神戸きしだクリニック

神戸きしだクリニックでは、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や神経筋疾患、睡眠時無呼吸症候群などの呼吸器疾患によって呼吸機能が低下した患者様に対し、NPPV(在宅人工呼吸療法)を提供しています。

NPPV導入に関するご相談や、すでに他院でNPPVを使用されている方の管理もお引き受けしております。専門医が丁寧に診察し、一人ひとりに合わせた治療プランをご提案いたします。

「息苦しさが改善しない」「夜間の呼吸が苦しい」「CO2が高いと言われた」などの症状でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。現在の治療で十分な効果が得られていない場合、NPPVによって生活の質が大きく改善する可能性があります。

呼吸器内科の診療時間

診療時間日祝
9:00 – 12:00
隔週
13:30 – 16:30
09:00~12:0013:30~16:30

隔週

アクセス

〒650-0017 兵庫県神戸市中央区楠町6-13-24-2階
神戸市営地下鉄山手線「大倉山駅」西出口1から徒歩5分 提携駐車場有

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NPPVとは

NPPVとは

NPPV(Non-invasive Positive Pressure Ventilation:在宅人工呼吸療法)は、気管切開を行わずに専用のマスクを使用して呼吸をサポートする治療法です。

マスクを通じて一定の圧力で空気を送り込むことで、患者様の肺に十分な空気が入るようにサポートし、二酸化炭素の排出を促進します。通常の呼吸では十分な換気ができない方の呼吸を効果的に補助します。

NPPVは侵襲性が低く、必要なときだけ使用できるため、患者様の生活の質を大きく損なうことなく呼吸サポートを提供できる治療法です。

※NPPVは「非侵襲的陽圧換気療法」(Non-invasive Positive Pressure Ventilation)の略称で、これが正式な医学用語です。一方、「在宅人工呼吸療法」は患者様に説明する際の一般的な呼び方として使われることもあります。このページでは患者様の理解しやすさを優先し、「在宅人工呼吸療法」という表現で統一しました。

NPPV治療のメリット

  • 呼吸困難感の軽減
  • 睡眠の質の向上
  • 日中の疲労感や眠気の改善
  • 夜間の低酸素状態の改善
  • 二酸化炭素の排出促進
  • 入院回数の減少
  • 生活の質(QOL)の向上
  • 気管切開を回避できる可能性
  • 長期的な予後の改善

対象となる主な疾患

  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)でⅡ型呼吸不全を呈する場合
  • 神経筋疾患(筋萎縮性側索硬化症、脊髄性筋萎縮症など)
  • 拘束性肺疾患(重度の胸郭変形など)
  • 睡眠時無呼吸症候群(特に中枢性や複合性)
  • 肥満低換気症候群
  • 慢性心不全
  • 間質性肺疾患の進行期
  • 胸郭変形(後側弯症など)

NPPVの種類

CPAP
(持続陽圧呼吸療法)

睡眠時無呼吸症候群の治療に主に使用されます。

一定の圧力で空気を送り込み、気道の閉塞を防ぎます。

BiPAP
(二相性陽圧呼吸療法)

吸気と呼気で異なる圧力を設定できるため、より自然な呼吸をサポートします。COPD、心不全、神経筋疾患などの患者様に適しています。

ASV
(適応補助換気)

中枢性無呼吸や複合性睡眠時無呼吸症候群に効果的で、呼吸の状態に応じて自動的に圧力を調整します。

AVAPS
(平均容量保証圧力サポート)

一定の換気量を確保するため、患者様の状態に応じて自動的に圧力を調整します。肥満低換気症候群や神経筋疾患に効果的です。

HOTとNPPVの
適応と使い分け

HOT(在宅酸素療法)とNPPV(在宅人工呼吸療法)は、どちらも慢性呼吸不全の患者様のためのサポート治療ですが、以下のように治療目的と効果が異なります。

HOT
(在宅酸素療法)

目的低酸素血症の改善
作用酸素濃度を高めた空気を供給
主な対象Ⅰ型呼吸不全(低酸素血症が主体)
適応疾患COPD、間質性肺炎、肺線維症など
特徴換気補助は行わない

NPPV
(在宅人工呼吸療法)

目的換気の補助と二酸化炭素の排出促進
作用陽圧によりマスクから空気を送り込む
主な対象Ⅱ型呼吸不全(低酸素血症+高二酸化炭素血症)
適応疾患COPD重症例、神経筋疾患、肥満低換気症候群など
特徴積極的な換気補助を行う

当院では、患者様の状態に応じて両方の治療法を組み合わせることも行います。例えば、日中はHOTを使用し、夜間の睡眠時にはNPPVを使用するといったケースもあります。

また、病状の進行に伴い、HOTからNPPVへ移行したり、併用したりすることもあります。いずれの場合も、定期的な評価を行い、患者様の状態に適した治療法をご提案いたします。

HOT(在宅酸素療法)について詳しくはこちらをご覧ください。

NPPV導入の手順

1
初診・呼吸状態評価

詳細な問診と身体診察
呼吸状態の評価

2
精密検査

動脈血ガス分析
肺機能検査
一晩の睡眠時モニタリング

3
NPPV適応の判断

検査結果からNPPV適応を判断
患者様への説明と同意

4
機器選定・マスクフィッティング

最適な機種とマスクの選定
マスクの装着感調整
圧力設定の調整

5
使用方法の指導

機器の使用方法説明
マスクの着脱指導
お手入れ方法の説明

6
定期的なフォローアップ

1~2ヶ月ごとの経過観察
使用状況の確認
機器設定の微調整

当院のHOT管理の特徴

当院のNPPV管理の特徴

神戸きしだクリニックでは、呼吸器専門医が詳細な呼吸機能評価を行い、患者様お一人おひとりの状態に合わせた最適なNPPV療法を提供します。

動脈血ガス分析や睡眠時モニタリングなどの客観的データに基づき、必要とされる陽圧の程度や換気モード、吸気・呼気圧の設定など、きめ細かな調整を行います。

また、NPPVの効果を最大限に発揮し、快適に使用していただくために、様々なタイプのマスクから患者様に最適なものを選定し、顔の形状に合わせて細かく調整します。

導入後も定期的な通院によるフォローアップを行い、治療効果の評価や機器設定の見直し、マスクの再調整などを行います。使用中の困りごとにも丁寧に対応します。

NPPVに関する
よくある質問

患者さまからよくある質問をまとめました。(Qを押すと回答が開きます)

Q
NPPV治療は保険適用されますか?
Q
NPPVは毎日使わなければいけませんか?
Q
マスクが苦しくて続けられるか心配です。
Q
外出先や旅行でも使用できますか?
Q
停電時はどうすればよいですか?
Q
他院からの転院は可能ですか?

来院予約のご案内

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