が結合したものです。サトウキビやテンサイ(砂糖大根)といった植物から抽出・精製されて作られます。
料理やお菓子作りに使われる上白糖、グラニュー糖などが代表的です。
砂糖の種類とそれぞれの特徴
砂糖には製造方法や原料によって様々な種類があり、それぞれ風味や用途が異なります。
代表的な砂糖の種類
種類 | 主な原料 | 特徴 |
---|---|---|
上白糖 | サトウキビ、テンサイ | しっとりとして日本で最も一般的、料理やお菓子に幅広く使用 |
グラニュー糖 | サトウキビ、テンサイ | サラサラとしてクセがなく溶けやすい、コーヒー・紅茶やお菓子に |
三温糖 | サトウキビ、テンサイ | カラメル化した蜜を含み、特有の風味とコクがある、煮物などに |
黒砂糖(黒糖) | サトウキビ | ミネラル分を多く含み、濃厚な風味とコクがある |
これら以外にも和三盆糖やメープルシュガーなど多様な砂糖が存在します。
食品に含まれる砂糖の見分け方
加工食品の原材料表示を見ることで砂糖が使われているかどうかを確認できます。原材料表示では使用量の多いものから順に記載されています。
「砂糖」「しょ糖」「グラニュー糖」「ブドウ糖果糖液糖」「果糖ブドウ糖液糖」などの表示があれば、何らかの形で糖類が添加されていることが分かります。
特に清涼飲料水や菓子類には多くの砂糖が含まれている場合があるので注意が必要です。
「糖類」と「糖質」の違い
栄養成分表示などで見かける「糖類」と「糖質」という言葉は、似ているようで意味が異なります。
「糖質」は炭水化物から食物繊維を除いたもので、単糖類・二糖類・多糖類(でんぷんなど)・糖アルコールなどを含みます。
一方、「糖類」は糖質の中でも単糖類と二糖類のみを指します。つまり、砂糖(ショ糖)は「糖類」であり、同時に「糖質」の一部でもあります。
糖質と糖類の範囲
- 炭水化物 = 糖質 + 食物繊維
- 糖質 = 糖類(単糖類・二糖類) + 多糖類 + 糖アルコールなど
砂糖と炭水化物の関係性を整理する
ここまでで炭水化物と砂糖のそれぞれの特徴を見てきました。ここでは両者の関係性をより明確に整理します。
炭水化物の中に砂糖が含まれる
最も基本的な関係性は、「砂糖は炭水化物の一種である」ということです。
炭水化物は大きなカテゴリーであり、その中に糖質と食物繊維があります。そして糖質の中に砂糖(ショ糖などの二糖類やブドウ糖・果糖などの単糖類)が含まれます。
したがって「炭水化物を摂る」ということは砂糖を摂っている可能性もある、ということになります。
構造的な違いと共通点
構造的に見ると、砂糖(ショ糖)はブドウ糖と果糖が結合した二糖類です。
一方、炭水化物には砂糖のような比較的単純な構造の糖類だけでなく、でんぷんのように多くのブドウ糖が長く鎖状につながった複雑な構造の多糖類や、消化されない食物繊維も含まれます。
共通点はどちらも主に炭素(C)、水素(H)、酸素(O)という元素から構成されていることです。
体内での働き方の違い
砂糖(特にショ糖やブドウ糖、果糖)は分子構造が単純なため消化吸収が速く、速やかにエネルギー源となります。このため血糖値を急上昇させやすいという特徴があります。
一方、でんぷんなどの多糖類は消化にある程度時間がかかり、ゆっくりとブドウ糖に分解されて吸収されるため、血糖値の上昇は比較的緩やかです。
食物繊維は消化されにくく、血糖値の上昇を抑えたり、腸内環境を整えたりする働きがあります。
糖質の種類と血糖値への影響
糖質の種類 | 消化吸収の速さ | 血糖値上昇 |
---|---|---|
単糖類・二糖類(砂糖など) | 速い | 急激 |
多糖類(でんぷんなど) | 比較的遅い | 緩やか |
栄養表示での確認ポイント
食品の栄養成分表示を見る際には「炭水化物」の量だけでなく、もし表示があれば「糖質」や「糖類」の量も確認すると良いでしょう。
「炭水化物」の量が多くても、その内訳が食物繊維リッチなものであれば血糖値への影響は比較的穏やかです。
逆に「糖類」の量が多い場合は砂糖が多く含まれている可能性があり、摂取量に注意が必要です。
なぜ砂糖の摂りすぎは良くないと言われるのか
砂糖は速やかにエネルギーになる反面、摂りすぎると体に様々な影響を与える可能性があります。その理由を具体的に見ていきましょう。
急激な血糖値の上昇とインスリン
砂糖を多く含む食品や飲料を摂取すると消化吸収が速いため血糖値が急激に上昇します。すると膵臓からインスリンというホルモンが大量に分泌され、血糖値を下げようとします。
このような血糖値の急激な変動(血糖値スパイク)が頻繁に起こると膵臓に負担がかかり、将来的にはインスリンの分泌が悪くなったり、インスリンが効きにくくなったりする(インスリン抵抗性)可能性があります。
この状態は2型糖尿病の発症リスクを高めます。
中性脂肪への変換と肥満リスク
急激な血糖上昇により過剰に分泌されたインスリンは血液中のブドウ糖を細胞に取り込ませますが、エネルギーとしてすぐに使われなかった余分な糖は肝臓で中性脂肪に変換されて蓄積されやすくなります。
このため砂糖の過剰摂取は肥満や脂質異常症、脂肪肝などの生活習慣病のリスクを高めることにつながります。
虫歯の原因となりやすい理由
砂糖は口の中にいる虫歯の原因菌(ミュータンス菌など)にとって格好の栄養源です。細菌は砂糖を分解して酸を作り出し、この酸が歯の表面のエナメル質を溶かすことで虫歯が発生します。
特に砂糖が口の中に長時間とどまるような食べ方(だらだら食べなど)は、虫歯のリスクをさらに高めます。
砂糖の過剰摂取による主な健康リスク
リスク | 主な理由 | 関連する疾患例 |
---|---|---|
血糖値の乱高下 | 急激な吸収とインスリン過剰分泌 | 糖尿病 |
体重増加・肥満 | 余剰な糖が中性脂肪として蓄積 | 脂質異常症、脂肪肝 |
虫歯 | 口腔内細菌による酸の産生 | 歯周病(間接的に) |
依存性とさらなる欲求
砂糖を摂取すると脳内でドーパミンという快感物質が放出されることが知られています。
このため甘いものを食べると幸福感や満足感が得られますが、これが繰り返されると脳がその快感を求めるようになり、甘いものへの欲求が強くなることがあります。
いわゆる「砂糖依存」のような状態に陥り、無意識のうちに砂糖を過剰摂取してしまう人も少なくありません。
健康的な炭水化物の選び方と摂り方
炭水化物は体に必要な栄養素ですが、その「質」を選ぶことが健康にとって重要です。どのような炭水化物を、どのように摂るのが良いのでしょうか。
複合炭水化物(でんぷんや食物繊維)を意識する
健康的な炭水化物の摂り方の基本は砂糖のような単純炭水化物(単糖類・二糖類)よりも、でんぷんなどの複合炭水化物や食物繊維を多く含むものを選ぶことです。
複合炭水化物は消化吸収が比較的緩やかで血糖値の急上昇を防ぎます。
また、食物繊維は血糖コントロールだけでなく、満腹感を持続させたり便通を改善したりする効果も期待できます。
全粒穀物や芋類、豆類のすすめ
主食となるごはんやパン、麺類を選ぶ際には精製度の低い全粒穀物(玄米、全粒粉パン、オートミールなど)を選ぶのがおすすめです。
これらは白米や白いパンに比べて食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。
また、芋類(さつまいも、じゃがいもなど)や豆類(大豆、小豆、レンズ豆など)も良質な炭水化物源であり、食物繊維やタンパク質も同時に摂取できます。
おすすめの炭水化物食品
- 玄米、分づき米
- 全粒粉パン、ライ麦パン
- そば、オートミール
- さつまいも、じゃがいも、かぼちゃ
- 大豆製品、小豆、レンズ豆など
食物繊維の重要性とその働き
食物繊維は人の消化酵素では分解されない炭水化物の一種です。「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類があり、それぞれ異なる働きで健康維持に貢献します。
食物繊維の主な種類と働き
種類 | 主な働き | 多く含む食品例 |
---|---|---|
不溶性食物繊維 | 便のカサを増やし、腸の蠕動運動を促進。便秘予防。 | 穀類、豆類、きのこ類、根菜類 |
水溶性食物繊維 | 糖質の吸収を緩やかにし、食後血糖値の急上昇を抑制。コレステロール吸収抑制。 | 海藻類、果物、大麦、オーツ麦 |
これらの食物繊維をバランス良く摂ることが大切です。
適切な摂取量の目安
炭水化物の適切な摂取量は年齢、性別、活動量、健康状態などによって個人差があります。
一般的には1日の総エネルギー摂取量の50~65%を炭水化物から摂ることが推奨されています。
具体的な量については医師や管理栄養士に相談すると良いでしょう。糖尿病などの持病がある方は、特に医師の指示に従うことが重要です。
砂糖と上手に付き合うためのヒント
日常生活から砂糖を完全に排除することは難しいですし、適度な甘味は心の栄養にもなります。
大切なのは砂糖の種類や量を理解し、上手にコントロールすることです。
隠れた砂糖に注意する(加工食品や飲料)
自分で砂糖を加える料理やお菓子だけでなく、市販の加工食品や飲料には私たちが気づかないうちに多くの砂糖が含まれていることがあります。
特に注意したいのは清涼飲料水、ジュース、スポーツドリンク、缶コーヒー、菓子パン、スナック菓子、調味料(ソース、ケチャップ、ドレッシングなど)です。
購入する際には栄養成分表示や原材料表示を確認する習慣をつけましょう。
甘味料の種類と特徴を知る
砂糖以外にも甘味を感じさせる「甘味料」には様々な種類があります。
天然甘味料(はちみつ、メープルシロップなど)、糖アルコール(キシリトール、エリスリトールなど)、人工甘味料(アスパルテーム、スクラロースなど)があり、それぞれカロリーの有無や甘味の強さ、体に与える影響が異なります。
これらの特徴を理解し、目的に応じて使い分けることも一つの方法です。
主な甘味料の種類と特徴
種類 | 例 | 特徴・注意点 |
---|---|---|
天然甘味料(糖類) | はちみつ、メープルシロップ、黒糖 | カロリーあり。ミネラル等を含むものもあるが、摂りすぎは砂糖と同様に注意。 |
糖アルコール | キシリトール、エリスリトール、ソルビトール | カロリーが低いかゼロ。血糖値への影響が少ない。一度に多量摂取するとお腹が緩くなることも。 |
人工甘味料(高甘味度甘味料) | アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムK | カロリーゼロ。ごく少量で強い甘味。安全性については様々な議論がある。 |
嗜好品としての砂糖の位置づけ
甘いお菓子やデザートは日々の生活に楽しみや潤いを与えてくれるものです。これらを完全に我慢するのではなく、「嗜好品」として捉えて量や頻度を決めて楽しむことが大切です。
毎日食べるのではなく、特別な時や週に数回のご褒美にするなど自分なりのルールを設けると良いでしょう。
食べる際にはゆっくり味わって満足感を得るように心がけましょう。
摂取量をコントロールする工夫
砂糖の摂取量を減らすためには日々の小さな工夫が役立ちます。
例えば飲み物は無糖のものを選ぶ、お菓子は小袋のものを選ぶ、料理に使う砂糖の量を少し減らしてみる、甘いものが欲しくなったら果物やナッツで代用するなど、できることから始めてみましょう。
また、空腹時に甘いものを食べると血糖値が急上昇しやすいため、食事の最後に少量摂るなどの工夫も有効です。
食事全体のバランスが大切
炭水化物や砂糖の摂り方だけでなく、健康を維持するためには食事全体のバランスが非常に重要です。
特定の栄養素だけを極端に制限したり過剰に摂取したりするのではなく、様々な食品をバランス良く摂ることを心がけましょう。
炭水化物・タンパク質・脂質のバランス
三大栄養素である炭水化物、タンパク質、脂質はそれぞれ体内で異なる役割を担っています。これらを適切なバランスで摂取することが健康な体作りの基本です。
一般的に推奨されるエネルギー産生栄養素バランスは炭水化物50~65%、タンパク質13~20%、脂質20~30%とされています。
このバランスを意識しながら日々の献立を考えると良いでしょう。
ビタミン・ミネラルの役割
ビタミンやミネラルは体の調子を整えたり、三大栄養素がスムーズに働くのを助けたりする重要な役割を持っています。これらは主に野菜、果物、海藻類、きのこ類などに多く含まれています。
炭水化物をエネルギーに変える際にもビタミンB群などが必要となるため、これらの微量栄養素もしっかりと摂取することが大切です。
バランスの取れた食事のポイント
- 主食(ごはん、パン、麺など):エネルギー源
- 主菜(肉、魚、卵、大豆製品など):タンパク質源
- 副菜(野菜、きのこ、海藻など):ビタミン・ミネラル・食物繊維源
これらを毎食揃えることを意識すると自然とバランスが整いやすくなります。
食事のタイミングと血糖コントロール
食事を摂るタイミングや食べ方も血糖コントロールに影響します。1日3食を規則正しく摂ることは血糖値の急激な変動を防ぐために重要です。
また、食事の最初に野菜やきのこ類などの食物繊維が豊富なものから食べる「ベジタブルファースト(ベジ先)」は、食後の血糖値上昇を緩やかにする効果が期待できます。
よく噛んでゆっくり食べることも満腹感を得やすくし、食べ過ぎを防ぐのに役立ちます。
管理栄養士に相談するメリット
ご自身の食生活について不安な点や改善したい点がある場合は、専門家である管理栄養士に相談することをおすすめします。
管理栄養士は個々のライフスタイルや健康状態、食の好みを考慮しながら、具体的で実践しやすい食事のアドバイスを行います。
糖尿病やその他の生活習慣病の食事療法についても専門的なサポートを受けることができます。一人で悩まず気軽に相談してみてください。
よくある質問(Q&A)
砂糖や炭水化物に関して、患者様からよく寄せられるご質問とその回答をまとめました。
- Q果物に含まれる糖分も砂糖と同じように体に悪いのですか?
- A
果物には果糖やブドウ糖などの糖類が含まれていますが、同時に食物繊維、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質なども豊富に含んでいます。これらの栄養素は健康維持に役立ちます。
ただし、果物も食べ過ぎれば糖質の過剰摂取につながるため、適量を守ることが大切です。一般的に1日の目安は握りこぶし1~2個分程度と言われます。
ドライフルーツやジュースは糖分が凝縮されているため、特に量に注意しましょう。
- Q「糖質ゼロ」「糖類ゼロ」の違いは何ですか?
- A
「糖類ゼロ」は食品100g(または飲料100ml)あたりの単糖類または二糖類の含有量が0.5g未満の場合に表示できます。
一方「糖質ゼロ」は糖類の他に多糖類や糖アルコールなども含めた糖質全体の含有量が0.5g未満の場合に表示できます。つまり「糖質ゼロ」の方がより広範囲の糖質が少ないことを意味します。
ただし、どちらも完全にゼロではない場合がある点に注意が必要です。
- Q人工甘味料は体に悪いという話を聞きますが、本当ですか?
- A
人工甘味料の安全性については長年にわたり様々な研究が行われており、国が定めた基準内での使用は安全であるとされています。
しかし長期的な影響や腸内環境への影響など、まだ研究途上の部分もあります。
カロリーを抑えたい場合に上手に利用するのは一つの方法ですが過度に依存せず、基本的には自然な食品からの栄養摂取を心がけることが望ましいでしょう。
不安な場合は医師や管理栄養士にご相談ください。
- Q糖尿病の人は砂糖を全く摂ってはいけないのですか?
- A
糖尿病の方が砂糖を完全に断つ必要はありませんが、摂取量や頻度には十分な注意が必要です。
砂糖は血糖値を急上昇させやすいため、コントロールが難しくなることがあります。
主治医や管理栄養士とよく相談し、ご自身の状態に合わせた適切な糖質の摂り方について指導を受けることが重要です。
嗜好品として少量楽しむ場合も血糖値の変動を考慮しながらタイミングや量を工夫しましょう。
以上
参考にした論文
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