「マンジャロを使うと鬱になる」と決まったわけではありません。米国と欧州の規制当局はどちらもGLP-1受容体作動薬と自殺念慮や自傷との関連を調べ、因果関係を裏づける証拠は見つからなかったと公表しています。
とはいえ、気分が落ち込む人はいないという意味ではありません。糖尿病そのものが心の状態を揺らしますし、食事量の変化や低血糖も、うつに似た症状として表に出ます。
薬のせいかどうかを一人で見分けるより、どんな症状が出たら誰に相談するかを先に決めておくほうが、実際の助けになります。
当局が何を調べ何を保留したのか、そして症状が出たときの動き方まで順に取り上げます。
マンジャロで鬱になるのか、規制当局は因果関係を認めていない
結論から言えば、マンジャロを含むGLP-1受容体作動薬が鬱や自殺念慮を引き起こすという因果関係は、現時点で確認されていません。ただし、各国が調べた対象も、結論の強さも同じではありません。
| 時期 | 評価した機関 | 公表された内容 |
|---|---|---|
| 2024年1月 | 米国のFDA | 予備的な評価では、GLP-1受容体作動薬が自殺念慮や自殺関連行動を引き起こす証拠は見つからなかった |
| 2024年4月 | 欧州のEMA | 5つの成分について因果関係を支持する証拠はなく、製品情報の更新も要らないと結論した |
| 2026年1月 | 米国のFDA | 減量目的で承認された3製剤から、自殺念慮に関する記載を削除するよう要請した |
心配が広がったきっかけは2023年の副作用報告
2023年、リラグルチドやセマグルチドを使っている人から自殺や自傷に関する報告が寄せられ、米国のFDAは同年7月に調査へ入りました。欧州のEMAも同じ7月に審査を始め、11月には製造販売業者へ追加のデータを求めています。
報告が集まっただけでは、薬が原因なのか、もともとの状態や生活の変化によるものなのかは分かれません。当局が動いたのは、その区別を付けるためでした。
米国と欧州がそれぞれ出した結論
2024年1月にFDAが出した安全性情報は、予備的な評価では薬が自殺念慮や自殺関連行動を引き起こす証拠は見つからなかったと述べています。有害事象報告の詳細な検討でも明確な関連は示されず、大規模な臨床試験や観察研究でも関連は見られませんでした。
一方でFDAは、事例の数がどちらの群でも少ないため小さなリスクを完全には否定できないとして、検討を続ける姿勢もあわせて示しました。「関係なし」と言い切ったわけではない点は、押さえておきたいところです。
欧州では2024年4月、EMAの安全性委員会がデュラグルチド、エキセナチド、リラグルチド、リキシセナチド、セマグルチドの5成分について、自殺や自傷の思考・行動との因果関係を支持する証拠はないと結論し、製品情報の更新は要らないと判断しています。
注意したいのは、この5成分にマンジャロの成分であるチルゼパチドが入っていない点でしょう。欧州の結論をそのままマンジャロへ当てはめる読み方は、正確とはいえません。
2026年に警告の削除が要請されたのはなぜ?
2026年1月13日、FDAは肥満や過体重に対して承認された3つの製剤、すなわちリラグルチド、セマグルチド、チルゼパチドの減量用製剤について、自殺念慮と自殺関連行動に関する記載を添付文書から削除するよう求めました。
根拠となったのは、GLP-1受容体作動薬の開発計画を横断してプラセボ対照試験91件・107,910人(実薬60,338人、プラセボ47,572人)をまとめたメタ解析です。
この解析では、自殺念慮や自殺関連行動だけでなく、不安、うつ、易刺激性、精神病といった精神系の有害事象も増えていませんでした。
保険請求データを用いた後ろ向きの研究でも、2型糖尿病でGLP-1受容体作動薬を始めた1,161,983人とSGLT2阻害薬を始めた1,081,155人が比べられ、意図的な自傷の増加は認められていません。
あわせてFDAは、血糖の改善を目的に承認されたGLP-1受容体作動薬の添付文書には、もともとこの記載がなかったとも述べています。国内で承認されているマンジャロの効能・効果は2型糖尿病で、添付文書に抑うつや自殺念慮の記載はありません。
マンジャロと鬱の関連を調べた研究で、どこまで見えているか
大規模なデータを使った研究は、いずれもGLP-1受容体作動薬でうつや自殺念慮が増えるという結果を出していません。ただし、マンジャロそのものを対象にした研究はまだ多くなく、多くはセマグルチドやリラグルチドを調べたものです。
糖尿病の人を追った大規模なコホート
米国の電子カルテネットワークを使った研究では、2型糖尿病でセマグルチドを処方された人が、シタグリプチン、エンパグリフロジン、グリピジドを処方された人と傾向スコアで1対1に照合されました。照合後の人数はそれぞれ23,386人、22,584人、19,206人です。
1年以内に起きた22の神経・精神アウトカムを比べた結果、うつ、不安、自殺傾向のいずれについてもリスクの上昇は見られませんでした。低い値が出た項目もありますが、観察研究であるため、臨床試験での確認が要ると著者は述べています。
過体重や肥満のある240,618人を対象にした別の大規模研究でも、2型糖尿病の1,589,855人で確かめ直した解析でも、セマグルチドで自殺念慮のリスクが高まるという結果は出ていません。
肥満のある人を対象にした臨床試験の事後解析
大きな精神疾患の既往がない成人を組み入れた第3相試験をまとめ、後から解析し直した報告があります。3,377人と304人のデータで、うつ症状を測る質問票の推移が調べられました。
68週の時点でセマグルチド群の平均スコアは2.0、プラセボ群は2.4で、群間差はマイナス0.56(95%信頼区間 マイナス0.81〜マイナス0.32)でした。より重いうつの区分へ移る人もセマグルチド群で少なく、オッズ比は0.63(0.50〜0.79)です。
自殺念慮や自殺関連行動の報告は両群とも1%以下にとどまり、差は認められませんでした。ただし対象は精神疾患の既往がない人であり、既往のある人へそのまま広げられる結果ではありません。
副作用報告のデータベースでは薬ごとに信号が違う
世界保健機関の副作用データベースを使った解析では、セマグルチドで107件、リラグルチドで162件の自殺・自傷に関する報告が集計され、報告の偏りが検出されたのはセマグルチドの自殺念慮だけでした(報告オッズ比1.45、95%信頼区間1.18〜1.77)。
米国の有害事象報告制度と世界保健機関のデータベースを合わせ、リラグルチド、セマグルチド、チルゼパチドを比べた2025年の解析でも、うつ病性障害の報告の偏りが両方で有意だったのはセマグルチドだけです。チルゼパチドとリラグルチドでは検出されませんでした。
ただし、報告の偏りは注目度や報告する側の癖に左右されるため、それ自体は因果を示しません。信号が出た薬でも出なかった薬でも、この種の解析だけで結論は付かないと考えてください。
| 研究の種類 | 主に調べられた薬 | 読み取れる範囲 |
|---|---|---|
| 電子カルテを使った大規模な比較 | セマグルチド | 1年以内のうつ・不安・自殺傾向の増加は見られなかった |
| 無作為化試験の事後解析 | セマグルチド | うつ症状の指標に悪化はなく、自殺念慮の報告も両群で1%以下 |
| 副作用報告のデータベース解析 | セマグルチド、リラグルチド、チルゼパチド | 報告の偏りはセマグルチドだけに出たが、因果までは示せない |
マンジャロを疑う前に、糖尿病と鬱はたがいを引き寄せる
気分の落ち込みを薬に結びつける前に、糖尿病と抑うつがもともと重なりやすい関係にある点を置いておく必要があります。しかも、そのつながりは一方通行ではありません。
| つながりの向き | 報告されている内容 | 調べた集団 |
|---|---|---|
| 気分の不調から糖尿病へ | 精神疾患の診断がある人ほど2型糖尿病を発症しやすい(調整ハザード比1.20) | 韓国の20〜39歳・約645万人 |
| 糖尿病と気分の相互作用 | 抑うつとHbA1cのあいだに双方向のつながりがある | 8件のレビュー・のべ約30万人 |
| 気分の不調から合併症へ | うつ病があると心不全が起こりやすい(ハザード比1.32) | 英国の2型糖尿病・13,706人 |
気分の不調は糖尿病の人に珍しくない
韓国の全国データで20〜39歳の若年成人6,457,991人を平均7.59年追った研究では、精神疾患の診断がある人のほうが2型糖尿病を発症しやすく、調整後のハザード比は1.20(95%信頼区間1.17〜1.22)でした。
内訳を見ると、うつ病では1.24(1.20〜1.28)、不安障害では1.13(1.11〜1.16)、睡眠障害では1.31(1.27〜1.35)と、いずれも1を上回っています。若年成人を対象にした結果である点は、割り引いて読む必要があるでしょう。
落ち込みが続くと血糖の管理まで崩れやすい
観察研究のレビューを集めて整理した2025年の報告では、8件のレビュー・のべ約307,019人分の結果から、抑うつとHbA1cのあいだに双方向のつながりが示されました。心が沈むと管理が緩み、値が乱れるとさらに気持ちが沈む、という往復です。
低中所得国の39研究・22,456人をまとめたメタ解析では、対象の21%にうつがあり、うつがある人は血糖コントロールが良くないオッズ比が2.01(1.41〜2.86)でした。交絡を調整した後でも1.52(1.20〜1.92)です。
日本と医療環境は違うものの、向きはそろっています。気分の状態を診療の話題として扱う理由も、この重なりにあります。
気分の状態は合併症の起こりやすさにも関わる
英国の大規模コホートで2型糖尿病の13,706人を平均13年追った解析では、うつ病がある人は心不全のハザード比が1.32(1.09〜1.61)、動脈硬化性の心血管疾患が1.17(1.03〜1.32)、細小血管の合併症が1.29(1.14〜1.46)でした。
診断まで至らない抑うつ症状でも、同じ向きの結果が出ています。気分の不調を「気の持ちよう」で片づけない理由は、こうした数字にあります。
マンジャロ使用中の精神症状で低血糖を先に疑う理由
いらだちや集中しにくさは、低血糖でも起こります。マンジャロの添付文書は低血糖を重大な副作用として挙げており、心の問題と決めてしまう前に確かめたい相手です。
低血糖のときに体が出す合図
添付文書に挙がっている低血糖症状は、体の反応として現れるものが中心です。次のような症状が、単独でも、いくつか組み合わさっても出ます。
- 脱力感、高度の空腹感
- 冷汗、顔面蒼白
- 動悸、振戦(ふるえ)
- 頭痛、めまい
- 嘔気、視覚の異常
冷汗や動悸、ふるえは不安の発作と見分けがつきにくく、脱力感や頭痛は気分の落ち込みと重なって見えます。心の不調と早合点すると、糖質を取れば収まる状態を見逃しかねません。
いっしょに使う薬でリスクは変わる
マンジャロを単独で使うときよりも、他の糖尿病の薬と組み合わせたときのほうが低血糖は起こりやすくなります。添付文書は、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤、インスリン製剤との併用でリスクが増えるおそれがあると記しています。
これらと併用する場合には、低血糖のリスクを下げるために併用薬を減らす検討が求められています。インスリン製剤やスルホニルウレア剤との併用で、重い低血糖から意識を失った例も報告されました。
| 組み合わせる薬 | 添付文書の記載 | 診療で取られる対応 |
|---|---|---|
| スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤 | 併用で低血糖のリスクが増えるおそれ | 併用薬を減らす検討 |
| インスリン製剤 | 併用で重い低血糖から意識消失に至った例の報告 | 併用薬を減らす検討と、低血糖症状の説明 |
| α-グルコシダーゼ阻害剤 | 低血糖時にはブドウ糖を投与 | ブドウ糖を携帯する手配 |
おかしいと感じたら、まず何を確かめる?
低血糖が疑われる場面では、糖質を含む食品を取るのが基本的な対処になります。α-グルコシダーゼ阻害剤を併用している場合には、ブドウ糖でなければ効き目が間に合いません。
添付文書は、低血糖症状とその対処方法を患者へ十分説明するよう医療者に求め、高所での作業や自動車の運転に従事する人への注意も明記しています。同じような症状を繰り返すなら、薬の組み合わせを見直す相談が要ります。
マンジャロ服用中の体調の変化が気分に響くみちすじ
薬を始めてから何となく元気が出ない、という訴えは珍しくありません。薬が直接気分を変えなくても、食事量や消化器の症状、体重の動きが心の状態を左右します。
食べる量が減ると気力まで落ちやすい
マンジャロは胃の内容物が出ていく速さを緩めるため、満腹感が長く続きます。食欲減退は添付文書に挙がった副作用の一つで、食事の量が自然に減る人もいます。
減った分だけたんぱく質やビタミン、鉄が不足すると、疲れやすさや気力の低下として表に出ます。体重が落ちているから順調、と単純には言い切れません。
吐き気や下痢が長引いたときの消耗
悪心、嘔吐、下痢、便秘、腹痛といった消化器の症状は、添付文書でも頻度の高い副作用として並んでいます。多くは体が慣れるにつれて和らいでいきます。
ただ、症状が長引けば睡眠は浅くなり、食事も楽しめなくなります。体の消耗が続けば気分は沈みやすく、それを薬による抑うつと感じ取る場合もあるでしょう。
体重が動く時期の眠りと疲れやすさ
体重が短い期間で動くと、睡眠の質や日中の活動量まで変わります。添付文書は、過度の体重減少がみられたときには減量または投与の中止を考慮するよう求めています。
また、開始時のBMIが23未満の人での有効性と安全性は検討されていません。もともと痩せ型の人が体重を落としていく時期には、体調の変化を細かく見ておく必要があります。
| 体に起きる変化 | 背景にあるもの | 気分に出やすい形 |
|---|---|---|
| 食べる量が減る | 食欲の低下と満腹感の持続 | 気力が続かない、外出がおっくうになる |
| 吐き気や下痢が長引く | 胃腸の動きがゆっくりになる | 眠りが浅くなり、いらだちが増える |
| 体重が短期間で動く | 摂取量と活動量の釣り合いの変化 | 疲れやすさ、集中しにくさ |
マンジャロを使う人が見逃したくない精神症状のサイン
二週間以上続く気分の落ち込みと、これまで楽しめた活動への興味が薄れた状態が重なるなら、受診の合図です。マンジャロを使っているかどうかにかかわらず、この目安は変わりません。
二週間以上続く落ち込みと、楽しめなさ
一日だけ気分が晴れない日は誰にでもあります。判断の軸になるのは、落ち込みが二週間以上ほぼ毎日続いているか、そして以前は楽しめた活動への関心が失われているかです。
この二つがそろうと、日常の負担は目に見えて重くなります。仕事や家事の段取りが組めない、人と会う約束を先延ばしにする、といった変化が手がかりになります。
眠れない、食べられない、体が重い
気分の症状は、体の症状として先に出る場合もあります。寝つけない、朝早く目が覚めて眠り直せない、食欲が落ちる、体が鉛のように重い、といった訴えが代表的です。
これらは低血糖や消化器の副作用とも重なるため、症状だけで原因は決まりません。だからこそ、自分の判断で薬をやめる前に、診察で並べて見てもらう価値があります。
消えてしまいたい気持ちが浮かんだとき
自分がいなくなったほうがよい、という考えが頭をよぎったときは、その場で医療につながってください。FDAも、新たに生じた、あるいは悪化した抑うつ、自殺念慮、ふだんと違う気分や行動の変化があれば医療者に伝えるよう求めています。
日本では厚生労働省が「まもろうよ こころ」という案内を出しており、電話やSNSで相談できる公的な窓口がまとめられています。24時間受け付けている窓口もあり、夜間でも話せます。
- 二週間以上続く気分の落ち込み
- 以前は楽しめた活動への興味の薄れ
- 寝つけない、朝早く目が覚める
- 自分を責める気持ちの強まり
- 消えてしまいたいという考え
一人で抱え込む時間が長いほど、判断の幅は狭くなります。家族や職場の人へ「今つらい」と伝えるだけでも、次の一歩は動かしやすくなるでしょう。
まわりの人が先に気づく変化
本人よりも、同居する家族や職場の同僚が先に異変に気づく場合があります。口数が減った、身なりに構わなくなった、遅刻や欠勤が増えた、といった変化が代表的です。
気づいた側が「一度みてもらおう」と一言添えるだけで、受診までの時間は短くなります。責める形ではなく、体調の話として持ちかけるほうが伝わりやすいはずです。
マンジャロを続けながら心の不調を相談するには
気になる症状が出ても、自分の判断で注射を中断しない選択が基本になります。FDAは、医療者に相談せずに止めると状態が悪化しうると明記しています。
自分の判断でやめないほうがよい理由
血糖の管理は、薬を止めた時点から崩れ始めます。マンジャロは持続性の製剤で、中止した後もしばらく効果が残るため、切り替えの判断には血糖の見通しが要ります。
気分の不調がつらいときほど、受診の予定は先送りになりがちです。次の診察を待たずに連絡してよいかどうかを、あらかじめ確かめておくと動きやすくなります。
診察で伝えると話が早い情報
診察の時間は限られています。症状の経過をあらかじめ整理しておくと、薬の影響と他の要因を分けて考えやすくなります。
- 症状が始まった時期と、注射を始めた時期
- 一日の食事量と、体重の動き
- 眠れている時間と、目が覚める回数
- 併用している薬とサプリメント
- 低血糖らしい症状が出た時刻と、そのときの状況
手帳やスマートフォンのメモで十分です。記録が数日分しかなくても、症状の始まった時期が分かるだけで判断の材料になります。
もともと気分の不調がある人が始めるとき
フランスの全国医療データを使った研究では、2013年から2021年に自殺で亡くなったか自殺企図で入院した1,102人と、5,494人の対照が比べられました。平均年齢は57.4歳、67.6%に最近の精神科の既往、51.3%に肥満がありました。
この集団でGLP-1受容体作動薬の使用は自殺や自殺企図のリスク上昇と関連せず、オッズ比は0.62(95%信頼区間0.51〜0.75)でした。精神科の既往や肥満の有無で分けても、結果の向きは変わっていません。
とはいえ、既往のある人ほど気分の変化を自分では捉えにくい時期があります。治療を始める前にこれまでの経過を主治医へ伝えておくと、精神科や心療内科との連携も取りやすくなります。
よくある質問
- Qマンジャロを使うと鬱になりやすくなりますか?
- A
現時点で、マンジャロを含むGLP-1受容体作動薬が鬱を引き起こすという因果関係は確認されていません。米国と欧州の規制当局はどちらも、関連を裏づける証拠は見つからなかったと公表しています。
ただし米国は、事例の数が少ないため小さなリスクを完全には否定できないとして、検討を続ける姿勢も示しました。気分の変化が続くなら、薬のせいかどうかを自分で決めずに主治医へ伝える段取りが安全です。
- Qマンジャロの添付文書に鬱や自殺念慮の記載はありますか?
- A
国内で承認されているマンジャロの効能・効果は2型糖尿病で、添付文書に抑うつや自殺念慮の記載はありません。精神神経系の副作用として挙がっているのは、味覚不全と異常感覚です。
米国では2026年1月、肥満や過体重に対して承認された製剤について、規制当局が同様の記載の削除を要請しました。血糖の改善を目的に承認された製剤には、もともとその記載がありませんでした。
- Qマンジャロを使っていて気分が落ち込んだら、注射をやめるべきですか?
- A
自分の判断でやめる方法は勧められません。米国の規制当局も、医療者に相談せずに止めると状態が悪化しうると明記しています。
まず主治医へ連絡し、低血糖や消化器症状、食事量の変化といった他の要因と並べて確かめる流れが現実的です。中止や変更が必要かどうかは、血糖の見通しも含めて一緒に決めていきます。
- Qマンジャロによるいらだちや不安は、低血糖と見分けられますか?
- A
症状だけで見分けるのは難しく、確かめる手立ては血糖の値です。添付文書に挙がる低血糖症状には冷汗、動悸、振戦、脱力感、頭痛などがあり、不安の発作と重なって見えます。
スルホニルウレア剤やインスリン製剤を併用しているとリスクは上がります。症状が出た時刻と、そのときの食事や注射のタイミングを控えておくと、診察での判断が早まります。
- Qマンジャロの使用中に家族が変化に気づいたら、どう声をかければよいですか?
- A
責める形ではなく、体調の話として持ちかけるほうが届きやすいでしょう。口数が減った、眠れていない、食事の量が変わった、といった具体的な変化を一つ挙げると伝わります。
本人が受診をためらう場合もあります。厚生労働省のウェブサイトには電話やSNSで相談できる公的な窓口がまとめられており、次の一歩を探す手がかりになります。


