「コンコン」と痰の絡まない乾いた咳が続いていませんか?一時的なものだろうと考えていても、長引くと気になりますし、仕事や睡眠など日常生活にも支障をきたします。

この記事では、痰の出ない咳「乾性咳嗽(からせき)」について、その特徴や考えられる原因、ご自身でできる対処法、そして医療機関を受診する目安などを詳しく解説します。

乾性咳嗽(からせき)の基本

咳は身体の防御反応の一つですが、その性質によって種類が分かれます。ここでは、乾性咳嗽の基本的な特徴と、もう一つの代表的な咳である湿性咳嗽(しっせいがいそう)との違いを理解しましょう。

乾性咳嗽の定義と特徴

乾性咳嗽は、その名の通り「乾いた咳」を指し、医学的には「非生産的な咳」とも表現します。これは、咳をしても気道内の異物や分泌物である痰(たん)がほとんど、あるいは全く排出されない状態です。

音で表現すると「コンコン」「ケンケン」といった軽い音が特徴です。気道に炎症や刺激が加わることで咳反射が起こり、発作的に咳き込むことも少なくありません。

特に、就寝時や早朝、会話中や温度変化があった時などに咳が出やすくなる傾向があります。

湿性咳嗽(しっせいがいそう)との違い

乾性咳嗽と対照的なのが「湿性咳嗽」です。こちらは「ゴホゴホ」「ゼロゼロ」といった湿った音が特徴で、咳と共に痰が排出されます。

痰は、ウイルスや細菌の死骸、気道粘膜の細胞などが混じったもので、これを体外に出すための合理的な反応です。

乾性咳嗽が気道の過敏性や炎症によって起こるのに対し、湿性咳嗽は気道内の分泌物を取り除くという明確な目的があります。

乾性咳嗽と湿性咳嗽の比較

項目乾性咳嗽(空咳)湿性咳嗽(痰咳)
音の特徴コンコン、ケンケンゴホゴホ、ゼロゼロ
痰の有無ほとんど、あるいは全く出ない出る
主な原因気道の過敏性、炎症、刺激気道内の分泌物(痰)の排出

咳が身体に与える影響

長引く咳は、単に不快なだけでなく、身体に様々な負担をかけます。激しい咳が続くと、体力を消耗し、疲労感が増します。夜間に咳が続けば睡眠不足につながり、日中の集中力低下や倦怠感の原因となります。

また、咳き込むことで頭痛が起きたり、胸や背中の筋肉を痛めたりすることもあります。稀なケースですが、強い咳で肋骨にひびが入る(肋骨疲労骨折)ことさえあります。

咳が続く場合は、その原因を突き止め、適切に対処することが大切です。

乾性咳嗽(からせき)の主な原因

痰の出ない乾いた咳が続く背景には、様々な原因が隠れています。ここでは、日常生活で遭遇しやすい代表的な原因をいくつか紹介します。

風邪や感染症の後に続く咳

風邪(かぜ症候群)やインフルエンザ、その他のウイルス感染症にかかった後、熱や喉の痛みといった主な症状は治まったのに、咳だけが数週間続くことがあります。

これは「感染後咳嗽(かんせんごがいそう)」と呼ばれます。ウイルスによって気道粘膜が傷つき、知覚が過敏になることで、わずかな刺激でも咳が出やすい状態が続きます。

通常は時間と共に自然に治まりますが、3週間以上続く場合は他の原因も考える必要があります。

アレルギー反応による咳

特定のアレルゲン(アレルギーの原因物質)を吸い込むことで、気道にアレルギー性の炎症が起こり、乾性咳嗽を引き起こすことがあります。

代表的なアレルゲンには、ハウスダスト、ダニ、カビ、ペットのフケ、花粉などがあります。特定の季節や環境で咳が悪化する場合、アレルギーが原因かもしれません。

アレルギー性鼻炎を持つ人が、鼻水が喉に流れる「後鼻漏(こうびろう)」によって咳が出ることもあります。

逆流性食道炎と咳の関係

胃酸が食道へ逆流する「逆流性食道炎」も、長引く乾性咳嗽の原因の一つです。逆流した胃酸が食道下部を刺激し、その刺激が迷走神経を介して咳中枢に伝わることで咳が出ます。

また、就寝中に胃酸が喉(咽頭・喉頭)まで上がってきて、直接気道を刺激することもあります。

胸やけや呑酸(どんさん、酸っぱいものが上がってくる感じ)といった典型的な症状がなくても、咳だけが症状として現れる場合があるため注意が必要です。

主な乾性咳嗽の原因と特徴

原因特徴咳以外の主な症状
感染後咳嗽風邪などの後に咳だけが残る通常はなし
アレルギー特定の季節や環境で悪化する鼻水、くしゃみ、目のかゆみなど
逆流性食道炎横になると悪化しやすい、食後に出やすい胸やけ、呑酸、胃もたれ

薬剤による副作用

服用している薬の副作用として、乾性咳嗽が現れることがあります。特に、高血圧の治療に用いる「ACE阻害薬」という種類の薬は、副作用として咳が出やすいことで知られています。

薬を飲み始めてから数週間〜数ヶ月で咳が出始めることが多く、薬を中止すると咳は治まります。

もし治療中の病気があり、新しい薬を始めてから咳が気になるようになった場合は、自己判断で薬をやめず、処方した医師や薬剤師に相談してください。

乾性咳嗽(からせき)と関連の深い病気

長引く乾性咳嗽は、特定の病気のサインである可能性もあります。3週間以上続く場合は、単なる咳と軽視せず、背景にある病気を疑うことも重要です。

ここでは、乾性咳嗽を主な症状とする代表的な病気を紹介します。

咳喘息(せきぜんそく)

咳喘息は、一般的な気管支喘息のような「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という喘鳴(ぜんめい)や呼吸困難がなく、乾いた咳だけが唯一の症状として長期間続く病気です。

気道の炎症が原因で、気道が様々な刺激に対して過敏になっています。そのため、冷たい空気、タバコの煙、会話、運動、アレルゲンなど、ささいなきっかけで激しい咳の発作が起こります。

風邪をひいた後に発症することも多いです。放置すると、約3割が本格的な気管支喘息に移行すると言われています。

アトピー咳嗽(がいそう)

アトピー咳嗽も、咳喘息と同様に喘鳴や呼吸困難を伴わず、乾いた咳が長く続く病気です。

喉のイガイガ感やかゆみを伴うことが多く、アレルギー素因を持つ人(アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎、花粉症の既往がある人など)に多く見られます。

咳喘息との違いは、気管支拡張薬が効きにくい点です。咳喘息では気管支が収縮していますが、アトピー咳嗽では主に喉(咽頭・喉頭)の感受性が高まっていると考えられています。

咳を主症状とする病気の違い

病名主な特徴効果が期待できる薬
咳喘息喘鳴のない咳、夜間や早朝に悪化気管支拡張薬、吸入ステロイド薬
アトピー咳嗽喉のイガイガ感を伴う咳ヒスタミンH1拮抗薬、吸入ステロイド薬
感染後咳嗽感染症の後に続く咳、自然軽快傾向咳止め(鎮咳薬)など対症療法

間質性肺炎(かんしつせいはいえん)

間質性肺炎は、肺の中で酸素交換を担う「肺胞」の壁(間質)に炎症や線維化が起こる病気の総称です。乾性咳嗽のほか、進行すると体を動かした時に息切れ(労作時呼吸困難)が現れます。

原因は様々で、関節リウマチなどの膠原病に伴うもの、薬剤や粉じんが原因のもの、原因不明の特発性のものなどがあります。聴診で「パチパチ」という特徴的な音(捻髪音)が聞こえることがあります。

早期発見、早期治療が重要な病気の一つです。

その他の呼吸器疾患

上記以外にも、乾性咳嗽を引き起こす病気はあります。例えば、百日咳は特有のけいれん性の咳発作が特徴ですが、成人では非典型的な症状で長引く咳だけが続くことがあります。

また、肺がんや肺結核の初期症状として乾いた咳が見られることもあります。これらの病気は頻度が高いわけではありませんが、咳が長引く場合には、可能性の一つとして念頭に置く必要があります。

自宅でできるセルフケアと注意点

咳の原因を特定し、治療を受けることが根本的な解決策ですが、つらい咳の症状を和らげるために、日常生活の中で工夫できることもあります。

ここでは、ご自身でできるセルフケアと、市販薬を使用する際の注意点を紹介します。

室内の湿度と温度の調整

空気が乾燥していると、喉の粘膜が乾いて刺激を受けやすくなり、咳が出やすくなります。

特に冬場やエアコンの使用中は空気が乾燥しがちです。加湿器を使用したり、濡れたタオルを室内に干したりして、湿度を50~60%程度に保つことを心がけましょう。

また、急激な温度変化も気道を刺激します。寒い屋外から暖かい室内へ入る時などは、マスクをするなどして温度差を和らげる工夫も有効です。

快適な室内環境のポイント

項目目安工夫の例
湿度50~60%加湿器の使用、洗濯物の室内干し
温度快適と感じる温度エアコンの設定温度を調整、寒暖差を避ける

水分補給の重要性

喉の乾燥を防ぎ、粘膜を潤すためには、こまめな水分補給がとても重要です。一度にたくさん飲むのではなく、少量を頻繁に飲むのが効果的です。

水やお茶(カフェインの少ない麦茶やハーブティーなど)がおすすめです。喉がイガイガする時には、はちみつを加えたぬるま湯なども、喉を潤し炎症を和らげる助けになります。

ただし、1歳未満の乳児にはちみつを与えることは避けてください。

喉への刺激を避ける工夫

咳を誘発するような刺激を日常生活から減らすことも大切です。喫煙は気道に強い刺激を与え、咳を悪化させる最大の要因の一つです。

ご自身が吸うことはもちろん、副流煙(受動喫煙)も避ける必要があります。また、香辛料の多い食事や、熱すぎる・冷たすぎる飲食物も喉への刺激となることがあります。

喉への刺激を避けるための具体例

  • 禁煙・受動喫煙の回避
  • アルコール飲料の摂取を控える
  • 香辛料の強い食べ物を避ける
  • 大声での会話や長電話を控える

市販薬を使用する際の注意

咳が続く場合、市販の咳止め薬を試すこともあるでしょう。しかし、咳の原因によって適した薬は異なります。例えば、アレルギーが原因の咳に、一般的な風邪用の咳止め薬が効かないこともあります。

市販薬を2~3日使用しても症状が改善しない、あるいは悪化する場合には、使用を中止して医療機関を受診してください。薬を選ぶ際には、薬剤師に相談し、ご自身の症状を正確に伝えることが重要です。

医療機関を受診するタイミング

多くの咳は自然に治まりますが、中には専門的な診断や治療が必要なケースもあります。ここでは、どのような場合に医療機関を受診すべきか、その目安について解説します。

咳が続く期間の目安

咳が続く期間は、受診を考える上で重要な指標です。一般的に、3週間未満で治まる咳を「急性咳嗽」、3週間以上8週間未満続く咳を「遷延性(せんえんせい)咳嗽」、8週間以上続く咳を「慢性咳嗽」と分類します。

風邪などの感染症による咳は通常3週間以内に軽快します。もし3週間以上咳が続くようであれば、単なる風邪のなごりではない可能性を考え、一度医療機関を受診することを推奨します。

咳が続く期間と受診の目安

咳の期間分類受診の推奨度
3週間未満急性咳嗽症状が強い場合や他の症状があれば検討
3週間以上遷延性・慢性咳嗽原因精査のため受診を強く推奨

注意すべき随伴症状

咳以外に特定の症状を伴う場合は、早めの受診が必要です。

以下のような症状が見られる場合は、重篤な病気が隠れている可能性もあるため、咳が出始めてからの期間にかかわらず、速やかに医師の診察を受けてください。

緊急性の高い随伴症状

症状考えられる状態
呼吸困難・息切れ肺炎、気管支喘息の重積発作、心不全、肺塞栓症など
高熱が続く肺炎、結核などの重い感染症
血痰(痰に血が混じる)肺がん、肺結核、気管支拡張症など
急激な体重減少肺がんなどの悪性疾患、慢性消耗性疾患

何科を受診すればよいか

長引く咳でどの診療科にかかればよいか迷う方も多いでしょう。まずはかかりつけの内科や、呼吸器内科を受診するのが一般的です。

アレルギーが疑われる場合や、鼻の症状が強い場合は耳鼻咽喉科も選択肢になります。どこを受診すべきか迷った場合は、まずはお近くの内科クリニックに相談してみましょう。

症状に応じた診療科の選択

主な症状推奨される診療科補足
長引く咳全般呼吸器内科、一般内科まずはここから相談するのが基本です。
鼻水・鼻づまり・喉の違和感耳鼻咽喉科後鼻漏などが疑われる場合に適します。
胸やけ・呑酸消化器内科逆流性食道炎が疑われる場合に適します。

医療機関で行う検査

医療機関では、咳の原因を正確に突き止めるために様々な検査を行います。問診から始まり、必要に応じて画像検査や機能検査などを組み合わせて総合的に診断します。

問診と聴診の重要性

診断において最も重要な情報源となるのが問診です。医師は、咳がいつから始まったか、どんな時に出やすいか、既往歴やアレルギーの有無、服用中の薬、生活環境などについて詳しく質問します。

正確な情報を伝えることが、的確な診断への近道です。

問診で伝えるべき情報

  • 咳の始まった時期と期間
  • 咳が出やすい時間帯や状況(夜間、運動時など)
  • アレルギー(花粉症など)や喘息の既往歴
  • 服用中のすべての薬(お薬手帳を持参すると良い)
  • 喫煙歴

その後、胸の音を聴く聴診を行います。聴診器を通して、気管支が狭くなっている音(喘鳴)や、肺炎を示唆する異常な音(副雑音)がないかを確認します。

レントゲン・CT検査

胸部X線(レントゲン)検査は、肺や心臓、大血管の異常を調べる基本的な画像検査です。肺炎や肺がん、肺結核、心不全などの病気の有無を確認できます。

咳喘息やアトピー咳嗽では、レントゲン検査で異常が見られないことがほとんどです。レントゲン検査で異常が疑われたり、より詳しく肺の状態を調べる必要がある場合には、胸部CT検査を行います。

CT検査では、レントゲンでは分かりにくい微細な病変や間質性肺炎の広がりなどを詳細に評価できます。

呼吸機能検査(スパイロメトリー)

呼吸機能検査は、息を吸ったり吐いたりして、肺の容積や気道の空気の通りやすさを調べる検査です。

特に、思い切り息を吸い込んでから、できるだけ速く一気に吐き出した時の空気の量(努力性肺活量)と、最初の1秒間で吐き出せる空気の量(1秒量)を測定します。

この比率(1秒率)を見ることで、気道が狭くなっているかどうかを評価でき、咳喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の診断に役立ちます。

血液検査・アレルギー検査

血液検査では、体内の炎症反応の程度(CRPや白血球数)を調べたり、特定の病原体に対する抗体価を測定したりします。また、アレルギーが疑われる場合には、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を特定するための検査(特異的IgE抗体検査など)を行うこともあります。

どの物質に対してアレルギー反応を起こしているかが分かれば、それを避けるという具体的な対策につながります。

乾性咳嗽(からせき)の治療法

乾性咳嗽の治療は、その原因によって大きく異なります。対症療法で咳を抑えるだけでなく、原因となっている病気そのものを治療することが根本的な解決につながります。

原因に応じた治療の考え方

治療の基本は、原因疾患の特定と、それに対する根本的な治療です。例えば、咳喘息であれば気道の炎症を抑える吸入ステロイド薬や気管支を広げる気管支拡張薬を用います。

逆流性食道炎が原因であれば胃酸の分泌を抑える薬、薬剤性が原因であれば原因薬剤の中止や変更を検討します。このように、咳という症状だけを見るのではなく、その背景にある病態を正確に把握し、適切な治療法を選択することが重要です。

原因がはっきりしない場合でも、考えられる病態に合わせて治療を進め、その反応を見ながら診断を確定していくこともあります。

咳を和らげる薬物療法

原因疾患の治療と並行して、つらい咳の症状を和らげるための対症療法も行います。これには様々な種類の薬が用いられます。

乾性咳嗽に用いられる主な薬剤

薬剤の種類主な作用代表的な病態
鎮咳薬(ちんがいやく)咳中枢に作用し咳反射を抑える原因を問わず、つらい咳症状の緩和
吸入ステロイド薬気道の炎症を強力に抑える咳喘息、アトピー咳嗽
抗ヒスタミン薬アレルギー反応を抑えるアトピー咳嗽、アレルギー性鼻炎に伴う咳

これらの薬は、医師が患者さん一人ひとりの状態に合わせて処方します。自己判断で服用したり中断したりせず、指示通りに使用することが大切です。

非薬物療法と生活習慣の改善

薬物療法だけでなく、生活習慣を見直すことも治療の重要な一部です。禁煙は、呼吸器疾患の治療において最も効果的な非薬物療法です。

アレルギーが原因の場合は、アレルゲンを回避する環境整備(こまめな掃除、寝具の工夫など)が有効です。また、バランスの取れた食事や適度な運動、十分な休養は、体の免疫機能を正常に保ち、回復を助けます。

ストレスも咳を悪化させる一因となることがあるため、リラックスできる時間を作るなど、心身のケアも心がけましょう。

乾性咳嗽に関するよくある質問

Q
子供の乾性咳嗽で気をつけることは?
A

子供は大人に比べて気道が狭く、少しの炎症でも咳がひどくなりやすい傾向があります。

特に、犬が吠えるような「ケンケン」という咳や、オットセイの鳴き声のような咳(犬吠様咳嗽)が特徴のクループ症候群は、夜間に急に発症し呼吸困難を伴うことがあるため注意が必要です。

また、小さな異物(おもちゃの部品や豆など)を誤って飲み込んでしまい、それが気管に入って咳き込んでいる可能性も考慮しなければなりません。

咳に加えて、顔色が悪い、呼吸が苦しそう、食事や水分がとれないといった症状がある場合は、夜間や休日でも速やかに医療機関を受診してください。

Q
喫煙は乾性咳嗽に影響しますか?
A

喫煙は乾性咳嗽に大きな影響を与えます。タバコの煙に含まれる数多くの有害物質は、気道の粘膜を直接刺激し、慢性的な炎症を引き起こします。これにより、気道が過敏になり、咳が出やすい状態になります。

また、喫煙は咳喘息やCOPDなど、咳を主症状とする多くの呼吸器疾患の最大のリスク因子です。ご自身が吸うだけでなく、家族など周りの人が吸うタバコの煙(副流煙)を吸い込む受動喫煙も同様に有害です。

長引く咳を改善するためには、禁煙することが最も重要です。

Q
特定の季節に咳が悪化するのはなぜですか?
A

特定の季節に咳が悪化する場合、いくつかの原因が考えられます。春や秋であれば、スギやヒノキ、ブタクサといった植物の花粉がアレルゲンとなって、アレルギー性の咳を引き起こしている可能性があります。

冬は、空気が乾燥していることに加え、気温の低下が気道を刺激したり、風邪やインフルエンザなどの感染症が流行したりすることが原因となります。

夏は、エアコンによる室内外の温度差や、空気の乾燥、夏型過敏性肺炎といったカビが原因の特殊な肺炎なども考えられます。季節と症状の関連性を記録しておくと、診断の助けになります。

Q
咳で眠れない時の対処法はありますか?
A

夜間の咳で眠れないのはつらいものです。いくつかの工夫で症状が和らぐことがあります。まず、寝室の湿度を保つために加湿器を使いましょう。

上半身を少し高くして寝ると、気道への刺激や胃酸の逆流が軽減され、咳が出にくくなることがあります。枕を重ねたり、リクライニングベッドを使ったりするのも良い方法です。また、就寝前にカフェインの入っていない温かい飲み物(ハーブティーなど)を飲んで喉を潤すのも効果的です。

それでも咳がひどくて眠れない場合は、我慢せずに医療機関に相談し、適切な治療を受けてください。

以上

参考にした論文