「少し動いただけで息切れがする」
「階段を上るのがつらい」
「咳やたんが長引いて、なかなか治らない」
「風邪をひきやすく、なかなか治らない」

――こんな症状でお悩みではありませんか?

これらは、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の代表的な症状かもしれません。

COPDには、肺胞が壊れる「肺気腫」と、気道に慢性的な炎症が起きる「慢性気管支炎」という2つの病態が含まれます。主に長年の喫煙により引き起こされ、多くの場合、両方の症状が組み合わさって現れます。

完全な治癒は難しいものの、適切な治療を行うことで症状を和らげ、普段の生活を快適に過ごすことができます。

実は、COPDは50歳以上の方の約8.6%が罹患していると言われていますが、実際に治療を受けている方は多くありません。息切れなどの症状は年齢のせいだと思い込んでしまい、治療が遅れてしまうことも少なくありません。

神戸市中央区にある神戸きしだクリニックでは、患者さまお一人おひとりの症状や生活環境に合わせた治療を提供しています。本ページでは、当院でのCOPD治療について詳しくご説明いたします。

安心して受診いただける診療体制

「病院に行ったほうがいいのかな…」「検査は大変なのかな…」「治療は長期になるのでは…」そんな不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

当院の呼吸器内科では、以下のような診療体制を整えています。

  • 大学病院での豊富な臨床経験を持つ呼吸器専門医による診察
  • 専門知識を持つ看護師による療養指導
  • 薬剤師による丁寧な吸入指導
  • 各種検査機器を用いた正確な診断
  • 地域の医療機関との連携

特に、吸入薬の使用方法については、定期的に確認と指導を行い、最適な治療効果が得られるようサポートしています。

必要に応じて、神戸大学医学部附属病院や神戸市立医療センター中央市民病院などの高度医療機関とも連携し、より専門的な医療を提供できる体制も整えています。

健康診断で胸部レントゲン異常を指摘された・精密検査が必要と言われた方へ

正確な診断のための検査

COPD治療で最も重要なのは、正確な診断です。当院では、以下のような検査を通じて、詳しい診断を行っています。

呼吸機能検査による診断

COPDの診断に最も重要なのが、スパイロメトリーによる呼吸機能検査です。この検査では、大きく息を吸い込んでから、一気に限界まで吐き出していただきます。

検査のポイントは主に2つです。

一つは「1秒率」(FEV1/FVC)で、これが70%未満の場合、気流閉塞があると判断されます。

もう一つは「1秒量」(FEV1)で、これにより重症度を判定します。この検査結果は治療方針を決める重要な指標となります。

胸部CT検査による詳しい評価

胸部CT検査では、肺の状態を断層的に観察することができます。COPDでは以下のような変化が見られます。

  • 肺気腫による肺胞の破壊の程度と分布
  • 気道壁の肥厚の有無
  • 肺の過膨張の状態

また、肺がんなどの合併症がないかも同時に確認します。COPDの患者さまは肺がんのリスクが高まることが知られているため、定期的な検査が重要です。

その他の検査

症状や重症度に応じて、以下の検査も行います。

動脈血ガス分析

重症の方では、血液中の酸素や二酸化炭素の濃度を測定します。この結果により、酸素療法の必要性を判断します。

運動時の評価

6分間歩行試験などで運動耐容能を評価し、日常生活での活動制限の程度を把握します。運動時の酸素飽和度も同時にチェックします。

検査結果を総合的に判断し、患者さま一人一人の状態に合わせた治療計画を立てていきます。

総合的な治療アプローチ

COPDの治療は、症状の程度や生活環境に応じて、以下のような治療を組み合わせて行います。

禁煙支援プログラム

COPDの治療で最も重要なのは禁煙です。当院の禁煙外来では、経験豊富な医師による診察と、専門の看護師によるカウンセリングを組み合わせた総合的なサポートを提供しています。

禁煙補助薬を用いた薬物療法や、行動療法を組み合わせることで、確実な禁煙を目指します。禁煙により、COPDの進行を抑え、症状の改善が期待できます。

薬物療法

吸入薬による治療

COPDの薬物治療の中心となるのが吸入薬です。症状や重症度に応じて、以下のような薬剤を使用します。

長時間作用性気管支拡張薬(LAMA/LABA)

気道を広げる効果が長時間持続する薬剤です。毎日定期的に使用することで、息切れなどの症状を和らげます。

吸入ステロイド薬(ICS)

気道の炎症を抑える効果があり、特に増悪を繰り返す患者さまに効果的です。

配合剤

これらの薬剤を1つの吸入器にまとめた便利な製剤も使用できます。

当院では、各患者さまに適切な吸入デバイスを選択し、正しい使用方法を丁寧に指導いたします。定期的な使用方法の確認も行っています。

内服薬による治療

去痰薬(たんを出しやすくする薬)や、気管支拡張薬の内服薬を、症状に応じて使用します。

呼吸リハビリテーション

呼吸法の指導や運動療法により、息切れを軽減し、運動耐容能を改善することができます。

呼吸法の指導

口すぼめ呼吸や腹式呼吸など、効率的な呼吸方法を指導します。これらの呼吸法により、息切れを軽減し、運動時の息苦しさを和らげることができます。

運動療法

歩行練習や筋力トレーニングなど、個々の患者さまの状態に合わせた運動プログラムを提供します。運動を継続することで、日常生活での活動性を維持・向上させることができます。

その他の治療選択肢

重症の患者さまには、在宅酸素療法や気管支鏡下肺容量減少術なども選択肢として検討します。必要に応じて、専門医療機関と連携して治療を行います。

生活指導と自己管理のサポート

COPDの治療では、日常生活での自己管理が重要です。当院では、以下のような生活指導を行っています。

感染予防

COPDの患者さまは、呼吸器感染症にかかりやすく、症状が重症化しやすい傾向があります。

手洗い、うがい、マスク着用などの基本的な感染予防対策を指導します。また、予防接種(インフルエンザ、肺炎球菌)も推奨しています。

環境整備

室内の温度や湿度の管理、換気の重要性、また環境中の刺激物(タバコの煙、強い臭い)を避けることなど、具体的な環境整備の方法をアドバイスします。

運動・活動

過度な安静は筋力低下を招く一方で、無理な運動は症状を悪化させる可能性があります。個々の患者さまの状態に合わせた、適切な運動・活動量を提案します。

食事・栄養

適切な栄養摂取は、COPDの管理において重要です。特に、たんぱく質やカロリーの適切な摂取、水分補給の重要性について指導します。

緊急時の対応

COPDでは、症状が急に悪化する「増悪」が起こることがあります。以下のような症状が現れた場合は、すぐに受診してください。

  • いつもより息苦しさが強くなった
  • 普段の薬が効かない
  • たんの量や色が変わった
  • 37.5度以上の発熱が続く

COPDについて、より詳しい情報は以下の記事もご参照ください。

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