仕事や家事に集中できないほどの睡眠不足が続くと、気分が落ち着かず、日常生活の質が下がってしまいます。人によっては「なぜか眠りづらい」「夜中に何度も目が覚める」など、原因がつかめないまま悩みを抱えるケースもあります。

実際には、ホルモンバランスの乱れや心身のストレスなど、体内の仕組みが影響している可能性も考えられます。

ここでは、主に不眠が続く方に向け、考えられる原因や改善方法、病院への受診の目安について解説いたします。

「なかなか眠れない」「途中で何度も目が覚める」このような慢性的な不眠は単なるストレスや生活習慣の乱れだけでなく、甲状腺機能亢進症やホルモンバランスの異常など、内分泌系の問題が隠れている可能性があります。

神戸きしだクリニックの内分泌内科では、不眠の根本原因を詳細な検査で突き止め、患者様の生活リズムに合わせた治療プランをご提案いたします。詳しくはこちら

この記事を書いた人

神戸きしだクリニック院長 岸田雄治
岸田 雄治
神戸きしだクリニック院長

医学博士
日本医学放射線学会認定 放射線診断専門医
日本核医学会認定 核医学専門医
【略歴】
神戸大学医学部卒。神戸大学大学院医学研究科医科学専攻博士課程修了。神戸大学附属病院 放射線科 助教。甲南医療センター放射線科医長を経て神戸きしだクリニックを開業(2020年6月1日)

不眠が続くときに見えてくる体のサイン

不眠が続くと、体や心に何らかのサインが出始めることがあります。ここでは、そのサインがどのような形で現れるのか、また早めの対処が大切な理由について整理します。

眠れない日々が体に及ぼす影響

眠れない日が続くと、体にはさまざまな影響が現れます。朝起きたときの疲労感が抜けない、頭がぼんやりする、肩こりや腰痛がひどくなるなど、日中に多くの不快感を抱えやすくなります。

こうした慢性的な寝不足状態は、心身に大きな負担をかける要因となり、気持ちの落ち込みや集中力の低下にもつながりやすくなります。

イライラや焦燥感との関係

睡眠不足が慢性化すると、イライラ感や落ち着きのなさ、焦りなどの感情面の変化に気づく場合があります。

思うように体が動かず、予定どおりに物事が進まないもどかしさから、精神的な負担が増えることも珍しくありません。

こうした感情面の変化は、さらに睡眠の質を落としてしまう悪循環を引き起こしやすいため、少しでも不安を覚えたら対処法を検討する必要があります。

ホルモンバランスが関係するケース

不眠が継続するとき、甲状腺ホルモンなど内分泌系の乱れが関わっているケースもあります。

甲状腺機能が亢進していると、動悸や不安感が生じることでうまく眠れないことがありますし、逆に甲状腺機能が低下すると倦怠感や体のだるさで夜間の睡眠リズムが乱れることもあります。

必ずしも全ての不眠がホルモン異常と直結するわけではありませんが、状況次第では内分泌内科を受診してみる選択肢も考えられるでしょう。

不眠時の主な身体症状

症状具体例関連要因
倦怠感朝起きられない、やる気の低下睡眠不足、甲状腺機能異常など
頭重感頭が重だるい、集中しづらい睡眠の質低下、ストレス
動悸・息苦しさ心臓がドキドキする、呼吸が浅く感じる甲状腺機能亢進、不安感など
イライラ感小さなことでも腹が立つ睡眠不足、ホルモンバランス
手足の冷えやむくみ血行不良甲状腺機能の低下、ストレス

このように、不眠の背景には多様な要素がからみ合います。気になる症状が複数重なっている場合は、体全体を見直す視点が重要です。

睡眠不足が続くときに心がけたいこと

睡眠リズムの乱れが続くと、体調のほかに生活習慣もずれていきます。

食事や運動のタイミングがばらつくと、体内時計のコントロールが難しくなることがあるため、少しでも気になるときは身近な習慣を振り返ることが大切です。

不眠時に見直したい生活習慣

  • 寝る直前のカフェインやアルコールの摂取
  • 極端な夜更かしや長時間昼寝
  • 寝る直前のスマホ・タブレット操作
  • 喫煙や過度な飲酒

上記のような習慣が長期化すると、睡眠の質がさらに下がる可能性があります。日中の休息や運動時間の確保なども含めて、生活リズムを整える工夫が求められます。

不眠とストレスのかかわり

精神的ストレスは不眠の原因として多くの方が思い浮かべるポイントです。

仕事や人間関係の悩みはもちろん、環境の変化など、意外と見落としているストレス源もあるかもしれません。

ストレスから不眠へつながるメカニズム

ストレスを感じたとき、体内では自律神経のバランスが乱れやすくなります。交感神経が優位な状態が長引くと、寝つきの悪さや眠りの浅さを引き起こすことがあります。

さらに、心が緊張状態にあると、副交感神経の働きが抑えられ、リラックスできない状態が持続して不眠を悪化させる要因になりやすいです。

ストレスとホルモンの関係

強いストレスを受けると、コルチゾールというホルモンが多く分泌されます。

コルチゾールの過剰分泌が続くと、体が疲れやすくなるほか、血糖値の調整や免疫機能にも影響が出る可能性があります。

結果的に体内のホルモンバランスが崩れ、睡眠リズムにも悪影響を及ぼすことがあります。

ストレスが高まりやすい場面

状況主な原因体の反応
仕事の負荷が大きい長時間労働、複雑な人間関係、責任の重さ頭痛、肩こり、胃痛など
生活環境の急変引っ越し、転職、家族構成の変化など不安感、眠りづらさ
人間関係のトラブルパワハラ、いじめ、衝突の頻発など動悸、息苦しさ、冷や汗
プライベートの悩みや不安経済的不安、将来への漠然とした恐怖など気分の落ち込み、集中力の低下
重い責任感・完璧主義の性格傾向自分を追い込みやすく、リラックスが苦手なタイプ睡眠リズムの乱れ、寝つきの悪化

このように、ストレス環境が続くときは、まず自分の置かれている状況を客観的に見つめ直してみることが第一歩になります。

特に、急に増えた仕事量や生活変化に気づかず、体に負担をかけているケースは少なくありません。

自分でできるストレス対策

ストレスを完全に排除するのは難しいですが、意識してストレスと向き合う時間を設けるだけでも気持ちはかなり違ってきます。

リラックスの方法や、ストレスの発散方法を取り入れると、夜の安眠につながる可能性があります。

ストレスを緩和する工夫

  • ゆっくりと入浴して体を温める
  • 瞑想や深呼吸などで心を落ち着かせる
  • 音楽を聴いたり、軽いストレッチをする
  • 信頼できる人に悩みを相談する

加齢による睡眠の変化と不眠

年齢を重ねるにつれて、睡眠の質やパターンは大きく変化します。若いころと同じ感覚で寝ようとすると、思うように眠れないことに戸惑うこともあるでしょう。

シニア世代の睡眠の特徴

シニア層になると、深い眠り(ノンレム睡眠)の時間が短くなるといわれています。そのため、夜中に目が覚めやすかったり、早朝に起きてしまう傾向が強まります。

また、加齢とともに生活スタイルが変わり、日中の活動量が少なくなると、夜の眠りが浅くなるケースも考えられます。

ホルモン分泌の変化との関連

高齢になると、メラトニンなどの睡眠に関わるホルモン分泌が減少することがあるとされています。

さらに、女性では更年期を迎えるとエストロゲンの量に変動が生じ、自律神経や気分のバランスが乱れやすくなることがあります。

こうした変化は、睡眠リズムの乱れを引き起こす一因になることがあります。

加齢による睡眠障害の主な特徴

特徴具体的な変化影響
入眠潜時の延長寝つきが悪くなる夜間の不安やイライラが増す
夜間覚醒の増加トイレや物音で起きる回数が増える連続した睡眠がとりにくくなる
早朝覚醒の増加朝方に目が覚めると再入眠しにくい睡眠時間が短くなり眠り足りない感
日中の傾眠眠気を感じやすく、うとうとしてしまう生活リズムの乱れ
睡眠の浅さ深い眠りの時間が短くなる疲労が回復しにくい

このように、年齢とともに睡眠のパターンは変わり、その変化自体が不眠の原因と感じる方もいます。

個人差は大きいため、自分の体質や生活リズムに合わせて寝る時間を調整することが大切です。

生活リズムを整える具体例

高齢期に差しかかった方や、中高年の方が睡眠を見直したいときは、日中の過ごし方や夕方以降の習慣がポイントになります。

シニア世代で工夫したい過ごし方

  • 日中は適度に散歩や軽い体操をして体を動かす
  • 午後の遅い時間帯(15:00以降)の長い昼寝を避ける
  • 日光を浴びて体内時計を調整する
  • 就寝前に軽い読書など、静かな時間をつくる

眠くなったタイミングで素直に寝床につくことも有効ですが、極端な早寝早起きは、夜中や明け方に目覚めたときのつらさにつながりやすいので注意が必要です。

女性特有のホルモンバランスと不眠

女性は生理周期や妊娠・出産、更年期など、一生のうちにホルモン環境が大きく変化します。

こうしたホルモンバランスの変動は睡眠にも影響しやすいため、女性ならではの不眠の特徴について把握しておくと対策しやすいでしょう。

生理周期と不眠の関係

生理前の時期にプロゲステロンの増減が起こることで、体調面や気分面に変化が生じます。

イライラや不安が強まり、夜の寝つきが悪くなるケースや、逆に過剰な眠気を感じるケースもあります。また、生理痛が強い方では、痛みが不眠を悪化させる可能性もあります。

妊娠・出産期の不眠

妊娠中は胎児の成長に合わせてホルモンバランスが変化するほか、体重増加による負担やお腹の張り、頻尿などで寝つきが悪くなることもあります。

出産後は育児による睡眠不足が続き、自律神経やホルモンの回復が追いつかないままに不眠に陥ることも考えられます。

女性のライフステージ別・不眠につながる要因

ライフステージ主なホルモン変化不眠要因
思春期性ホルモンの急激な増加生理不順による体調の不安定
妊娠期エストロゲン・プロゲステロンの変動つわり、体重増加、頻尿など
産後ホルモン量の急激な変化夜間授乳、育児ストレス、睡眠不足
更年期エストロゲン減少のぼせ、発汗、イライラ、不安感など

こうしたライフステージごとに睡眠の課題は異なり、本人だけでなく周囲のサポートも重要となります。

更年期の睡眠障害

更年期に入ると、女性ホルモンのエストロゲンが減少し、のぼせやほてり、発汗などの症状が出ることがあります。これにより夜間に目が覚めやすくなったり、寝つきが悪くなったりすることが珍しくありません。

ホットフラッシュの影響で寝具を何度も変える必要があったり、寝苦しさでストレスが高まるケースも見られます。心身のケアを意識しつつ、必要に応じて医療機関に相談すると安心できるでしょう。

女性の睡眠を心地よくするために

  • お腹や腰を温めるために腹巻やあったかインナーを活用する
  • 寝室の室温・湿度をこまめに調整する
  • きつすぎないパジャマで血流を妨げない
  • 香り(アロマ)でリラックスを助ける

甲状腺機能異常と不眠の関係

甲状腺ホルモンは体の代謝をコントロールするうえで重要な役割を担っています。その分泌が多すぎたり少なすぎたりすると、不眠の症状を引き起こすことがあります。

内分泌内科で診察する代表的な病気の1つでもあるため、気になる症状があれば専門医への相談を検討してもよいでしょう。

甲状腺機能亢進症の特徴

甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると、心拍数や代謝が高まりやすくなります。すると、動悸や発汗過多、イライラ、不安感などが見られ、不眠にもつながります。

体が常に興奮状態に近いので、夜になってもなかなかリラックスできず、寝つきが悪くなったり夜中に目が覚めやすくなったりします。

甲状腺機能低下症の特徴

一方、甲状腺ホルモンが十分に分泌されないと、体の代謝が低下します。倦怠感や寒がり、むくみなどが生じて昼間も疲れがとれにくくなります。

その結果、日中にうとうとして昼寝をしすぎてしまう方も多く、夜間の睡眠リズムが乱れて不眠の一因になる場合があります。

甲状腺機能異常の主な症状と不眠への影響

病態主な症状不眠とのかかわり
甲状腺機能亢進症動悸、発汗、イライラ、体重減少興奮状態の持続で寝つきが悪くなりやすい
甲状腺機能低下症倦怠感、体重増加、寒がり、むくみ、便秘日中の眠気で生活リズムが乱れやすい

甲状腺機能が乱れているかどうかは、血液検査で調べることが可能です。

普段の生活習慣では説明しづらい疲れやイライラが続く場合には、ひとつの可能性として内分泌内科で検査を受けるのも選択肢です。

病院での治療とセルフケア

甲状腺機能異常が見つかった場合、内服薬によるホルモンバランスの調整を進めることで、症状の改善を期待できます。

セルフケアとしては、生活リズムを整えながら、必要に応じて主治医に相談することが大切です。

甲状腺に配慮した日常生活のヒント

  • ストレスを蓄積させないための息抜きを取り入れる
  • 過労や激しい運動で体に過度な負担をかけない
  • 海藻類(ヨウ素を多く含む)を取りすぎないよう気をつける
  • 寒暖差が激しい場所を避け、体温を保ちやすい服装を心がける

こうしたポイントを押さえておくと、治療の効果を高めつつ、不眠を和らげることにもつながるでしょう。

睡眠薬との付き合い方

不眠が深刻化すると、睡眠薬に頼ろうかと悩む方もいます。

正しい知識のもとで活用すれば一時的なサポートとなり得ますが、やみくもに使用すると逆に不眠をこじらせるリスクもあるため注意が必要です。

睡眠薬の種類と特徴

睡眠薬には大まかに、ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系、メラトニン受容体作動薬など、いくつかの種類があります。

それぞれ作用時間や副作用の出方が異なるため、医師と相談して自分の症状やライフスタイルに合った薬を選ぶことが重要です。

代表的な睡眠薬のタイプ

種類特徴留意点
ベンゾジアゼピン系効果がはっきり現れやすい依存リスク、長期使用に注意
非ベンゾジアゼピン系比較的副作用が少ないとされることが多い個人差あり、耐性に注意
メラトニン受容体作動薬体内時計を調整する作用に期待効果発現に時間がかかる場合もある
抗うつ薬の一部抗うつ作用と鎮静作用を併せ持つものがある眠気以外の副作用にも注意が必要

ただし、上記はあくまで一般的な傾向です。実際の処方では、年齢や体の状態、ほかの薬との相互作用を考慮して処方量や種類を検討します。

睡眠薬の効果とリスク

睡眠薬を使うと寝つきがよくなる、夜中に起きにくくなるなどの効果が期待できます。一方で、長期間の連用は依存や耐性のリスクを高め、薬が手放せなくなる可能性もあります。

また、翌朝のだるさや記憶障害など、副作用のリスクもゼロではありません。

睡眠薬使用で気をつけたいこと

  • 医師から処方された用量や飲み方を守る
  • 早朝起きる必要があるときは作用時間の長い薬に注意
  • ほかの薬を併用する場合は相互作用を確認する
  • 使用期間を決め、定期的に医師と相談して減薬を検討する

睡眠薬は適切に活用すれば助けになる存在ですが、根本的な原因が解決されないままでは再び不眠に悩まされる可能性があります。

生活習慣の見直しやストレス対策と並行して取り組むことが肝要です。

生活習慣を整える具体的なコツ

不眠に関わる多くの原因は、日々の生活習慣と直結しています。些細な習慣を変えるだけでも、夜の眠りが驚くほど改善することがあります。

朝の過ごし方と夜の眠り

朝起きてしばらくは、脳と体を目覚めさせるために日光を浴びるのが効果的といわれています。

起床後の光刺激が体内時計のリセットに役立ち、夜になると自然と眠気が訪れやすくなります。また、朝食をしっかりと摂ることで代謝が動き始め、体が「活動モード」に入りやすくなります。

朝に試してみたいルーティン

  • 起床後すぐにカーテンを開けて自然光を取り込む
  • 朝食にはタンパク質やビタミンを意識して摂る
  • 朝に軽いストレッチや散歩をして血行を促す
  • スマホチェックは最小限に留め、ゆったりとした時間を過ごす

これらを続けると、夜間の睡眠にもいい影響が出ることが多いです。

夜のリラックスタイム

夜は副交感神経が優位になり、体が休息モードに入る準備を行う時間帯です。寝る直前までテレビやスマホを見ていると脳が刺激され、興奮状態から抜けられなくなる場合があります。

できるだけ照明を落として、落ち着いた環境で過ごすよう心がけると、スムーズに眠気が訪れます。

夜におすすめの過ごし方

時間帯行動例目的・効果
夕食後食器洗いや軽い家事で体を動かす消化を促進し、体をほぐす
就寝1時間前テレビ・スマホの使用を控える脳への刺激を減らす
就寝前暗めの照明の部屋で静かに過ごす副交感神経を優位にしてリラックスしやすい
就寝直前呼吸を意識した深呼吸や軽いストレッチ心身を落ち着かせ、寝つきをよくする

リラックスできる音楽やアロマを取り入れると、より心が安らぐ方も多いです。

食生活の見直し

夜遅い時間帯にしっかり食事を摂ると、胃腸が活発になり寝つきが悪くなることがあります。

炭水化物や糖質が多い食事も、就寝まで時間をおかずに摂ると血糖値の乱高下で眠りを妨げるかもしれません。

安眠を促す栄養素

  • トリプトファン:牛乳、大豆製品、バナナなど
  • ビタミンB群:豚肉、レバー、玄米など
  • マグネシウム:ナッツ類、海藻、豆腐など

こうした栄養素を日々の食事に取り入れると、神経の安定やホルモンバランスの維持に役立ち、結果的に不眠の改善が期待できる場合があります。

こんなときは内分泌内科の受診も視野に

不眠の原因がはっきりしないままいろいろ対策を試しても改善が見られない場合や、ほかの症状が伴う場合は、内分泌や自律神経の問題も含めて検討したほうがいいかもしれません。

ここでは、具体的な受診の目安や相談先について触れます。

受診を考えるタイミング

睡眠の悩みが数日だけであれば、生活習慣の乱れや一時的なストレスということも多いです。

しかし、以下のような状況が続いているときは専門的な検査を検討してください。

内分泌内科の受診を考えたいサイン

  • 慢性的な倦怠感や動悸、発汗異常がある
  • イライラや気分の浮き沈みが激しく、睡眠障害が長期化している
  • 食事量や運動量に変化がないのに体重変化が大きい
  • 甲状腺付近に違和感や腫れを感じる

内分泌内科では血液検査や超音波検査などを通してホルモンの状態を調べることが可能です。

不眠がホルモンバランスと結びついている可能性を視野に入れると、原因の特定がしやすくなる場合があります。

心療内科や精神科との連携

不眠の原因がメンタル面に強く関連するときは、心療内科や精神科での診察が適切な場合もあります。

ストレスや不安障害、うつ状態などが背景にあると、内分泌だけでなく心理面のサポートが必要になるかもしれません。

クリニックによっては内分泌内科と心療内科が連携しているところもあるため、自分の症状や状況に合った形で相談するのがおすすめです。

不眠治療で関わる可能性のある診療科

診療科主な対象や特徴
内分泌内科ホルモン分泌や甲状腺、副腎の機能異常など
心療内科ストレス関連疾患、心身症など
精神科うつ病、双極性障害、不安障害など
神経内科神経系の疾患に起因する不眠など
一般内科不眠の初期相談や基礎疾患のチェック

どの診療科を受診すべきか迷うときは、まずは一般内科で相談し、必要に応じて専門科へ紹介してもらうとスムーズです。

クリニックを受診するときのポイント

医療機関で相談する場合、医師が状況を的確に把握できるような情報を提供すると診断や治療方針を考えやすくなります。

受診前にまとめておくと便利なこと

  • 不眠の期間や具体的な症状(眠れない、途中で目覚める、早朝に目覚めるなど)
  • 併発している体の不調や、生活習慣の変化
  • 気になるストレス要因(仕事・家庭・環境の変化など)
  • すでに取り組んでいる対策や使用中のサプリメント

こうした情報を整理しておくと、医師とのやりとりもスムーズになり、必要な検査や治療方法の決定に役立ちます。

受診時に便利なリスト

  • いつから不眠が続いているか
  • 夜中や明け方に起きる頻度
  • 日中の眠気の程度や集中力の低下
  • 普段の生活リズム(就寝時間・起床時間)
  • ほかに治療中の病気や服用中の薬

受診の際にはメモを携帯し、医師に伝えると説明がしやすいです。

まとめ

不眠が長引くと、仕事や家庭でのパフォーマンスが落ちるばかりか、健康面にも大きな影響が出ることがあります。

放置すると悪循環に陥りやすいのが不眠の怖いところですが、適切な対策や医療機関への相談で改善するケースも多いです。

改善に向けて続けたい習慣

日々の小さな工夫の積み重ねが、不眠の解消に向けた大きな一歩となります。何か新しい習慣を始めるときは、無理なく続けられることから取り組むのがコツです。

不眠解消のためにコツコツ続けたいポイント

  • 夜寝る前の1~2時間は静かに過ごす
  • 就寝・起床時間をある程度固定し、体内時計を安定させる
  • スマホやパソコンを使う時間を減らし、ブルーライト対策を意識する
  • カフェインやアルコールの摂取タイミングを工夫する

少しずつ続けることで、体のリズムがリセットされやすくなり、睡眠の質が変化してくる可能性があります。

明るい気持ちで過ごす工夫

睡眠と心の状態は密接につながっています。気持ちが落ち込みがちなときこそ、日光を浴びたり、運動や趣味でリフレッシュしたり、明るい気持ちを意識するとよいでしょう。

誰かと話したり、好きな音楽を聴いたりするだけでも、心が少し軽くなることがあります。

気分転換を積極的に取り入れる方法

気分転換の種類具体的なやり方期待できる効果
軽い運動・ストレッチウォーキング、ヨガ、自宅でのストレッチ血行促進やリフレッシュ、睡眠の質向上
趣味・創作活動絵を描く、音楽を演奏する、手芸やDIYに挑戦ストレス発散、達成感
自然とのふれあい公園散策、ハイキング、植物に水やりリラックス効果、気分のリセット
リラクゼーション法瞑想、深呼吸、マッサージ副交感神経を優位にし、心身を落ち着かせる

意識的にこうした活動を生活に組み込むと、ストレス発散になり夜のリラックス状態を高める助けになるでしょう。

内分泌内科の視点を忘れずに

甲状腺や副腎などのホルモンバランスに異常があると、いくら生活習慣を整えても解決しづらい場合があります。

症状が続き、ほかの不調も感じるときは、一度血液検査を受けてみると安心材料になるかもしれません。

不眠が長引くときに考えたい検査や相談

  • 甲状腺機能(TSH、FT3、FT4など)の血液検査
  • 血糖値やHbA1c(糖代謝の指標)の確認
  • 貧血やビタミン不足など、全身状態のチェック
  • 必要に応じて心療内科やカウンセリングの併用

医療機関を上手に活用し、自分の体調を客観的に把握しながら対策を打つことで、不眠の根本原因を見つけやすくなります。

この記事のポイント

  • 不眠の原因はストレスや生活習慣だけではなく、内分泌異常の可能性もある
  • 特に甲状腺機能亢進症・低下症は不眠との関連が深い場合がある
  • 女性は生理周期、更年期などホルモンバランスの変動が大きく、不眠が生じやすい
  • 不眠が続く場合、生活習慣の調整やストレスケアを試すと同時に、必要に応じて専門の医療機関に相談するとよい

自分の体の声に耳を澄ませ、早めに手を打つことが大切です。無理せず、自分ができるところから始めてみると、必ず何らかの変化が訪れるでしょう。

不眠は、じっくりと時間をかけて向き合うべき問題です。一気に解決しようと焦るよりも、少しずつ環境調整や医療サポートを組み合わせていくほうが、結果としてうまくいくことが多いです。

ご自身の体と心の状態を把握し、必要に応じて内分泌内科を受診しながら、長期的に改善に取り組んでみてください。

当院(神戸きしだクリニック)への受診について

神戸きしだクリニックの内分泌内科では、不眠の原因となるホルモンバランスの乱れに関する専門的な診察を行っております。

慢性的な不眠や睡眠の質の低下は、甲状腺機能異常やコルチゾールなどのストレスホルモンの分泌異常が隠れている可能性があります。

質の高い睡眠を取り戻し、心身の健康を改善するため、なかなか改善しない不眠症状にお悩みの方は、どうぞお気軽に当院までご相談ください。

内分泌内科

診療時間日祝
9:00 – 12:00
隔週
13:30 – 16:30
09:00~12:0013:30~16:30

隔週

検査体制

  • 甲状腺機能検査(TSH・FT3・FT4)
  • 副腎皮質ホルモン検査(コルチゾールなど)
  • 下垂体ホルモン検査
  • 血液検査(貧血・炎症反応・電解質バランスなど)
  • 自己抗体検査(バセドウ病・橋本病など)

など、症状に応じた適切な検査を実施いたします。専門的な精査や詳細検査が必要な場合は、神戸大学医学部附属病院など高度医療機関と連携して対応いたします。

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